英語で「叱る」という行為を表現するとき、scold、reprimand、rebukeなど複数の単語があります。これらは一見似ているように思えますが、使用する状況やニュアンスに違いがあります。
この記事では、英語初学者の方向けに、これらの単語の違いと適切な使い分けについて詳しく解説します。中学英語レベルの例文も多数紹介しますので、実践的な理解に役立ててください。
scold・reprimand・rebukeの基本的な違い

英語で「叱る」を表す代表的な単語であるscold、reprimand、rebukeには、それぞれ特徴的な使用場面があります。
scoldは日常的な場面で使われる単語で、特に親が子供を感情的に叱る場合によく用いられます。感情を込めた叱り方を表現する際に適しています。
reprimandはより公式な場面で使用され、職場や学校などの組織内で規則違反などに対して正式に叱責する場合に使います。感情よりも、組織的・制度的な文脈での叱責を意味します。
rebukeは道徳的な観点から厳しく非難することを表し、より厳しい叱責を意味することが多いです。公式・非公式両方の場面で使用できますが、特に道徳的・倫理的な問題に関して用いられます。
それでは、それぞれの単語について詳しく見ていきましょう。
scoldの意味と使い方
scoldは、日常生活でもっとも一般的に使われる「叱る」を表す単語です。この単語は、特に親が子供を、あるいは教師が生徒を叱るような日常的な場面で頻繁に使用されます。
scoldには感情的な要素が強く含まれ、怒りや不満を表しながら相手の行動を強く批判するニュアンスがあります。家庭内や学校内など、カジュアルな関係性の中で使われることが多い表現です。
scoldの例文
例文
- My mother scolded me for coming home late.(遅く帰宅したので、母は私を叱った。)
- The teacher scolded the students for talking in class.(授業中におしゃべりしていたので、先生は生徒たちを叱った。)
- She scolded her little brother when he broke her toy.(弟が彼女のおもちゃを壊したとき、彼女は弟を叱った。)
- My father scolded me for not doing my homework.(宿題をしなかったので、父は私を叱った。)
- The coach scolded the team for not trying hard enough.(十分に努力しなかったので、コーチはチームを叱った。)
scoldの注意点
scoldは基本的に目上の人が目下の人を叱る場合に使われます。例えば親が子供を、教師が生徒を、上司が部下を叱る場合などです。対等な関係や、目下の人が目上の人を叱る場合には不適切になることがあります。
また、scoldは感情的な叱り方を表すため、公式な場面や、冷静に注意するような状況では別の表現が好まれることがあります。日常会話ではよく使われますが、ビジネス文書などではより丁寧な表現が適切でしょう。
reprimandの意味と使い方
reprimandは、より公式な場面で使われる「叱責する」という意味の単語です。職場や学校などの組織内で、規則違反やミスに対して正式に叱責する場合に使用されます。
scoldが感情的な叱り方を表すのに対し、reprimandはより公式で、組織的な叱責を意味します。個人的な感情よりも、組織のルールや規範に基づいた叱責という性質が強いです。
reprimandの例文
例文
- The manager reprimanded him for being late to work.(仕事に遅刻したため、マネージャーは彼を叱責した。)
- She was reprimanded for not following the school rules.(校則に従わなかったため、彼女は叱責された。)
- The teacher reprimanded the student for not finishing the assignment.(課題を終わらせなかったため、先生は生徒を叱責した。)
- He was reprimanded by his boss for making too many mistakes.(あまりにも多くのミスをしたため、彼は上司に叱責された。)
- The captain reprimanded the team for not playing well.(よくプレーしなかったため、キャプテンはチームを叱責した。)
reprimandの注意点
reprimandは公式な叱責を意味するため、家庭内の日常的な叱り方を表現するには少し硬い表現かもしれません。より公式な場面、例えば職場での上司からの叱責や、学校での校長からの叱責などを表現する場合に適しています。
また、reprimandは口頭での叱責だけでなく、書面による正式な警告や注意として使われることもあります。組織内での公式な叱責プロセスの一部として理解されることが多いです。
rebukeの意味と使い方
rebukeは、厳しく非難するという意味で、特に道徳的・倫理的な観点から誰かの行動や発言を強く批判することを表します。scoldやreprimandよりも一般的に厳しい叱責を意味することが多いです。
rebukeは公式な場面でも非公式な場面でも使うことができますが、より深刻な叱責や批判を表します。宗教的な文脈でも頻繁に使われる単語です。
rebukeの例文
例文
- The principal rebuked the students for their bad behavior.(校長は生徒たちの悪い行動を厳しく非難した。)
- He was publicly rebuked for his rude comments.(無礼なコメントをしたことで、彼は公の場で厳しく非難された。)
- The teacher rebuked the student for cheating on the test.(テストでカンニングをしたため、先生は生徒を厳しく叱った。)
- My mother rebuked me for telling a lie.(嘘をついたため、母は私を厳しく叱った。)
- The coach rebuked the player for not respecting the rules.(ルールを尊重しなかったため、コーチは選手を厳しく叱った。)
rebukeの注意点
rebukeは強い非難や批判を意味するため、軽い注意や日常的な叱りを表現するには強すぎる表現かもしれません。誰かの行動が道徳的に問題がある場合や、特に厳しい叱責が必要な場合に使われることが多いです。
また、公の場で誰かをrebukeすることは、相手にとって非常に厳しい経験になる可能性があるため、使用する際には状況や関係性を十分に考慮する必要があります。
scold・reprimand・rebukeの類似表現との比較
「叱る」を意味する英単語はscold、reprimand、rebuke以外にもあります。それぞれの類似表現との違いを見ていきましょう。
reproveとの違い
reproveは「穏やかに叱る」という意味を持ちます。scoldが感情的に叱るのに対し、reproveは相手を改心させようという意図を持って、比較的穏やかに叱ることを意味します。
教育的な目的や相手の成長を願って諭すような叱り方を表現する場合に適しています。
例文
- The teacher gently reproved the student for not trying hard.(先生は一生懸命に努力しなかった生徒を穏やかに叱った。)
- My father reproved me for staying up too late.(夜更かしをしすぎたことで、父は私を諭すように叱った。)
chideとの違い
chideは「たしなめる」という意味で、軽い叱責や注意を表します。scoldほど強くなく、優しく諭すようなニュアンスがあります。
小さな間違いやマナーの問題について軽く注意する場合などに使われます。
例文
- She chided her brother for forgetting his manners.(マナーを忘れたことで、彼女は兄をたしなめた。)
- The grandmother chided the children for playing with food.(食べ物で遊んでいたことで、祖母は子どもたちをたしなめた。)
tell offとの違い
tell offは口語的な表現で、「きつく叱る」という意味です。scoldに近いですが、より口語的で日常会話で使われます。
イギリス英語でより一般的に使われる表現で、カジュアルな会話の中でよく耳にします。
例文
- My mother told me off for breaking her favorite vase.(お気に入りの花瓶を割ったため、母は私をきつく叱った。)
- The teacher told off the students who didn’t do their homework.(宿題をしなかった生徒たちを、先生はきつく叱った。)
その他の表現
他にも「叱る」に関連する表現として以下のようなものがあります。
- admonish:警告するように諭す
- berate:激しく叱りつける
- lecture:長々と説教する
- criticize:批判する
それぞれ使う状況やニュアンスが少しずつ異なりますので、状況に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。
scold・reprimand・rebukeの使い分け練習問題
以下の20の問題で「scold」「reprimand」「rebuke」の適切な使い分けを練習しましょう。それぞれの文に最も適した単語を選んでください。
- The mother __ her child for running into the street.
- The boss __ the employee for being late to an important meeting.
- The teacher __ the student for cheating on the test.
- The priest __ the man for his immoral behavior.
- My father __ me when I broke his favorite cup.
- The principal __ the whole school during assembly.
- She was __ by her manager for using her phone during work hours.
- The coach __ the players for not following instructions.
- The grandmother __ the children for playing with food.
- He was publicly __ for his dishonest statements.
- The captain __ the sailor for not following orders.
- My teacher __ me for not doing my homework.
- The parents __ their children for making too much noise.
- She was __ by the committee for breaking the rules.
- The police officer __ the teenagers for skateboarding in a prohibited area.
- The doctor __ the patient for not taking medicine regularly.
- My sister __ me for using her things without permission.
- The judge __ the lawyer for inappropriate behavior in court.
- The librarian __ the students for talking loudly in the library.
- He was severely __ by his coach for missing practice.
scold・reprimand・rebukeに関するよくある質問
- 最も一般的に使われるのはどれですか?
-
scoldが最も一般的に使われる表現です。日常生活の様々な場面で使われ、特に家庭内や学校で子供を叱る場面でよく使われます。reprimandとrebukeはより公式な場面や特定の状況で使われる傾向があります。
- 子供を叱るときはどの表現が適切ですか?
-
子供を日常的に叱る場合はscoldが最も適切です。例えば「The mother scolded her son for breaking the toy.(母親はおもちゃを壊した息子を叱った。)」のように使います。ただし、より公式な場面、例えば学校の校長が生徒を叱る場合にはreprimandも使えます。
- 職場で使うならどの表現が良いですか?
-
職場ではreprimandが最も適切です。公式な叱責を表すためです。例えば「The manager reprimanded the staff for being late.(マネージャーは遅刻したスタッフを叱責した。)」のように使います。rebukeも使えますが、より厳しい非難を表します。
- これらの単語は名詞としても使えますか?
-
はい、これらの単語は動詞としても名詞としても使えます。
- a scold – 叱ること、小言
- a reprimand – 公式な叱責、譴責
- a rebuke – 強い非難、叱責
例えば「He received a severe reprimand from his boss.(彼は上司から厳しい叱責を受けた。)」のように使うことができます。
- これらの表現に敬語はありますか?
-
これらの単語自体には敬語のバージョンはありませんが、表現の仕方で丁寧さのレベルを変えることができます。例えば「I must reprimand you for your behavior.(あなたの行動について叱責しなければなりません。)」のように「must」を使うと、より丁寧かつ公式な表現になります。
- 誰かを叱る際の丁寧な言い方はありますか?
-
より丁寧に誰かを叱りたい場合は、直接的な表現を避け、次のような表現を使うことができます。
- I need to address your recent behavior.(あなたの最近の行動について話し合う必要があります。)
- I’d like to discuss something concerning your work.(あなたの仕事に関して話し合いたいことがあります。)
- Could we have a word about what happened yesterday?(昨日のことについて少しお話できますか?)
まとめ

scold、reprimand、rebukeはどれも「叱る」という意味を持ちますが、使用される状況やニュアンスが異なります。この記事のポイントを以下にまとめます。
- scoldは日常的な場面で感情的に叱ることを表し、特に親が子供を叱る場面でよく使われる。
- reprimandは公式な場面で使われる叱責で、上司が部下を叱る場面など組織的な文脈で使われる。
- rebukeは道徳的な観点から厳しく非難することを意味し、より強い叱責を表す。
- reproveは穏やかに叱ること、chideは軽くたしなめること、tell offは口語的に叱ることを意味する。
- 状況や関係性に応じて適切な表現を選ぶことが重要である。
- これらの単語は動詞としても名詞としても使うことができる。
- scoldは日常会話で最も一般的に使われる表現である。
- reprimandは職場や組織内での公式な叱責を表現するのに適している。
- rebukeは特に道徳的・倫理的な問題に関して厳しく非難する場合に使われる。
- 英語では「叱る」という行為を表現するために様々な単語があり、それぞれ微妙なニュアンスの違いがある。
英語で「叱る」という行為を適切に表現するためには、状況や関係性、叱る理由などを考慮して、最も適した単語を選ぶことが大切です。
この記事を参考に、様々な場面で正確に自分の意図を伝えられるようになりましょう。