「Six of one, half a dozen of the other」は英語のイディオム(慣用句)で、二つの選択肢や状況がほぼ同じであり、どちらを選んでも結果は変わらないことを表現する言葉です。直訳すると「一方の6つ、もう一方の半ダース」となります。半ダース(half a dozen)は6という数を意味するため、結局どちらも同じ数を指しているわけです。
このイディオムは英語圏で日常的によく使われる表現なので、英語学習者にとって覚えておくと便利です。
「Six of one, half a dozen of the other」の意味

このイディオムは「どちらも同じである」「大した違いがない」「甲乙つけがたい」という意味を持ちます。二つの選択肢が提示されたとき、それらの間に実質的な違いがなく、どちらを選んでも結果は同じになるという状況で使われます。
日本語の「五十歩百歩」や「似たり寄ったり」「大同小異」などに近い意味を持ちますが、このイディオムの面白いところは、「6」と「半ダース(6)」という同じ数を違う言い方で表現することで、「見かけは違うが実質は同じ」ということを巧みに表している点です。
イディオムの由来
このイディオムの最も古い記録は1790年頃、イギリスの海軍士官ラルフ・クラークの日記にあるとされています。彼は船が遭難した際、兵士と囚人について「どちらも大差ない」という意味でこの表現を使いました。
その後、19世紀の文学作品などを通じて広まったと考えられています。
「Six of one, half a dozen of the other」の使用場面と例文
このイディオムは日常会話でよく使われます。特に選択に迷っている時や、複数の選択肢の違いがあまりない場合に役立ちます。
以下に、初心者にもわかりやすい例文をいくつか紹介します。
例文
- We can go to the park or the beach. It’s six of one, half a dozen of the other.
(公園に行くか海岸に行くか、どちらでも大差ないよ。) - Do you want to watch a movie or play a game? For me, it’s six of one, half a dozen of the other.
(映画を見るかゲームをするか?私にはどちらでも同じだよ。) - Both teachers are good. It’s six of one, half a dozen of the other.
(どちらの先生も良い。甲乙つけがたい。) - You can take the train or the bus. It’s six of one, half a dozen of the other. Both take 30 minutes.
(電車でもバスでも行ける。どちらも同じだよ。どちらも30分かかる。) - I don’t know which team will win. It’s six of one, half a dozen of the other.
(どちらのチームが勝つかわからない。互角だね。)
会話での使い方
実際の会話では次のように使うことができます。
例文
- A: Should we eat pizza or hamburgers for lunch?
(昼食にピザとハンバーガー、どちらを食べる?) - B: It’s six of one, half a dozen of the other. I like both.
(どちらでも同じだよ。両方好きだから。)
例文
- A: Is it better to study English in the morning or at night?
(英語は朝と夜、どちらに勉強する方が良い?) - B: For me, it’s six of one, half a dozen of the other. I can focus at both times.
(私にとってはどちらも同じだよ。どちらの時間も集中できるから。)
「Six of one, half a dozen of the other」の使い方のコツ
このイディオムを使う際のコツをいくつか紹介します。まず、一般的には「It’s six of one, half a dozen of the other」という形で使われることが多いです。また「It’s six of one and half a dozen of the other」という形も使われます。
このイディオムは、本当に大差がない場合に使うべきです。明らかに一方が優れている場合には適切ではありません。また、重要な決断を迫られている場面では、「どちらでもいい」という印象を与えることがあるため、使わない方が良い場合もあります。
バリエーション
このイディオムにはいくつかバリエーションがあります。イギリス英語では「six and two threes」という短縮形も使われることがあります。
これも「6と2×3」で同じく6を意味し、本質的に同じことを表しています。
「Six of one, half a dozen of the other」に関するよくある質問
- なぜ「six of one」と「half a dozen of the other」という表現なのですか?
-
「dozen」は12を意味し、「half a dozen」はその半分の6を意味します。つまり「six」と「half a dozen」は同じ数(6)を指しており、「見かけは違うが本質は同じ」という意味を伝えるのに適した表現になっています。
- 日本語の「五十歩百歩」とどう違いますか?
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基本的な意味は似ていますが、「五十歩百歩」は孟子の故事に由来し、「わずかな差に過ぎない」というニュアンスがあります。一方、「Six of one, half a dozen of the other」は完全に同じ数を異なる言い方で表現しており、「全く差がない」というニュアンスが強いです。
- このイディオムはフォーマルな場面でも使えますか?
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このイディオムはカジュアルな表現で、日常会話やインフォーマルな文脈で使われることが多いです。ビジネス文書や学術論文などフォーマルな文章ではあまり使われません。
- 「Same difference」という表現とどう違いますか?
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「Same difference」も似たような意味を持つイディオムですが、より口語的でカジュアルな表現です。また、「Same difference」は主に会話の中で反応として使われる一方、「Six of one, half a dozen of the other」は選択肢について述べる際によく使われます。
まとめ

「Six of one, half a dozen of the other」は英語の便利なイディオムです。このイディオムについての要点をまとめると、
- 「似たり寄ったり」「大差ない」「どちらも同じ」という意味を持つ
- 直訳すると「一方の6つ、もう一方の半ダース」だが、どちらも6を意味する
- 二つの選択肢や状況が本質的に同じであることを表現する
- 「It’s six of one, half a dozen of the other」という形でよく使われる
- 日常会話やカジュアルな場面で使われることが多い
- 日本語の類似表現には「五十歩百歩」「大同小異」「どんぐりの背比べ」などがある
- イギリス英語では「six and two threes」という短縮形も使われる
- 本当に大差ない場合にのみ使うべき
このイディオムをマスターして、英語での日常会話の幅を広げましょう。「どちらも同じ」「甲乙つけがたい」という状況に遭遇したら、ぜひ「It’s six of one, half a dozen of the other」と言ってみてください。