従位接続詞は英語の文法において非常に重要な役割を果たします。
この記事では、従位接続詞の基本的な意味から実際の使い方まで、英語初学者でも理解できるよう丁寧に解説します。例文や一覧表も用意しましたので、ぜひ学習の参考にしてください。
従位接続詞(従属接続詞)とは

従位接続詞とは、主節(独立して成り立つ文)と従属節(独立して成り立たない文)をつなぐ働きをする単語です。英語の文法では、文と文を結びつけて複雑な意味を表現するために不可欠な要素となります。
等位接続詞(and, but, orなど)が対等な文をつなぐのに対し、従位接続詞は主従関係のある文をつなぎます。従位接続詞を使うことで、時間、理由、条件などの関係性を明確に表現できるようになります。
従位接続詞と等位接続詞の違い
従位接続詞と等位接続詞は、どちらも文をつなぐ役割を持ちますが、その性質には大きな違いがあります。
等位接続詞は対等な要素同士をつなぐのに対し、従位接続詞は主節と従属節という主従関係のある文をつなぎます。
主な違いのポイント
特徴 | 従位接続詞 | 等位接続詞 |
---|---|---|
つなぐもの | 主節と従属節 | 対等な要素(語・句・文) |
文の関係 | 主従関係あり | 対等関係 |
代表例 | when, if, because | and, but, or |
文の独立性 | 従属節は独立できない | つながれた文は独立可能 |
位置 | 主に従属節の先頭 | 対等な要素の間 |
従位接続詞を使った文では、「When I was young, I played soccer.(私が若かった時、サッカーをしていました)」のように、「When I was young」という部分は従属節となり、それだけでは文として成立しません。
一方、等位接続詞の場合、「I like tennis and I play it every day.(私はテニスが好きで、毎日それをします)」のように、「and」の前後はどちらも独立した文として成立します。
従位接続詞の種類と使い方
従位接続詞は、その意味によって複数の種類に分けられます。それぞれの種類ごとに見ていきましょう。
時を表す従位接続詞
時間的な関係を表す従位接続詞には、when(〜のとき)、while(〜している間)、before(〜より前に)、after(〜の後で)、until(〜まで)、since(〜以来)、as soon as(〜するとすぐに)などがあります。
例文
- When I was ten years old, I started learning English.(私が10歳のとき、英語を習い始めました)
- I will wait here until you come back.(あなたが戻ってくるまで、ここで待ちます)
- After we finished our homework, we played video games.(宿題を終えた後、私たちはビデオゲームをしました)
- She has been studying French since she entered high school.(彼女は高校に入学して以来、フランス語を勉強しています)
理由を表す従位接続詞
理由や原因を表す従位接続詞には、because(〜なので)、since(〜なので、〜だから)、as(〜なので)などがあります。
例文
- I stayed at home because it was raining heavily.(激しく雨が降っていたので、家にいました)
- Since you are busy, I will help you with your work.(あなたは忙しいので、あなたの仕事を手伝います)
- As it was getting dark, we decided to go home.(暗くなってきたので、私たちは家に帰ることにしました)
条件を表す従位接続詞
条件を表す従位接続詞には、if(もし〜なら)、unless(〜でない限り)、provided that(〜を条件として)などがあります。
例文
- If it is sunny tomorrow, we will go to the beach.(明日晴れたら、ビーチに行きます)
- You cannot pass the test unless you study hard.(一生懸命勉強しない限り、テストに合格できません)
- We will hold the event provided that we get enough participants.(十分な参加者が集まることを条件に、そのイベントを開催します)
譲歩を表す従位接続詞
譲歩(相反する事実を認めること)を表す従位接続詞には、although(〜だけれども)、though(〜だけれども)、even though(〜にもかかわらず)などがあります。
例文
- Although it was cold, he went swimming.(寒かったにもかかわらず、彼は泳ぎに行きました)
- I still love this song, though it is very old.(とても古い曲ですが、私はまだこの曲が好きです)
- Even though she was tired, she helped her mother cook dinner.(疲れていたにもかかわらず、彼女は母親の夕食の支度を手伝いました)
目的を表す従位接続詞
目的を表す従位接続詞には、so that(〜するために)、in order that(〜するために)などがあります。
例文
- He studied hard so that he could pass the entrance exam.(彼は入学試験に合格できるように一生懸命勉強しました)
- I will explain it again in order that everyone can understand.(皆が理解できるように、もう一度説明します)
結果を表す従位接続詞
結果を表す従位接続詞には、so…that(とても〜なので…)、such…that(とても〜なので…)などがあります。
例文
- It was so cold that we couldn’t go outside.(とても寒かったので、外に出られませんでした)
- She was such a good singer that everyone was impressed.(彼女はとても素晴らしい歌手だったので、みんな感銘を受けました)
比較を表す従位接続詞
比較を表す従位接続詞には、than(〜よりも)、as(〜のように)などがあります。
例文
- He runs faster than I do.(彼は私よりも速く走ります)
- She speaks English as fluently as a native speaker.(彼女はネイティブスピーカーのように流暢に英語を話します)
従位接続詞一覧表
以下の表で、主な従位接続詞を種類別にまとめました。
種類 | 従位接続詞 | 意味 |
---|---|---|
時を表す | when | 〜のとき |
while | 〜している間 | |
before | 〜より前に | |
after | 〜の後で | |
until | 〜まで | |
since | 〜以来 | |
as soon as | 〜するとすぐに | |
理由を表す | because | 〜なので |
since | 〜なので、〜だから | |
as | 〜なので | |
条件を表す | if | もし〜なら |
unless | 〜でない限り | |
provided that | 〜を条件として | |
譲歩を表す | although | 〜だけれども |
though | 〜だけれども | |
even though | 〜にもかかわらず | |
目的を表す | so that | 〜するために |
in order that | 〜するために | |
結果を表す | so…that | とても〜なので… |
such…that | とても〜なので… | |
比較を表す | than | 〜よりも |
as | 〜のように |
従位接続詞の使用上の注意点
従位接続詞を使用する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。ここでは、初学者がよく間違える点について解説します。
従位接続詞の位置
従位接続詞で導かれる従属節は、文の最初にも途中にも置くことができます。ただし、従属節を文の最初に置く場合は、主節との間にコンマ(,)を置きます。
例文
- When I was a child, I lived in Tokyo.(私が子供だった頃、東京に住んでいました)
- I lived in Tokyo when I was a child.(私は子供だった頃、東京に住んでいました)
時制の一致
特に時を表す従位接続詞を使う場合、主節と従属節の時制の関係に注意が必要です。
例文
- I will call you when I arrive at the station.(駅に着いたら電話します)
- She was reading a book while her brother was watching TV.(彼女は弟がテレビを見ている間、本を読んでいました)
従位接続詞を使った実践例文
さまざまな状況で使える従位接続詞の例文を紹介します。
例文
- I will help you if you ask me.(あなたが頼めば、手伝います)
- Because he was sick, he couldn’t come to school.(彼は病気だったので、学校に来られませんでした)
- Although it was raining, we went for a walk.(雨が降っていたけれども、私たちは散歩に行きました)
- She works hard so that she can save money for college.(彼女は大学のためにお金を貯めるために一生懸命働いています)
- We waited until the rain stopped.(私たちは雨が止むまで待ちました)
- Since I started studying every day, my grades have improved.(毎日勉強し始めてから、私の成績は向上しました)
- The cake was so delicious that everyone wanted more.(そのケーキはとてもおいしかったので、みんなもっと欲しがりました)
従位接続詞に関する練習問題
以下の問題を解いて、従位接続詞の理解を深めましょう。
- I will call you __ I get home.
- He couldn’t sleep __ he was worried about the exam.
- __ it was raining, we went to the park.
- I study English __ I can communicate with people from other countries.
- She stayed at home __ she finished her homework.
- We won’t start the meeting __ everyone arrives.
- The movie was __ boring that I fell asleep.
- __ you study hard, you will pass the test.
- He has lived in this city __ he was born.
- I like summer __ I don’t like hot weather.
- Please wait here __ I come back.
- __ she was tired, she helped her friends.
- I will go to the party __ I am invited.
- He speaks English better __ I do.
- We canceled the picnic __ it was raining.
- __ you leave early, you’ll miss the train.
- The book was __ interesting that I read it in one day.
- I have known him __ we were in elementary school.
- She practiced piano every day __ she could improve her skills.
- I’ll take an umbrella __ it rains.
従位接続詞に関するよくある質問
- 従位接続詞と等位接続詞の違いは何ですか?
-
従位接続詞は主節と従属節をつなぎ、文の間に主従関係を作ります。一方、等位接続詞は対等な要素(単語、句、文)をつなぎます。従位接続詞で始まる節は独立して文として成立しませんが、等位接続詞でつながれた文はそれぞれ独立して成立します。
- 従位接続詞と前置詞の違いは何ですか?
-
従位接続詞は節(主語と動詞を含む)を導くのに対し、前置詞は名詞や代名詞などを導きます。例えば、「before the party」の「before」は前置詞(名詞「party」を導いている)ですが、「before we went to the party」の「before」は従位接続詞(「we went to the party」という節を導いている)です。
- 一つの文に複数の従位接続詞を使うことはできますか?
-
はい、可能です。例えば「Although it was raining, I went to school because I had an important test.(雨が降っていたけれども、重要なテストがあったので学校に行きました)」という文では、「although」と「because」という2つの従位接続詞が使われています。ただし、文が複雑になりすぎないよう注意が必要です。
- 従位接続詞の後ろはいつも節(主語+動詞)が来ますか?
-
はい、従位接続詞の後には必ず主語と動詞を含む節が続きます。これが従位接続詞と前置詞を区別する重要なポイントです。「after dinner」(前置詞+名詞)と「after I ate dinner」(従位接続詞+節)の違いに注目してください。
まとめ

従位接続詞は英語の文構造において重要な役割を果たす文法要素です。この記事を通して、従位接続詞の基本から応用までをカバーしました。
以下に主なポイントをまとめます。
- 従位接続詞は主節と従属節をつなぎ、文の間に主従関係を作る
- 従位接続詞には時間、理由、条件、譲歩、目的、結果、比較などを表す様々な種類がある
- 従位接続詞で始まる従属節は、文の最初にも途中にも置くことができる
- 従属節を文の最初に置く場合は、主節との間にコンマを置く
- 従位接続詞の後には必ず主語と動詞を含む節が続く
従位接続詞を正しく使いこなせるようになると、より複雑で洗練された英文を作れるようになります。
日常会話から学術的な文章まで、幅広い場面で活用できる重要な文法事項なので、ぜひ例文を参考にしながら練習してみてください。