英語の「such」は主に限定詞や前限定詞として使われる単語です。また、代名詞としても機能します。「such」は「そのような」「とても」「非常に」という意味を表し、英語を学ぶ日本人にとって使い方がやや複雑に感じられる単語です。
本記事では、「such」の様々な使い方や意味を例文と共に分かりやすく解説します。英語初心者の方でも理解できるよう、基本から丁寧に説明していきます。
「such」とは?基本的な意味と使い方

「such」は基本的に「そのような」「あのような」「~のような」という意味を持つ英単語です。また、何かを強調する際に「とても」「非常に」という意味でも使われます。中学英語でもよく登場する重要な表現で、正しく使えるようになると英語表現の幅が広がります。
「such」は主に以下のような場面で使われます。
- 特定の種類や性質を示す場合
- 何かを強調する場合
- 例を挙げる際(such as)
- 前に述べたものを指す場合
例えば、次のような例文があります。
例文
- I have never seen such a beautiful sunset.(こんなに美しい夕日を見たことがありません。)
- She is such a kind person.(彼女はとても親切な人です。)
「such」は文の中での位置や組み合わせる単語によって、微妙に意味や使い方が変わってきます。これから詳しく見ていきましょう。
「such」の品詞と文法的な役割
「such」は文の中で複数の品詞として機能することができます。主な品詞と役割を理解することで、より正確に「such」を使いこなせるようになります。
限定詞・前限定詞として
最も一般的な使い方は限定詞または前限定詞としての用法です。この場合、名詞の前に置かれ、「そのような」という意味を表します。
例文
- We don’t accept such behavior in our school.(私たちの学校ではそのような行動は認められません。)
- Such people always complain about everything.(そのような人々はいつも何事にも文句を言います。)
代名詞として
「such」は代名詞としても使われ、前に述べた物事を指します。
例文
- If you need help, such is available.(もし助けが必要なら、そのようなものは利用可能です。)
- The cars were expensive, and such were not in my budget.(その車は高価で、そのようなものは私の予算内ではありませんでした。)
強調表現として
「such」は「とても」「非常に」という意味で何かを強調することができます。特に「such a/an + 形容詞 + 名詞」という形でよく使われます。
例文
- It was such a good movie!(とても良い映画でした!)
- We had such fun at the party.(パーティーでとても楽しかったです。)
「such」を使った基本的な表現パターン
「such」を使う際のパターンはいくつかあります。基本的な使い方を押さえておくと、自信を持って使えるようになります。
「such + 名詞」のパターン
このパターンは複数形の名詞や不可算名詞と一緒に使います。
例文
- Such books are difficult to find these days.(そのような本は最近見つけるのが難しいです。)
- I have never heard such music before.(そのような音楽を以前に聞いたことがありません。)
「such a/an + 形容詞 + 単数名詞」のパターン
単数の可算名詞の場合は、「such a」または「such an」を使用します。
例文
- He is such a good friend.(彼はとても良い友達です。)
- She has such an interesting hobby.(彼女はとても面白い趣味を持っています。)
「such that」のパターン
「~なので」「~の結果」という意味を表現する時に使います。
例文
- His fear was such that he could not move.(彼の恐怖はあまりにも大きかったので、動くことができませんでした。)
- The noise was such that we couldn’t hear each other.(騒音があまりにもひどくて、お互いの声が聞こえませんでした。)
「such as」のパターン
「~のような」「例えば」という意味で、例を挙げる時に使います。
例文
- I like sports such as soccer and basketball.(サッカーやバスケットボールのようなスポーツが好きです。)
- There are many fruits such as apples, oranges and bananas.(リンゴ、オレンジ、バナナのような多くの果物があります。)
「such」と「so」の違い
英語学習者にとって、「such」と「so」の使い分けは混乱しやすいポイントです。どちらも「とても」という強調の意味がありますが、使い方が異なります。
基本的な違い
「so」は形容詞や副詞の前に置きます。
例文
- She is so beautiful.(彼女はとても美しいです。)
- He runs so fast.(彼はとても速く走ります。)
一方、「such」は名詞(句)の前に置きます。
例文
- She is such a beautiful girl.(彼女はとても美しい少女です。)
- It was such an interesting story.(それはとても面白い話でした。)
表による比較
以下の表で「so」と「such」の使い分けを明確にしましょう。
パターン | 例文 |
---|---|
so + 形容詞/副詞 | The movie was so good.(その映画はとても良かった。) |
so + 形容詞/副詞 + that節 | The movie was so good that I watched it twice.(その映画はとても良かったので、2回見ました。) |
such + 複数形/不可算名詞 | I have such problems with this computer.(このコンピュータでこのような問題があります。) |
such a/an + 形容詞 + 単数名詞 | It was such a beautiful day.(とても美しい日でした。) |
such + 名詞 + that節 | It was such a beautiful day that we decided to go for a walk.(とても美しい日だったので、散歩に行くことにしました。) |
「such」を使った慣用表現
「such」は様々な慣用表現の中で使われます。これらの表現を覚えておくと、自然な英語表現ができるようになります。
「as such」
「そのものとして」「そのままで」という意味で使われます。
例文
- He is not a qualified teacher as such, but he has a lot of experience.(彼は資格のある教師というわけではないですが、多くの経験を持っています。)
「such and such」
特定されていない人や物を指す時に使います。
例文
- Please call such and such a person.(どこそこの人に電話してください。)
「no such thing」
「そのようなものは存在しない」という意味で使います。
例文
- There is no such thing as a free lunch.(タダの昼食なんてものはありません。)
「such is life」
「それが人生だ」「そういうものだ」という意味の諦めや受容を表す表現です。
例文
- I failed the exam, but such is life.(試験に落ちたけど、それが人生だよ。)
「such」のよくある間違いと注意点
「such」を使う際には、いくつかの一般的な間違いや注意点があります。これらを理解して、正しく使えるようにしましょう。
「so」と「such」の混同
最も一般的な間違いは「so」と「such」を混同することです。
誤:She is such beautiful.
正:She is so beautiful.(彼女はとても美しいです。)
誤:I have so problems.
正:I have such problems.(私はそのような問題を抱えています。)
冠詞の扱い
単数の可算名詞を使う場合は、「such a」または「such an」を使う必要があります。
誤:She is such good student.
正:She is such a good student.(彼女はとても良い学生です。)
誤:He is such intelligent boy.
正:He is such an intelligent boy.(彼はとても賢い少年です。)
「such」の位置
「such」は通常、形容詞の前ではなく、名詞(句)の前に置きます。
誤:I have never seen such beautiful the sunset.
正:I have never seen such a beautiful sunset.(こんなに美しい夕日を見たことがありません。)
「such as」と「like」の違い
「such as」と「like」はどちらも例を挙げる際に使いますが、微妙に意味が異なります。「such as」は例として挙げるものが全体の一部である場合に使います。
例文
- I like fruits such as apples and oranges.(リンゴやオレンジなどの果物が好きです。)
これは私が好きな果物の例として「リンゴ」と「オレンジ」を挙げていることを意味します。一方、「like」は比較の意味が強いです。
「such」に関する問題
「such」は英語で「そのような」「とても~な」などの意味を持つ表現です。形容詞や名詞を強調したり、例示を示す際に使われる便利な単語ですが、文脈によっては他の表現が適切な場合もあります。
この問題では、「such」の使い方や類似表現を学びながら、正しい単語を選ぶ練習を行います。なお、全ての回答が「such」にならないように工夫していますので、注意深く文脈を読み取ってください。
- He is _ a kind person that everyone likes him.
- I have never seen _ a beautiful sunset before.
- She was late for the meeting, but it wasn’t _ a big deal.
- They were surprised to find _ an interesting book at the library.
- It’s not wise to make _ a decision without thinking carefully.
- This problem is too difficult; it’s not _ simple to solve.
- There are many ways to solve this issue, but none are _ effective as this one.
- I didn’t expect _ a warm welcome from strangers in a foreign country.
- He didn’t bring his umbrella, so he got wet in the rain. It was _ bad luck!
- The teacher gave us homework, but it wasn’t _ hard to complete.
これらの問題を通して、「such」と他の類似表現の使い分けや文脈に応じた適切な単語選びについて理解を深めることができます。
「such」に関するよくある質問
- 「such」と「so」はどう使い分ければいいですか?
-
「so」は形容詞や副詞の前に使い、「such」は名詞(句)の前に使います。例えば、「The movie was so good.」(その映画はとても良かった。)と「It was such a good movie.」(それはとても良い映画だった。)です。
- 「such as」と「for example」の違いは何ですか?
-
どちらも「例えば」という意味ですが、「such as」は文の途中で例を挙げる時によく使い、「for example」は文の始めや独立した例を挙げる時によく使います。「I like fruits such as apples and oranges.」(リンゴやオレンジなどの果物が好きです。)と「I like many fruits. For example, apples and oranges.」(多くの果物が好きです。例えば、リンゴとオレンジです。)
- 「such」は単独で使えますか?
-
はい、「such」は代名詞として単独で使うことができます。例えば、「His behavior was terrible, and such will not be tolerated.」(彼の行動はひどかった、そしてそのようなことは容認されないでしょう。)という使い方です。
- 「as such」とはどういう意味ですか?
-
「as such」は「そのものとして」「そのままで」という意味です。例えば、「He is not a doctor as such, but he knows a lot about medicine.」(彼は医者というわけではないが、医学について多くのことを知っている。)
- 「such」と複数形の名詞を使う時、「a/an」は必要ですか?
-
複数形の名詞を使う場合は「a/an」は必要ありません。例えば、「Such books are interesting.」(そのような本は面白い。)のように使います。
まとめ

本記事では「such」の意味と使い方について詳しく解説しました。「such」は英語で物事を強調したり、例を挙げたりする際に非常に便利な表現です。正しく使いこなせると、より自然な英語表現ができるようになります。
ここで学んだポイントを復習しましょう。
- 「such」は主に「そのような」「とても」という意味を持つ
- 「such + 複数形/不可算名詞」のパターンで使う
- 単数の可算名詞の場合は「such a/an + 形容詞 + 名詞」の形で使う
- 「so」は形容詞/副詞の前、「such」は名詞(句)の前に使う
- 「such as」は例を挙げる際に使う
- 「as such」「such and such」「no such thing」などの慣用表現がある
- 「such」と「so」の混同に注意する
「such」の使い方を理解することで、英語での表現の幅が広がります。例文と一緒に覚えて、実際の会話や文章の中で積極的に使ってみましょう。練習を重ねることで、自然に使いこなせるようになります。
英語学習の中で「such」を正しく使えるようになれば、よりネイティブに近い表現ができるようになるでしょう。