英語を学び始めると、「simple」と「easy」はどちらも「簡単な」という意味で使われることが多いですが、実は使い方やニュアンスが異なります。
この記事では、英語初学者の方に向けて、これらの単語の違いや適切な使い分け方について詳しく解説します。
「simple」と「easy」の基本的な違い

「simple」と「easy」の基本的な違いは以下のとおりです。
「easy」は「努力や労力をあまり必要とせずにできる」という意味の「簡単さ」を表します。物事が「容易だ」「気楽だ」という場合に使います。
一方、「simple」は「複雑ではなく単純である」という意味の「簡単さ」を表します。物事の構造やアイデアが「単純だ」「シンプルだ」という場合に使います。
例えば、「This question is easy.」(この質問は簡単だ)と言えば、答えるのに苦労しないという意味になります。「This question is simple.」(この質問は単純だ)と言えば、質問自体が複雑でなく単純な構造を持っているという意味になります。
この基本的な違いを理解すると、両者の使い分けがより明確になります。
「easy」の意味と使い方
「easy」は物事が「容易だ」「気楽だ」「のんきな」という意味を持つ形容詞です。何かをする際に、あまり努力せずに簡単にできるという場合に使われます。
「easy」の基本的な使い方
「easy」は主に以下のような場面で使われます。
- 労力や努力をあまり必要としない場合
- 何かをするのが難しくない場合
- リラックスした、気楽な状態を表す場合
「easy」を使った基本的な例文を見てみましょう。
例文
- This book is easy to read.(この本は読みやすい。)
- Math is easy for her.(数学は彼女にとって簡単だ。)
- It is not easy to learn a new language.(新しい言語を学ぶのは簡単ではない。)
- The test was very easy.(そのテストはとても簡単だった。)
「easy」は「〜するのが簡単だ」という意味で「easy to 動詞」の形でよく使われます。また、「〜にとって簡単だ」という意味で「easy for 人」という形でも使われます。
「easy」のニュアンスと表現
「easy」は主観的な評価であることが多いです。つまり、何が「easy」かは人によって異なることがあります。例えば、同じ英語の問題でも、英語が得意な人にとっては「easy」でも、苦手な人にとっては「difficult(難しい)」かもしれません。
「easy」を使った日常的な表現もいくつかあります。
- Take it easy.(気楽にいこう、落ち着いて。)
- It’s as easy as pie.(とても簡単だ、楽勝だ。)
- Go easy on me.(優しくしてください、厳しくしないで。)
例文
- I’m tired today. Let’s take it easy.(今日は疲れています。ゆっくりしましょう。)
- Don’t worry. Making this cake is as easy as pie.(心配しないで。このケーキを作るのはとても簡単だよ。)
- This is my first time playing this game, so please go easy on me.(このゲームをするのは初めてなので、優しくしてください。)
「simple」の意味と使い方
「simple」は物事が「単純だ」「複雑でない」という意味を持つ形容詞です。構造やシステムが単純で複雑でないことを表します。
「simple」の基本的な使い方
「simple」は主に以下のような場面で使われます。
- 物事の構造が複雑でなく単純である場合
- 余計な装飾や複雑さがない場合
- 理解しやすく分かりやすい場合
「simple」を使った基本的な例文を見てみましょう。
例文
- This is a simple question.(これは単純な質問だ。)
- I like simple designs.(私はシンプルなデザインが好きだ。)
- The rules of the game are simple.(そのゲームのルールは単純だ。)
- She gave a simple answer.(彼女は単純な答えをした。)
「simple」も「〜するのが単純だ」という意味で「simple to 動詞」の形で使われることがあります。
「simple」のニュアンスと表現
「simple」は、物事の性質や構造に関するより客観的な評価を表すことが多いです。「easy」が主に行為の難易度を表すのに対し、「simple」は物事自体の特性を表します。
「simple」を使った日常的な表現もいくつかあります。
- Keep it simple.(シンプルにしておこう。)
- The simple truth is…(単純な真実は…)
- It’s not that simple.(そんなに単純ではない。)
例文
- When you explain this to children, keep it simple.(子どもたちに説明するときは、シンプルにしてください。)
- The simple truth is that we need more money.(単純な真実として、私たちはもっとお金が必要なのです。)
- I can’t just quit my job. It’s not that simple.(私は仕事を辞めるわけにはいかない。そんなに単純な話ではないのだ。)
「easy」と「simple」の比較と使い分け
「easy」と「simple」は似た意味を持ちますが、使い方やニュアンスが異なります。ここでは具体的な比較と使い分けについて見ていきましょう。
主な違いのまとめ
「easy」
- 何かをするのが難しくない、努力が少なくて済む
- より主観的で、人によって異なることがある
- 行動や作業の難易度に関連する
「simple」
- 構造や仕組みが複雑でなく単純である
- より客観的な性質を表すことが多い
- 物事の性質や構造自体に関連する
具体的な使い分け例
同じ対象に対しても、「easy」と「simple」では表現するニュアンスが異なります。
例文
- This math problem is easy.(この数学の問題は解くのが簡単だ。)
→ 解くのに苦労しないという意味です。 - This math problem is simple.(この数学の問題は単純だ。)
→ 問題自体が複雑でなく単純な構造を持っているという意味です。 - The directions were easy to follow.(その道順は従いやすかった。)
→ 道順に従うのに苦労しなかったという意味です。 - The directions were simple.(その道順は単純だった。)
→ 道順自体が複雑でなく単純だったという意味です。 - It’s easy to use this computer.(このコンピュータは使いやすい。)
→ コンピュータを使うのに苦労しないという意味です。 - This computer has a simple design.(このコンピュータはシンプルなデザインをしている。)
→ コンピュータのデザインが複雑でなく単純であるという意味です。
「simple」と「easy」の類似表現と比較
英語には「simple」と「easy」以外にも「簡単な」という意味を持つ単語がいくつかあります。ここでは、他の類似表現についても解説します。
「elementary」(初歩的な、基本的な)
「elementary」は主に知識や学習の基本的なレベルを表します。初級者向けの内容を指すことが多いです。
例文
- This is an elementary English textbook.(これは初級の英語教科書です。)
- You need to understand the elementary principles first.(まず初歩的な原理を理解する必要があります。)
「basic」(基本的な、初歩的な)
「basic」は最も基本的で必要不可欠な要素を表します。
例文
- These are the basic rules of the game.(これはそのゲームの基本的なルールです。)
- He lacks basic knowledge of computers.(彼はコンピュータの基本的な知識が欠けている。)
「uncomplicated」(複雑でない)
「uncomplicated」は複雑さがないことを強調する表現です。
例文
- The procedure is uncomplicated.(その手順は複雑ではない。)
- She likes an uncomplicated life.(彼女は複雑でない生活を好む。)
「plain」(平易な、素朴な)
「plain」は装飾や余分なものがなく、質素であることを表します。
例文
- She explained it in plain language.(彼女はそれを平易な言葉で説明した。)
- I prefer plain designs for my room.(私は自分の部屋にシンプルなデザインを好む。)
「simple」と「easy」の使い分け練習問題
ここでは「simple」と「easy」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。適切な単語(simple または easy)を選んで文を完成させてください。
問題1: This math problem is very ( ) for me.
問題2: I like ( ) designs for my room.
問題3: Learning English is not ( ) for everyone.
問題4: The game has ( ) rules that anyone can understand.
問題5: It was ( ) for her to make friends at the new school.
問題6: Please give me a ( ) explanation.
問題7: Finding a job these days is not ( ).
問題8: He lives a ( ) life in the countryside.
問題9: This puzzle is ( ) to solve.
問題10: The solution to this problem is quite ( ).
問題11: It’s ( ) to see that he is happy.
問題12: The dress has a ( ) design without many details.
問題13: Using this smartphone is very ( ).
問題14: The recipe has ( ) instructions with few steps.
問題15: It’s not ( ) to find good restaurants in this area.
問題16: I prefer ( ) meals without too many ingredients.
問題17: The teacher gave us an ( ) test.
問題18: She wrote a letter in ( ) English.
問題19: Opening this bottle is not ( ).
問題20: The story has a ( ) plot.
「simple」と「easy」に関するよくある質問
- 「simple」と「easy」は本当に同じ意味ですか?
-
いいえ、完全に同じではありません。どちらも「簡単な」という意味を持ちますが、「easy」は主に何かをするのが難しくないという意味で、「simple」は物事の構造や性質が複雑でないという意味です。例えば、「This test is easy」は「このテストは解きやすい」という意味ですが、「This test is simple」は「このテストは構造が単純だ」という意味になります。
- 「simple」には否定的なニュアンスがありますか?
-
時に「simple」には「単純すぎる」「洗練されていない」というやや否定的なニュアンスを持つことがあります。特に人について「He is a simple man」というと、時に「彼は単純な考えを持つ人だ」という含みを持つことがあります。ただし、多くの場合は中立的または肯定的な意味で使われます。
- 「Take it easy」と「Keep it simple」の違いは何ですか?
-
「Take it easy」は「落ち着いて」「焦らないで」「リラックスして」という意味の表現で、相手の精神状態に言及します。一方、「Keep it simple」は「物事をシンプルに保つ」「複雑にしない」という意味で、物事の方法や構造に言及します。
- 「easy」と「simple」の反対語は何ですか?
-
「easy」の反対語は主に「difficult(難しい)」または「hard(難しい、大変な)」です。「simple」の反対語は主に「complex(複雑な)」または「complicated(複雑な、込み入った)」です。
- 「easy」と「simple」以外に「簡単な」という意味の単語はありますか?
-
はい、「elementary(初歩的な)」「basic(基本的な)」「straightforward(わかりやすい)」「uncomplicated(複雑でない)」「plain(平易な)」などがあります。それぞれ微妙に意味やニュアンスが異なるので、状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
- 「It’s not that easy」と「It’s not that simple」の違いは何ですか?
-
「It’s not that easy」は「そんなに簡単ではない」という意味で、何かをするのが予想以上に難しいことを表します。一方、「It’s not that simple」は「そんなに単純な話ではない」という意味で、物事が予想以上に複雑であることを表します。
まとめ

この記事では、「simple」と「easy」の意味の違いと使い分けについて解説しました。主なポイントをまとめると以下のようになります。
- 「easy」は「努力や労力をあまり必要とせずにできる」という意味の簡単さを表す。
- 「simple」は「構造や仕組みが複雑でなく単純である」という意味の簡単さを表す。
- 「easy」は主に行動や作業の難易度に関連し、より主観的な評価になりやすい。
- 「simple」は主に物事の性質や構造に関連し、より客観的な性質を表すことが多い。
- 「easy」はよく「easy to 動詞」や「easy for 人」という形で使われる。
- 「simple」は物事の複雑さの程度を表し、「単純な」「シンプルな」というニュアンスを持つ。
- 「Take it easy」(落ち着いて)や「Keep it simple」(シンプルにしておく)などの日常表現もある。
- 英語には「elementary」「basic」「straightforward」「uncomplicated」「plain」など、他にも「簡単な」という意味を持つ表現がある。
「simple」と「easy」の違いを理解し、適切に使い分けることで、より自然な英語表現ができるようになります。
この記事で紹介した例文や練習問題を参考に、実際の会話や文章の中で活用してみてください。