「rack」は英語で名詞としても動詞としても使われる言葉です。基本的には「棚」や「ラック」という意味の名詞として使われることが多いですが、動詞として「かける」や「苦しめる」という意味でも使われます。また、いくつかの熟語の中でも重要な役割を果たしています。
この記事では、「rack」の様々な意味や使い方を例文とともに分かりやすく解説していきます。
rackとは?基本的な意味と用途

「rack」は主に「物を掛けたり置いたりするための枠組みや棚」を意味する名詞です。日本語でも「ラック」としてカタカナ語で使われることが多い言葉です。物を整理するための棚や、特定の目的のために設計された枠組みを指します。
私たちの日常生活でも、「ワインラック」「本棚ラック」「洋服ラック」など、様々な種類のラックが使われています。
例文
- I put my coat on the rack. (私はコートをラックにかけました。)
- The train has luggage racks above the seats. (その電車には座席の上に荷物用のラックがあります。)
- She bought a new book rack for her room. (彼女は部屋用の新しい本棚を買いました。)
rackの名詞としての様々な意味
「rack」は名詞として使われる場合、いくつかの異なる意味を持っています。ここでは主な意味を紹介します。
物を掛けたり置いたりするための枠組み
最も一般的な使い方は、物を収納したり展示したりするための枠組みとしての「rack」です。
例文
- We need a new towel rack in the bathroom. (私たちはバスルームに新しいタオル掛けが必要です。)
- Put the dishes in the dish rack to dry. (皿を乾かすために食器ラックに置きなさい。)
- The CD rack is full of old music. (CDラックは古い音楽でいっぱいです。)
交通機関の荷物棚
電車やバスなどの交通機関でよく見られる、荷物を置くための上部の棚も「rack」と呼ばれます。
例文
- Please put your suitcase on the overhead rack. (あなたのスーツケースを上部のラックに置いてください。)
- The book fell from the luggage rack. (その本は荷物棚から落ちました。)
- I can’t reach the rack because I am too short. (私は背が低すぎてラックに手が届きません。)
料理における肉の部位
料理の文脈では、「rack of lamb」(ラム肉のあばら部分)や「rack of pork」(豚肉のあばら部分)などの表現で使われます。
例文
- We are having rack of lamb for dinner. (私たちは夕食にラム肉のあばら肉を食べます。)
- The chef prepared a delicious rack of pork. (シェフはおいしい豚のあばら肉を準備しました。)
機械におけるラック(歯車)
機械工学の分野では、「rack」は直線上に歯がついている棒状の部品を意味します。これは円形の歯車(ピニオン)と噛み合って、回転運動を直線運動に変換したり、その逆を行ったりします。
例文
- The rack and pinion system helps to steer the car. (ラックアンドピニオン式のシステムは車のハンドル操作を助けます。)
歴史的な拷問器具
歴史的には、「rack」は犠牲者を引き伸ばして拷問する装置を指していました。この意味から派生して、「苦しみ」や「痛み」を表す表現にもつながっています。
例文
- In the past, people were tortured on the rack. (過去には、人々はラックで拷問されていました。)
rackの動詞としての使い方
「rack」は動詞としても使われ、主に「苦しめる」「痛めつける」という意味を持ちます。特に精神的または肉体的な苦痛を表現する際によく使われます。
例文
- The pain racked his body. (痛みは彼の体を苦しめました。)
- She was racked with guilt. (彼女は罪悪感に苦しんでいました。)
- The cough racked him all night. (咳は一晩中彼を苦しめました。)
「racked with」と「racked by」の表現
「racked with」または「racked by」という形で、「〜に苦しめられる」という意味の表現がよく使われます。
例文
- He was racked with doubt about his decision. (彼は自分の決断について疑念に苦しめられていました。)
- The country was racked by war for many years. (その国は何年もの間、戦争に苦しめられていました。)
rackを使った熟語と表現
「rack」を含むいくつかの重要な熟語や表現があります。ここでは主なものを紹介します。
rack one’s brain
「rack one’s brain」は「頭を悩ませる」「一生懸命考える」という意味の熟語です。何かを思い出そうとしたり、問題の解決策を考えたりする際に使われます。
例文
- I racked my brain trying to remember her name. (彼女の名前を思い出そうと頭を悩ませました。)
- We racked our brains for new ideas. (私たちは新しいアイデアを求めて頭を悩ませました。)
rack up
「rack up」は「累積する」「(点数や勝利などを)獲得する」という意味の熟語です。特にスポーツや競技で点数を重ねる場合によく使われます。
例文
- Our team racked up 100 points in the game. (私たちのチームはその試合で100点を獲得しました。)
- She racked up many wins this season. (彼女は今シーズン多くの勝利を重ねました。)
- He racked up a lot of debt during college. (彼は大学時代に多くの借金を累積しました。)
go to rack and ruin
「go to rack and ruin」は「荒廃する」「崩壊する」という意味の表現です。建物や状態が悪化して荒れ果てることを表します。
例文
- The old house went to rack and ruin. (その古い家は荒廃しました。)
- Without care, the garden will go to rack and ruin. (手入れをしないと、その庭は荒れ果ててしまうでしょう。)
rackのよくある間違いと注意点
「rack」を使う際によくある間違いや注意すべき点をいくつか紹介します。
wrackとrackの混同
英語には「wrack」という似た綴りの単語があり、「破壊」や「破滅」を意味します。この2つの単語は時々混同されることがあります。特に「wrack and ruin」(荒廃)や「nerve-wracking」(神経をすり減らす)などの表現では、どちらの綴りも許容されることがあります。
しかし、棚や枠組みを意味する場合は必ず「rack」を使い、「wrack」と混同しないように注意しましょう。
例文
- I put my hat on the rack, not the wrack. (私は帽子をラックに置きました、破壊物ではありません。)
rackを含む熟語の使い分け
「rack one’s brain」と「rack up」は全く異なる意味を持つため、混同しないように注意しましょう。前者は「頭を悩ませる」、後者は「累積する」という意味です。
例文
- I racked my brain for the answer. (私は答えを求めて頭を悩ませました。)
- She racked up a high score. (彼女は高得点を記録しました。)
rackの発音
「rack」の発音は「ラック」(/ræk/)です。似た発音の単語「rock」(ロック)と混同しないように注意しましょう。
rackに関する問題
「rack」の意味と使い方を確認するために、以下の問題に挑戦してみましょう。これらの問題は「rack」の様々な使い方に関するものです。まずは問題を解いてみて、後で答え合わせをしましょう。
- 「rack」の最も基本的な意味は何ですか?
- 「rack one’s brains」というフレーズの意味は何ですか?
- 「wine rack」は何を指しますか?
- 「rack up」という句動詞の意味は何ですか?
- 「torture rack」とは何を指しますか?
- 「rack and ruin」という表現の意味は何ですか?
- 「rack of lamb」はどんな料理ですか?
- 「rack」には「雲」に関する意味もありますが、それはどんな意味ですか?
- 「clothes rack」はどんなものですか?
- 「rack」には「拷問する」という意味がありますが、これは動詞としてどのように使われますか?
「rack」に関するよくある質問
「rack」について英語学習者からよく寄せられる質問にお答えします。
- 「rack」と「shelf」の違いは何ですか?
-
「rack」は特定の目的のために設計された枠組みや棚を指し、通常は物を掛けたり、特定の方法で物を収納したりするために使われます。例えば、ワインラック、タオルラック、自転車ラックなどです。一方、「shelf」はより一般的な棚を指し、通常は壁に固定されて物を置くための平らな面を持っています。
- 「rack up」と「pile up」の違いは何ですか?
-
「rack up」は主に点数、勝利、債務などを累積することを意味し、特に競技やゲームでの得点に関して使われます。一方、「pile up」は物理的に物が積み重なることや、仕事などが増えていくことを表します。
- 「rack」を含む他の表現はありますか?
-
上記で紹介した表現以外にも、「off the rack」(既製の、棚から直接取った)という表現があり、特にファッションの文脈でカスタムメイドではない既製服を指す場合に使われます。
- 「rack rate」とは何ですか?
-
「rack rate」はホテル業界で使われる用語で、割引前の標準料金を指します。これは部屋の扉の裏や情報ラックに表示されていることから、この名前がついています。
- 「rack focus」という表現は何を意味しますか?
-
「rack focus」は映画撮影の技術用語で、カメラのフォーカスを前景から背景に、あるいはその逆に変更することを指します。
まとめ

この記事では「rack」の意味と使い方について詳しく解説しました。「rack」は多様な意味を持つ単語で、主に名詞として「棚」や「ラック」を意味しますが、動詞としての用法や熟語の一部としての使い方も重要です。
以下が「rack」に関する主なポイントです。
- 名詞としての「rack」は主に物を掛けたり置いたりするための枠組みを意味する
- 交通機関の荷物棚、料理における肉の部位、機械のラック(歯車)などの意味もある
- 動詞としての「rack」は「苦しめる」「痛めつける」という意味を持つ
- 「rack one’s brain」(頭を悩ませる)、「rack up」(累積する)、「go to rack and ruin」(荒廃する)などの重要な熟語がある
- 似た綴りの「wrack」と混同しないように注意が必要
- 「rack」の発音は「ラック」で、「rock」(ロック)と混同しないようにする
英語学習においては、単語の多様な意味や使い方を理解することが重要です。「rack」のように一見シンプルな単語でも、様々なコンテキストで異なる意味を持ち、多くの熟語の一部として使われることがあります。
この記事で紹介した例文や表現を参考に、ぜひ実際の会話や文章で「rack」を使ってみてください。