「stick with」は英語でよく使われる便利な表現で、主に「継続する」「一緒にいる」「こだわる」といった意味を持ちます。
この記事では、英語初学者の方でも理解しやすいように「stick with」の意味や使い方を詳しく解説していきます。日常会話やビジネスシーンでも活用できるので、ぜひマスターしてみましょう。
「stick with」の基本的な意味

「stick with」は英語の句動詞(phrasal verb)で、「stick(くっつく・固定する)」という動詞と前置詞「with」が組み合わさった表現です。この表現には大きく分けて3つの意味があります。
「stick」という単語は、名詞としては「棒」という意味もありますが、動詞としては「くっつく」「刺す」「固定する」といった意味を持ちます。そこから派生して、「stick with」には様々なニュアンスが生まれました。
物理的な「一緒にいる・くっつく」という意味
最も基本的な意味として、「stick with」は物理的に誰かと一緒にいる、そばにいるという意味で使われます。例えば、初めて訪れる場所で迷子にならないようにと「Stick with me」(私と一緒にいて)と言われることがあります。
例文
- Please stick with me in the museum. I don’t want to get lost.(美術館では私と一緒にいてください。迷子になりたくありません。)
- The little boy stuck with his mother in the crowded park.(その小さな男の子は混雑した公園で母親と一緒にいました。)
抽象的な「続ける・固執する」という意味
もう一つ重要な意味として、「stick with」は物事を継続する、やり通す、こだわり続けるという抽象的な意味でも使われます。特に難しいことや長期間の取り組みに対して使われることが多いです。
例文
- I will stick with my English study until I can speak fluently.(流暢に話せるようになるまで英語の勉強を続けます。)
- She decided to stick with her piano lessons despite the difficulties.(彼女は難しさにもかかわらず、ピアノのレッスンを続けることにしました。)
ネガティブな「押し付ける」という意味
「stick with」には「(不利なことや嫌なことを)押し付ける」という少しネガティブな意味もあります。この場合は主に「stick someone with something」という形で使われます。
例文
- My friends left early and stuck me with the bill.(友達が早く帰ってしまい、私に支払いを押し付けました。)
- They stuck him with all the cleaning work.(彼らは掃除の仕事をすべて彼に押し付けました。)
「stick with」の使い方
それでは、実際に「stick with」がどのように使われるのか、具体的な場面ごとに見ていきましょう。
人に対して使う場合
「stick with」を人に対して使う場合、「~と一緒にいる」「~のそばにいる」「~を見捨てない」という意味になります。特に困難な状況でも相手のそばにいて支えるというニュアンスを持ちます。
例文
- I will stick with you during these hard times.(この困難な時期、あなたと一緒にいます。)
- She always sticks with her old friends.(彼女はいつも古い友達と一緒にいます。)
- Please stick with me when we are in the new city.(新しい都市にいるときは、私と一緒にいてください。)
物事や活動に対して使う場合
物事や活動に対して「stick with」を使う場合は、「~を続ける」「~をやり通す」という意味になります。何か難しいことや時間がかかることに対して使われることが多いです。
例文
- I will stick with my diet plan this year.(今年は食事計画を守り通します。)
- He sticks with his morning exercise every day.(彼は毎日朝の運動を続けています。)
- We should stick with our original plan.(私たちは元の計画を続けるべきです。)
考えや信念に対して使う場合
考えや信念に対して「stick with」を使う場合は、「~に固執する」「~を堅持する」という意味になります。自分の意見や立場を変えないという強い意志を表します。
例文
- She always sticks with her beliefs.(彼女はいつも自分の信念を貫いています。)
- I will stick with my decision.(私は自分の決断を貫きます。)
- The teacher sticks with his teaching method.(その先生は自分の教え方を守っています。)
「stick with」を使った基本的な例文
ここでは「stick with」を使った基本的な例文をいくつか紹介します。これらは中学英語レベルなので、初学者の方でも理解しやすいと思います。
例文
- I will stick with you.(あなたと一緒にいます。)
- Please stick with me at the party.(パーティーでは私と一緒にいてください。)
- He likes to stick with his family on weekends.(彼は週末に家族と一緒にいるのが好きです。)
- We should stick with the plan.(私たちは計画を守るべきです。)
- I will stick with my soccer practice.(サッカーの練習を続けます。)
- She sticks with her hobby every day.(彼女は毎日趣味を続けています。)
- They stuck with the project until the end.(彼らはプロジェクトを最後まで続けました。)
- My brother sticks with his opinion.(兄は自分の意見を貫きます。)
- Let’s stick with this idea.(このアイデアを採用し続けましょう。)
- I want to stick with my current job.(現在の仕事を続けたいです。)
「stick with」と類似表現の違い
英語には「stick with」と似た意味を持つ表現がいくつかあります。ここでは、それらの違いを見ていきましょう。
「stick with」と「stick to」の違い
「stick with」と「stick to」はどちらも「続ける」「固執する」という意味を持ちますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
「stick to」は主に計画やルール、約束などを「守る」「従う」というニュアンスが強いです。一方、「stick with」は人や物事に「寄り添う」「一緒にいる」というニュアンスが強く、また何かを「続ける」「やり通す」という意味でも使われます。
例文比較
- Stick to your diet.(食事制限を守りなさい。)- ルールに従うニュアンス
- Stick with your diet.(食事制限を続けなさい。)- 継続するニュアンス
「stick with」と「follow」の違い
「stick with」と「follow」はどちらも「ついていく」という意味で使われることがありますが、「follow」はより一時的で物理的な「後をついていく」という意味が強いです。一方、「stick with」は長期的なコミットメントや困難な状況でも共にいるというニュアンスがあります。
例文比較
- Follow me to the station.(駅まで私についてきて。)- 物理的に後をついていく
- Stick with me through this difficult time.(この困難な時期を私と共に乗り越えよう。)- 長期的・精神的なサポート
「stick with」と「adhere to」の違い
「stick with」と「adhere to」もどちらも「固執する」「従う」という意味を持ちますが、「adhere to」はより形式的で、規則や原則に厳格に従うというニュアンスが強いです。「stick with」はより日常的で柔軟な表現です。
例文比較
- We must adhere to the school rules.(学校の規則に従わなければなりません。)- 公式・厳格
- I’ll stick with my usual routine.(いつもの日課を続けます。)- 日常的・個人的
日常会話での「stick with」の活用シーン
「stick with」は日常会話の中でもさまざまな場面で活用できる便利な表現です。ここでは、実際の会話シーンを想定して使い方を見ていきましょう。
友達との会話で
友達と新しい場所に行く時や、何か一緒に取り組む時に「stick with」を使うことができます。
会話例
- A: This shopping mall is very big. I’m afraid I might get lost.
(このショッピングモールはとても大きいね。迷子になりそうで心配だよ。) - B: Don’t worry. Just stick with me.
(心配しないで。私と一緒にいればいいよ。)
勉強や仕事の場面で
何か新しいことを学んだり、難しいプロジェクトに取り組んだりする時に、モチベーションを表現するために「stick with」を使うことができます。
会話例
- A: How is your English study going?
(英語の勉強はどう進んでいる?) - B: It’s challenging, but I’ll stick with it. I want to improve my skills.
(大変だけど、続けるつもりだよ。スキルを向上させたいんだ。)
アドバイスをする時に
誰かにアドバイスをする時、特に何かを続けることの大切さを伝える時に「stick with」を使うことができます。
会話例
- A: I’m thinking of quitting my piano lessons. It’s too difficult.
(ピアノのレッスンをやめようかと思っているんだ。難しすぎるよ。) - B: Don’t give up! Stick with it. Practice makes perfect.
(あきらめないで!続けることだよ。練習が完璧を作るんだから。)
「stick with」の応用表現
「stick with」には基本的な用法以外にも、いくつかの応用表現があります。ここでは、よく使われる応用表現を紹介します。
「stick with it」
「stick with it」は「それを続ける」「諦めない」という意味で、特定の活動や計画を指して使われます。何か難しいことに取り組んでいる人を励ます時によく使われます。
例文
- Learning a language is hard, but stick with it!(言語を学ぶのは大変だけど、続けなさい!)
- The first month of exercise is the hardest, but stick with it.(運動の最初の1ヶ月が最も大変だけど、続けることだよ。)
「stick with someone through thick and thin」
「stick with someone through thick and thin」は「良い時も悪い時も誰かと一緒にいる」という意味で、強い友情や忠誠心を表現する時に使われます。
例文
- True friends stick with you through thick and thin.(本当の友達は良い時も悪い時もあなたと一緒にいます。)
- She stuck with her husband through thick and thin.(彼女は良い時も悪い時も夫と一緒にいました。)
「stuck with」
「stuck with」(stick withの過去形/過去分詞形)は「~を押し付けられる」「~を背負わされる」というネガティブな意味で使われることがあります。
例文
- I got stuck with all the cleaning.(掃除を全部押し付けられた。)
- He is stuck with a lot of homework.(彼はたくさんの宿題を背負わされている。)
「stick with」を使いこなすコツ
「stick with」を自然に使いこなすためのコツをいくつか紹介します。
適切な文脈で使う
「stick with」は主に何かを続ける意志や、誰かと一緒にいる意志を表現する時に使います。特に困難な状況や長期的な取り組みについて話す時に使うと自然です。
例文
- The first year of learning is always tough, but stick with it.(学習の最初の1年は常に大変だけど、続けなさい。)
- This book is difficult to understand at first, but stick with it.(この本は最初は理解するのが難しいけど、読み続けなさい。)
カジュアルな場面で使う
「stick with」は比較的カジュアルな表現なので、友達との会話やカジュアルな場面で使うと自然です。非常に公式な場面では、より形式的な表現(「continue with」「remain with」など)を選ぶことも検討しましょう。
例文
- For now, I’ll stick with my current phone.(今のところ、現在の携帯電話を使い続けます。)
- Let’s stick with this topic for our class presentation.(クラスのプレゼンテーションではこのトピックを続けましょう。)
相手を励ます時に使う
「stick with it」という表現は、何か困難なことに取り組んでいる人を励ます時に特に有効です。前向きで励ましのニュアンスを持つので、モチベーションを上げたい時に使いましょう。
例文
- Learning a new language is hard, but stick with it. You’re making progress.(新しい言語を学ぶのは大変だけど、続けなさい。進歩しているよ。)
- Stick with your exercise routine. You’ll see results soon.(運動の習慣を続けなさい。すぐに結果が出るよ。)
「stick with」に関するよくある質問
ここでは、「stick with」に関してよくある質問とその回答をまとめました。
- 「stick with」と「stick by」の違いは何ですか?
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「stick with」と「stick by」はどちらも「誰かのそばにいる」「支える」という意味で使われますが、「stick by」はより「支持する」「守る」というニュアンスが強いです。「stick with」が物理的な近さや継続性を強調するのに対し、「stick by」は精神的なサポートや忠誠心を強調します。
- I’ll stick with you during the tour.(ツアー中はあなたと一緒にいます。)- 物理的な近さ
- I’ll stick by you no matter what others say.(他の人が何と言おうと、あなたを支持します。)- 精神的なサポート
- 「stick with」は否定文でも使えますか?
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はい、「stick with」は否定文でも使うことができます。「~を続けない」「~と一緒にいない」という意味になります。
- I won’t stick with this job for long.(この仕事を長く続けるつもりはありません。)
- Don’t stick with people who make you unhappy.(あなたを不幸にする人々と一緒にいないでください。)
- 「stick with」は命令文でよく使われますか?
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はい、「stick with」は命令文でもよく使われます。特に「続けなさい」「諦めないで」というアドバイスや励ましとして使われることが多いです。
- Stick with your studies!(勉強を続けなさい!)
- Stick with me and you’ll be fine.(私と一緒にいれば大丈夫だよ。)
- 「stick with」は日常会話でよく使われますか?
-
はい、「stick with」は日常会話でよく使われる表現です。特にカジュアルな会話の中で、何かを続けることを勧めたり、誰かと一緒にいることを表現したりする時によく使われます。
- I think I’ll stick with coffee this morning.(今朝はコーヒーにしておきます。)
- Let’s stick with our original plan.(元の計画を続けましょう。)
- 「stick with」の発音のコツはありますか?
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「stick with」の発音で特に注意したいのは、「stick」の「i」の音が短い「イ」ではなく、日本語の「イ」と「エ」の中間のような音であることです。また、「with」の「th」は舌を歯の間に軽く挟んで発音します。「スティク ウィズ」というよりも「ステック ウィズ」に近い発音です。
まとめ

「stick with」は英語の日常会話でよく使われる便利な表現です。この記事のポイントを簡単にまとめると、
- 「stick with」の基本的な意味は「~と一緒にいる」「~を続ける」「~にこだわる」です。
- 物理的な「一緒にいる」という意味と、抽象的な「続ける」「固執する」という意味があります。
- 人に対して使う場合は「~と一緒にいる」「~を支える」という意味になります。
- 物事や活動に対して使う場合は「~を続ける」「~をやり通す」という意味になります。
- 考えや信念に対して使う場合は「~に固執する」「~を堅持する」という意味になります。
- 「stick with」と似た表現として「stick to」「follow」「adhere to」などがありますが、ニュアンスに違いがあります。
- 「stick with it」(それを続ける)、「stick with someone through thick and thin」(良い時も悪い時も誰かと一緒にいる)などの応用表現もあります。
- 「stick with」はカジュアルな日常会話でよく使われ、特に何かを続けることを勧めたり、誰かを励ましたりする時に効果的です。
英語学習を続ける中で、「stick with」のような表現を覚えていくと、より自然な英会話ができるようになります。この表現を実際の会話の中で使ってみて、英語表現の幅を広げていきましょう。
「Stick with your English study, and you’ll improve day by day!」(英語の勉強を続けていけば、日に日に上達していきますよ!)