英語で「ごめんなさい」と言いたいとき、多くの人はまず「I’m sorry」を思い浮かべるでしょう。しかし、英語の謝罪表現は実に豊かで、状況や相手との関係性によって使い分けるべき表現がたくさんあります。適切な謝罪表現を選ぶことで、あなたの誠意がより確実に相手に伝わります。
英語圏では謝罪の言葉選びは非常に重要視されており、状況にふさわしい表現を知っておくことがスムーズなコミュニケーションの鍵となるのです。
この記事では、英語初学者の方でも理解しやすいように、カジュアルな場面からビジネスシーンまで、様々な謝罪表現とそのニュアンスの違いについて詳しく解説していきます。
カジュアルな謝罪表現

日常的な会話や友人との会話で使うカジュアルな謝罪表現は、軽いミスや小さな失敗に対して使われることが多いです。これらは形式ばらず、気軽に使える表現です。
「Sorry」と「Sorry about that」
「Sorry」は最も基本的な謝罪表現です。日常的な小さなミスに対して気軽に使えます。「Sorry about that」はさらにカジュアルで、「それについてはごめん」というニュアンスがあり、友人同士の会話でよく使われます。
例文
- Sorry I’m late.(遅れてごめん。)
- Sorry about that, I must have missed your email.(ごめんね、メールを見逃していたみたい。)
「My bad」
「My bad」は非常にカジュアルな表現で、「私のミスだった」という意味です。主に若者の間で使われることが多く、深刻でない状況で使います。ビジネスシーンでは不適切な表現なので注意しましょう。
例文
- My bad! I forgot to bring the snacks.(私のミス!おやつ持ってくるの忘れた。)
「Oops, sorry!」
「Oops」は小さなミスをしたときの驚きを表す言葉で、「sorry」と組み合わせることで、「あっ、ごめん!」というニュアンスになります。意図せず小さなミスをしたときに使います。
例文
- Oops, sorry! I didn’t see your bag there.(あっ、ごめん!そこにバッグがあるの見てなかった。)
フォーマルな謝罪表現
より正式な場面やビジネスシーンでは、フォーマルな謝罪表現が求められます。これらは丁寧さを示し、プロフェッショナルな印象を与えるのに役立ちます。
「I apologize」と「I’m sorry」の違い
「I apologize」は「I’m sorry」よりもフォーマルな印象を与えます。「apologize」という動詞を使うことで、より正式に謝罪の意を示すことができます。特にビジネス環境や公式な状況で適しています。
例文
- I apologize for the delay in sending the documents.(書類の送付が遅れて申し訳ありません。)
- I’m sorry for the inconvenience.(ご不便をおかけして申し訳ありません。)
「Please forgive me」
「許してください」という直接的な表現で、より深刻なミスをした際に使います。相手の許しを請うより強い謝罪の言葉です。
例文
- Please forgive me for not being honest with you.(正直でなかったこと、どうか許してください。)
「I didn’t mean to」
「そのつもりはなかった」という表現で、意図せずに相手を傷つけたり、問題を起こしたりした場合に使います。故意ではなかったことを強調したい場合に効果的です。
例文
- I didn’t mean to offend you with my comment.(私のコメントであなたを傷つけるつもりはありませんでした。)
ビジネスシーンでの謝罪表現
ビジネスの場面では、より丁寧で専門的な謝罪表現が求められます。顧客、上司、ビジネスパートナーに対する謝罪は、プロフェッショナルな姿勢を示すことが重要です。
「Please accept my sincere apologies」
非常に丁寧な謝罪表現で、ビジネスメールやフォーマルな状況でよく使われます。「誠に申し訳ございません」というニュアンスに近い表現です。
例文
- Please accept my sincere apologies for the misunderstanding.(誤解を招いてしまったことについて、誠に申し訳ございません。)
「I owe you an apology」
「あなたに謝罪する義務がある」という意味で、自分のミスを認め、きちんと謝罪したいという意思を示す表現です。
例文
- I owe you an apology for missing yesterday’s meeting.(昨日の会議を欠席したことについて、お詫び申し上げます。)
「I take full responsibility」
「全責任を負います」という意味で、特にチームのリーダーやマネージャーがよく使う表現です。問題に対して責任を取る姿勢を明確に示します。
例文
- I take full responsibility for the error in the report.(レポートの誤りについては私が全責任を負います。)
「There is no excuse for」
「言い訳の余地はありません」という意味で、自分のミスを正直に認め、言い訳をしないという姿勢を示す表現です。
例文
- There is no excuse for my tardiness, and I sincerely apologize.(遅刻したことに言い訳はできません。心からお詫び申し上げます。)
深い謝罪が必要なときの表現
より深刻な問題や大きなミスをした場合には、より強い謝罪の表現が必要になります。これらは本当に心から反省している気持ちを伝えるのに役立ちます。
「I’m really/truly/deeply sorry」
「really」「truly」「deeply」などの副詞を加えることで、単なる「I’m sorry」よりも誠実さや申し訳なさを強調することができます。
例文
- I’m truly sorry for forgetting such an important date.(そんな大切な日を忘れてしまって、本当に申し訳ありません。)
- I’m deeply sorry for the pain I’ve caused you.(あなたに苦痛を与えてしまったことを深くお詫びします。)
「I feel so ashamed of myself」
深い後悔や恥ずかしさを表現する言葉で、自分の行動を振り返って心から反省していることを示します。
例文
- I feel so ashamed of myself for breaking your trust.(あなたの信頼を裏切ってしまい、自分が本当に恥ずかしいです。)
「I cannot apologize enough」
「どれだけ謝っても足りない」という意味で、深い謝罪の気持ちを表します。取り返しのつかないことをしてしまったと感じるときに使います。
例文
- I cannot apologize enough for losing your precious photo album.(大切な写真アルバムをなくしてしまったことを、どれだけ謝っても足りません。)
「Please accept my sincerest apologies」
「sincere」(誠実な)という形容詞の最上級を使うことで、より心からの謝罪であることを強調します。非常にフォーマルな表現です。
例文
- Please accept my sincerest apologies for the inconvenience we have caused.(ご不便をおかけしたことについて、心からのお詫びを申し上げます。)
「sorry for」と「sorry about」の使い分け
「sorry for」と「sorry about」はどちらも謝罪の表現ですが、使い方に微妙な違いがあります。適切に使い分けることで、より自然な英語表現になります。
「Sorry for」の使い方
「sorry for」は主に自分の行動や言動に対して謝罪するときに使います。自分に責任があり、それを認めている場合に適しています。
例文
- I’m sorry for shouting at you last night.(昨夜あなたに叫んでしまって申し訳ありません。)
- I’m sorry for being late.(遅れてしまって申し訳ありません。)
「Sorry about」の使い方
「sorry about」はより一般的な状況や、必ずしも自分に直接的な責任がない事柄について謝罪したり、同情を示したりするときに使います。
例文
- I’m sorry about the inconvenience caused while using our application.(アプリケーション使用中の不便についてお詫び申し上げます。)
- I’m sorry about your loss.(ご愁傷様です。)※例外的に「loss」の場合は「for」を使うこともあります。
使い分けのポイント
基本的に、自分が直接行った行動には「sorry for」、状況や出来事には「sorry about」を使うと覚えておくと良いでしょう。ただし、日常会話では厳密に区別されないこともあります。
謝罪を強化する表現テクニック
効果的な謝罪には、単に「ごめんなさい」と言うだけでなく、いくつかのテクニックを取り入れることで、より誠実さを伝えることができます。以下のテクニックを活用して、より効果的な謝罪を心がけましょう。
副詞を加えて誠実さを強める
副詞を追加することで、謝罪の度合いや誠実さを強調できます。
主な副詞の例
- really(本当に)
- truly(心から)
- deeply(深く)
- sincerely(誠に)
- terribly(ひどく)
- extremely(非常に)
例文
- I’m truly sorry for the misunderstanding.(誤解について心からお詫び申し上げます。)
- I’m extremely sorry for missing our appointment.(約束を逃してしまったことを非常に申し訳なく思います。)
具体的に何に対して謝罪しているかを明確にする
漠然とした謝罪よりも、具体的に何に対して謝罪しているのかを明確にすることで、より誠実な印象を与えます。
例文
- I apologize for not responding to your email promptly.(すぐにメールに返信しなかったことをお詫びします。)
- I’m sorry for interrupting you during your presentation.(プレゼンテーション中に割り込んでしまい申し訳ありません。)
非言語コミュニケーションを意識する
謝罪する際は、言葉だけでなく、表情やボディランゲージ、声のトーンなども重要です。誠実な謝罪は、言葉と非言語的要素の両方から伝わります。
ポイント
- アイコンタクトを維持する
- 誠実な表情で話す
- 適切な声のトーンを使う(小さすぎず、自信なさげすぎず)
- 相手の話をしっかり聞く姿勢を見せる
改善策や埋め合わせを提案する
謝罪するだけでなく、同じ問題が再発しないための具体的な方法や、相手への埋め合わせについて提案することで、より誠意のある謝罪になります。
例文
- I’m sorry I forgot to bring the documents. I will deliver them to your office this afternoon and set a reminder system to prevent this from happening again.
(書類を持ってくるのを忘れて申し訳ありません。今日の午後オフィスに届けますし、今後はリマインダーをセットして同じことが起きないようにします。)
謝罪表現のよくある間違いと注意点
英語で謝罪する際に、日本人がよく陥りがちな間違いや注意すべき点があります。効果的で誠実な謝罪をするために、以下の点に気をつけましょう。
具体的な責任を取らない
「何となく申し訳ない」という曖昧な謝罪は、英語圏では誠意が感じられないことがあります。具体的に何について謝罪しているのかを明確にすることが重要です。
悪い例
- I’m sorry if you felt offended.(もし気分を害したなら申し訳ない。)
- I’m sorry about what happened.(起きたことについて申し訳ない。)
良い例
- I’m sorry for interrupting you during the meeting.(会議中に割り込んで申し訳ありませんでした。)
- I apologize for not meeting the deadline as promised.(約束通りに締め切りに間に合わせられなくて申し訳ありません。)
責任転嫁をする
日本語では「〜だけど」と言い訳を添えることがありますが、英語の謝罪では自分のミスを他人や状況のせいにするのは避けるべきです。自分の責任を認めることが大切です。
悪い例
- I’m sorry, but the traffic was terrible.(ごめん、でも交通渋滞がひどかったんだ。)
- I apologize, but I didn’t receive clear instructions.(申し訳ありませんが、明確な指示を受けていませんでした。)
良い例
- I’m sorry for being late. I should have allowed more time for travel.(遅刻して申し訳ありません。移動時間をもっと余裕を持って計画すべきでした。)
- I apologize for the misunderstanding. I should have asked for clarification.(誤解を招いて申し訳ありません。もっと明確に確認すべきでした。)
言い訳を先にする
日本語では言い訳から入ることもありますが、英語の謝罪では謝罪の前や最中に言い訳をすると、謝罪の誠意が薄れてしまいます。まずは明確に謝罪し、必要であれば後で状況を説明するのが良いでしょう。
悪い例
- I’ve been extremely busy and stressed, so I’m sorry I forgot your birthday.(とても忙しくてストレスがあったから、誕生日を忘れてしまってごめん。)
良い例
- I’m truly sorry I forgot your birthday. It was an important day and I should have remembered.(誕生日を忘れてしまって本当にごめんなさい。大切な日なのに覚えておくべきでした。)
- その後で必要に応じて:I want you to know that I have been under a lot of stress lately, but this is not an excuse for my actions.(最近とてもストレスを感じていることを知ってほしいのですが、これは私の行動の言い訳ではありません。)
相手への影響に焦点を当てない
効果的な謝罪には、自分の行動が相手にどのような影響を与えたかを理解し、認めることが含まれます。相手の気持ちに共感を示すことも大切です。
悪い例
- I’m sorry I was late for our meeting.(会議に遅れてごめん。)
良い例
- I’m sorry I was late for our meeting. I realize I wasted everyone’s valuable time and disrupted the schedule.(会議に遅れて申し訳ありません。皆さんの貴重な時間を無駄にし、スケジュールを乱してしまいました。)
文化的な違いを無視する
日本と英語圏の国々では謝罪の文化が異なります。日本では頻繁に謝ることが美徳とされることもありますが、英語圏では過度に謝ることで誠意が薄れたり、弱さの表れと捉えられたりすることもあります。
状況に応じた適切な謝罪を心がけましょう。
「謝罪表現」に関するよくある質問
英語での謝罪に関して、多くの学習者が持つ疑問について解説します。
- 「sorry」と「excuse me」の違いは何ですか?
-
「sorry」は主に謝罪の意を表し、何か間違ったことをした時や相手を傷つけた時などに使います。一方、「excuse me」は主に「ご容赦ください」というニュアンスで、人の注意を引きたい時や通り過ぎる時など、許可を求める場面で使うことが多いです。また、「excuse me」は小さな失礼(くしゃみや咳など)に対しても使われます。
例文:
- 「Sorry for stepping on your foot.」(足を踏んでしまって申し訳ありません。)
- 「Excuse me, could you tell me the time?」(すみません、時間を教えていただけますか?)
- 「I apologize」と「I’m sorry」はどう使い分けるべきですか?
-
「I apologize」はより正式で、ビジネスシーンや公式な場面で使われることが多いです。「I’m sorry」はより一般的で幅広い場面で使えますが、「I apologize」ほど正式ではありません。深刻な謝罪の際には「I apologize」の方が適している場合もあります。
例文:
- 「I apologize for the delay in responding to your inquiry.」(お問い合わせへの返信が遅れたことをお詫び申し上げます。)(フォーマル)
- 「I’m sorry I’m late.」(遅れてごめんなさい。)(カジュアル)
- どうすれば謝罪が受け入れられたか分かりますか?
-
相手が「It’s okay」「Don’t worry about it」「That’s alright」「No problem」などと言った場合、通常は謝罪が受け入れられたサインです。また、相手の表情や態度が和らいだり、通常の会話に戻ったりする場合も、謝罪が受け入れられた可能性が高いです。しかし、深刻な問題の場合は、時間をかけて信頼を回復する必要があるかもしれません。
- メールやテキストでの謝罪は適切ですか?
-
状況によります。軽微な問題であれば、メールやテキストでの謝罪も適切です。しかし、より深刻な問題や個人的な関係に関わる謝罪の場合は、直接対面で、または少なくとも電話で謝罪する方が誠意が伝わりやすいでしょう。メールで謝罪する場合も、丁寧な言葉遣いと具体的な謝罪の内容を心がけましょう。
- 謝罪を繰り返すべきですか?
-
一度しっかりと謝罪した後に何度も繰り返すと、かえって相手を不快にさせる可能性があります。誠実に謝罪し、必要な対応をした後は、前に進むことが大切です。ただし、深刻な問題の場合は、時間をかけて信頼関係を修復する過程で、適切なタイミングで再度謝罪することも有効です。
まとめ

英語での謝罪は、単に「sorry」と言うだけではなく、状況や相手との関係性に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。この記事では、カジュアルな表現からフォーマルな表現まで、様々な謝罪表現とそのニュアンスの違いについて解説しました。
効果的な謝罪は、単なる言葉以上のもので、誠実さ、責任の認識、そして改善への意思を示すことが含まれます。以下に、本記事のポイントをまとめます。
- カジュアルな謝罪表現:「Sorry」「Sorry about that」「My bad」「Oops, sorry!」
- フォーマルな謝罪表現:「I apologize」「Please forgive me」「I didn’t mean to」
- ビジネスシーンでの謝罪表現:「Please accept my sincere apologies」「I take full responsibility」「There is no excuse for」
- 深い謝罪が必要なときの表現:「I’m really/truly/deeply sorry」「I cannot apologize enough」
- 「sorry for」は自分の行動に対して、「sorry about」は状況に対して使う
- 効果的な謝罪には、具体性、責任の認識、相手への影響の理解、そして改善策の提案が含まれる
- 謝罪の際によくある間違い:具体的でない、責任転嫁、言い訳を先にする、相手への影響に焦点を当てない
適切な謝罪表現を身につけることで、英語でのコミュニケーションがより円滑になり、人間関係の修復や維持にも役立ちます。様々な状況でこれらの表現を実践してみて、自然な英語での謝罪を身につけていきましょう。
謝罪は難しいものかもしれませんが、誠実さを持って行うことで、信頼関係を築くための重要なステップとなります。