「the rest of」は英語の表現として非常によく使われるフレーズですが、日本語の「残り」や「その他の」という意味を持ち、様々な場面で活用できます。
この記事では、英語初学者の方にも分かりやすく「the rest of」の意味や使い方、例文について詳しく解説します。日常会話やライティングで自然に使えるようになりましょう。
「the rest of」の基本的な意味

「the rest of」は基本的に「~の残り」「~の残りの部分」という意味を持つ表現です。何かの全体に対して、一部を除いた「残りすべて」を指し示す時に使います。
「rest」という単語自体には「休む」「休憩する」という意味もありますが、「the rest of」の「rest」は「残り」という全く別の意味の名詞です。必ず定冠詞「the」をつけて使い、後ろに「of」を伴って「~の残り」という意味になります。
例えば、「the rest of the cake」は「ケーキの残り」、「the rest of the day」は「その日の残りの時間」を意味します。
「the rest of」の基本的な使い方
「the rest of」は必ず次のような形で使います。
the rest of + 名詞
この名詞の部分には、時間や物、集団など様々なものが入ります。重要なのは、常に定冠詞「the」と一緒に使うということです。「a rest of」という表現は使いません。
「the rest of」の使い方パターン別解説
「the rest of」は様々な状況で使うことができます。よく使われるパターンを見ていきましょう。
時間や期間を表す場合
時間や期間に関して「残りの時間」「これからの期間」を表す場合によく使われます。
例文
- I will study English for the rest of the day.(私は今日の残りの時間を英語の勉強に使います。)
- She wants to live in Japan for the rest of her life.(彼女は残りの人生を日本で暮らしたいと思っています。)
- We can play soccer for the rest of the afternoon.(午後の残りの時間はサッカーをして遊べます。)
- He will stay in the hospital for the rest of the week.(彼は週の残りの間、病院に滞在します。)
集団や人々を表す場合
ある集団の中で、一部の人を除いた「残りの人々全体」を指す場合にも使います。
例文
- Tom is from America, but the rest of his family lives in Japan.(トムはアメリカ出身ですが、彼の家族の残りは日本に住んでいます。)
- I like math, but the rest of my class doesn’t like it.(私は数学が好きですが、クラスの他の人たちは好きではありません。)
- The captain arrived early, and the rest of the team came one hour later.(キャプテンは早く到着し、チームの残りのメンバーは1時間後に来ました。)
- She can speak English well, but the rest of us cannot speak it.(彼女は英語を上手に話せますが、私たち残りの者は話せません。)
物や対象を表す場合
何かの物の一部を使った後の「残りのもの」を指す場合にも使います。
例文
- I ate two slices of pizza and saved the rest of it for tomorrow.(ピザを2切れ食べて、残りは明日のために取っておきました。)
- Please finish the rest of your homework before dinner.(夕食前に残りの宿題を終わらせてください。)
- We cleaned this room, but the rest of the house is still dirty.(この部屋は掃除しましたが、家の残りの部分はまだ汚いままです。)
- I read three pages of the book, and I will read the rest of it tomorrow.(本を3ページ読みました、残りは明日読みます。)
「the rest of」の文法的な注意点
「the rest of」を使う際には、いくつか文法的に注意すべき点があります。
単数・複数の扱い
「the rest of」の後に続く名詞によって、動詞が単数形になるか複数形になるかが決まります。
- 不可算名詞または単数の可算名詞が続く場合は、動詞は単数形になります。
- The rest of the money is in my wallet.(残りのお金は私の財布の中にあります。)
- The rest of the class is easy.(授業の残りの部分は簡単です。)
- 複数の可算名詞が続く場合は、動詞は複数形になります。
- The rest of the students are waiting outside.(残りの生徒たちは外で待っています。)
- The rest of my books are on the shelf.(私の残りの本は棚の上にあります。)
「the rest」だけで使う場合
前の文脈で何について話しているかが明確な場合は、「of 〜」の部分を省略して「the rest」だけで使うこともあります。
例文
- I ate half of the cake. The rest was very delicious.(ケーキの半分を食べました。残りはとても美味しかったです。)
- She read the first chapter of the book. She will read the rest tomorrow.(彼女は本の最初の章を読みました。残りは明日読むでしょう。)
「the rest of」を使った実用的な例文
ここでは、日常生活でよく使われそうな「the rest of」の例文をいくつか紹介します。
例文
- The rest of the movie was boring.(映画の残りの部分はつまらなかった。)
- Please give the rest of the cookies to your friends.(残りのクッキーを友達にあげてください。)
- The rest of the class got good grades.(クラスの残りの人たちはいい成績を取りました。)
- I spent the rest of the day in bed.(その日の残りは床で過ごしました。)
- The rest of the world does not know about this small town.(世界の他の地域はこの小さな町を知りません。)
- You can use the rest of the milk for your cereal.(残りの牛乳はあなたのシリアルに使ってください。)
- The rest of my family doesn’t like dogs.(私の家族の他のメンバーは犬が好きではありません。)
- We will learn the rest of the story next week.(物語の残りの部分は来週学びます。)
「the rest of」と類似表現の違い
英語には「the rest of」以外にも「残り」を表す表現がいくつかあります。ここでは、それらの違いを解説します。
「remaining」との違い
「remaining」は「残っている」という形容詞で、「the rest of」と似た意味を持ちますが、使い方が少し異なります。
例文
- The remaining students are waiting in the classroom.(残りの生徒たちは教室で待っています。)
- I have 10 remaining days until my vacation.(休暇まであと10日残っています。)
「remaining」は「残っている」という状態を強調する場合に使いますが、「the rest of」は「残り全体」を一つのまとまりとして捉える場合に使います。
「left」との違い
「left」も「残っている」という意味で使われますが、こちらは「残った状態」をより具体的に表現します。
例文
- How many cookies are left?(何枚のクッキーが残っていますか?)
- I have five minutes left before the class starts.(授業が始まるまであと5分残っています。)
「left」は「どれだけ残っているか」という量や数に焦点を当てる場合によく使われます。
「the remainder of」との違い
「the remainder of」は「the rest of」とほぼ同じ意味ですが、より形式的な表現です。ビジネスや学術的な文脈でよく使われます。
例文
- The company will pay the remainder of the cost.(会社が残りの費用を支払います。)
- We will discuss the remainder of the issues next week.(残りの問題は来週議論します。)
初学者は「the rest of」を使いこなせるようになることを優先するとよいでしょう。
「the others」との違い
「the others」は「他の人々・もの」という意味で、「the rest of」と混同されることがあります。
例文
- I like this shirt, but I don’t like the others.(私はこのシャツが好きですが、他のものは好きではありません。)
- Three students passed the test, but the others failed.(3人の生徒はテストに合格しましたが、他の生徒は失敗しました。)
「the others」は単に「他のもの」を指し示す場合に使うのに対し、「the rest of」は「残り全体」というニュアンスがあります。
「the rest of」の慣用表現
「the rest of」を使った慣用表現もいくつかあります。ここでは代表的なものをご紹介します。
「the rest is history」
「the rest is history」は「その後は皆が知っているとおり」という意味の慣用句です。何かの出来事の始まりを説明した後、その結果が有名であったり予測可能であったりする場合に使います。
例文
- He started a small computer company in his garage, and the rest is history.(彼はガレージで小さなコンピュータ会社を始めました。その後の展開は皆さんご存知の通りです。)
- They met in high school, fell in love, and the rest is history.(彼らは高校で出会い、恋に落ち、その後の展開は想像通りです。)
「for the rest of one’s life」
「for the rest of one’s life」は「残りの人生の間ずっと」という意味で、将来の長期間にわたる継続を表します。
例文
- I want to live in this town for the rest of my life.(私は残りの人生をこの町で暮らしたいです。)
- She will remember this day for the rest of her life.(彼女は残りの人生の間、この日を覚えているでしょう。)
「the rest of」に関するよくある質問
ここでは、「the rest of」に関してよくある質問にお答えします。
- 「the rest of」と「the other」の違いは何ですか?
-
「the rest of」は「残り全体」を表すのに対し、「the other」は2つのうちの「もう一方」を指します。3つ以上ある場合は「the others」(他の全て)となります。
- I have two books. I like this one, but the other is boring.(私は2冊の本を持っています。この本は好きですが、もう一方はつまらないです。)
- I have five books. I like this one, but the rest of them are boring.(私は5冊の本を持っています。この本は好きですが、残りは全部つまらないです。)
- 「the rest of」の後に複数形と単数形のどちらを使えばいいですか?
-
対象となる名詞が可算名詞か不可算名詞かによります。可算名詞の場合は、対象が複数なら複数形を使います。不可算名詞の場合は単数形になります。
- The rest of the students are here.(残りの生徒たちはここにいます。)← 複数形
- The rest of the water is in the bottle.(残りの水はボトルの中にあります。)← 単数形
- 「the rest of」は常に「the」をつけて使うのですか?
-
はい、「rest」が「残り」という意味で使われる場合、通常は定冠詞「the」をつけて「the rest of」という形で使います。「a rest of」という表現は一般的ではありません。
- 「the rest of」を使った文の動詞は単数形と複数形どちらにすべきですか?
-
「the rest of」の後に続く名詞によって決まります。単数名詞や不可算名詞の場合は単数形の動詞を、複数名詞の場合は複数形の動詞を使います。
- The rest of the cake is in the fridge.(ケーキの残りは冷蔵庫にあります。)← 単数形
- The rest of my friends live in Tokyo.(私の残りの友達は東京に住んでいます。)← 複数形
- 「the rest of the world」とはどういう意味ですか?
-
「the rest of the world」は「世界の他の地域」「他の国々」という意味で、特定の国や地域以外の世界全体を指します。
- Japan is famous for anime, and the rest of the world loves it too.(日本はアニメで有名で、世界の他の地域もそれを愛しています。)
- This problem affects not only our country but also the rest of the world.(この問題は私たちの国だけでなく、世界の他の地域にも影響します。)
まとめ

この記事では「the rest of」の意味と使い方について詳しく解説しました。ポイントをまとめると以下のようになります。
- 「the rest of」は「~の残り」「~の残りの部分」という意味を持つ表現。
- 常に定冠詞「the」と一緒に使い、「a rest of」とは言わない。
- 時間、集団、物などさまざまな対象について使うことができる。
- 「the rest of」の後に続く名詞によって、動詞の単数・複数が決まる。
- 類似表現には「remaining」「left」「the remainder of」「the others」などがあるが、それぞれニュアンスが異なる。
- 「the rest is history」「for the rest of one’s life」などの慣用表現もある。
- 前の文脈で何について話しているかが明確な場合は、「the rest」だけで使うこともできる。
「the rest of」はシンプルながらも非常に便利な表現です。日常会話やライティングで頻繁に使われるので、ぜひマスターして英語表現の幅を広げましょう。様々な状況で「〜の残り」を表現する際に、自然に「the rest of」を使えるようになれば、英語力が一段階上がったと言えるでしょう。
英語学習は少しずつ積み重ねていくことが大切です。この記事で学んだ「the rest of」の使い方を日常の英会話や英作文で積極的に使ってみてください。