英語学習を進めていくと、似たような意味を持つ単語の違いに悩むことがありますよね。特に「愚かな」や「バカな」という意味を持つ単語は、日本語でも使い分けが難しいものです。英語の「silly」「foolish」「stupid」はすべて「愚かな」という意味を持ちますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。
この記事では、これら3つの単語の違いと適切な使い分け方を、英語初学者にもわかりやすく解説していきます。例文も多く紹介するので、ぜひ実践的な使い方を身につけてください。
silly・foolish・stupidの基本的な違い

「silly」「foolish」「stupid」はすべて「愚かな」という意味を持っていますが、批判の強さやニュアンスが大きく異なります。簡単に説明すると以下のような違いがあります。
「silly」は最も軽い批判で、「おバカさん」「ふざけた」といった茶目っ気のある愚かさを表します。子供の無邪気な行動や、親しい間柄での冗談めいた批判によく使われます。
「foolish」は「分別のない」「判断力に欠ける」という意味で、その人の行動や決断を非難する際に使われます。人格そのものではなく、特定の行為を批判する傾向があります。
「stupid」は3つの中で最も強い表現で、「頭が悪い」「知能が低い」といった侮辱的なニュアンスを持ちます。相手を見下したり、怒りを込めて批判したりする場合に使われることが多く、注意して使う必要があります。
これらの単語は状況や関係性によって適切な使い分けが必要です。では、それぞれの単語について詳しく見ていきましょう。
sillyの意味と使い方
「silly」は英語で「愚かな」という意味を持ちますが、悪意のない軽い批判として使われることが多い単語です。語源は西ドイツ語の「happy(幸せ)」に由来し、「無邪気」→「世間知らず」→「おめでたい」→「おバカな」という流れで意味が変化してきました。
sillyが表すニュアンス
「silly」には「茶目っ気のある」「たわいない」「くだらない」といったニュアンスがあります。特に以下のような状況でよく使われます。
- 子供のいたずらや無邪気な行動を描写する時
- 親しい間柄での軽い冗談やからかいとして
- 重大な結果を招かない軽いミスを指す時
- ユーモアのある滑稽な行動や状況を表現する時
sillyの例文
「silly」の使い方を理解するために、いくつか例文を見てみましょう。
例文
- My little brother made a silly face at the camera.(弟はカメラに向かっておかしな顔をした。)
- Don’t be silly! Of course I want to go to the party with you.(ばかなこと言わないで!もちろん一緒にパーティーに行きたいわよ。)
- I made a silly mistake on my homework.(宿題でおバカなミスをしてしまった。)
- We watched a silly comedy movie last night.(昨夜はばかばかしいコメディ映画を見た。)
- She wore a silly hat to make her friends laugh.(友達を笑わせるために彼女はおかしな帽子をかぶった。)
sillyを使った表現
「silly」を使った一般的な表現もいくつか覚えておくと便利です。
- Silly me!(私ってバカね!):自分の小さなミスを笑い飛ばす時に使います。
- Don’t be silly.(ばかなこと言わないで。):相手の心配や謝罪が不要だと伝える時に使います。
- That’s just silly.(それはただのナンセンスだよ。):理にかなっていない考えや提案を指摘する時に使います。
foolishの意味と使い方
「foolish」は「愚かな」「分別のない」という意味を持ち、「silly」よりも少し批判の度合いが強くなります。フランス語の「fou(狂った)」に由来し、主に判断力や分別の欠如を指摘する際に使われます。
foolishが表すニュアンス
「foolish」には以下のようなニュアンスがあります。
- 分別や判断力に欠けている
- 常識がない
- 行為自体を非難する(人格そのものではなく)
- 後悔すべき決断や行動を表現する
foolishの例文
「foolish」の使い方をいくつかの例文で見てみましょう。
例文
- It was foolish of me to go out without an umbrella.(傘なしで出かけるなんて私は愚かだった。)
- He made a foolish decision to quit his job without having a new one.(新しい仕事がないまま退職するという愚かな決断をした。)
- They spent all their money on games. That was very foolish.(彼らはお金を全部ゲームに使ってしまった。それはとても愚かだった。)
- The foolish boy tried to swim in the deep water.(その愚かな少年は深い水の中で泳ごうとした。)
- I feel foolish for believing his lies.(彼の嘘を信じた自分が愚かに思える。)
foolishを使った表現
「foolish」を使った便利な表現も覚えておきましょう。
- A fool and his money are soon parted.(愚か者とそのお金はすぐに別れる。):浪費する人を表す慣用句です。
- Make a fool of oneself(自分を愚か者にする):恥ずかしい行動をとる、恥をかくという意味です。
- Play the fool(愚か者を演じる):わざと愚かなふりをするという意味です。
stupidの意味と使い方
「stupid」は「愚かな」「頭が悪い」という意味を持ち、3つの単語の中で最も強い批判を表します。ラテン語の「stupor(麻痺、鈍感)」に由来し、知能や理解力の欠如を強く非難する表現です。
stupidが表すニュアンス
「stupid」には以下のようなニュアンスがあります。
- 知能や理解力が低い
- 愚かで侮辱的
- イライラさせるような愚かさ
- 頭の回転が遅い、鈍い
stupidの例文
「stupid」の使い方を例文で見てみましょう。
例文
- That was a stupid thing to do.(それは愚かな行為だった。)
- I feel stupid for forgetting your birthday.(誕生日を忘れた自分が馬鹿みたいだ。)
- Don’t ask stupid questions.(ばかな質問をしないで。)
- He made a stupid mistake that cost the team the game.(彼はチームの試合に負けるようなばかげたミスをした。)
- It’s stupid to drive so fast in the rain.(雨の中でそんなに速く運転するのは愚かだ。)
stupidの使用上の注意点
「stupid」は強い批判を含む表現なので、使用する際には注意が必要です。特に以下の点に気をつけましょう。
- 直接人を指して「You are stupid」というのは非常に失礼になります。
- 公式の場や初対面の人との会話では避けた方が無難です。
- 自分自身の行動を批判する(I was stupid)のは比較的許容されます。
- 子供に対して使うと、自己肯定感を傷つける可能性があります。
silly・foolish・stupidの比較と使い分け
ここまで個別に解説してきた「silly」「foolish」「stupid」を直接比較し、どのような状況でどの単語を選ぶべきか考えてみましょう。
批判の強さによる比較
批判の強さを比較すると、以下のような順番になります。
silly(最も軽い)< foolish < stupid(最も強い)
同じ状況でも、使う単語によって伝わる印象が大きく変わります。例えば、
例文
- She made a silly mistake.(彼女は少しおかしなミスをした。)
- She made a foolish mistake.(彼女は分別のないミスをした。)
- She made a stupid mistake.(彼女は馬鹿げたミスをした。)
適切な使用状況による比較
それぞれの単語が適している状況も異なります。
silly
- 親しい友人や家族との会話
- 子供の行動を描写する時
- 軽いユーモアを込めた批判
- 自分の小さなミスを自嘲する時
foolish
- 判断力の欠如を指摘する時
- 後悔している行動について話す時
- 実際の結果よりも決断プロセスを批判する時
- 比較的丁寧に愚かさを指摘したい時
stupid
- 強い怒りや失望を表現する時
- 非常識な行動を厳しく批判する時
- 危険を招くような行為を非難する時
- 非常に親しい間柄での率直な批判
同じ文での使い分け例
以下の例文を見ると、それぞれの単語のニュアンスの違いがよくわかります。
例文
- The children were being silly at the party.(子どもたちはパーティーでふざけていた。)
- It was foolish to leave the door unlocked.(ドアに鍵をかけないのは分別がなかった。)
- Driving without a license is stupid.(免許なしで運転するのは愚かだ。)
silly・foolish・stupid以外の「愚かな」を表す英語表現
「silly」「foolish」「stupid」以外にも、「愚かな」という意味を持つ英語表現はたくさんあります。いくつか代表的なものを紹介します。
dumb(ダム)
「dumb」は「頭の回転が遅い」「のろまな」という意味で、特にアメリカ英語でカジュアルに使われます。「stupid」に近いニュアンスですが、もともとは「口がきけない」という意味もあり、差別的な表現として受け取られることもあるので注意が必要です。
例文
- That was a dumb thing to say.(それは言うべきではないことだった。)
- I feel dumb for not understanding the simple instructions.(簡単な指示を理解できなかった自分がバカみたいだ。)
idiot(イディオット)
「idiot」は名詞で「愚か者」「バカ」という意味です。「stupid」の名詞版のような使われ方をします。かなり強い表現なので、使用には注意が必要です。
例文
- Don’t be an idiot, wear your helmet.(バカなことするな、ヘルメットをかぶりなさい。)
- I felt like an idiot when I realized my mistake.(ミスに気づいた時、自分がバカだと感じた。)
ridiculous(リディキュラス)
「ridiculous」は「ばかばかしい」「笑えるほど愚かな」という意味で、笑いを誘うほど非常識または不合理なことを表します。
例文
- The price of that bag is ridiculous.(そのバッグの値段はばかばかしい。)
- His excuse sounds ridiculous.(彼の言い訳はばかげて聞こえる。)
absurd(アブサード)
「absurd」は「不条理な」「理不尽な」という意味で、論理的に考えられないほど愚かなことを表現します。
例文
- The idea of walking to the moon is absurd.(月まで歩いていくという考えは不条理だ。)
- It’s absurd to think we can finish this project in one day.(このプロジェクトを一日で終わらせられると考えるのは不条理だ。)
silly・foolish・stupidの使い分け練習問題
以下の20問の練習問題を通して、「silly」「foolish」「stupid」の適切な使い分けを練習してみましょう。各文の空欄に最も適切な単語を入れてください。
- My little sister likes to make _ faces in front of the mirror.
- It was _ of him to drive without checking the gas level.
- I think it’s _ to go swimming right after eating a big meal.
- The children were being _ during the movie.
- That was a _ mistake that could have been easily avoided.
- He looks _ wearing that funny hat.
- It’s _ to spend all your money on lottery tickets.
- She made a _ comment that made everyone laugh.
- I feel _ for forgetting my own phone number.
- The _ boy tried to catch a bee with his bare hands.
- We watched a _ comedy show last night.
- It was _ of me to leave my umbrella at home on a rainy day.
- Don’t make such a _ decision without thinking about it first.
- Her jokes are quite _, but we all enjoy them.
- It’s _ to text while driving.
- The kids played a _ game where they had to make funny noises.
- I think it’s _ to believe everything you read on the internet.
- He made a _ face to cheer up his sad friend.
- That was a _ risk to take with your health.
- The movie was so _ that we couldn’t stop laughing.
silly・foolish・stupidに関するよくある質問
- 「silly」は子供に使っても問題ないですか?
-
はい、「silly」は子供に対して使うのに適した単語です。「You’re being silly」(おふざけしているね)というように、子供の遊び心のあるおバカな行動を表現するのによく使われます。比較的優しい言葉なので、子供の自尊心を傷つける心配は少ないでしょう。
- 「stupid」は友達に対して使っても大丈夫ですか?
-
非常に親しい友人との間で冗談として使う場合は許容されることもありますが、基本的には避けた方が無難です。「stupid」は強い侮辱を含む単語で、相手を傷つける可能性があります。特に英語圏では、直接人に対して「You are stupid」と言うのはかなり失礼とされています。
- 「foolish」と「stupid」の主な違いは何ですか?
-
「foolish」は主に判断力や分別の欠如を指し、その行為自体を批判する傾向があります。一方「stupid」は知能や理解力の欠如を指摘し、より侮辱的なニュアンスを持ちます。「foolish」は「その行動は賢明でない」という批判、「stupid」は「その人は頭が悪い」という批判に近いです。
- 英語のビジネスシーンでこれらの単語を使うことはありますか?
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ビジネスシーンでは基本的にこれらの単語、特に「stupid」の使用は避けるべきです。もし愚かな決断や行動について言及する必要がある場合は、「unwise」(賢明でない)、「ill-advised」(よく考えられていない)、「imprudent」(慎重さに欠ける)などのより丁寧な表現を使うことをお勧めします。
- 自分自身について「I am stupid」と言うのは失礼になりますか?
-
自分自身について使う場合は、他人に対して使うよりも許容されます。ただし、「I was stupid to forget the keys」(鍵を忘れるなんて私はバカだった)のように、自分の特定の行動を批判するのが一般的です。自分の知能全般を否定するような使い方はあまり健全ではありません。
まとめ

この記事では「silly」「foolish」「stupid」の意味の違いと使い分けについて詳しく解説しました。ポイントを以下にまとめます。
- 「silly」は最も軽い表現で、茶目っ気のある「おバカさん」というニュアンスを持つ。
- 「foolish」は判断力や分別の欠如を表し、行為自体を非難するニュアンスがある。
- 「stupid」は3つの中で最も強い表現で、知能の低さを指摘する侮辱的なニュアンスを持つ。
- 使い分けの基本は、批判の強さ(silly < foolish < stupid)と状況(親しさ、深刻さ)を考慮すること。
- 「silly」は親しい間柄や子供に、「foolish」は判断の誤りを指摘する時に、「stupid」は非常に親しい間柄でのみ使うのが適切。
- ビジネスシーンや初対面の人との会話では、特に「stupid」の使用は避けるべき。
- 自分自身に対して使う場合は、より許容される傾向がある。
- その他にも「dumb」「idiot」「ridiculous」「absurd」など「愚かな」を表す表現はたくさんある。
英語学習では単語の意味だけでなく、そのニュアンスや適切な使用場面を理解することが大切です。この記事で紹介した「silly」「foolish」「stupid」の使い分けを覚えて、より自然な英語表現ができるようになりましょう。