英語学習者のみなさん、こんにちは。「危険」を表す英単語として「risk」と「danger」という単語を耳にしたことがあるかと思います。どちらも日本語では同じ「危険」と訳されることが多いですが、実はこの2つの単語には使い方やニュアンスに違いがあります。
この記事では「risk」と「danger」の意味の違いと正しい使い分けについて、初学者にもわかりやすく解説していきます。例文も豊富に紹介するので、しっかり理解して使えるようになりましょう。
「risk」と「danger」の基本的な違い

「risk」と「danger」はどちらも「危険」という意味ですが、そのニュアンスには大きな違いがあります。
「danger」は最も一般的な「危険」を表す単語で、自分の意思に関わらず存在する危険を指します。自然災害や事故など、自分で選ぶことができない外部からの危険に使われることが多いです。
一方「risk」は、自分の意思や選択によって引き受ける可能性のある危険のことを指します。つまり、避けることも受け入れることもできる危険です。ビジネスや投資の文脈でよく使われる単語です。
簡単に言えば、
- 「danger」:避けるべき危険
- 「risk」:自ら選んで取る(または避ける)ことができる危険
この基本的な違いを理解することで、それぞれの単語を適切に使い分けることができるようになります。
「risk」の意味と使い方
「risk」は自分の責任において冒す危険や、予測可能な悪い結果が起こる可能性を表します。つまり、何らかの行動をとったときに起こりうる不利益や損失の可能性を指しています。
「risk」は名詞としても動詞としても使われます。名詞の場合は「リスク、危険性」、動詞の場合は「~の危険を冒す」という意味です。
例文
- I don’t want to take a risk. (私はリスクを取りたくない。)
- There is a risk of rain today. (今日は雨が降るリスクがある。)
- She risked her life to save the child. (彼女は子どもを救うために命の危険を冒した。)
- Smoking increases the risk of cancer. (喫煙はがんのリスクを高める。)
- If you climb that mountain, you risk getting hurt. (もしその山に登れば、怪我をするリスクがある。)
これらの例文からわかるように、「risk」は自分の選択によって生じる可能性のある危険や、何かを行うことで発生する危険性を表すときに使われます。
「risk」を使った表現パターン
「risk」を使った一般的な表現パターンをいくつか紹介します。
例文
- take a risk(リスクを取る)
- You need to take risks to succeed in business.(ビジネスで成功するにはリスクを取る必要がある。)
- at risk(危険にさらされている)
- Children are at risk of getting sick.(子どもたちは病気になる危険にさらされている。)
- run a risk(危険を冒す)
- She runs the risk of losing her job.(彼女は仕事を失う危険を冒している。)
- risk-taking(リスクを取ること)
- Risk-taking is important for growth.(成長にはリスクを取ることが重要である。)
- risk factor(危険因子、リスク要因)
- Smoking is a major risk factor for heart disease.(喫煙は心臓病の主要なリスク要因である。)
これらの表現パターンを覚えておくと、「risk」を使った表現の幅が広がります。
「danger」の意味と使い方
「danger」は「危険」を表す最も一般的な単語で、主に避けるべき深刻な危険や危害の可能性を指します。自然災害、事故、暴力など、深刻な被害や損害をもたらす可能性がある状況に使われます。「danger」は通常、自ら進んで受け入れるものではなく、避けるべきものとして認識されています。
例文
- There is danger of fire in this building. (この建物には火災の危険がある。)
- Keep away from danger. (危険から離れなさい。)
- The child was in danger of drowning. (その子どもは溺れる危険があった。)
- Warning: Danger! High voltage. (警告:危険!高電圧。)
- She sensed danger and ran away. (彼女は危険を感じて逃げた。)
これらの例文から、「danger」は多くの場合、人や物に対する直接的な脅威や害を表していることがわかります。
「danger」を使った表現パターン
「danger」を使った一般的な表現パターンをいくつか紹介します。
例文
- in danger(危険な状態で)
- The hikers were in danger during the storm.(ハイカーたちは嵐の間、危険な状態だった。)
- out of danger(危険から脱した)
- The patient is now out of danger.(患者は今や危険な状態から脱した。)
- dangerous(危険な)※形容詞形
- It is dangerous to swim in this river.(この川で泳ぐのは危険です。)
- danger zone(危険地帯)
- Please stay away from the danger zone.(危険地帯に近づかないでください。)
- pose a danger(危険をもたらす)
- Wild animals can pose a danger to farmers.(野生動物は農家に危険をもたらす可能性がある。)
これらの表現パターンを覚えておくと、「danger」を使った表現の幅が広がります。
「risk」と「danger」以外の「危険」を表す英語表現
英語には「risk」と「danger」以外にも「危険」を表す単語がいくつかあります。ここでは主な類義語について紹介します。
hazard(物理的危険)
「hazard」は主に物理的な環境や状況における危険を指します。特に職場や公共の場での安全に関わる文脈でよく使われます。
例文
- The wet floor is a hazard for workers. (濡れた床は作業員にとって危険である。)
- Health hazards include chemicals and dust. (健康上の危険には化学物質や粉塵が含まれる。)
「hazard」は「risk」や「danger」より具体的で、特定の危険源を指すことが多いです。
threat(脅威)
「threat」は敵対的な行動や意図からの危険を表します。物理的な危険だけでなく、精神的・社会的な危険も含みます。
例文
- He made a threat to call the police. (彼は警察に通報すると脅した。)
- Climate change is a threat to our future. (気候変動は私たちの将来への脅威である。)
「threat」は特に安全保障やセキュリティに関する文脈でよく使われます。
peril(深刻な危険)
「peril」は「danger」より文学的で格式高い表現で、特に生命や財産に対する深刻な危険を指します。
例文
- The sailors faced many perils at sea. (船員たちは海上で多くの危険に直面した。)
- She escaped from great peril. (彼女は大きな危険から逃れた。)
「peril」は日常会話ではあまり使われず、文学作品や公式文書などでよく見られます。
jeopardy(危機)
「jeopardy」は特に損失や危害をこうむる可能性があるときに使われる表現です。法律用語としても使われます。
例文
- His job is in jeopardy. (彼の仕事は危機に瀕している。)
- The project was in jeopardy of failing. (そのプロジェクトは失敗の危機にあった。)
「jeopardy」は「danger」より形式ばった表現で、特に何かが危機に瀕している状況を表します。
「risk」と「danger」の使い分け練習問題
それでは、「risk」と「danger」の使い分けを練習してみましょう。下記の20問の空欄に「risk」か「danger」(またはその派生語)を入れてください。
- There is a ( ) of flooding in this area.
- Don’t ( ) your health by smoking.
- The sign says “( ): Thin Ice”.
- She took a ( ) and started her own business.
- The children are in ( ) if they play near the road.
- Climate change poses a serious ( ) to many species.
- He is willing to ( ) everything for his dream.
- The warning light indicates ( ).
- There is a high ( ) of infection in crowded places.
- The old bridge is ( ) to cross.
- She works in a high-( ) job.
- The police warned of ( ) in the neighborhood.
- Investing in stocks always involves some ( ).
- The “( )” sign was posted near the cliff.
- Don’t put yourself in ( ) by walking alone at night.
- The doctor explained the ( ) of the operation.
- ( ) driving can cause accidents.
- He was in ( ) of losing his home.
- The company took a ( ) by hiring an inexperienced worker.
- Stay away from ( )!
「risk」と「danger」に関するよくある質問
- 「risk」と「danger」はどのような場面で使い分ければよいですか?
-
「risk」は自分の選択や判断によって受け入れるかどうかを決められる危険性を表す場合に使います。例えば、投資や冒険、新しい挑戦などの文脈で使われます。一方「danger」は自分の意思に関わらず存在する、避けるべき危険を表す場合に使います。自然災害、事故、有害な状況などを指すときに適しています。
- 「at risk」と「in danger」の違いは何ですか?
-
「at risk」は危険にさらされている状態や、何かが起こる可能性を指します。例えば「Children are at risk of catching a cold.(子どもたちは風邪をひく危険にさらされている)」のように使います。「in danger」はより直接的で深刻な危険の中にある状態を表します。例えば「The hiker was in danger of falling off the cliff.(そのハイカーは崖から落ちる危険な状態にあった)」のように使います。
- 「risk」と「danger」は両方とも使える場合がありますか?
-
はい、文脈によっては両方使える場合があります。例えば「Smoking increases the risk/danger of lung cancer.(喫煙は肺がんの危険性を高める)」のように使えます。ただし、「risk」を使うと「可能性が高まる」というニュアンスが強く、「danger」を使うと「深刻さが増す」というニュアンスが強くなります。
- 「risk」の動詞形と「danger」の動詞形はありますか?
-
「risk」には「risk」という同じ形の動詞形があり、「~の危険を冒す」という意味で使われます。例えば「He risked his life to save her.(彼は彼女を救うために命の危険を冒した)」のように使います。一方、「danger」に直接対応する動詞形はありませんが、「endanger」という関連動詞があり、「~を危険にさらす」という意味で使われます。例えば「This policy endangers our future.(この政策は私たちの将来を危険にさらす)」のように使います。
- ビジネスや投資の文脈では、どちらの単語がよく使われますか?
-
ビジネスや投資の文脈では主に「risk」が使われます。これは、ビジネスや投資における危険性は通常、自ら選択し管理できるものだからです。「risk management(リスク管理)」「risk assessment(リスク評価)」「high-risk investment(高リスク投資)」など、「risk」を使った表現が一般的です。
まとめ

このブログでは「risk」と「danger」の意味の違いと正しい使い分けについて解説しました。ポイントをまとめると次のようになります。
- 「risk」は自分で選択して受け入れるか避けるかを決められる危険性を表す。
- 「danger」は自分の意思に関わらず存在する、避けるべき危険を表す。
- 「risk」はビジネスや投資などの文脈でよく使われる。
- 「danger」は自然災害や事故などの避けるべき危険な状況でよく使われる。
- 「at risk」は「危険にさらされている」、「in danger」は「危険な状態にある」という意味。
- 「risk」には同形の動詞があり「危険を冒す」という意味で使える。
- 「danger」の派生語として「dangerous(危険な)」という形容詞がある。
- 英語には「hazard」「threat」「peril」「jeopardy」など、他にも「危険」を表す単語がある。
- 文脈によっては「risk」と「danger」は互換的に使える場合もあるが、ニュアンスが異なる。
これらの違いを理解し、適切に使い分けることで、より正確で自然な英語表現ができるようになります。「risk」と「danger」、それぞれの特徴を覚えて、英語での「危険」の表現を豊かにしていきましょう。
日常会話やビジネスシーン、学術的な場面など、さまざまな状況で「risk」と「danger」を適切に使い分けることができれば、あなたの英語力は確実に向上するでしょう。この記事が皆さんの英語学習の助けになれば幸いです。