英検の長文読解問題では、限られた時間内に大量の英文を読み解く必要があります。
特に準2級以上になると、長文の語数が増えるだけでなく、内容も専門的になるため、速読力なしでは時間切れになってしまうことも珍しくありません。
「最後まで読み終わらなかった」「時間が足りなくて焦ってしまった」という経験がある方も多いのではないでしょうか。
しかし、適切な勉強法とトレーニングを積み重ねることで、誰でも着実に速読力を向上させることができます。速読力とは、単に文字を速く追うだけでなく、内容を正確に理解しながら効率よく読み進める力のことです。
この記事では、英検の長文読解で速読力を鍛えるための具体的な勉強法と、今日から実践できるトレーニング方法を詳しく解説します。
英検の長文読解における速読力とは?基礎から理解する

速読力とは、単に文字を追うことではなく、英文を素早く、かつ正確に理解しながら読み進める能力を指します。
意味を瞬時に把握する力が求められ、英検の長文読解においては、合否を左右する重要な要素となります。
速読力を測る指標「WPM」
英語の速読力は、通常「WPM (Words Per Minute)」という単位で測定されます。
これは1分間に読める単語数を示す指標です。
| 項目 | WPMの目安 | 備考 |
| 日本人学習者の平均 | 80〜100語程度 | ネイティブスピーカーの1/3〜1/2程度のスピード |
| 英検準2級〜2級レベル | 120〜150語 | 目標とすべき速度 |
| 英検準1級レベル | 150語以上 | 目標とすべき速度 |
速読力が求められる理由
英検の筆記試験(リーディング・ライティング)は、時間制限の中で全てを終わらせる必要があります。
速読力が高いと、以下のメリットが生まれます。
時間の確保と効率化
- ライティングへの時間配分
- 例えば英検2級は85分間でリーディングとライティングを完了させる必要があります。長文問題に時間をかけすぎると、ライティングの時間が不足してしまいます。
- 読み返しの削減
- 一度読んだだけで内容を把握できれば、何度も読み返す必要がなくなり、設問に答えるための時間を確保できます。
理解度の向上と精神的余裕
- 深い内容理解
- 速く読めることで、内容を深く理解するための思考の余裕が生まれます。
- 精神的な余裕
- 速読力が高まることで、試験中の精神的な余裕が生まれ、落ち着いて問題に取り組むことができるようになります。
速読と理解度の最適なバランス
速読力を鍛える上で最も重要なのは、スピードと理解度のバランスです。
単なる「速さ」に意味はない
- ただ速く読むだけでは、内容理解が疎かになり、英検の長文問題の正解には結びつきません。
- 速度を上げながらも、理解度を維持することが重要です。
テストにおける理想的なスピード
- ネイティブスピーカーでさえ、テストのために読む場合は、通常の読書時より6割から7割程度の速度になると言われています。
- これは、内容を正確に理解し、問題に答えられるレベルで読む必要があるためです。
したがって、速読力を高めることは大切ですが、理解を犠牲にしてまでスピードを追求する必要はありません。
正確な内容把握を土台として、徐々に速度を上げていくことが合格への鍵となります。
英検長文の速読を妨げる間違った読み方とその改善法
速読力が身につかない主な原因は、間違った読み方の習慣にあります。
これらの習慣を認識し、正しい読み方に修正することで、読解速度は劇的に向上します。
返り読みの習慣
間違いの原因
- 英文を日本語の語順に合わせて、後ろから前に戻りながら読む方法です。
- (例)「I went to the park yesterday」を「昨日公園に行った」と、完璧な日本語にするために前後に何度も行き来する。
- 問題点
- 英文を前後に何度も行き来するため、多くの時間がかかる。
- 視線が頻繁に動くため、集中力が途切れやすい。
改善法:英語を英語の語順で理解する
完璧な日本語に訳そうとせず、意味のかたまりごとに前から読み進める習慣を身につける。
一語一語訳す読み方(単語単位での処理)
間違いの原因
- 英文を「The」「city」「decided」「to」のように、単語単位で訳しながら読む。
- 当然、読むスピードは上がりません。
改善法:チャンク読み(意味のかたまりで捉える)
- 速く読める人は、単語ではなく意味のかたまり(チャンク)で文章を捉えています。
- (例)「The city decided」「to ban plastic bags」「to reduce environmental waste」
- このチャンク読みの習慣を身につけることで、情報処理速度が大きく変わります。
黙読時に頭の中で音読する習慣(音声化)
間違いの原因
- 英文を読む際に、頭の中で一語一語を発音しながら読んでいる(音声化)。
- 問題点
- 読むスピードが、実際の音読のスピードに制限されてしまう。
- 目で文字を追うスピードは、音読のスピードよりもはるかに速いため、速読の妨げになる。
改善法:視覚的な理解と速度向上
- 意味のかたまりを視覚的に捉える訓練を行う。
- 徐々に読むスピードを上げていくことで、自然と音声化の習慣を薄れさせる。
正しい習慣を身につけることで、英検長文の読解速度は大きく向上します。
はい、承知いたしました。いただいた文章を、より見やすく、構造的に理解しやすいように構成し直しました。
スラッシュリーディングで速読の基礎を作る:英検対策にも最適なトレーニング
スラッシュリーディングは、英検の速読力を高めるための最も効果的な基礎トレーニングの一つです。
この方法を習得することで、従来の「返り読み」の習慣を断ち切り、英語を前から順番に(語順通りに)理解できるようになります。
スラッシュリーディングの基本とは?
スラッシュリーディングとは、英文を意味の切れ目ごとにスラッシュ(/)で区切りながら読み進める方法です。
例:意味のかたまりで区切る
- 英文
- I went to the park / with my friends / to play soccer / yesterday
- 区切り方
- 私は行きました / 公園へ / 友達と一緒に / サッカーをするために / 昨日
トレーニングのメリット
- 返り読みの解消
- 文末まで読んで前に戻る必要がなくなり、読み戻りがなくなります。
- 英文構造の意識
- 英文の構造(どこまでが一つの意味の単位か)を意識しながら読む習慣が身につきます。
- 即座の理解
- スラッシュで区切った部分ごとに意味を理解していくため、理解のスピードが向上します。
スラッシュを入れる位置の目安
スラッシュを入れる位置には、いくつかの基本的なルールがあります。
慣れないうちは、以下の位置を目安に区切ってみましょう。
実践方法と継続のヒント
段階的な練習
- 易しめの英文からスタート
- 英検の過去問や問題集の比較的簡単な文章を選びます。
- 物理的にスラッシュを入れる
- まずは鉛筆でスラッシュを入れながら読んでみましょう。
- 頭の中で区切る練習へ移行
- 慣れてきたら、スラッシュを入れずに頭の中で区切りを意識しながら読む練習に移行します。
継続は力なり
- 毎日続ける
- 短い文章でも構わないので、毎日継続することが速読力向上への近道です。
- 目標時間
- 毎日15分程度でも継続することで、1ヶ月後には明らかな効果を実感できるはずです。
音読とシャドーイングで読解スピードを劇的に向上させる方法
音読とシャドーイングは、速読力を高めるための極めて効果的なトレーニング方法です。
これらの方法を取り入れることで、英語の処理速度が格段に向上し、自然と速く読めるようになります。
音読の効果と正しいやり方
音読(英文を声に出して読むこと)は、一見単純ですが、速読力向上に非常に大きな効果があります。
音読を繰り返すことで、もどり読みをせずに英文の内容を理解できるようになります。
音読を効果的に行うためのポイント
- 意味を理解しながら読むこと
- ただ文字を追うだけでは効果は半減します。
- スラッシュリーディングの活用
- 意味のかたまり(チャンク)を意識し、そのかたまりごとに内容を理解する感覚で音読しましょう。
- 繰り返し練習
- 1週間同じ文章を繰り返し音読することをおすすめします。
- すらすらと読め、同時に内容の理解ができるようになるまで何度も練習しましょう。
- 最初は時間がかかっても、回数を重ねるごとに確実にスピードは上がります。
シャドーイングで処理速度を高める
シャドーイングとは、音声を聞きながら、少し遅れて同じ内容を声に出す練習法です。
元々はリスニング力を高めるトレーニングですが、速読力の向上にも大きな効果があります。
シャドーイングが速読力にもたらす効果
- 瞬時に英語を処理する力が鍛えられる
- 音声のスピードに合わせて発声するためです。
- 英語を前から理解する習慣が身につく
- 自然とリーディングの際もこの習慣が活かされます。
- 音声知覚と意味理解の同時処理能力が向上
- リーディングスピードの向上に直結します。
シャドーイング実践のヒント
- 教材の選び方
- 英検の過去問のリスニング音源や、レベル別の音声教材を活用しましょう。
- 継続が鍵
- 毎日10分程度の練習を続けることをおすすめします。
- 最初は音声についていくのが難しくても、繰り返すうちに耳と口が英語のスピードに慣れてきます。
音読とシャドーイングを組み合わせる
この2つのトレーニングを組み合わせることで、さらに効果が高まります。
理想的な学習の流れ
- 音読で英文の内容と構造をしっかり理解する。
- その後にシャドーイングでスピード感のある処理を身につける。
この継続的なトレーニングにより、読解速度だけでなく、発音やリスニング力も同時に向上します。
総合的な英語力を測る試験(英検など)対策として、複数の技能を同時に伸ばせるこの方法は非常に効率的です。
チャンクリーディング:意味のかたまりを瞬時に捉え、読解スピードを飛躍的に向上させる技術
チャンクリーディングとは、英語を「意味のかたまり(チャンク)」ごとに理解する読み方です。
- チャンク(Chunk)
- 複数の単語から成る意味のかたまり。
- 例:「in the morning」「after school」「because of the rain」など。
- 複数の単語から成る意味のかたまり。
- 速く読める人は、一語ずつではなく、このチャンク単位で情報を処理しています。
- 効果
- 返り読みの解消:英文を前から順に理解できるようになります。
- 読解スピードの向上:英語を英語の語順のまま、ネイティブスピーカーと同じように前から理解することが可能になります。
チャンクの見つけ方(チャンクの単位)
チャンクの境界は、文の構造によって自然に決まります。
| チャンクの単位 | 詳細 |
| 文の主要素 | 主語のかたまり、述語(動詞)のかたまり |
| 修飾語句 | 前置詞句、不定詞句(to + 動詞の原形)、動名詞句 |
| 従属節 | 関係詞節(which/that/who など)、接続詞(when/if/because など)で始まる節 |
習得のステップ
- 初期段階
- 文法的な知識を使ってチャンクを識別します。
- 練習後
- 練習を重ねることで、感覚的にチャンクを見分けられるようになります。
- 推奨
- スラッシュリーディング(文にスラッシュを入れて区切る)と組み合わせることで、習得がより容易になります。
実践トレーニングの方法
継続的なトレーニングにより、短期間で効果を感じられます。
まず英文にスラッシュ(/)を入れて、チャンクを視覚的に区切ります。(スラッシュリーディング)
- 各チャンクの意味を前から順に理解していきます。
- ポイント:日本語に完全に訳す必要はなく、おおまかなイメージを捉える程度で十分です。
慣れてきたら、スラッシュなしで読みながら、頭の中でチャンクを意識する練習に移行します。
推奨練習法
- 英検などの過去問を使用し、毎日練習を続ける。
- 目標期間:1ヶ月から2ヶ月で、明らかな進歩を感じられるでしょう。
設問先読みテクニック:英検長文読解の効率化
英検の長文読解において、「設問先読み」は解答の効率を大幅に向上させる極めて有効なテクニックです。
この方法を用いることで、必要な情報だけに焦点を当てて本文を読むことができ、試験時間を大幅に節約できます。
設問先読みが重要な理由
本文を読む前に設問に目を通すことで、読解の目的が明確になります。
- 読むべき箇所の特定
- 「筆者の主張はどこか」「具体例を問う設問はどの段落で出そうか」といった具体的な視点を持って本文に臨めます。
- 時間の節約
- 不要な箇所に時間をかけることなく、必要な情報がある場所を素早く見つけられます。
- 内容一致問題への活用
- 設問文のキーワードをマークしておくと、本文中で迅速に探し出せます(スキャニングの準備)。
- 設問の順番は通常、本文の流れと並行しているため、順番に解くことで効率的に答えを見つけられます。
効果的な設問の読み方
設問を読む際は、キーワードと重要表現に注目しましょう。
- キーワードの特定
- 以下の要素に線を引くなどしてマークします。
- 疑問詞: 「why (理由)」「when (時間)」「who (人)」「where (場所)」「what (内容)」
- 重要表現: 「main idea (主旨)」「according to (〜によれば)」「not true (誤り)」
- 以下の要素に線を引くなどしてマークします。
- 選択肢は読み込まない
- 何を問われているのか(設問の意図)を把握できれば十分です。
- 選択肢は、本文を読んだ後に照らし合わせて判断する方が正確です。
スキャニングとの組み合わせ
設問の先読みに続いて、スキャニングという技術を組み合わせることで、読解効率を最大化します。
| テクニック | 目的 | 実施方法 |
| 設問先読み | 探すべき情報を特定する | 設問のキーワードをマークする |
| スキャニング | 特定の情報を素早く見つける | マークしたキーワードを目で追いながら本文を流し読みする |
【例】
設問が「What time does the meeting start?」であれば、「meeting」や「start」という単語に目を走らせるだけで、答えの場所をすぐに見つけることができ、読解時間を大幅に短縮できます。
このテクニックを練習することで、英検の長文読解をより正確に、より速く解けるようになります。
スキミング:文章全体の流れを素早く把握するテクニック
スキミングは、英文全体の大意を短時間でつかむための読解テクニックです。
細かい部分まで精読せず、重要なポイントだけを拾い読みすることで、文章の概要を素早く理解することができます。
スキミングの基本手順と注目ポイント
文章全体を流し読みする際に、特に注目すべき重要ポイントは以下の通りです。
- タイトル
- 文章のテーマ全体を把握します。
- 最初の段落(導入部)
- テーマの紹介や、全体の方向性が示されます。
- 各段落の最初と最後の文
- 段落のメインの主張や重要なポイントが記載されていることが多いです(トピックセンテンス)。
- 太字や斜体の単語
- 強調されているキーワードや専門用語です。
- 最後の段落(結論部)
- 全体のまとめや結論が書かれています。
段落ごとの役割を意識する
長文を読む際は、段落ごとに要旨をまとめながら読む習慣をつけましょう。
| 段落の役割の例 | 内容のイメージ |
| 第1段落 | テーマの紹介 |
| 第2段落 | 問題提起 |
| 第3段落 | 解決策の提示 |
このように段落の役割を意識するだけで、設問に答える際の根拠を探しやすくなります。
最も効率的な長文読解の流れ
文章全体を精読しようとすると、試験では時間が足りなくなってしまいます。
効率的な読解は、以下の流れで行うのが理想的です。
- スキミングで全体の構造を把握する。
- 設問を読む(何を探すべきかを明確にする)。
- 設問に関連する部分だけを精読する。
スキミングとスキャニングの使い分け
長文読解の効率を格段に向上させるには、2つのテクニックの使い分けが重要です。
| テクニック | 目的 |
| スキミング | 文章全体の概要(大意)をつかむ。 |
| スキャニング | 特定の情報(人名、数字、キーワードなど)を探す。 |
理想的な流れ
- まずスキミングで文章の全体像を把握する。
- 次に設問を読んで何を探すべきかを明確にする。
- 最後にスキャニングで答えを探す。
この一連の流れを練習することで、試験本番でもスムーズに問題を解けるようになります。
語彙力と背景知識を強化して速読を加速させる
速読力を支える重要な土台は、語彙力と背景知識です。
これらが不足していると、いくら速読のテクニックを学んでも、読むスピードを根本的に向上させることはできません。
瞬時に意味が浮かぶ「自動化された語彙力」を目指す
速読に必要な語彙力は、単に単語の意味を知っているレベルでは不十分です。
単語を見た瞬間に意味が思い浮かぶレベル、つまり語彙知識が自動化された状態を目指す必要があります。
- 遅い語彙力は時間のロス
- 単語の意味を「えーっと」と思い出すのに時間がかかると、その思考時間が積み重なり、全体の読解時間が大幅に増加します。
- 定着のための学習法
- 瞬時に意味が分かるレベルまで単語を定着させるには、繰り返し触れることが最も重要です。
- 1回で完璧に覚えようとするのではなく、1日に100単語程度をパラパラとめくりながら、何度も同じ単語に出会う機会を作り、自然な記憶への定着を促します。
文脈・文構造から単語の意味を推測する力
長文読解において、すべての単語を知っている必要はありません。
文脈や文構造から、知らない単語の意味を推測する力を身につけることが、速読・読解力を高めます。
論理関係(ディスコースマーカー)からの推測
文章中の論理関係を示す語句(ディスコースマーカー)を理解することで、内容を予測しやすくなります。
- 逆接
- 「however」や「but」の前後では反対の意味の内容が続く。
- 具体例
- 「for example」の後には、前の文の内容を具体化した情報が続く。
このような論理のつながりを理解することで、前後関係から知らない単語の意味を推測できます。
文構造からの推測
文法的な構造からも、単語の意味を類推できます。
- 第2文型(SVC)
- S(主語)= C(補語)という関係から、単語の意味を類推する。
- 関係代名詞
- 関係代名詞が続く場合、その先行詞(名詞)を説明する文が続くため、文脈から意味を絞り込みやすくなる。
背景知識が読解のスピードと精度を向上させる
背景知識は、文章を速く正確に理解するための強力な助けとなります。
- 読解の予測と加速
- 環境問題、科学技術、教育、国際関係など、様々なトピックの背景知識があれば、文章を読む前から展開を予測できるため、読解スピードが格段に向上します。
- 専門用語の理解
- 専門用語の意味を推測しやすくなり、文章全体の理解度も向上します。
- 知識の蓄積
- 日頃から英字新聞やニュースサイトなどに触れ、様々なジャンルの知識を蓄えておくことが重要です。
多読と精読を組み合わせた効果的な英語学習法
速読力を高めるためには、多読と精読の両方をバランスよく取り入れることが重要です。
それぞれの目的と方法を理解し、適切に組み合わせることで、総合的な読解力が向上します。
精読で基礎を固める
精読に適した教材
- 英検の過去問の長文
- 英文読解の問題集
- 短いエッセイや評論
- 【推奨】 翻訳があるもの(内容確認が容易なため)
多読でスピードと量をこなす
具体的なポイント
- すべての単語を調べない
- 知らない単語があっても、文脈から推測しながら読み進めます。これにより、文の流れから単語の意味を捉える力が身につきます。
- 量をこなすことを重視
- 速読力を鍛えるためには、とにかく量をこなすことが重要です。
- まずは自分が好きなジャンルからチャレンジすることをおすすめします。
多読に適した教材
- レベル別の洋書
- 英字新聞、英語の雑誌
- Kindle本(特に辞書機能があるため、多読の習慣づけに最適)
精読から多読への効果的な移行
速読力を効果的に高めるためには、「精読で正確に理解する力を身につけてから、多読で速く読む力を鍛える」という順番が重要です。
習慣化の目標例
- 目標
- 1日に300語程度の文章を3つ読む
- 教材選びのコツ
- 自分で簡単すぎると感じるくらいの文章を選ぶことが大切です。
- 継続のコツ
- 同じ文章を繰り返すのではなく、毎日新しいものを読みましょう。
1ヶ月もすれば、驚くほど読み取りスピードが上がっていることに気づくはずです。
ディスコースマーカーを活用して論理展開を素早く理解する
ディスコースマーカーを理解し活用することで、長文読解の速読力と内容把握力が大きく向上します。
これは、英文の論理的な流れを示す「目印」のような言葉だからです。
ディスコースマーカーとは何か
ディスコースマーカーとは、「but」「however」「for example」「therefore」など、文章の論理的な関係を示す表現のことです。
これらの言葉に注目することで、読者は「次はこんな内容が展開されるだろう」と予測しながら読み進めることができます。
例えば、「however」が出てきたら、これまで述べられた内容とは逆の主張が展開される目印になります。
ディスコースマーカーに注目することで、「この部分は前文の詳細」「この部分は筆者の主張」のように、英文の構造を理解しながら読めるようになります。
主要なディスコースマーカーの種類
ディスコースマーカーは、その役割によっていくつかの種類に分類できます。
| 種類 | 役割 | 主な例 | 展開される内容の予測 |
| 逆接 | 前の内容と反対の意見・主張を示す | but, however, yet, although, nevertheless | 前の内容と相反する主張 |
| 例示 | 具体的な例を挙げ、内容を説明する | for example, for instance, such as | 具体的な事例、詳細情報 |
| 結論 | それまでの内容をまとめ、主張を提示する | therefore, thus, consequently, as a result, in conclusion | 筆者の最終的な主張や結論 |
| 追加 | 前の内容に情報を付け加える | also, besides, in addition, moreover, furthermore | 追加の事実や意見 |
| 言い換え | 前の内容を別の表現で説明する | in other words, that is to say | 前文の表現をわかりやすくした説明 |
ディスコースマーカーを使った読解戦略
- 特に注意して読む箇所
- ディスコースマーカーの前後は、文章の論旨が変わったり、重要な主張が展開されたりするため、特に注意して読みましょう。
- 長文問題への応用
- 英検などの長文問題では、ディスコースマーカーがある周辺が設問の対象になりやすい傾向があります。これは、筆者が一般論と自分の主張を比べたり、例え話を絡めたりする際に、これらのマーカーを頻繁に使用するためです。
- 効果的な工夫
- 長文問題を解く際、あらかじめディスコースマーカーに丸印などをつけて目立たせておくと効果的です。
このような工夫をすることで、文章の論理構造が明確になり、結果として読解スピードと正答率が同時に向上します。
英検の長文読解でよくある間違いと改善策
英検の長文読解で多くの学習者が繰り返す間違いを認識し、適切な方法に修正することが、速読力向上の近道です。
すべての文を完璧に理解しようとする(非効率)
長文読解の目的は、設問に答えるために必要な情報を素早く見つけることです。
細部まで完璧に理解しようとすると時間が足りなくなります。
- 避けるべきこと
- すべての文を逐一、完璧に訳そうとすること。
- 具体例や固有名詞など、文章の主張に関わらない情報を深追いすること。
- 効率的な読み方
- 文章の主張や論理展開を理解することに集中する。
- ディスコースマーカー(順接、逆接などの接続語)や、各段落の最初と最後の文に注目し、要点を把握する。
語彙力不足を速読テクニックだけでカバーしようとする(限界がある)
速読テクニックは有効ですが、基礎的な語彙力がなければその効果は限定的です。
- 必要な語彙力の目安
- 英検の長文で8割の点数を目指すには、文章全体で知らない単語が10%以下(おおよそ1文に知らない単語が1つ程度)の単語力が必要です。
- 改善策
- 過去問を解いて知らない単語がこれより多い場合は、まず単語力の強化を図りましょう。
- 単語学習では、類義語や派生語をまとめて覚える、または文章を何度も読む中で覚えることが有効です。
音読を軽視する(スピードと理解力の土台不足)
音読は地味なトレーニングに見えますが、速読力向上において極めて重要です。
- 音読のメリット
- 返り読み(英文を後ろから訳し戻すこと)をせずに、英文を前から理解できるようになる。
- 読むスピード自体が自然と速くなる。
- 効果的な音読方法
- ただ文字を追うのではなく、意味を理解しながら発音する。
- 1週間同じ文章を繰り返し音読し、すらすらと読め、同時に内容の理解ができる状態を目指して練習する。
時間を測らずに練習する(本番のスピード感の欠如)
速読力を高めるためには、常に時間を意識して練習することが不可欠です。
- 実践的な練習
- 過去問を解く際は必ず時間を測る。
- 1分間に何語読めているか(WPM)を確認し、具体的な目標を設定する。
- WPM(Words Per Minute)目標の目安
- 英検準2級:115 WPM
- 英検2級:120 WPM
- 英検準1級:150 WPM以上
- 目標に向けて段階的にスピードアップを目指しましょう。
英検・長文読解に関するよくある質問と対策
- 速読と精読、どちらを先に学ぶべきですか?
-
精読から始めることを強くおすすめします。
- 理想的な学習順序
- 精読:英文の構造を正確に理解する力を身につける。
- 多読・速読:基礎力を活かして読むスピードを上げる。
- ポイント
- 基礎がないまま速読テクニックだけを学んでも、内容理解が伴わず、結果として正答率が下がってしまいます。
- 具体的な練習
- まずは一文一文、文法や構文を確認しながら丁寧に正確に理解する練習を徹底しましょう。
- 理想的な学習順序
- 知らない単語が多すぎて読めません
-
文章全体の不明な単語の割合で対策が変わります。
不明な単語の割合 推奨される対策 10%を超える場合 まず語彙力の強化に集中する。 10%以下の場合 文脈から推測する力を鍛える。 - 推測力を鍛える
- ディスコースマーカー(接続詞など)や文構造から意味を推測する練習を重ねましょう。
- 理解の鍵
- すべての単語を知っている必要はありません。
- 読解に支障がない具体例や固有名詞などは無視しても大丈夫です。
- 重要なのは、文章の主要な主張や論理展開を理解することです。
- すべての単語を知っている必要はありません。
- 推測力を鍛える
- 長文を読んでいると集中力が切れてしまいます
-
集中力を維持するためのテクニックと、基礎トレーニングが必要です。
集中力維持のための読み方
- 段落単位での要点把握
- 文章全体を一気に読もうとせず、段落ごとに「この段落の要点は何か」と考えながら読むことで、集中力を保ちやすくなります。
長文を読むための体力づくり
- 段階的なトレーニング
- 長文を読むトレーニング量が不足している可能性があります。
- 最初は15分、次は20分というように、徐々に時間を延ばしていくトレーニングを重ねましょう。
- 自分のレベルに合った易しい長文からステップアップしていくことが重要です。
- 長文を読むトレーニング量が不足している可能性があります。
- 段落単位での要点把握
- スキミングとスキャニングの違いがよく分かりません
-
目的が異なります。これらを組み合わせるのが試験対策として効果的です。
読解スキル 目的(何を把握するか) 読み方 スキミング 文章全体の大意・全体像 斜め読み スキャニング 設問で問われている特定の情報 拾い読み - 試験での効率的な流れ
- スキミングで全体像を把握する。
- 設問を読み、何を探すべきかを明確にする。
- スキャニングで答えの根拠となる情報を探す。
- 効果
- この使い分けができるようになると、読解時間が大幅に短縮されます。
- 試験での効率的な流れ
- 音読とシャドーイングはどちらが効果的ですか
-
どちらも効果的ですが、目的が異なります。両方を組み合わせるのが理想的です。
トレーニング 目的 音読 英文の構造と意味を理解しながら読む力を鍛える。 シャドーイング 英語を瞬時に処理するスピード感を養う。 - 理想的な学習順序
- 音読で英文の内容と構造をしっかり理解する。
- シャドーイングでスピード感のある処理能力を身につける。
- 相乗効果
- 毎日の学習に両方を取り入れることで、速読力だけでなく、リスニング力や発音も同時に向上します。
- 理想的な学習順序
まとめ

英検の長文読解において速読力を身につけることは、合格に向けた重要なステップです。これまでご紹介した勉強法とトレーニングを実践することで、着実に読解スピードを向上させることができます。
以下に、本記事で解説した重要なポイントをまとめます。
速読力の定義と目標設定
- 速読力は、英文を素早く正確に理解する能力であり、WPM (Words Per Minute) という指標で測定されます。
- 英検のレベルに応じた目標WPMを設定し、段階的にスピードアップを目指しましょう。
速読を妨げる習慣の改善
- 返り読みや一語一語訳す習慣は速読の大きな妨げです。
- スラッシュリーディングやチャンクリーディングを実践し、英語を前から順に理解する習慣を身につけましょう。
効果的なトレーニング方法
- 音読とシャドーイングは、速読力向上に極めて効果的です。
- これらを毎日継続することで、英語の処理速度が格段に向上し、自然と速く読めるようになります。
試験で役立つテクニック
- 設問先読みやスキミング(概要把握)、スキャニング(特定情報検索)といったテクニックを活用することで、効率的に問題を解くことができます。
- これらの技術を組み合わせることで、読解時間を大幅に短縮できます。
速読を支える基盤
- 語彙力と背景知識は、速読力を支える重要な基盤です。
- 単語は瞬時に意味が浮かぶレベルまで定着させ、様々なトピックの背景知識を蓄えることで、速読が加速します。
読解力向上の正しい順番
- 精読で基礎を固めてから多読に移行するという順番を守りましょう。
- 両方をバランスよく取り入れることが、総合的な読解力向上への鍵です。
論理展開の目印を活用する
- ディスコースマーカー(接続詞など)に注目することで、文章の論理展開を素早く理解できます。
- これらの目印を意識して読むことで、読解スピードと正答率が同時に向上します。
速読力の向上には継続的な練習が不可欠です。毎日少しずつでもトレーニングを積み重ねることで、確実に成果が現れます。
英検合格に向けて、今日から速読トレーニングを始めましょう!

