「take over」という英語表現は、日常会話やビジネスシーンでよく使われる便利なフレーズです。日本語では主に「引き継ぐ」という意味で知られていますが、実はそれ以外にもいくつかの重要な意味を持っています。
この記事では、英語初学者向けに「take over」の意味や使い方を詳しく解説し、中学英語レベルの例文を交えながら分かりやすく説明していきます。
「take over」とは?基本的な意味と使い方

「take over」は「take(取る)」と「over(超えて・上に)」という二つの単語からできた句動詞です。これらの単語が組み合わさると、「何かを超えて自分のものにする」というイメージが生まれます。英語の句動詞は、基本動詞と前置詞や副詞が組み合わさって新しい意味を作り出すのが特徴です。
「take over」の主な意味は次の4つに分けられます。
- 引き継ぐ・引き取る(職務・責任・事業など)
- 買収する(会社など)
- 乗っ取る・占領する(場所や権力など)
- 奪う・取り上げる(仕事や地位など)
これらの意味は状況によって使い分けられますが、共通しているのは「何かが一方から他方へ移る」というコアイメージです。このイメージを理解すると、様々な状況での使い方が見えてきます。
「引き継ぐ」という意味での「take over」
「take over」の最も一般的な意味は「引き継ぐ」です。誰かの仕事や責任を代わりに行う場面で使われます。
職務や責任を引き継ぐ場合
ビジネスシーンでは、誰かの仕事や責任を引き継ぐ場面がよくあります。休暇や病気で不在の同僚の仕事を一時的に引き継いだり、退職した人の役割を永続的に引き継いだりする場合に「take over」を使います。
例文
- My boss is sick today. I will take over his meeting.(上司が今日は病気です。私が彼の会議を引き継ぎます。)
- She will take over the project next month.(彼女は来月そのプロジェクトを引き継ぎます。)
- Can you take over my class? I need to go to the hospital.(私のクラスを引き継いでくれませんか?病院に行く必要があります。)
運転を交代する場合
長距離ドライブのときなど、運転手が疲れたときに交代する場面でも「take over」は使われます。
例文
- I’m tired. Can you take over the driving?(疲れたよ。運転を代わってくれる?)
- My father took over the car after lunch.(父は昼食後、運転を引き継ぎました。)
- When you feel sleepy, I will take over the wheel.(眠くなったら、私がハンドルを引き継ぐよ。)
家事や日常的なタスクを引き継ぐ場合
家庭内でも、誰かの代わりに家事や子どもの世話をするときに「take over」が使われます。
例文
- Mom is busy, so I will take over cooking tonight.(お母さんは忙しいので、今夜は私が料理を引き継ぎます。)
- Can you take over watching the baby for an hour?(1時間だけ赤ちゃんの世話を引き継いでくれませんか?)
- He took over cleaning the house when his wife got sick.(妻が病気になったとき、彼は家の掃除を引き継ぎました。)
「買収する」という意味での「take over」
ビジネスの世界では、「take over」は「買収する」という意味でよく使われます。一つの会社が別の会社の所有権を獲得する場合に使用されます。
ビジネスにおける買収
大きな会社が小さな会社を買収するケースなど、ビジネスでの買収を表現するときに使います。
例文
- The big company took over three small shops last year.(その大企業は昨年、3つの小さな店を買収しました。)
- We heard that Company A will take over Company B soon.(会社Aがまもなく会社Bを買収すると聞きました。)
- Many workers worry when their company is taken over.(多くの労働者は、自分の会社が買収されるとき心配します。)
オーナーシップの変更
会社だけでなく、店舗や事業のオーナーが変わる場合にも使われます。
例文
- My uncle took over the family store after my grandfather died.(祖父が亡くなった後、叔父が家族の店を引き継ぎました。)
- The new owner took over the restaurant last month.(新しいオーナーが先月そのレストランを引き継ぎました。)
- Who will take over your business when you retire?(あなたが引退したとき、誰があなたの事業を引き継ぎますか?)
「乗っ取る・占領する」という意味での「take over」
力を使って支配権を得る場合にも「take over」は使われます。これは政治的な文脈や、ゲームの中でも使われることがあります。
政治的な文脈での使用
政治的な状況で、政権や領土を奪う場合に使われます。
例文
- The army took over the government last week.(軍は先週、政府を掌握しました。)
- The rebels tried to take over the city.(反乱軍はその都市を占領しようとしました。)
- In history, many countries were taken over by others.(歴史上、多くの国々が他国に占領されました。)
ゲームや競争での使用
ゲームや競争の文脈でも、相手の領域や地位を奪うときに使われます。
例文
- In this game, you need to take over your enemy’s land.(このゲームでは、敵の土地を乗っ取る必要があります。)
- Our team took over first place in the race.(私たちのチームはレースで首位を奪いました。)
- She quickly took over as the best student in class.(彼女はすぐにクラスで一番の生徒の地位を獲得しました。)
「奪う・取り上げる」という意味での「take over」
技術の進化などにより、人間の仕事が機械に取って代わられるような場合にも「take over」は使われます。
仕事や役割が奪われる場合
新しい技術や他の人によって、自分の仕事や役割が奪われる状況を表します。
例文
- Computers are taking over many simple jobs.(コンピュータが多くの単純な仕事を奪っています。)
- The new manager took over my responsibilities.(新しいマネージャーが私の責任を奪いました。)
- Robots might take over more jobs in the future.(ロボットは将来、より多くの仕事を奪うかもしれません。)
テクノロジーの影響
テクノロジーが人間の活動領域を奪っていく様子を表現するときにも使われます。
例文
- Smartphones have taken over our daily lives.(スマートフォンは私たちの日常生活を支配するようになりました。)
- Online shopping is taking over traditional stores.(オンラインショッピングが従来の店舗に取って代わっています。)
- Social media took over how we communicate with friends.(ソーシャルメディアは友人とのコミュニケーション方法を一変させました。)
「take over」と似た表現との違い
「take over」と似た意味を持つ表現はいくつかありますが、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。
「hand over」との違い
「hand over」も「引き継ぐ」という意味を持ちますが、視点が逆になります。「hand over」は「引き渡す側」の視点、「take over」は「引き継ぐ側」の視点です。
例文(hand over)
- I will hand over my project to Jim next week.(来週、私のプロジェクトをジムに引き渡します。)
- She handed over her responsibilities before she left.(彼女は去る前に、自分の責任を引き渡しました。)
例文(take over)
- Jim will take over my project next week.(ジムは来週、私のプロジェクトを引き継ぎます。)
- He took over her responsibilities after she left.(彼女が去った後、彼は彼女の責任を引き継ぎました。)
「assume control」との違い
「assume control」は「管理を引き受ける」という意味で、より公式的で責任の重い状況で使われます。「take over」より堅い表現です。
例文(assume control)
- The vice president will assume control during the president’s absence.(副社長は社長不在の間、指揮を執ります。)
- She assumed control of the department last month.(彼女は先月、その部門の管理を引き受けました。)
例文(take over)
- The vice president will take over while the president is away.(社長がいない間、副社長が引き継ぎます。)
- She took over the department last month.(彼女は先月、その部門を引き継ぎました。)
その他の類似表現
「take charge」(責任を持つ)、「inherit」(継承する)、「absorb」(吸収する)なども「take over」と似た意味を持ちますが、それぞれ異なるニュアンスがあります。
例文(take charge)
- Someone needs to take charge of this situation.(誰かがこの状況の責任を持つ必要があります。)
例文(inherit)
- He inherited the family business from his father.(彼は父親から家業を相続しました。)
例文(absorb)
- The large company absorbed three smaller firms.(その大企業は3つの小さな会社を吸収しました。)
「take over」を使った日常会話フレーズ
「take over」は日常会話の中でもよく使われます。ここでは、状況別に使えるフレーズを紹介します。
ビジネスシーンでの使用
職場でよく使われる「take over」を含むフレーズです。
例文
- I can take over from here.(ここからは私が引き継ぎます。)
- Who will take over your position when you leave?(あなたが辞めたとき、誰があなたの地位を引き継ぎますか?)
- Let me take over this difficult customer.(この難しい顧客は私が対応します。)
家庭での使用
家庭内での役割分担に関する「take over」の使い方です。
例文
- It’s your turn to take over the dishes.(あなたの番だから、食器洗いを引き継いでね。)
- Dad took over bedtime stories tonight.(今夜はお父さんが寝る前の物語を担当しました。)
- Can you take over looking after the dog this weekend?(今週末、犬の世話を引き継いでくれる?)
友人との会話での使用
友人同士の会話での「take over」の使い方です。
例文
- You look tired. Let me take over carrying that bag.(疲れてるみたいだね。そのバッグは私が持つよ。)
- She always takes over the conversation at parties.(彼女はパーティーでいつも会話を独占します。)
- We will take over planning the surprise party.(私たちがサプライズパーティーの計画を引き継ぎます。)
「take over」の活用形と文法
「take over」を正しく使うための文法的な知識も重要です。
時制による変化
「take over」は様々な時制で使うことができます。基本形は「take over」ですが、三人称単数現在形では「takes over」、過去形は「took over」、過去分詞形は「taken over」となります。
例文(現在形)
- I take over his duties every Monday.(毎週月曜日に私は彼の仕事を引き継ぎます。)
- She takes over the cooking on weekends.(彼女は週末に料理を担当します。)
例文(過去形)
- They took over the company last year.(彼らは昨年その会社を買収しました。)
- He took over driving after lunch.(彼は昼食後、運転を引き継ぎました。)
例文(現在完了形)
- Computers have taken over many jobs.(コンピュータは多くの仕事を奪ってきました。)
- She has taken over as team leader.(彼女はチームリーダーとして引き継ぎました。)
例文(未来形)
- I will take over the project next month.(来月、私がそのプロジェクトを引き継ぎます。)
- Who is going to take over when you retire?(あなたが引退したとき、誰が引き継ぐのですか?)
疑問文と否定文の作り方
「take over」を使った疑問文や否定文の作り方も覚えておきましょう。
例文(疑問文)
- Will you take over my class tomorrow?(明日、私のクラスを引き継いでくれますか?)
- Who took over the company after the CEO left?(CEOが去った後、誰がその会社を引き継ぎましたか?)
- Has anyone taken over the project yet?(すでに誰かがそのプロジェクトを引き継ぎましたか?)
例文(否定文)
- I will not take over his responsibilities.(私は彼の責任を引き継ぎません。)
- She didn’t take over the family business.(彼女は家業を引き継ぎませんでした。)
- Robots haven’t taken over all jobs yet.(ロボットはまだすべての仕事を奪っていません。)
「take over」に関するよくある質問
ここでは、「take over」に関するよくある質問とその回答をまとめました。
- 「take over」は丁寧な表現ですか?
-
「take over」自体は中立的な表現で、状況によって丁寧にも失礼にもなります。特に「引き継ぐ」「交代する」という意味で使う場合は、普通に丁寧な表現として使えます。ただし、「乗っ取る」「奪う」という意味で使う場合は、ネガティブなニュアンスになることがあります。
丁寧に頼む場合は、「Could you possibly take over for me?」(私の代わりに引き継いでいただけますか?)のように、丁寧な言い回しと組み合わせるとよいでしょう。
- 「take over」はフォーマルな場面で使えますか?
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「take over」はビジネスシーンを含め、フォーマルな場面でも使える表現です。ただし、より公式的な文脈では「assume control」「assume responsibility」などの表現が好まれることもあります。
- I will take over the project management.(私がプロジェクト管理を引き継ぎます。)
- The board decided that Ms. Smith would take over as CEO.(取締役会は、スミスさんがCEOを引き継ぐことを決定しました。)
- 「take over」と「take charge」の違いは?
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「take over」と「take charge」は似ていますが、微妙に異なります。「take over」は誰かから何かを引き継ぐイメージが強いのに対し、「take charge」は状況の責任を持つことを強調します。「take charge」は必ずしも誰かから引き継ぐわけではなく、新しい状況で指揮を執ることもあります。
例文(take over)
- He took over from the previous manager.(彼は前任のマネージャーから引き継ぎました。)
例文(take charge)
- She took charge of the emergency situation.(彼女は緊急事態の指揮を執りました。)
まとめ

「take over」は英語の日常会話やビジネスシーンで非常に便利な表現です。この記事のポイントをまとめると、
- 「take over」の主な意味は以下の4つ
- 引き継ぐ・引き取る(職務・責任・事業など)
- 買収する(会社など)
- 乗っ取る・占領する(場所や権力など)
- 奪う・取り上げる(仕事や地位など)
- 「take over」のコアイメージは「何かを超えて自分のものにする」です。
- 時制による変化
- 現在形:take over / takes over
- 過去形:took over
- 過去分詞:taken over
- 「take over」に似た表現との違い
- 「hand over」は引き渡す側の視点
- 「assume control」はより公式的
- 「take charge」は状況の責任を持つこと
- 「take over」は状況に応じて、肯定的にも否定的にも使える中立的な表現です。
- 様々な場面(ビジネス、家庭、友人との会話など)で活用できる便利な表現です。
「take over」は英語の会話の中でよく使われる表現なので、これらの使い方をマスターすれば、より自然な英語表現ができるようになります。引き継ぎや交代、買収など様々な状況で使える便利な表現なので、ぜひ積極的に使ってみてください。
英語の句動詞は最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的なイメージをつかんで例文を通して理解していくことで、徐々に使いこなせるようになります。「take over」をマスターして、英語表現の幅を広げていきましょう。

