「私は自分自身でそれをしました」「彼は自分で料理を作りました」など、自分自身に関する行動を表すときに使う言葉があります。英語ではこれを「再帰代名詞(Reflexive Pronouns)」と呼びます。再帰代名詞は英語の文法において重要な役割を果たし、日常会話でも頻繁に使われる表現です。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるように、再帰代名詞の基本的な意味から使い方、さらに注意すべきポイントまで、中学英語レベルの例文と共に詳しく解説します。
再帰代名詞とは?基本的な意味と役割

再帰代名詞とは、「自分自身」を指す代名詞で、主語が自分自身に対して行動を行う場合に使われます。
英語では以下のような形があります。
- myself(私自身)
- yourself(あなた自身)
- himself(彼自身)
- herself(彼女自身)
- itself(それ自身)
- ourselves(私たち自身)
- yourselves(あなたたち自身)
- themselves(彼ら/彼女ら/それら自身)
再帰代名詞は主に以下の2つの役割を持ちます。
- 動詞の目的語として:主語が自分自身に対して行動を行う場合
- I hurt myself.(私は自分自身を傷つけました)
- She taught herself French.(彼女は独学でフランス語を学びました)
- 強調として:主語や目的語を強調する場合
- I made this cake myself.(私はこのケーキを自分で作りました)
- The president himself attended the meeting.(大統領自身が会議に出席しました)
次のセクションで、それぞれの使い方について詳しく見ていきましょう。
再帰代名詞の一覧表
まずは再帰代名詞の種類を一覧表で確認しましょう。それぞれの人称代名詞に対応する形があります。
人称代名詞 | 再帰代名詞 | 用法 | 例文 |
---|---|---|---|
I | myself | 自分自身について話す場合 | I hurt myself.(私は自分自身を傷つけました) |
you (単数) | yourself | あなたについて話す場合 | You should take care of yourself.(あなたは自分自身の世話をするべきです) |
he | himself | 彼について話す場合 | He taught himself English.(彼は独学で英語を学びました) |
she | herself | 彼女について話す場合 | She prepared herself for the exam.(彼女は試験の準備をしました) |
it | itself | 物や動物について話す場合 | The cat cleaned itself.(その猫は自分で体をきれいにしました) |
we | ourselves | 私たちについて話す場合 | We enjoyed ourselves at the party.(私たちはパーティーで楽しみました) |
you (複数) | yourselves | あなたたちについて話す場合 | You should help yourselves to the food.(あなたたちは食べ物を自由に取ってください) |
they | themselves | 彼ら/それらについて話す場合 | They organized the event themselves.(彼らはそのイベントを自分たちで企画しました) |
この表を参考に、それぞれの再帰代名詞がどんな場面で使われるか理解していきましょう。
再帰代名詞の使い方
動詞の目的語として使う場合
再帰代名詞は、主語が自分自身に対して行動を行う場合に動詞の目的語として使われます。
この用法が最も基本的な使い方です。
例文
- I cut myself while cooking.(料理中に私は指を切りました)
- He blamed himself for the mistake.(彼はそのミスについて自分自身を責めました)
- She introduced herself to the new neighbors.(彼女は新しい隣人に自己紹介しました)
ポイント
- 再帰代名詞は主語と一致する必要があります。
例:I → myself, you → yourself, he → himself など
強調として使う場合
再帰代名詞は、主語や目的語を強調するためにも使われます。
この用法では、「誰が」「何が」という点を特に強調したい場合に便利です。
例文
- I fixed the car myself.(私はその車を自分で修理しました)
- The manager herself made the decision.(マネージャー自身がその決定を下しました)
- They built the house themselves.(彼らはその家を自分たちで建てました)
ポイント
- 強調として使う場合、再帰代名詞は通常文末や主語・目的語の直後に置かれます。
例:I did it myself.
前置詞と共に使う場合
再帰代名詞は、前置詞と共に使われることもあります。この場合、「〜自身」という意味になります。
例文
- He is proud of himself.(彼は自分自身を誇りに思っています)
- She talked to herself in the mirror.(彼女は鏡の中で独り言を言いました)
- We should be honest with ourselves.(私たちは自分自身に正直であるべきです)
ポイント
- 再帰代名詞は前置詞と共に使われることで、「〜について」「〜と一緒」など具体的な意味が加わります。
慣用表現として使う場合
再帰代名詞はいくつかの慣用表現でも使われます。
これらの表現では、「〜自身」という意味が含まれることが多いです。
例文
- Help yourself to some cake.(ケーキをご自由にどうぞ)
- Make yourself at home.(どうぞくつろいでください)
- Enjoy yourselves!(楽しんでください!)
ポイント
- 慣用表現では、再帰代名詞が特定のフレーズ内で固定された意味合いとして機能します。
再帰代名詞とその他の代名詞との違い
再帰代名詞と他の種類の代名詞には明確な違いがあります。ここでは、それぞれの特徴について比較してみましょう。
再帰代名詞 vs 人称代名詞
人称代名詞は「I」「you」「he」など、主語や目的語として使用されます。
一方、再帰代名詞は「myself」「yourself」など、自分自身への行動や強調の場合に使用されます。
例文
- 人称代名詞:I saw him at the park.(私は公園で彼を見ました)
- 再帰代名詞:I saw myself in the mirror.(私は鏡で自分自身を見ました)
再帰代名詞 vs 強調構文
強調構文では「do」を使って動作そのものを強調します。一方、再帰代名詞では「誰が」という点を強調します。
例文
- 強調構文:I did fix the car!(私は本当にその車を修理しました!)[動作そのもの]
- 再帰代名詞:I fixed the car myself!(私はその車を自分で修理しました!)[誰が]
英語の再帰代名詞に関する練習問題
以下の問題では適切な再帰代名詞を書き入れてください。
また、それぞれ限定された状況や強調の場合も考えながら解いてみましょう。
- I hurt _______ while playing soccer.
- She taught _______ how to cook Italian food.
- He introduced _______ to his new colleagues.
- The cat cleaned _______ after eating.
- We enjoyed _______ at the party last night.
- You should take care of _______ when you’re sick.
- They organized the event all by _______.
- Did you fix your bike _______?
- The president _______ made an important announcement.
- She prepared _______ for the big exam.
- The children entertained _______ with board games.
- Don’t blame _______ for what happened.
- We should be honest with _______ about our feelings.
- Help _______ to some coffee, please.
- He found _______ in a difficult situation.
- Make _______ comfortable while you wait.
- You should trust _______ more than others.
- They cleaned up after _______ before leaving.
- She looked at _______ in the mirror and smiled.
- He solved all the problems by _______.
再帰代名詞に関するよくある質問
- 再帰代名詞と人称代名詞との違いは何ですか?
-
人称代名詞は「I」「you」「he」など主語や目的語として使われる一方、再帰代名詞は「myself」「yourself」など、自分自身への行動や強調の場合に使用されます。例えば、「I saw him」(私は彼を見た)は人称代名詞、「I saw myself」(私は自分自身を見た)は再帰代名詞です。
- 再帰代名詞がないとどうなる?
-
再帰的な意味合いが必要な場面で再帰代名詞がないと、文法的または意味的に不自然になります。「He hurt」(彼は傷つけた)は誰か他人への行動になりますが、「He hurt himself」(彼は自分自身を傷つけた)は正しい意味になります。
- 「himself」と「by himself」の違いは?
-
「himself」は単純な再帰的な行動や強調、「by himself」は「一人で」というニュアンスがあります。
例:「He cooked dinner himself」(彼は夕食を自分で作った)は強調、「He cooked dinner by himself」(彼は夕食を一人で作った)は孤独または助けなしというニュアンスです。 - 「Help yourself」と「Help yourselves」の違いは?
-
「Help yourself」は単数形なので1人に対して、「Help yourselves」は複数形なので複数人に対して言います。
例:「Help yourself to some cake」(ケーキをご自由にどうぞ)は1人への提案、「Help yourselves to some snacks」(お菓子をご自由にどうぞ)は複数人への提案です。 - 再帰代名詞にはどんな慣用表現がありますか?
-
以下がよく使われる慣用表現です。
- Help yourself to…:ご自由にどうぞ
- Make yourself at home:くつろいでください
- Enjoy yourselves:楽しんでください
これらでは再帰性よりも固定されたフレーズとして機能しています。
まとめ

この記事では、英語の再帰代名詞について詳しく解説しました。主なポイントは以下になります。
- 基本的な役割
- 動作が主語から主語へ向かう際
- 主語や目的語への強調
- 種類
- myself, yourself, himself, herself, itself, ourselves, yourselves, themselves
- よくある用法
- 動作対象として
- 強調として
- 慣用表現内
- 注意点
- 主語との一致
- 慣用句内では固定された意味合いになることもある
この記事内で紹介した練習問題や一覧表からぜひ復習し、実際の日常会話でも積極的活用してください!