「refrain from」は英語の重要な表現で、「〜を控える」「〜を慎む」という意味を持ちます。この表現は丁寧に何かをしないように求める場合に特に役立ちます。フォーマルなシーンで頻繁に使われるため、英語初学者でもぜひマスターしたい表現です。
本記事では「refrain from」の基本的な意味や使い方、簡単な例文、そして類似表現との違いを詳しく解説します。
「refrain from」の基本的な意味

「refrain from」は「〜を控える」「〜を慎む」「〜を自制する」という意味の英語表現です。自分自身の行動を意識的に制限する、または相手に対して何かの行動を控えるよう丁寧に依頼する際に使います。日本語の「〜をご遠慮ください」というフレーズに近いニュアンスを持っています。
特にルールや社会的なマナーに関連した場面で使われることが多く、命令口調よりも丁寧で柔らかい印象を与えることができます。例えば公共の場での注意書きや、ビジネスの場での依頼など、相手への配慮が必要な場面で重宝する表現です。
「refrain from」の語源と構造
「refrain」という単語はラテン語の「refrenare(手綱を引く、抑制する)」に由来しています。馬を制御するために手綱を引くイメージから、「自分の行動を抑制する」という意味に発展しました。この語源を知ることで、「自制する」というニュアンスが理解しやすくなるでしょう。
「refrain from」の基本的な構造は非常にシンプルです。
refrain from + 動名詞(〜すること)
例文
- refrain from smoking(喫煙を控える)
- refrain from talking(話すことを控える)
「refrain from」の使い方
「refrain from」は様々な場面で活用できる表現です。ここでは具体的な使い方を見ていきましょう。
丁寧な依頼や注意として
「refrain from」は、単に「Don’t…(〜しないで)」と言うよりも丁寧に聞こえるため、公共の場での注意書きや丁寧な依頼としてよく使われます。
例文
- Please refrain from using your phone during the movie.
(映画中は携帯電話の使用をご遠慮ください。) - We kindly ask that you refrain from taking photos in the museum.
(美術館内での写真撮影はご遠慮いただきますようお願いいたします。)
これらの例文では、直接的な禁止よりも柔らかい表現になっています。
自分の行動について述べる場合
自分自身が何かを控えていることを説明する際にも使えます。
例文
- I refrain from eating sweets on weekdays.
(平日は甘いものを食べることを控えています。) - She refrains from commenting on political issues.
(彼女は政治的な問題についてコメントすることを控えています。)
文法的な使い方
「refrain from」は様々な時制で使うことができます。
現在形
- I refrain from drinking coffee after 5 p.m.
(午後5時以降はコーヒーを飲むことを控えています。)
過去形
- He refrained from answering the question.
(彼はその質問に答えることを控えました。)
未来形
- They will refrain from making noise during the test.
(彼らはテスト中は騒音を立てることを控えるでしょう。)
現在完了形
- I have refrained from telling her the truth.
(私は彼女に真実を話すことを控えてきました。)
「refrain from」の例文
ここでは、中学英語レベルの簡単な例文を紹介します。日常的な場面で使える表現ばかりなので、ぜひ参考にしてください。
日常生活での例文
例文
- Please refrain from running in the hallways.
(廊下で走ることはご遠慮ください。) - Students should refrain from using phones in class.
(生徒は授業中に携帯電話を使うことを控えるべきです。) - I refrain from eating too many snacks before dinner.
(夕食前にスナックを食べ過ぎないように控えています。) - My doctor told me to refrain from drinking soda.
(医者は私にソーダを飲むことを控えるように言いました。) - We refrain from talking about this topic at home.
(私たちは家でこの話題について話すことを控えています。)
公共の場での例文
例文
- Please refrain from smoking inside the building.
(建物内での喫煙はご遠慮ください。) - Visitors must refrain from touching the exhibits.
(来場者は展示物に触れることを控えなければなりません。) - Kindly refrain from making noise in the library.
(図書館内での騒音はご遠慮ください。) - Please refrain from feeding the animals in the zoo.
(動物園の動物にえさを与えることはご遠慮ください。) - Passengers should refrain from standing up while the bus is moving.
(バスが動いている間、乗客は立ち上がることを控えるべきです。)
学校での例文
例文
- Please refrain from eating in the computer room.
(コンピュータ室での飲食はご遠慮ください。) - Students should refrain from leaving the classroom without permission.
(生徒は許可なく教室を離れることを控えるべきです。) - We ask that you refrain from bringing toys to school.
(学校におもちゃを持ってくることはご遠慮ください。) - Teachers refrain from using difficult words with young students.
(教師は幼い生徒に難しい言葉を使うことを控えています。) - Please refrain from shouting during the assembly.
(集会中に叫ぶことはご遠慮ください。)
「refrain from」と類似表現の違い
英語には「〜を控える」「〜をしない」という意味を持つ表現がいくつかあります。ここでは「refrain from」と類似表現の違いを見ていきましょう。
「refrain from」と「avoid」の違い
「avoid」も「〜を避ける」という意味ですが、「refrain from」とは使い方やニュアンスが少し異なります。
「refrain from」
- より丁寧でフォーマルな表現
- 自制心や意志の力で何かを控えるニュアンス
- 公式の場での使用に適している
「avoid」
- より一般的でカジュアルな表現
- 単に何かを避けるという意味
- 日常会話でよく使われる
例文で比較
- Please refrain from smoking here.(ここでの喫煙はご遠慮ください。)
- Please avoid smoking here.(ここでの喫煙は避けてください。)
「refrain from」と「stop」の違い
「stop」は「やめる」という意味ですが、「refrain from」とはニュアンスが異なります。
「refrain from」
- 最初からしないように控える
- より丁寧な表現
「stop」
- すでに行っていることをやめる
- よりカジュアルで直接的
例文で比較
- Please refrain from talking during the movie.(映画中は話すことを控えてください。)
- Please stop talking during the movie.(映画中は話すのをやめてください。)
「refrain from」と「abstain from」の違い
「abstain from」も「〜を控える」「〜を慎む」という意味を持ちますが、使われる文脈が異なります。
「refrain from」
- 幅広い状況で使える
- 一時的に控えることも含む
「abstain from」
- より堅い表現で、特に道徳的・宗教的理由から何かを控える場合によく使う
- 完全に、または長期にわたって控えるニュアンスが強い
例文で比較
- He refrains from eating meat on Fridays.(彼は金曜日には肉を食べることを控えています。)
- He abstains from alcohol completely.(彼はアルコールを完全に断っています。)
「refrain from」を含む慣用表現
「refrain from」を含むいくつかの慣用表現も覚えておくと便利です。
「cannot refrain from」(〜せずにはいられない)
「cannot refrain from」は「〜するのを控えることができない」つまり「どうしても〜してしまう」「〜せずにはいられない」という意味になります。
例文
- I cannot refrain from smiling when I see puppies.
(子犬を見るとどうしても笑顔になってしまいます。) - He could not refrain from crying at the sad movie.
(彼はその悲しい映画を見て泣かずにはいられませんでした。)
「kindly refrain from」(どうぞ〜をご遠慮ください)
「kindly refrain from」は「どうぞ〜をご遠慮ください」という、より丁寧な依頼の表現です。
例文
- Visitors are kindly requested to refrain from touching the artwork.
(来場者の皆様は作品に触れることをご遠慮いただきますよう、お願い申し上げます。) - Please kindly refrain from using your mobile phone in this area.
(この区域では携帯電話のご使用をご遠慮くださいますよう、お願いいたします。)
「refrain from」に関するよくある質問
ここでは「refrain from」に関するよくある質問と答えをまとめました。
- 「refrain from」は命令文でしか使えないのですか?
-
いいえ、「refrain from」は命令文だけでなく、様々な文型で使うことができます。確かに「Please refrain from…」のような丁寧な命令や依頼の形でよく見かけますが、以下のような使い方もあります。
- I refrain from eating fast food.(私はファストフードを食べることを控えています。)
- She refrained from commenting on the issue.(彼女はその問題についてコメントすることを控えました。)
- They will refrain from discussing the matter publicly.(彼らはその問題を公の場で議論することを控えるでしょう。)
- 「refrain」を単独で使うことはできますか?
-
「refrain」は「from」なしで使うこともできますが、その場合は全く別の意味になることがあります。
- 名詞として使う場合:歌や詩の繰り返し部分(サビ)を意味します。
- The refrain of the song is very catchy.(その歌のサビはとても耳に残ります。)
- 動詞として単独で使う場合:古風な表現として「自制する」という意味になります。
- He refrained from making any comment.(彼はコメントすることを控えました。)
- または、より古風な表現として:He refrained.(彼は控えました。)
しかし、現代英語では「refrain」を動詞として使う場合、ほとんど常に「from」と一緒に使います。
- 名詞として使う場合:歌や詩の繰り返し部分(サビ)を意味します。
- 「refrain from」の否定形はどう使いますか?
-
「refrain from」の否定形は「do not refrain from」などになります。これは「控えない」「慎まない」という意味で、つまり「積極的に行う」というニュアンスになります。
- Don’t refrain from asking questions if you are confused.
(混乱しているなら、質問することを控えないでください。=どんどん質問してください。) - He didn’t refrain from expressing his opinion.
(彼は意見を表明することを控えませんでした。=彼は遠慮なく意見を表明しました。)
- Don’t refrain from asking questions if you are confused.
- 「refrain from」はどんな場面で使うべきですか?
-
「refrain from」は特に以下のような場面で適切です。
- 公共の場での注意書きや掲示物
- ビジネスメールや公式文書での丁寧な依頼
- フォーマルな会話での礼儀正しい要請
- 社会的マナーに関する控えめな忠告
日常のカジュアルな会話では「don’t」や「avoid」などの表現の方が自然ですが、丁寧さが求められる場面では「refrain from」が適しています。
- 「refrain from」の発音のコツはありますか?
-
「refrain」の発音は「リフレイン」に近く、英語では /rɪˈfreɪn/ と表記されます。「re」は弱く発音し、「frain」の部分にアクセントを置きます。「from」は /frʌm/ または /frəm/ と発音します。
特に日本人が間違えやすいのは、「refrain」の「r」の発音です。舌の先を上あごに軽く触れるようにして「r」を発音するとよいでしょう。
まとめ

この記事では「refrain from」について詳しく解説しました。主なポイントは以下の通りです。
- 「refrain from」は「〜を控える」「〜を慎む」という意味を持つ表現
- 「refrain from + 動名詞」の形で使用する
- 特にフォーマルな場面や丁寧な依頼で使われる
- 日本語の「〜をご遠慮ください」に近いニュアンスを持つ
- 「avoid」「stop」「abstain from」など類似表現と比べて、より丁寧でフォーマルな印象がある
- 「cannot refrain from」(〜せずにはいられない)などの慣用表現もある
- 命令文だけでなく様々な時制や文型で使える
- 単独の「refrain」は音楽や詩の「繰り返し部分」という別の意味も持つ
「refrain from」は英語の中でも特に丁寧でフォーマルな表現です。公共の場での注意書きやビジネスシーンでの丁寧な依頼など、様々な状況で活用できます。この表現をマスターすることで、より洗練された英語を話せるようになるでしょう。
英語学習の過程では、こうした表現を少しずつ身につけていくことが大切です。実際の会話や文章で使ってみることで、自然な英語表現が身につきます。ぜひ「refrain from」を積極的に使ってみてください!