「than」は英語の接続詞または前置詞で、主に比較表現で使われる重要な単語です。「〜よりも」という意味を持ち、2つの人やものを比較するときに欠かせません。中学英語の基礎としても早い段階で学習する単語ですが、使い方を正確に理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。
この記事では、「than」の基本的な意味から応用的な使い方まで、初学者にもわかりやすく解説していきます。
「than」とは?比較を表す重要な接続詞

「than」は、2つのものや人を比較するときに使われる接続詞です。日本語では「〜よりも」と訳されることが多く、主に比較級の形容詞や副詞と一緒に使われます。「than」自体は単独では使われず、必ず比較の対象となるものや人を導く役割を果たします。
比較表現における「than」の基本的な使い方は、「A is 比較級 than B(AはBよりも〜です)」というパターンです。ここでは、AとBを比較して、Aの方がある特性や状態においてBよりも程度が大きい(または小さい)ことを表します。
例えば「My brother is taller than I am.(私の兄は私よりも背が高いです)」という文では、「my brother(私の兄)」と「I(私)」の背の高さを比較し、兄の方が背が高いと述べています。
「than」の基本的な使い方
「than」を使った比較表現の基本は、形容詞や副詞の比較級と組み合わせて使うことです。英語の比較級は、短い単語なら語尾に「-er」を付け、長い単語なら前に「more」を付けるという基本ルールがあります。
形容詞の比較級と「than」の組み合わせ
- This book is bigger than that one.(この本はあの本より大きいです)
- My sister is taller than me.(私の姉は私より背が高いです)
- English is more difficult than math.(英語は数学より難しいです)
副詞の比較級と「than」の組み合わせ
- He runs faster than his brother.(彼は兄弟より速く走ります)
- She speaks more clearly than her teacher.(彼女は先生よりもはっきりと話します)
「than」を使った比較表現では、「than」の後に比較の対象となる名詞や代名詞、または節が続きます。
節が続く場合は、一般的に動詞が必要ですが、同じ動詞が繰り返される場合は省略されることも多いです。
例文
- I am stronger than I was last year.(私は去年よりも強くなりました)
- This movie is more interesting than I expected.(この映画は私が期待していたよりも面白いです)
比較級の作り方と「than」の使用
英語の比較級の作り方には一定のルールがあります。短い単語(通常は1音節、または一部の2音節の単語)は語尾に「-er」を付けます。
1音節の形容詞の比較級
- tall → taller
- short → shorter
- fast → faster
2音節の形容詞でも、語尾が「-y」の場合は「y」を「i」に変えて「-er」を付けます。
- happy → happier
- busy → busier
- early → earlier
3音節以上の形容詞や、一部の2音節の形容詞は、前に「more」を付けて比較級を作ります。
- beautiful → more beautiful
- difficult → more difficult
- interesting → more interesting
「more/less than」の構造
「more than」や「less than」という表現も、「than」を用いた代表的な比較表現です。
例文
- There are more than 30 students in my class.(私のクラスには30人以上の生徒がいます)
- This book costs less than 1000 yen.(この本は1000円未満です)
また、「more than」には「〜以上」という数量的な意味だけでなく、「〜というよりもむしろ」という意味でも使われます。
例文
- He is more than a teacher to me.(彼は私にとって教師以上の存在です)
「less than」は「〜未満」「〜より少ない」という意味で使われます。
例文
- I spent less than an hour on my homework.(宿題に1時間もかかりませんでした)
「rather than」の使い方
「rather than」は「〜よりもむしろ」という意味で、2つの選択肢のうち一方を選ぶ場合に使われます。
例文
- I prefer tea rather than coffee.(私はコーヒーよりもお茶が好きです)
- Let’s go by train rather than by bus.(バスよりも電車で行きましょう)
「than」の実践的な例文
「than」を使った様々な実践的な例文を見ていきましょう。中学生レベルの基本的な例文から、少し応用的な例文まで紹介します。
形容詞の比較級と「than」
基本的な形容詞の比較級と「than」を使った例文です。
例文
- My dog is bigger than your dog.(私の犬はあなたの犬より大きいです)
- This bag is heavier than that one.(このバッグはあれより重いです)
- Summer is hotter than spring.(夏は春より暑いです)
- Mathematics is easier than physics for me.(私にとって数学は物理より簡単です)
- Her story is more interesting than his.(彼女の話は彼の話より面白いです)
副詞の比較級と「than」
副詞の比較級と「than」を組み合わせた例文です。
例文
- He speaks English more fluently than Japanese.(彼は日本語より英語を流暢に話します)
- I can run faster than my brother.(私は兄より速く走れます)
- She sings more beautifully than anyone else in the class.(彼女はクラスの誰よりも美しく歌います)
- The train moves more quickly than the bus.(電車はバスより速く動きます)
- Today I woke up earlier than yesterday.(今日は昨日より早く起きました)
特殊な比較表現と「than」
「than」を使った少し特殊な比較表現の例文です。
例文
- Nothing is more important than family.(家族より大切なものはありません)
- I have more books than I can read.(読める以上の本を持っています)
- The concert was better than I expected.(そのコンサートは私が期待していたよりも良かったです)
- There are more stars in the sky than we can count.(空には数えきれないほどたくさんの星があります)
- He is no more a singer than I am a dancer.(彼が歌手でないのと同様に、私もダンサーではありません)
「than」の文法的な位置づけ
「than」は伝統的に接続詞として分類されることが多いですが、前置詞として機能する場合もあります。これは「than」の後に何が続くかによって変わってきます。
接続詞としての「than」
「than」が接続詞として機能する場合、その後には節(主語と動詞を含む文)が続きます。ただし、動詞が前の文と同じ場合は省略されることが多いです。
例文
- She is smarter than he is.(彼女は彼よりも賢いです)
- I run faster than he runs.(私は彼より速く走ります)
これは完全な節を導入していますが、しばしば以下のように短縮されます。
例文
- She is smarter than he.(彼女は彼よりも賢いです)
- I run faster than he.(私は彼より速く走ります)
前置詞としての「than」
「than」が前置詞として機能する場合、その後には名詞や代名詞の目的格が続きます。
例文
- She is taller than me.(彼女は私より背が高いです)
- He works harder than her.(彼は彼女よりも一生懸命働きます)
この用法は口語ではよく使われますが、厳格な文法では「than I am」「than she does」のように接続詞として扱うべきという考え方もあります。
しかし、現代の英語では両方の形式が広く受け入れられています。
「than」と比較級の種類
「than」を使う比較表現には、いくつかの異なるパターンがあります。それぞれのパターンについて詳しく見ていきましょう。
優等比較(AはBより〜)
最も一般的な比較表現は、AがBよりも優れているという「優等比較」です。
例文
- Gold is more valuable than silver.(金は銀よりも価値があります)
- Lions run faster than elephants.(ライオンはゾウより速く走ります)
劣等比較(AはBほど〜ではない)
AがBほど〜ではないという「劣等比較」も「than」を使って表現できます。
例文
- Silver is less valuable than gold.(銀は金ほど価値がありません)
- Elephants run less quickly than lions.(ゾウはライオンほど速く走りません)
または、「not as…as」という形を使うこともできます。
例文
- Silver is not as valuable as gold.(銀は金ほど価値がありません)
- Elephants do not run as quickly as lions.(ゾウはライオンほど速く走りません)
倍数表現と「than」
「〜倍」という表現も「than」を使って表現できます。
例文
- This building is three times taller than that one.(この建物はあの建物の3倍の高さです)
- My salary is twice more than his.(私の給料は彼の2倍です)
「than」のよくある間違いと注意点
「than」を使う際によく見られる間違いや注意すべき点について解説します。
「than」と「then」の混同
「than」と「then」は発音が似ているため、混同されやすい単語です。しかし、意味と用法は全く異なります。
例文
- 「than」:比較を表す「〜よりも」
例:He is taller than me.(彼は私より背が高いです) - 「then」:時間的順序を表す「その時」「それから」
例:First we will eat, then we will go to the movie.(まず食事をして、それから映画に行きます)
この二つの単語を混同すると、文の意味が大きく変わってしまうので注意が必要です。
「than I」と「than me」の違い
「than」の後に人称代名詞が来る場合、主格を使うか目的格を使うかという問題があります。
- than I / than he / than she(主格)
- than me / than him / than her(目的格)
厳密な文法では、「than」が接続詞として機能する場合は主格を使い、前置詞として機能する場合は目的格を使うとされています。
- She is taller than I am.(接続詞、完全な節)
- She is taller than I.(接続詞、省略形)
- She is taller than me.(前置詞)
現代の英語では、特に口語では「than me」のような目的格の形が広く使われており、どちらも正しいとされていますが、フォーマルな文書では主格を使うことが多いです。
「than」と前後の表現の一致
「than」の前後で比較する要素が文法的に一致していることが重要です。
- 正:He likes soccer more than baseball.(彼は野球よりもサッカーが好きです)
- 誤:He likes soccer more than he likes to play tennis.(比較の対象が一致していない)
また、比較の対象が明確でないと、文の意味が曖昧になることがあります。
- I like my mother more than my father.
- 「父より母の方が好き」という意味にも、
- 「父が母を好きな程度よりも私が母を好きな程度の方が大きい」という意味にもなり得ます。
明確にするには、
例文
- I like my mother more than I like my father.(父より母の方が好き)
- I like my mother more than my father likes my mother.(父が母を好きな程度よりも私が母を好きな程度の方が大きい)
「than」と否定表現
「than」と否定表現を組み合わせると、特殊な意味を持つことがあります。
例文
- No more than five people came to the party.(パーティーに来たのは5人だけでした)
- She is no less intelligent than her brother.(彼女は兄弟に劣らず頭が良いです)
これらの表現は、数量の制限や同等性を表すのに使われます。
「than」の特殊な用法
「than」にはいくつかの特殊な用法があります。これらは中学レベルを超えるものもありますが、参考として紹介します。
「other than」の使い方
「other than」は「〜以外の」「〜を除いて」という意味で使われます。
例文
- I have no friends other than you.(あなた以外に友達がいません)
- Is there anyone other than John who can help?(ジョン以外に手伝える人はいますか?)
「rather than」と選択
「rather than」は「〜よりもむしろ」という意味で、選択の文脈で使われます。
例文
- I’ll take the train rather than the bus.(バスよりも電車に乗ります)
- She decided to study rather than go to the party.(彼女はパーティーに行くよりも勉強することを決めました)
「no sooner…than」の構文
「no sooner…than」は「〜するとすぐに」という意味の熟語表現です。
例文
- No sooner had we arrived than it began to rain.(到着するとすぐに雨が降り始めました)
これは中級〜上級レベルの表現ですが、覚えておくと英語の表現力が広がります。
「than」に関する問題
「than」は英語で比較を表す際に頻繁に使用される単語です。主に「~よりも」という意味で使われ、比較級やその他の構造で登場します。しかし、似たような表現や文法構造があるため、正しく使い分けることが重要です。
ここでは、「than」に関連する問題を通して、その使い方や関連表現について学びます。空欄に適切な単語を入れてください。
- He is taller _ his brother.
- I prefer coffee _ tea.
- This book is more interesting _ the one I read last week.
- She runs faster _ anyone in her class.
- Would you rather go out _ stay home?
- His explanation was clearer _ mine.
- Tokyo is larger _ Kyoto.
- He is not as smart _ she is.
- The weather today is better _ yesterday’s weather.
- She speaks English more fluently _ her classmates.
これらの問題を通じて、「than」の使い方や関連する表現(例: “to” や “as” など)の違いを理解し、適切に使えるようになることを目指しましょう。
「than」を使った比較表現の種類
「than」を使った比較表現には様々な種類があります。それぞれの特徴と使い方を表にまとめました。
| 比較表現のパターン | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 形容詞-er than | 〜よりも(短い形容詞) | He is taller than me.(彼は私より背が高い) |
| more 形容詞 than | 〜よりも(長い形容詞) | She is more beautiful than her sister.(彼女は姉より美しい) |
| 副詞-er than | 〜よりも(短い副詞) | He runs faster than I do.(彼は私より速く走る) |
| more 副詞 than | 〜よりも(長い副詞) | She speaks more clearly than the teacher.(彼女は先生よりはっきり話す) |
| less 形容詞/副詞 than | 〜ほど〜ではない | The movie was less interesting than the book.(その映画はその本ほど面白くなかった) |
| more than + 数字 | 〜以上 | There are more than 30 students.(30人以上の生徒がいる) |
| less than + 数字 | 〜未満 | It costs less than 1000 yen.(1000円未満だ) |
| no more than | たった〜だけ | I have no more than five books.(私が持っているのは5冊の本だけだ) |
| no less than | 〜もの、少なくとも〜 | There were no less than 50 people.(50人もの人がいた) |
| other than | 〜以外の | I have no friends other than you.(あなた以外に友達がいない) |
「than」に関するよくある質問
- 「than I」と「than me」はどちらが正しいですか?
-
両方が正しいとされていますが、使われる状況によって異なります。「than I」は接続詞用法で省略がある場合(本来は「than I am」)に使われ、「than me」は前置詞用法として使われます。口語では「than me」の方が一般的ですが、フォーマルな文書では「than I」が好まれることもあります。
- 「than」と「then」の違いは何ですか?
-
「than」は比較を表す接続詞・前置詞で「〜よりも」という意味です。一方、「then」は副詞で「その時」「それから」という時間的順序を表します。発音が似ているため混同されやすいですが、用法が全く異なります。
- 「more than」と「over」はどう違いますか?
-
「more than」と「over」はどちらも「〜以上」という意味で使えますが、「more than」は数量だけでなく質的な比較にも使えます。例えば「He is more than a friend.(彼は友達以上の存在だ)」のような表現が可能です。一方、「over」は主に数量について「〜を超える」という意味で使われます。
- 「than」の発音はどうすればいいですか?
-
「than」の発音は /ðæn/ で、「ザン」に近い音です。「th」は舌先を上下の歯の間に軽く出して発音する音で、日本語にはない音なので練習が必要です。
- 「no more than」と「not more than」の違いは何ですか?
-
「no more than」は「たった〜だけ」という意味で、少ない量を強調します。一方、「not more than」は単に「〜以下」「〜を超えない」という意味で、上限を設定します。
- I have no more than five dollars.(たった5ドルしか持っていない)
- You should not spend more than 1000 yen.(1000円以上使うべきではない)
- 「than」を使わない比較表現はありますか?
-
はい、「as…as」を使った同等比較(「AはBと同じくらい〜」)や、「not as…as」を使った劣等比較(「AはBほど〜ではない」)があります。
- She is as tall as her mother.(彼女は母親と同じくらいの背の高さです)
- He is not as smart as his brother.(彼は兄弟ほど賢くありません)
まとめ

「than」は英語の比較表現において非常に重要な役割を果たす単語です。主に「〜よりも」という意味で使われ、2つのものや人を比較する際に用いられます。この記事では「than」の基本的な使い方から応用的な用法まで幅広く解説しました。
「than」についての重要ポイントをまとめると、
- 「than」は主に比較級の形容詞や副詞と共に使われる
- 基本的な構文は「A is 比較級 than B」
- 短い形容詞・副詞は「-er」、長いものは「more」を付けて比較級を作る
- 「than」の後には名詞、代名詞、または節が続く
- 「than I」と「than me」はどちらも正しいが、使われる文脈が異なる
- 「than」と「then」は意味が全く異なるので混同しないように注意
- 「more than」「less than」「other than」など、様々な熟語表現がある
- 比較の意味が明確になるよう、文の構造に注意が必要
英語の比較表現をマスターするためには、「than」の使い方を正確に理解することが不可欠です。この記事で紹介した例文や問題を参考に、実際の会話や文章でも積極的に使ってみてください。
正しい比較表現を使えるようになれば、より豊かで正確な英語表現が可能になります。

