英語の日常会話で頻繁に耳にする表現「sort of」。この表現は映画やドラマの中でも多く登場しますが、教科書ではあまり詳しく解説されていません。「sort of」は英語ネイティブが自然に使うフレーズであり、これを適切に使えると会話が格段に自然になります。
本記事では「sort of」の意味や使い方を初学者向けに詳しく解説していきます。例文も豊富に用意しましたので、ぜひ実際の使い方をマスターしてください。
「sort of」の基本的な意味

「sort of」は、もともと「一種の」「ある種の」という意味を持つ表現です。「sort」は「種類」という意味の名詞で、日常会話では様々な場面で使われています。特に口語表現として、「sort of」は「ちょっと」「多少」「なんとなく」「どちらかというと」といった曖昧さを表現するのに役立ちます。
英語の会話では、物事をはっきりと断定せず、やわらかい表現にしたい場面が多くあります。そんなときに「sort of」が便利なフレーズとして活躍します。例えば、自分の意見を控えめに伝えたり、確信が持てないことを表現したりするのに適しています。
「一種の・種類の」という本来の意味
「sort of」の本来の意味は「一種の」「種類の」です。何かを分類する際に使います。
例文
- This is a sort of fruit that grows in tropical areas.(これは熱帯地域で育つ一種の果物です。)
- I need that sort of pen for my art class.(美術の授業にはそのような種類のペンが必要です。)
- There are many sorts of books in the library.(図書館にはたくさんの種類の本があります。)
「ちょっと・多少」という会話での意味
日常会話では、「sort of」は「ちょっと」「多少」「なんとなく」などの意味で使われることが多いです。この用法では、表現をやわらげる効果があります。
例文
- I am sort of tired today.(今日はちょっと疲れています。)
- She sort of looks like my sister.(彼女はなんとなく私の姉に似ています。)
- The movie was sort of boring.(その映画はいまいち退屈でした。)
「sort of」の主な使い方
「sort of」は会話の中で様々な使い方があります。主な使い方を見ていきましょう。
動詞を修飾する使い方
「sort of」は動詞の前に置いて、その動作が完全ではなく、部分的であることを表します。
例文
- I sort of understand what you mean.(あなたが言っていることはなんとなく理解できます。)
- He sort of smiled when I told him the news.(私がそのニュースを伝えたとき、彼はちょっと微笑みました。)
- They sort of agreed to my plan.(彼らは私の計画にある程度同意しました。)
形容詞を修飾する使い方
形容詞の前に「sort of」を置くと、その性質が完全ではなく、部分的であることを示します。
例文
- The test was sort of difficult.(そのテストはちょっと難しかったです。)
- My new shoes are sort of comfortable.(新しい靴はまあまあ快適です。)
- This room is sort of small for our meeting.(この部屋は私たちの会議にはやや小さいです。)
名詞を修飾する使い方
名詞を修飾する場合、通常「a sort of」の形で使います。
例文
- He is a sort of hero in our school.(彼は私たちの学校ではある種のヒーローです。)
- We need a sort of plan before we start.(始める前に何らかの計画が必要です。)
- It was a sort of miracle that we won the game.(私たちが試合に勝ったのは一種の奇跡でした。)
会話での返答としての使い方
質問に対する返答として、単独で「Sort of.」と使うこともできます。これは「まあね」「ある程度は」という意味になります。
例文
- A: Do you like math?(数学は好きですか?)
B: Sort of. It depends on the topic.(まあね。トピックによります。) - A: Was the concert good?(コンサートは良かった?)
B: Sort of. The music was good, but it was too crowded.(まあまあ。音楽は良かったけど、人が多すぎた。)
「sort of」と「kind of」の違い
英語では「sort of」と「kind of」はほぼ同じ意味で使われます。両方とも「一種の」という本来の意味と、口語での「ちょっと」「多少」という意味を持っています。
使用頻度と地域差
「kind of」はアメリカ英語でよく使われる傾向があり、「sort of」はイギリス英語で比較的多く使われる傾向があります。しかし、どちらの表現も両方の国で理解され、使用されています。
例文
- アメリカ英語: I’m kind of hungry.(ちょっとお腹が空いています。)
- イギリス英語: I’m sort of hungry.(ちょっとお腹が空いています。)
フォーマル度の違い
「sort of」は「kind of」よりもやや丁寧な印象を与えることがあります。非常にカジュアルな場面では「kind of」が好まれる傾向があります。
例文
- カジュアル: I kind of want to go home.(家に帰りたい気分です。)
- やや丁寧: I sort of think we should try again.(もう一度試すべきだと思います。)
発音の違いと省略形
口語では、「sort of」は「sorta」、「kind of」は「kinda」と省略して発音されることがあります。
例文
- She’s sorta nice.(彼女はまあまあ親切です。)(= She’s sort of nice.)
- I’m kinda tired.(ちょっと疲れています。)(= I’m kind of tired.)
「sort of」の様々な表現方法
「sort of」は様々な形で使うことができます。ここでは、いくつかのバリエーションを紹介します。
冠詞との組み合わせ
「sort of」は冠詞(a/an)との位置関係によって、少しずつニュアンスや丁寧さのレベルが変わります。
- a sort of – 最も標準的な形
例:This is a sort of game.(これは一種のゲームです。) - sort of a – やや口語的
例:This is sort of a problem.(これはちょっと問題です。) - a sort of a – さらに口語的
例:He is a sort of a genius.(彼はある種の天才です。) - 名詞 + sort of – 最もカジュアル
例:It’s a joke, sort of.(冗談みたいなものです。)
sort of like
「sort of like」は「~のようなもの」という意味で使われます。
例文
- The taste is sort of like lemon.(その味はレモンに少し似ています。)
- His job is sort of like a teacher, but not exactly.(彼の仕事は教師のようなものですが、正確には違います。)
sort of + 動詞ing
「sort of」に「動詞ing」を組み合わせると、「~しているような感じ」という意味になります。
例文
- I was sort of hoping you would help me.(あなたが手伝ってくれるかなと思っていました。)
- They were sort of waiting for us to leave.(彼らは私たちが去るのを待っているような感じでした。)
「sort of」を使う時の注意点
「sort of」は便利な表現ですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。
フォーマルな場面での使用
「sort of」は口語表現であり、フォーマルな文書や発表では避けるべきです。ビジネスの文書や学術論文では、より明確で正確な表現を使うことが望ましいです。
- 口語(非公式): The project is sort of finished.(そのプロジェクトはほぼ完成しています。)
- フォーマル: The project is nearly complete.(そのプロジェクトはほぼ完成しています。)
使いすぎに注意
「sort of」を会話の中で何度も使うと、自信がないように聞こえたり、曖昧な印象を与えたりすることがあります。必要な場面で適切に使うことが大切です。
- 使いすぎ: I sort of think that we should sort of try to sort of fix this problem.
- 適切: I think we should try to fix this problem, sort of like we did last time.
「sort of」を使った便利なフレーズ
「sort of」を含むいくつかの便利なフレーズを紹介します。これらは日常会話でよく使われます。
Some sort of
「some sort of」は「何らかの」「ある種の」という意味で使われます。
例文
- We need some sort of plan.(何らかの計画が必要です。)
- There must be some sort of mistake.(何か間違いがあるはずです。)
- He has some sort of idea about it.(彼はそれについて何かしらのアイデアを持っています。)
That sort of thing
「that sort of thing」は「そのような類のもの」「そんなこと」という意味で使われます。
例文
- I don’t like horror movies and that sort of thing.(私はホラー映画やそのような類のものは好きではありません。)
- She enjoys cooking, cleaning, and that sort of thing.(彼女は料理や掃除などが好きです。)
- We talked about school, friends, and that sort of thing.(私たちは学校や友達、そういったことについて話しました。)
All sorts of
「all sorts of」は「様々な種類の」「いろいろな」という意味で使われます。
例文
- There are all sorts of books in the library.(図書館にはあらゆる種類の本があります。)
- She can cook all sorts of dishes.(彼女はいろいろな料理を作ることができます。)
- We had all sorts of problems during the trip.(旅行中にいろいろな問題がありました。)
What sort of
「what sort of」は「どんな種類の」という意味で使われ、質問をするときに使います。
例文
- What sort of music do you like?(どんな種類の音楽が好きですか?)
- What sort of car do you want to buy?(どんな種類の車を買いたいですか?)
- What sort of person is your new teacher?(あなたの新しい先生はどんな人ですか?)
「sort of」に関するよくある質問
- 「sort of」と「sort」はどう違うのですか?
-
「sort」は「種類」「分類」を意味する名詞、または「分類する」「整理する」という動詞として使われます。一方、「sort of」は一つのフレーズとして「一種の」「ちょっと」などの意味を持ちます。
- There are many sorts of fruit.(多くの種類の果物があります。)(名詞としての「sort」)
- Please sort these papers by date.(これらの書類を日付順に分類してください。)(動詞としての「sort」)
- I am sort of tired.(ちょっと疲れています。)(フレーズとしての「sort of」)
- 「sort of」はメールや文書でも使えますか?
-
「sort of」は主に口語表現として使われるため、フォーマルなメールや文書では避けた方が良いでしょう。友人へのカジュアルなメールやメッセージでは問題ありませんが、ビジネスや学術的な文書では、より明確で正確な表現を使うことをお勧めします。
- 「sort of」を使わずに同じ意味を表す他の表現はありますか?
-
はい、状況によって以下のような表現で代用できます。
- somewhat(いくらか)
- rather(やや)
- quite(かなり)
- a bit(少し)
- to some extent(ある程度)
- in a way(ある意味で)
例文
- I’m sort of tired. → I’m somewhat tired.(いくらか疲れています。)
- It’s sort of difficult. → It’s rather difficult.(やや難しいです。)
- I sort of like that movie. → I quite like that movie.(その映画はかなり好きです。)
- 「sort of」は否定文でも使えますか?
-
はい、「sort of」は否定文でも使うことができます。ただし、否定の意味を弱める効果があります。
- I sort of don’t understand.(あまり理解できません。)
- She sort of didn’t want to go.(彼女はあまり行きたくなかったようです。)
- They sort of don’t like each other.(彼らはお互いにあまり好きではないようです。)
- 「sort of」は質問文でも使えますか?
-
はい、質問文でも使うことができます。質問の強さを和らげる効果があります。
- Are you sort of hungry?(ちょっとお腹が空いていますか?)
- Do you sort of understand what I mean?(私が言っていることをなんとなく理解できますか?)
- Is this sort of what you wanted?(これはあなたが望んでいたものに近いですか?)
まとめ

「sort of」は英語の日常会話で頻繁に使われる便利な表現です。この記事のポイントを以下にまとめます。
- 「sort of」の基本的な意味は「一種の」「ある種の」です。
- 口語では「ちょっと」「多少」「なんとなく」という意味で使われます。
- 動詞、形容詞、名詞を修飾して使うことができます。
- 「kind of」とほぼ同じ意味ですが、「sort of」はやや丁寧な印象があります。
- アメリカ英語では「kind of」、イギリス英語では「sort of」が好まれる傾向があります。
- 口語では「sorta」と省略して発音されることがあります。
- 冠詞との位置関係によって、カジュアル度が変わります(a sort of、sort of a、a sort of a)。
- 「some sort of」「that sort of thing」「all sorts of」など、便利なフレーズがあります。
- フォーマルな文書や発表では避けるべき口語表現です。
- 使いすぎると曖昧な印象を与えるので注意が必要です。
「sort of」を適切に使えるようになれば、より自然な英語表現ができるようになります。日常会話の中で積極的に使ってみて、英語表現の幅を広げていきましょう。英語の曖昧表現をマスターすることで、より柔軟で自然なコミュニケーションが可能になります。