英語で「拒否する」「辞退する」「断る」という意味を表現したいとき、いくつもの英単語から適切なものを選ぶ必要があります。refuse、reject、declineなど、似たような意味を持つ単語が多く存在しますが、それぞれ微妙なニュアンスの違いや使用場面が異なります。
この記事では、「拒否・辞退・断る」を表す英単語の意味や特徴、使い分けについて、例文とともに詳しく解説します。英語初心者でも理解できるよう、わかりやすく説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。
「拒否・辞退・断る」を表す英単語

「拒否・辞退・断る」を表す英単語には様々なものがあります。ここでは、日常会話やビジネスシーンでよく使われる14個の英単語を紹介します。
「拒否・辞退・断る」を表す英単語
- refuse(リフューズ):提案や要求などを断る、拒否する
- reject(リジェクト):申し込みや提案などを拒絶する、却下する
- decline(ディクライン):丁寧に辞退する、申し出などを断る
- deny(ディナイ):否定する、認めない
- turn down(ターン ダウン):申し出や提案を断る、辞退する
- say no(セイ ノー):シンプルに「ノー」と言う
- dismiss(ディスミス):取り合わない、退ける
- rebuff(リバフ):はっきりと断る、冷たく拒絶する
- spurn(スパーン):侮蔑的に拒絶する
- pass up(パス アップ):機会を逃す、見送る
- opt out(オプト アウト):参加しないことを選択する
- back out(バック アウト):約束や合意から手を引く
- withdraw(ウィズドロー):撤回する、引き下がる
- forfeit(フォーフィット):権利などを放棄する
これらの単語は状況や文脈によって使い分ける必要があります。それぞれの単語のニュアンスや使い方を理解することで、より正確な英語表現ができるようになります。
次のセクションでは、これらの単語について詳しく解説していきます。
「拒否・辞退・断る」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
上記で挙げた英単語について、それぞれの発音、意味、特徴と使い分けを詳しく解説します。また、実際の使用例を示すために、中学英語レベルの例文も3つずつ紹介します。
refuse(リフューズ)
意味と特徴
「refuse」は、提案や要求、依頼などを拒絶する、断るという意味を持ちます。比較的強い拒否の意思を示す単語で、自分の意思をはっきりと伝える場合に使用されます。「~することを拒む」という場合は「refuse to do」の形で使われます。
使い分けのポイント
「refuse」は、特に相手の要求や提案に対して「No」と言う場合に適しています。理由が明確にあって断る場合や、きっぱりと断る場合に使うことが多いです。丁寧さの面ではニュートラルな表現です。
例文
- I refused his invitation to the party.(私は彼のパーティーの招待を断りました。)
- The child refused to eat vegetables.(その子は野菜を食べることを拒みました。)
- She refused to change her mind.(彼女は考えを変えることを拒否しました。)
reject(リジェクト)
意味と特徴
「reject」は、申し込み、提案、アイデアなどを受け入れないこと、拒絶することを意味します。「refuse」よりも公式的な響きがあり、特に正式な申請や提案を却下する際によく使われます。また、物や人を「不適当」として拒否するニュアンスも含みます。
使い分けのポイント
「reject」は、提出物や申請などを「審査の結果、不採用にする」という場面でよく使います。また、人や物事に対して「価値がない」と判断して拒絶するときにも使われます。「refuse」より冷たい印象を与えることがあります。
例文
- The company rejected my job application.(その会社は私の就職応募を却下しました。)
- He rejected all of my suggestions.(彼は私の提案をすべて却下しました。)
- The team rejected the new plan.(チームは新しい計画を拒否しました。)
decline(ディクライン)
意味と特徴
「decline」は、特に丁寧に断る、辞退するという意味を持ちます。招待や申し出を礼儀正しく断る時に使われることが多いです。「refuse」よりも柔らかい響きがあり、ビジネスシーンでもよく使われる表現です。
使い分けのポイント
「decline」は、失礼にならないように配慮しながら断りたい場合に最適です。特に正式な招待や申し出を丁寧に辞退する場合に使います。断る理由が明確でなくても使えるため、柔軟性があります。
例文
- I must decline your kind offer.(あなたの親切な申し出をお断りしなければなりません。)
- She declined to comment on the issue.(彼女はその問題についてコメントを控えました。)
- He politely declined the invitation.(彼は丁寧にその招待を辞退しました。)
deny(ディナイ)
意味と特徴
「deny」は、何かが真実ではないと主張する、否定する、認めないという意味を持ちます。また、許可や要求を拒否するという意味もあります。事実や行為を否定する場合によく使われます。
使い分けのポイント
「deny」は主に、「そうではない」と否定したり、「そうしていない」と主張したりする場合に使います。単に提案を断るというより、事実関係の否定や権利・要求の拒否に使われることが多いです。
例文
- He denied stealing the money.(彼はお金を盗んだことを否定しました。)
- The government denied the rumors.(政府はその噂を否定しました。)
- She was denied access to the file.(彼女はそのファイルへのアクセスを拒否されました。)
turn down(ターン ダウン)
意味と特徴
「turn down」は、申し出や提案、招待などを断る、辞退するという意味を持つ句動詞です。やや口語的な表現で、「refuse」よりもカジュアルなニュアンスを持ちます。
使い分けのポイント
「turn down」は、日常会話で友人からの誘いを断ったり、申し出を辞退したりする場面でよく使われます。「refuse」よりもやわらかい印象を与え、カジュアルな状況で適しています。
例文
- I turned down his offer to help.(私は彼の手伝いの申し出を断りました。)
- She turned down the job because of the low salary.(彼女は給料が低いという理由でその仕事を断りました。)
- We turned down the invitation to the wedding.(私たちは結婚式の招待を辞退しました。)
say no(セイ ノー)
意味と特徴
「say no」は、文字通り「ノーと言う」という意味で、単純に何かを拒否することを表します。直接的ですが、シンプルな表現なので、日常会話でよく使われます。
使い分けのポイント
「say no」は最もシンプルな拒否の表現で、特に子供に対して使ったり、決断力を示したりする場面で使います。「No」と言うことの重要性や、断ることの意思決定を強調する時に使われることが多いです。
例文
- I learned to say no to extra work.(私は余分な仕事を断ることを学びました。)
- He couldn’t say no to her request.(彼は彼女の頼みを断れませんでした。)
- Sometimes you have to say no to your friends.(時には友達を断らなければならないこともあります。)
dismiss(ディスミス)
意味と特徴
「dismiss」は、提案やアイデアを「取るに足らない」として退ける、取り合わないという意味を持ちます。また、人を解雇する、退去させるという意味もあります。提案などを一蹴するニュアンスがあります。
使い分けのポイント
「dismiss」は、相手の意見や提案を重要でないと判断して無視したり、退けたりする場合に使います。やや否定的なニュアンスを含むため、使用には注意が必要です。
例文
- He dismissed my concerns with a wave of his hand.(彼は手を振って私の懸念を一蹴しました。)
- The teacher dismissed the students early.(先生は生徒たちを早めに下校させました。)
- Don’t dismiss her ideas so quickly.(彼女のアイデアをそう簡単に退けないでください。)
rebuff(リバフ)
意味と特徴
「rebuff」は、申し出や接近を冷たく突き放す、きっぱりと断るという意味を持ちます。感情的な要素を含み、相手を突き放すような冷たい拒絶を表します。
使い分けのポイント
「rebuff」は、相手の接近や親しくなろうとする試みを冷たく拒絶する場合に使います。特に、感情的な文脈でよく使われ、相手に冷たい印象を与える拒絶を表現する時に適しています。
例文
- She rebuffed his attempts to apologize.(彼女は彼の謝罪の試みを冷たく拒絶しました。)
- The manager rebuffed my suggestion.(マネージャーは私の提案を冷たく断りました。)
- He felt hurt by her rebuff.(彼は彼女の冷たい拒絶に傷ついていました。)
spurn(スパーン)
意味と特徴
「spurn」は「侮蔑的に拒絶する」という意味で、最も強い拒絶を表す言葉の一つです。軽蔑や侮辱のニュアンスを含み、相手の申し出や好意を価値のないものとして扱います。
使い分けのポイント
「spurn」は相手の申し出を価値がないものとして拒む時に使用します。非常に強い拒絶を示したい場合や、相手に対する不満や軽蔑の気持ちを含める場合に使いますが、人間関係を損なう恐れがあるため慎重に使うべきです。
例文
- She spurned his offer of friendship.(彼女は彼の友情の申し出を侮蔑的に拒絶した。)
- The team spurned our help.(そのチームは私たちの助けを軽蔑的に拒否した。)
- Don’t spurn advice from your parents.(両親からのアドバイスを侮蔑的に拒否しないでください。)
pass up(パス アップ)
意味と特徴
「pass up」は、チャンスや機会を利用しない、見送る、あえて選ばないという意味を持ちます。何かを積極的に拒否するというよりは、選択しないことを選ぶニュアンスがあります。
使い分けのポイント
「pass up」は、特にチャンスや良い機会を見送る場合に使います。積極的な拒否というよりは、消極的な選択をする場合に適しています。後悔のニュアンスを含むこともあります。
例文
- I couldn’t pass up such a good opportunity.(そんな良い機会を見送ることはできませんでした。)
- He passed up the chance to study abroad.(彼は留学する機会を見送りました。)
- Don’t pass up this sale.(このセールを見逃さないでください。)
opt out(オプト アウト)
意味と特徴
「opt out」は、選択によって参加しない、抜ける、除外されることを選ぶという意味を持ちます。特に、デフォルトでは含まれる何かから自分の意思で抜けることを表します。
使い分けのポイント
「opt out」は、プログラムやシステム、合意事項などから自主的に抜ける選択をする場合に使います。「参加する」がデフォルトの状態で、あえて「参加しない」選択をする場合に適しています。
例文
- You can opt out of receiving marketing emails.(マーケティングメールの受信を辞退することができます。)
- Many students opted out of the field trip.(多くの生徒が遠足への参加を辞退しました。)
- He decided to opt out of the insurance plan.(彼は保険プランへの加入を辞退することに決めました。)
back out(バック アウト)
意味と特徴
「back out」は、以前に同意した約束や計画から手を引く、撤退するという意味を持ちます。一度は承諾したものの、後から考え直して撤退することを表します。
使い分けのポイント
「back out」は、すでに約束や合意をした後で、それを履行しないことを選択する場合に使います。やや否定的なニュアンスがあり、約束を破るという意味合いを含むことがあります。
例文
- He backed out of the agreement at the last minute.(彼は最後の瞬間に合意から手を引きました。)
- Don’t back out now, we need your help.(今になって手を引かないで、私たちはあなたの助けが必要です。)
- She backed out of the trip because she got sick.(彼女は病気になったので旅行から手を引きました。)
withdraw(ウィズドロー)
意味と特徴
「withdraw」は、申し出や主張、参加などを撤回する、引き下がるという意味を持ちます。正式な文脈でよく使われ、特に公式な場での撤退を表します。
使い分けのポイント
「withdraw」は、特に正式な状況で、自分の申し出や申請、参加などを取り下げる場合に使います。「back out」よりも公式で丁寧な印象を与えます。
例文
- He withdrew his application for the job.(彼はその仕事への応募を取り下げました。)
- The team withdrew from the competition.(そのチームは競技から撤退しました。)
- She withdrew her support for the project.(彼女はそのプロジェクトへの支援を撤回しました。)
forfeit(フォーフィット)
意味と特徴
「forfeit」は、権利や特権、所有物などを失う、放棄するという意味を持ちます。特に、規則違反や条件不履行の結果として権利を失うことを表します。
使い分けのポイント
「forfeit」は、特に自分の行動の結果として何かを失う、または自発的に放棄する場合に使います。法的・契約的なコンテキストでよく使われ、罰則や規定による放棄の意味合いがあります。
例文
- If you miss the deadline, you will forfeit your right to apply.(期限に遅れると、申請する権利を失います。)
- The team had to forfeit the game.(そのチームは試合を放棄しなければなりませんでした。)
- She forfeited her deposit when she canceled the reservation.(予約をキャンセルした時、彼女は保証金を失いました。)
英単語の使い分けは状況によって異なることが多いですが、以下の比較表を参考にすると理解しやすいでしょう。
英単語 | フォーマル度 | 強さ | 主な使用場面 |
---|---|---|---|
refuse | 中 | 強い | 要求や提案を断る |
reject | 高 | 強い | 申請や提案を却下する |
decline | 高 | 弱い | 招待や申し出を丁寧に断る |
deny | 中 | 強い | 事実を否定する |
turn down | 低 | 中 | カジュアルに断る |
say no | 低 | 中 | シンプルに断る |
dismiss | 中 | 強い | 重要でないとして退ける |
rebuff | 中 | 強い | 冷たく拒絶する |
pass up | 低 | 弱い | 機会を見送る |
opt out | 中 | 弱い | 参加しないことを選ぶ |
back out | 低 | 中 | 約束から撤退する |
withdraw | 高 | 中 | 正式に撤回する |
forfeit | 高 | 強い | 権利や特権を失う・放棄する |
「拒否・辞退・断る」を表す英単語の使い分け練習問題
ここでは、これまで学習した「拒否・辞退・断る」を表す英単語の理解度を試す練習問題を20問用意しました。各問題では、最も適切な英単語を選んでください。
- She politely __ my invitation.
- The company __ my job application.
- He __ of the promise at the last minute.
- The child __ to eat broccoli.
- She __ any involvement in the crime.
- I couldn’t __ such a good opportunity.
- Don’t __ his opinion as unimportant.
- The manager __ my suggestion.
- She __ of receiving marketing emails.
- He __ his application formally.
- If you miss the deadline, you will __ your right to apply.
- He __ her attempts to apologize.
- I learned to __ to extra work.
- She __ from the competition due to illness.
- He __ the offer because of the low salary.
- Many students __ of taking that elective course.
- She __ his marriage proposal.
- The team had to __ the match due to cheating.
- He __ to admit his actions.
- I __ my friend’s offer of help.
「拒否・辞退・断る」を表す英単語に関するよくある質問
- 「refuse」と「decline」の違いは何ですか?
-
「refuse」は比較的強い拒否を表し、はっきりと意思表示をする時に使います。一方、「decline」はより丁寧で婉曲的な断り方で、特に正式な招待や申し出を礼儀正しく辞退する場合に適しています。例えば、友人からの食事の誘いを断る時は「decline」の方が丁寧に聞こえます。
- 「reject」はどのような場面で使いますか?
-
「reject」は主に公式な申請、提案、申し込みなどを却下する場合に使います。例えば、就職応募や論文の投稿、企画の提案などが審査の結果「不適当」と判断されて却下される場合に使われます。「reject」には「価値がない」と判断するニュアンスがあるため、人間関係での使用には注意が必要です。
- 「deny」は拒否と同じ意味ですか?
-
「deny」は単純な拒否というよりも、「そうではない」と否定する、または「そうしていない」と主張する場合に使います。例えば、「彼は犯罪への関与を否定した(He denied involvement in the crime)」のように、事実関係の否定に使われることが多いです。また、権利や許可を与えないという意味でも使われます。
- カジュアルな断り方は何がありますか?
-
カジュアルな状況での断り方としては、「turn down」や「say no」が一般的です。これらは日常会話で友人との約束や誘いを断る場合などに使います。例えば、「I had to turn down his invitation because I was busy.(忙しかったので彼の招待を断らなければなりませんでした)」のように使います。
- ビジネスシーンで丁寧に断るにはどの表現が適していますか?
-
ビジネスシーンで丁寧に断る場合は、「decline」や「withdraw」が適しています。特に「decline」は丁寧な断りとして広く使われ、「I must respectfully decline your offer.(ご提案は謹んでお断りさせていただきます)」のように使うことができます。また、一度承諾したものを取り消す場合は「withdraw」が適切です。
- 「back out」と「withdraw」の違いは何ですか?
-
どちらも一度同意した内容から撤退する意味を持ちますが、「back out」はやや口語的で、約束を破るという否定的なニュアンスを含むことがあります。一方、「withdraw」はより公式で中立的な表現で、特に正式な申請や参加を取り下げる場合に使います。ビジネスや公式な場面では「withdraw」の方が適切です。
- 「pass up」と「opt out」の違いは何ですか?
-
「pass up」は主にチャンスや機会を見送る、利用しないという意味で使われます。一方、「opt out」は選択によって参加しない、含まれないことを選ぶという意味で、特にデフォルトでは含まれるシステムやプログラムから自主的に抜けることを表します。例えば、「pass up a promotion(昇進の機会を見送る)」、「opt out of the newsletter(ニュースレターの受信を辞退する)」のように使います。
まとめ

「拒否・辞退・断る」を表す英単語は、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあり、状況や文脈によって使い分ける必要があります。「refuse」は強い拒否、「decline」は丁寧な辞退、「reject」は公式な却下、「deny」は事実の否定というように、それぞれの単語には特徴があります。また、「turn down」や「say no」のようなカジュアルな表現から、「withdraw」や「forfeit」のような公式な場面で使う表現まで、様々なバリエーションがあります。
英語でのコミュニケーションにおいて、これらの単語を適切に使い分けることで、より正確に自分の意思を伝えることができます。状況に応じた適切な「断り方」を身につけることは、英語力向上の重要なポイントです。
この記事で紹介した様々な表現を使いこなせるようになれば、英語での断り方のバリエーションが広がり、より自然なコミュニケーションが可能になります。状況や相手との関係性に応じて、適切な表現を選べるようになりましょう。