「take advantage of」は英語でよく使われる重要なフレーズですが、文脈によって意味が変わることがあります。
この表現は基本的に「〜を利用する」「〜を活用する」という意味を持ち、状況によってはポジティブな意味にもネガティブな意味にもなります。初学者でも使いこなせるように、意味から使い方、そして実際の例文まで詳しく解説していきます。
「take advantage of」の基本的な意味

「take advantage of」とは「(何かを)利用する」「(何かの)恩恵を受ける」「(何かを)活用する」という意味の英語表現です。基本的な形は「take advantage of + 名詞(または名詞句)」となり、状況や機会を活かすという意味で使われることが多いです。
この表現は日常会話やビジネスシーン、学校生活など様々な場面で使われる汎用性の高いフレーズです。英語を学ぶ上で覚えておくと非常に役立つ表現といえるでしょう。
「advantage」とは何か
「take advantage of」の理解を深めるために、まずは「advantage」という単語自体の意味を確認しておきましょう。「advantage」は「利点」「優位点」「有利な状況」を意味する名詞です。
例えば、スポーツの試合で「2点リード」という状況は「2-point advantage」と表現できます。また、ビジネスで他社より「競争上の優位性」を持っていることを「competitive advantage」と言います。
「advantage」には基本的に「有利な立場」「メリット」「強み」といったポジティブな意味があります。この「advantage」を「take(取る)」することで、「利点を活用する」という表現になっているのです。
「take advantage of」のポジティブな意味
「take advantage of」は多くの場合、ポジティブな意味で使われます。その代表的な意味は「機会や状況を活かす」「利点を活用する」というものです。例えば、「セールを利用する」「無料サービスを活用する」「良い天気を活かす」などの場面で使われます。
このポジティブな意味での使用は、「賢く行動して利益を得る」というニュアンスがあります。自分にとって有利な状況や機会を見逃さずに活用するという意味で、積極的な姿勢を表現します。
特に「take advantage of an opportunity(機会を活かす)」「take advantage of a sale(セールを利用する)」などの表現は日常会話でよく耳にします。
「take advantage of」のネガティブな意味
一方で、「take advantage of」にはネガティブな意味もあります。それは「人を利用する」「人の弱みにつけ込む」という意味です。この場合、人を不当に扱ったり、相手の弱点や無知を利用して自分の利益を得るという、倫理的に問題のある行為を指します。
例えば、「彼は友人の優しさにつけ込んだ」という場合、「He took advantage of his friend’s kindness」と表現します。また、「大企業が消費者の無知につけ込む」という場合は「Big companies take advantage of consumers’ ignorance」となります。
このネガティブな意味で使われる場合は、相手に対して不公平または不誠実な行為を示すことが多いです。このように、「take advantage of」は文脈によって意味が大きく変わるため、使う場面に注意が必要です。
「take advantage of」の様々な使い方
「take advantage of」は日常生活からビジネス、学術的な場面まで幅広く使われる表現です。ここでは、様々な場面での使い方を見ていきましょう。この表現を状況に応じて適切に使えるようになると、英語表現の幅が広がります。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスの世界では、「take advantage of」は主にポジティブな意味で使われることが多いです。市場の機会やビジネス上のつながり、新技術などを活用するという文脈で用いられます。
「Our company needs to take advantage of the growing online market.(私たちの会社は成長するオンライン市場を活用する必要があります)」のように、ビジネスチャンスを活かすという意味で頻繁に使われます。
また、「take advantage of training programs(研修プログラムを活用する)」「take advantage of networking events(ネットワーキングイベントを活用する)」など、自己成長やキャリア発展のための機会を活かすという意味でも使われます。ビジネス英語では欠かせない表現の一つです。
日常会話での使い方
日常会話では、「take advantage of」は特典やサービス、自然環境など、様々なものを活用するという意味で使われます。「Let’s take advantage of the good weather and go for a picnic.(良い天気を活かしてピクニックに行きましょう)」というように、状況を活かして何かをするという表現がよくあります。
また、「I’m going to take advantage of the sale and buy some new clothes.(セールを利用して新しい服を買うつもりです)」のように、お得な機会を利用するという意味でもよく使われます。
日常的な会話の中でこの表現を使うと、英語らしい自然な表現になります。特に「機会を逃さない」「賢く行動する」というニュアンスを伝えたいときに適しています。
学校生活での使い方
学習環境では、「take advantage of」は学習資源や機会を活用するという意味でよく使われます。「You should take advantage of the library resources.(図書館の資料を活用すべきです)」「Students can take advantage of free tutoring services.(学生は無料の家庭教師サービスを活用できます)」などの表現があります。
また、「take advantage of study abroad programs(留学プログラムを活用する)」「take advantage of extra help sessions(補習授業を活用する)」など、教育機会を最大限に活かすという文脈でも使われます。
学校生活や勉強に関する会話では、自分の成長のために利用できるリソースや機会について話す際に、この表現が役立ちます。成績向上や知識の獲得に積極的な姿勢を示す表現として使うことができます。
「take advantage of」の例文
ここでは、「take advantage of」を使った様々な例文を紹介します。これらの例文を通して、実際の使い方をより深く理解しましょう。すべて中学英語レベルの簡単な例文なので、初学者の方も安心して学べます。
基本的な例文
以下は「take advantage of」の基本的な使い方を示す例文です。
例文
- She took advantage of the sunny day to dry her clothes.(彼女は晴れた日を利用して洗濯物を乾かしました)
- We should take advantage of this chance to learn English.(私たちはこの英語を学ぶ機会を活用すべきです)
- My brother takes advantage of the summer vacation to read many books.(私の兄は夏休みを活用して多くの本を読みます)
- They took advantage of the free tickets to visit the museum.(彼らは無料チケットを利用して博物館を訪れました)
- I want to take advantage of the internet to study new things.(私はインターネットを活用して新しいことを学びたいです)
これらの例文では、「機会や状況を活かす」という意味で「take advantage of」が使われています。どれも前向きな意味で使われていることがわかります。
日常生活の例文
次に、日常生活での「take advantage of」の使い方を見てみましょう。
例文
- Let’s take advantage of the good weather and go for a walk.(良い天気を活かして散歩に行きましょう)
- My family took advantage of the low prices to buy a new TV.(私の家族は安い価格を利用して新しいテレビを買いました)
- I take advantage of my free time to practice the piano.(私は自由時間を活用してピアノの練習をします)
- She takes advantage of living near the beach to swim every morning.(彼女はビーチの近くに住んでいることを活かして毎朝泳いでいます)
- We should take advantage of the holiday season to visit our grandparents.(私たちは休暇シーズンを活用して祖父母を訪ねるべきです)
日常的な状況での例文も、機会や状況を前向きに活用するという意味で使われています。いずれも中学英語レベルなので、基本的な英語力があれば理解しやすいと思います。
学校生活の例文
学校生活における「take advantage of」の使い方を示す例文です。
例文
- Students should take advantage of the school library.(生徒たちは学校の図書館を活用すべきです)
- I take advantage of the lunch break to do my homework.(私は昼休みを活用して宿題をします)
- He took advantage of the teacher’s help to improve his English.(彼は先生の助けを活用して英語を上達させました)
- We can take advantage of the computer room after school.(放課後にコンピュータ室を利用できます)
- Many students take advantage of the summer camp to make new friends.(多くの生徒は夏季キャンプを活用して新しい友達を作ります)
これらの例文では、学習環境を最大限に活かすという文脈で「take advantage of」が使われています。学校生活の中で様々な学習リソースや機会を活用する際に使える表現です。
「take advantage of」と類似表現の違い
英語には「take advantage of」と似た意味を持つ表現がいくつかあります。ここでは、類似表現との違いを詳しく解説し、状況に応じた適切な表現の選び方を紹介します。
「make use of」との違い
「make use of」も「利用する」という意味を持ちますが、「take advantage of」との微妙な違いがあります。「make use of」は単に「何かを使う」「何かを活用する」という意味であり、特に「利益を得る」というニュアンスは強くありません。
例えば、「He made use of the old boxes to store his books.(彼は古い箱を使って本を保管した)」という場合、単に物を実用的に使ったという意味です。一方、「He took advantage of the sale to buy books.(彼はセールを利用して本を買った)」は、お得な機会を活かして利益(安く買えるという利益)を得たというニュアンスがあります。
「make use of」は比較的中立的な表現で、「take advantage of」よりも実用的な使用に焦点が当てられています。「take advantage of」には「利益を得る」という要素がより強く含まれています。
「benefit from」との違い
「benefit from」は「~から恩恵を受ける」「~の恩恵を享受する」という意味で、「take advantage of」と似ています。しかし、「benefit from」はより受動的なニュアンスがあります。
「Students benefit from small class sizes.(生徒たちは少人数クラスから恩恵を受ける)」という場合、生徒たちは積極的に何かをしているわけではなく、少人数クラスという環境から自然と恩恵を受けているというニュアンスです。
一方、「Students take advantage of small class sizes to ask more questions.(生徒たちは少人数クラスを活用してより多くの質問をする)」は、生徒たちが少人数という状況を積極的に活用しているというニュアンスが強まります。
「benefit from」は状況から自然と得られる恩恵を強調し、「take advantage of」は機会や状況を積極的に活用する行動を強調しています。
「exploit」との違い
「exploit」も「利用する」という意味を持ちますが、この表現はほとんどの場合、ネガティブな意味合いを持ちます。「exploit」は「搾取する」「不当に利用する」という意味があり、倫理的に問題のある行為を示すことが多いです。
「Companies that exploit their workers face legal problems.(労働者を搾取する企業は法的問題に直面する)」というように、人や資源を不当に利用するという意味で使われます。
「take advantage of」は文脈によってはネガティブな意味になることもありますが、「exploit」ほど強いネガティブな意味合いはありません。「take advantage of」は文脈によってポジティブにもネガティブにもなりますが、「exploit」はほぼ常にネガティブです。
使い分けるポイントは、不当な扱いやモラル的に問題がある場合は「exploit」を、機会や状況を活かす場合は「take advantage of」を使うと良いでしょう。
「take advantage of」を使う際の注意点
「take advantage of」を使う際には、いくつか注意すべき点があります。ここでは、誤解を招かないための使い方や文法的な注意点を解説します。
ネガティブな印象を与えないために
前述の通り、「take advantage of」は人に対して使うとネガティブな意味(人を利用する)になることがあります。そのため、人を目的語にする場合は特に注意が必要です。
例えば、「He took advantage of his friends.(彼は友人たちを利用した)」という表現は、友人たちを不当に扱ったというネガティブな意味になります。人を目的語にする場合は、文脈を明確にすることが重要です。
もし人に関連して使う場合でも、「He took advantage of his friend’s offer to help.(彼は友人の手助けの申し出を活用した)」のように、人自体ではなく「申し出」「親切」など抽象的なものを目的語にすれば、ネガティブな印象は軽減されます。
また、ビジネスや公式な場面では、誤解を避けるために「utilize(活用する)」「make the most of(最大限に活用する)」などの代替表現を使うこともあります。相手に不快な印象を与えないよう、状況に応じた表現を選ぶことが大切です。
適切な前置詞の使い方
「take advantage of」の「of」は前置詞で、必ず目的語(名詞または名詞句)が続きます。この「of」は省略できません。
正しい使い方
- Take advantage of this opportunity.(この機会を活用しなさい)
- She took advantage of the discount.(彼女は割引を利用した)
間違った使い方
- Take advantage this opportunity.(ofが抜けている)
- She took advantage from the discount.(ofではなくfromを使っている)
また、「take advantage of」の後には必ず名詞または名詞句が来ます。動詞をそのまま続けることはできません。動詞を使いたい場合は、動名詞(〜ing形)にする必要があります。
正しい使い方
- Take advantage of learning English.(英語を学ぶことを活用する)
間違った使い方
- Take advantage of learn English.(learnではなくlearningが必要)
これらの文法的な注意点を押さえることで、「take advantage of」をより正確に使えるようになります。英語学習の初期段階でこのような基本的なフレーズの使い方をしっかり理解しておくことは、英語力向上の大きな助けになります。
「take advantage of」に関するよくある質問
ここでは、「take advantage of」に関するよくある質問に答えていきます。英語学習者がつまずきやすいポイントについて解説します。
- 「take advantage of」は常にネガティブな意味ですか?
-
いいえ、「take advantage of」は文脈によってポジティブにもネガティブにもなります。「機会や状況を活かす」という意味ではポジティブで、「人を利用する」という意味ではネガティブです。
例えば、「I took advantage of the sale.(私はセールを利用しました)」はポジティブな意味ですが、「He took advantage of her kindness.(彼は彼女の優しさにつけ込んだ)」はネガティブな意味になります。
目的語が「人」である場合は特にネガティブな意味になりやすいですが、「状況」「機会」「オファー」などの場合はポジティブな意味になることが多いです。文脈を理解して適切に使い分けることが重要です。
- 「take full advantage of」との違いは何ですか?
-
「take full advantage of」は「最大限に活用する」という意味で、「take advantage of」よりも強調された表現です。「full」を加えることで、「部分的ではなく完全に」「できる限り最大限に」という意味合いが加わります。
例えば、「You should take advantage of the library resources.(図書館の資料を活用すべきです)」と「You should take full advantage of the library resources.(図書館の資料を最大限に活用すべきです)」を比べると、後者の方がより積極的に全ての資源を使うべきだというニュアンスが強くなります。
特に強調したい場合や、「ありとあらゆる機会を」というニュアンスを加えたい場合に「take full advantage of」を使うと効果的です。
- 「take the advantage of」は正しい表現ですか?
-
一般的に、「take advantage of」の間に「the」を入れることはありません。「take the advantage of」という表現は標準的な英語としては不自然です。
正しい使い方
- Let’s take advantage of this opportunity.(この機会を活用しましょう)
間違った使い方
- Let’s take the advantage of this opportunity.
ただし、特定の利点について話している場合は「the advantage」という表現が使われることもあります。例えば、「take the advantage of being first(最初であることの利点を活かす)」というように、特定の状況での優位性を指す場合です。しかし、一般的な「take advantage of」という慣用表現では「the」は使いません。
- 「take advantage of」と「take advantages of」の違いは?
-
「take advantage of」の「advantage」を複数形にして「take advantages of」とすることは一般的ではありません。「take advantage of」は一つの慣用句として扱われ、通常は単数形で使われます。
正しい使い方
- She took advantage of her skills.(彼女は自分のスキルを活かした)
間違った使い方
- She took advantages of her skills.
ただし、明確に複数の個別の利点について話している場合は、「take advantage of the many advantages」のように表現することはできます。しかし、慣用句としての「take advantage of」自体は単数形で使います。
- 「take advantage from」は正しいですか?
-
いいえ、「take advantage from」は正しくありません。「take advantage of」の「of」は固定された前置詞で、「from」に置き換えることはできません。
正しい使い方
- We can take advantage of this situation.(私たちはこの状況を活用できます)
間違った使い方
- We can take advantage from this situation.
「take advantage of」は一つの慣用句として覚え、前置詞「of」は常に一緒に使うようにしましょう。
まとめ

ここまで「take advantage of」の意味と使い方について詳しく見てきました。最後に、この表現のポイントをまとめましょう。
- 「take advantage of」の基本的な意味は「(何かを)利用する」「(何かの)恩恵を受ける」「(何かを)活用する」です。
- 文脈によってポジティブな意味にもネガティブな意味にもなります。
- ポジティブな意味では「機会や状況を活かす」という意味で使われます。
- ネガティブな意味では「人を利用する」「人の弱みにつけ込む」という意味になります。
- 人を目的語にすると、ネガティブな意味になることが多いです。
- 「make use of」「benefit from」「exploit」など類似表現との違いを理解することで、場面に応じた適切な表現を選べます。
- 「of」は省略できない前置詞で、必ず目的語(名詞または名詞句)が続きます。
- 「take full advantage of」で「最大限に活用する」という強調表現になります。
- 慣用句として使う場合は「advantage」は単数形を使います。
- ビジネス、日常会話、学校生活など様々な場面で使える便利な表現です。
「take advantage of」は、英語の中でも非常によく使われる表現の一つです。この表現をマスターして、様々な場面で活用してみましょう。英会話の幅が広がり、より自然な英語表現ができるようになります。