「shut up」は多くの映画やドラマで耳にする英語表現です。基本的には「黙れ」という意味で使われることが多いですが、実はそれだけではなく、様々な意味や使い方があります。特に初心者が注意すべきは、この表現がかなり強い言葉であり、使い方によっては相手を不快にさせる可能性があるということです。
この記事では、「shut up」の意味や適切な使い方、類似表現などを詳しく解説していきます。中学英語レベルの例文も多数紹介するので、英会話の幅を広げる参考にしてください。
「shut up」の基本的な意味

「shut up」は最もシンプルには「黙れ」「静かにしろ」という意味で使われる表現です。「shut」(閉じる)と「up」(上に)という単語の組み合わせからなりますが、これが「口を閉じる」という意味合いになったと考えられます。特に誰かがうるさく話しているときや、話を遮りたいときなどに使われることが多いです。
しかし、これは日本語の「黙れ」よりもさらに強いニュアンスを持つ表現で、特に初対面の人や目上の人に使うことは非常に失礼になります。友達同士の冗談でも、言い方によっては喧嘩になる可能性があるほど強い表現なのです。
「shut up」の基本的な使い方
基本的な「shut up」は命令形で、相手に黙ることを強く求める表現です。典型的な例としては、
例文
- “Shut up! I’m trying to study.”(黙って!勉強しようとしているんだ。)
- “Can you shut up? I can’t hear the teacher.”(静かにできない?先生の声が聞こえないよ。)
このような使い方は、特に親しい間柄でない限り、避けるべきでしょう。強い言い方になるため、相手を怒らせたり、傷つけたりする可能性があります。
「shut up」の言い方とニュアンス
「shut up」は言い方によってニュアンスが変わることがあります。
- きつい口調で言うと、「黙れ!」という怒りを表します
- 軽い調子で言うと、親しい友達間での冗談になることもあります
- 驚きのトーンで言うと、「まじで!?」といった意味になります
「shut up」の使い方と注意点
「shut up」は使い方に十分な注意が必要な表現です。特に英語初学者は、この表現をどのような状況で使うべきか(あるいは使わないべきか)を理解することが重要です。
フォーマルな場面では避けるべき理由
ビジネスの場や学校、公共の場所など、フォーマルな環境では「shut up」の使用は避けるべきです。この表現は非常にカジュアルで失礼に当たる可能性が高いからです。
例えば、会議中に同僚に「Shut up, please」と言うことは、「please」を付けても非常に失礼な言い方になります。同様に、先生に対して「Shut up」と言うことは、即座に叱責の対象となるでしょう。
フォーマルな場面では、以下のような丁寧な表現を使いましょう。
例文
- “Excuse me, could we move on to the next topic?”(すみません、次の話題に移ってもよろしいでしょうか?)
- “I’m sorry to interrupt, but I need to focus on my work right now.”(中断して申し訳ありませんが、今は仕事に集中する必要があります。)
友人間でのカジュアルな使用法
非常に親しい友人同士では、「shut up」が冗談や驚きを表現するためにカジュアルに使われることがあります。しかし、これは本当に親しい関係であり、お互いの許容範囲を理解している場合に限ります。
例文
- 友人が冗談を言った後:「Shut up! That’s so funny!」(やめてよ!それすごく面白い!)
- 友人が良いニュースを伝えてきた時:「Shut up! You got the job?」(まじで!仕事に採用されたの?)
これらの使用法では、「shut up」は「黙れ」という本来の意味ではなく、驚きや喜びなどのリアクションとして使われています。
トーンや言い方による印象の違い
「shut up」の印象は、言い方やトーンによって大きく変わります。同じ言葉でも、言い方次第で相手に与える印象が全く異なるのです。
- 強い口調で言うと、怒りや命令の印象を与えます
- 笑いながら言うと、冗談や驚きの表現になります
- ゆっくりと言うと(「Shut…up!」)、驚きや信じられない気持ちを表します
例文
- “Shut up! I can’t believe you did that!”(嘘でしょ!あなたがそんなことをしたなんて信じられない!)
- “Oh my god, shut up! Tell me everything!”(え、まじで!全部教えて!)
「shut up」の意外な使い方
「shut up」には「黙れ」以外にも、いくつかの興味深い使い方があります。特に、驚きや信じられない気持ちを表す表現として使われるケースが多いです。
驚きを表す「まじで!」「うそ!」としての使用法
「shut up」は「まじで!」「うそでしょ!」「信じられない!」という意味で使われることがあります。これは、相手の言ったことに驚いたり、信じがたいと感じたりした時の反応として使われます。
例文
- “I won a free trip to Hawaii.” “Shut up! How lucky you are!”(「ハワイへの無料旅行に当選したよ。」「まじで!なんて幸運なんだ!」)
- “My brother is going to get married next month.” “Shut up! I didn’t know he had a girlfriend!”(「兄が来月結婚するんだ。」「うそ!彼に彼女がいたなんて知らなかった!」)
この用法は、特に若者の間でよく使われます。ただし、ネガティブなニュースに対してこの表現を使うと不適切に聞こえる可能性があるので注意が必要です。
友人との会話での使用例
親しい友人との会話では、「shut up」が様々な形で使われることがあります。
例文
- “You know what? I met Tom Cruise yesterday!” “Shut up! Where?”(「ねえ、昨日トム・クルーズに会ったんだよ!」「まじで!どこで?」)
- “I got 100% on the math test.” “Shut up! You must be joking!”(「数学のテストで100点取ったよ。」「うそでしょ!冗談でしょ!」)
これらの例では、「shut up」は決して相手に黙ってほしいわけではなく、むしろ会話を盛り上げるためのリアクションとして機能しています。
「shut up」の他の意味
「shut up」には「黙れ」や「まじで!」以外にも、いくつかの意味があります。これらは文脈によって理解する必要があります。
「閉じ込める」「閉じこもる」の意味
「shut up」は「閉じ込める」「閉じこもる」という意味でも使われます。この場合、通常は受動態(be shut up)や再帰代名詞(shut oneself up)と共に使用されます。
例文
- “The dog was shut up in the garage all day.”(その犬は一日中ガレージに閉じ込められていた。)
- “After failing the test, he shut himself up in his room.”(テストに失敗した後、彼は自分の部屋に閉じこもった。)
この用法は、「黙れ」の意味での使用よりも比較的フォーマルで、書き言葉でも使われることがあります。
「shut up shop」などの関連フレーズ
「shut up」に関連するいくつかのフレーズもあります。例えば「shut up shop」は「店を閉める」「事業を終了する」という意味です。
例文
- “The bakery shut up shop at 7 pm.”(そのパン屋は午後7時に閉店した。)
- “After ten years, they had to shut up shop because of financial problems.”(10年後、彼らは経済的問題のために事業を終了せざるを得なかった。)
これらのフレーズは日常会話でも使われますが、「黙れ」の意味での「shut up」よりは穏やかな表現です。
「shut up」の類似表現と違い
「shut up」と似た意味を持つ表現はたくさんありますが、それぞれニュアンスや強さが異なります。状況に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。
より丁寧な表現
フォーマルな場面や、あまり親しくない人に対しては、「shut up」よりも丁寧な表現を使うべきです。
例文
- “Please be quiet.”(静かにしてください。)
例文:”Please be quiet. The baby is sleeping.”(静かにしてください。赤ちゃんが寝ています。) - “Could you please lower your voice?”(声を小さくしていただけますか?)
例文:”Could you please lower your voice? We are in a library.”(声を小さくしていただけますか?図書館にいますので。) - “I need some silence, please.”(静かにしていただけますか。)
例文:”I need some silence, please. I’m trying to concentrate.”(静かにしていただけますか。集中しようとしているんです。)
これらの表現は「shut up」よりもずっと丁寧で、相手を不快にさせる可能性が低いです。
同じくらい強い表現
「shut up」と同じくらい強い表現もいくつかあります。これらも使用には注意が必要です。
例文
- “Zip it!”(黙れ!)
例文:”Zip it! I’m tired of your excuses.”(黙れ!あなたの言い訳にはうんざりだ。) - “Cut it out!”(やめろ!)
例文:”Cut it out! Your joke is not funny.”(やめろ!あなたの冗談は面白くない。) - “Shut your mouth!”(口を閉じろ!)
例文:”Shut your mouth! Nobody wants to hear your opinion.”(口を閉じろ!誰もあなたの意見なんて聞きたくない。)
これらの表現は「shut up」と同様、非常に強い言葉なので、使用には十分な注意が必要です。
学校や職場での表現
例文
- “Could we please focus on the topic?”(話題に集中していただけますか?)
例文:”Could we please focus on the topic? We have a lot to cover today.”(話題に集中していただけますか?今日はたくさんのことをカバーする必要があります。) - “I’m sorry to interrupt, but…”(中断して申し訳ありませんが…)
例文:”I’m sorry to interrupt, but we need to move on to the next point.”(中断して申し訳ありませんが、次のポイントに進む必要があります。)
友人や家族に対する表現
例文
- “Can you be quiet for a minute?”(ちょっと静かにしてくれない?)
例文:”Can you be quiet for a minute? I’m on the phone.”(ちょっと静かにしてくれない?電話中なんだ。) - “Give it a rest.”(ちょっと休んで。)
例文:”Give it a rest. We’ve been talking about this all day.”(ちょっと休んで。一日中これについて話してるよ。)
「shut up」を使った例文集
ここでは、「shut up」の様々な使い方を例文で紹介します。中学英語レベルの簡単な例文なので、初学者の方も理解しやすいと思います。
基本的な「黙れ」の意味での例文
例文
- “Shut up! I can’t hear the TV.”(黙って!テレビの音が聞こえないよ。)
- “My brother told me to shut up when I sang in the shower.”(シャワーで歌っていたとき、兄は私に黙れと言った。)
- “The teacher was angry and said, ‘Shut up, class!'”(先生は怒って「静かにしなさい、クラスのみんな!」と言った。)
- “Shut up or I’ll leave the room.”(黙るか、さもなければ私は部屋を出るよ。)
- “I wish you would shut up about your new phone.”(あなたが新しい電話について黙ってくれたらいいのに。)
驚きを表す「まじで!」の意味での例文
例文
- “I got tickets to the concert.” “Shut up! How did you get them?”(「コンサートのチケットを手に入れたよ。」「まじで!どうやって手に入れたの?」)
- “Shut up! You met the prime minister?”(まじで!首相に会ったの?)
- “Shut up! That dress looks amazing on you!”(うそでしょ!そのドレス、あなたにとても似合ってるよ!)
- “My mom bought me a new bike.” “Shut up! You’re so lucky!”(「母が新しい自転車を買ってくれたよ。」「まじか!すごく幸運だね!」)
- “Shut up! Did you really win the school contest?”(まじで!本当に学校のコンテストで勝ったの?)
「閉じ込める」「閉じこもる」の意味での例文
例文
- “The cat was shut up in the bathroom all morning.”(その猫は朝の間ずっとバスルームに閉じ込められていた。)
- “He shut himself up in his study to write a book.”(彼は本を書くために書斎に閉じこもった。)
- “The children were shut up inside because of the rain.”(雨のため、子どもたちは家の中に閉じ込められていた。)
- “She shut up her feelings and didn’t tell anyone.”(彼女は感情を閉じ込めて、誰にも話さなかった。)
- “The shop was shut up for the holidays.”(その店は休日のために閉められていた。)
「shut up」に関するよくある質問
ここでは、「shut up」に関してよく寄せられる質問とその回答を紹介します。
- 「shut up」は常に失礼ですか?
-
「shut up」は基本的に強い表現で、多くの状況では失礼に当たります。しかし、非常に親しい友人間では冗談や驚きを表現するために使われることもあります。ただし、使用する場合は相手との関係性や状況をよく考慮する必要があります。
- 失礼な使い方:「Shut up! Your story is boring.」(黙れ!あなたの話はつまらない。)
- 親しい友人間での使い方:「Shut up! That’s so cool!」(まじで!それすごくかっこいい!)
- 「please shut up」と言うと丁寧になりますか?
-
残念ながら、「please」を付けても「shut up」の強さや失礼さは大きく軽減されません。むしろ、皮肉っぽく聞こえる場合があります。本当に丁寧に何かを伝えたい場合は、別の表現を使うことをお勧めします。
- 「Please shut up. I’m trying to work.」(黙ってください。仕事をしようとしているんです。)
- より丁寧な言い方:「I would appreciate some quiet. I’m trying to concentrate on my work.」(静かにしていただけると助かります。仕事に集中しようとしているんです。)
- 学校や職場で「shut up」を使っても大丈夫ですか?
-
学校や職場などのフォーマルな環境では、「shut up」の使用は避けるべきです。これらの場所では、プロフェッショナルな態度や敬意が求められるため、より丁寧な表現を使うことが大切です。
- 避けるべき言い方:「Shut up! I’m trying to listen to the teacher.」(黙れ!先生の話を聞こうとしているんだ。)
- より適切な言い方:「Could you please be quiet? I’m trying to listen to the teacher.」(静かにしていただけますか?先生の話を聞こうとしているんです。)
- 映画でよく聞くけど実生活でも使われますか?
-
「shut up」は確かに映画やテレビドラマでよく使われる表現ですが、実生活でも使われます。特に若者の間や友人同士の会話では、驚きや冗談として使われることが多いです。ただし、実生活では映画よりも使用頻度は低く、使用する状況も限られています。
- 友達が信じられないニュースを伝えてきたとき:「Shut up! Are you serious?」(まじで!本気?)
- 友達が冗談を言ったとき:「Oh, shut up! You’re so funny!」(もう、やめてよ!すごく面白いね!)
まとめ

この記事では「shut up」の意味や使い方について解説しました。いかがでしたか?ネイティブスピーカーのように自然な英語を話すためには、こうした表現のニュアンスやいつ使うべきかを理解することが大切です。最後に、この記事のポイントをリストでまとめます。
- 「shut up」の基本的な意味は「黙れ」「静かにしろ」だが、非常に強い表現である。
- フォーマルな場面や初対面の人には使うべきではない。
- 親しい友人間では「まじで!」「うそ!」という驚きを表す表現としても使われる。
- 言い方やトーンによって、意味やニュアンスが大きく変わる。
- 「閉じ込める」「閉じこもる」という別の意味もある。
- 状況に応じて、より丁寧な類似表現を使い分けることが重要。
- 「please」を付けても、基本的に「shut up」の失礼さは軽減されない。
- 学校や職場などのフォーマルな環境では使用を避けるべき。
- 映画やドラマでは頻繁に使われるが、実生活での使用は状況を選ぶ。
- 英語初学者は特に使用に注意し、まずは丁寧な表現から学ぶことが望ましい。
英語の表現は文化的背景や状況によって適切さが変わります。「shut up」のような強い表現を使う際は、相手との関係性や場の雰囲気をよく考えて使いましょう。特に英語初学者の方は、まずは丁寧な表現から身につけ、徐々に状況に応じた表現の幅を広げていくことをおすすめします。