「then」は英語の副詞として使われる単語で、「その時」「それから」「じゃあ」など様々な意味を持っています。日本語のように一つの明確な意味だけではなく、文脈によって異なる使い方ができる便利な表現です。英語の教科書では単純に「その時」という意味だけを学ぶことが多いですが、実際の会話ではもっと広く活用されています。
この記事では、英語初学者でも理解できるように「then」の様々な使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
thenとは?英語の時間と順序を表す便利な副詞

「then」は17世紀頃に「than(それよりも)」から変化した単語で、主に時間や順序を表す副詞として使われています。英語では時系列や順序をはっきりさせることが重要視されるため、「then」は日常会話でも頻繁に登場します。基本的には「その時」「それから」「じゃあ」などの意味があり、文脈によって使い分けられます。
「then」は文中での位置によっても意味が変わることがあり、文頭に置かれるか文末に置かれるかで使い方が異なる場合もあります。また、他の単語と組み合わせることで様々な表現が可能になる多機能な単語です。
「then」の基本的な意味
「then」の基本的な意味をまとめると、以下のようになります。
- その時、あの時(過去・未来の特定の時点)
- それから、その後(順序や時間の経過)
- それじゃあ、じゃあ(会話の接続、提案)
- その場合(条件文での使用)
「then」は英会話の中でネイティブスピーカーが頻繁に使用する単語で、これをマスターすることで自然な英語表現ができるようになります。
thenの時間を表す使い方
「then」の最も基本的な使い方は「その時」「あの時」という時間を表す用法です。過去の出来事を説明する時や、未来の特定の時点を指す時に使われます。
この使い方は学校で最初に習う「then」の意味でもあります。
過去の「その時」を表すthen
過去の特定の時点を表す場合、「then」は主に文末に置かれます。
例文
- I was a student then.(その時、私は学生でした。)
- She was not at home then.(その時、彼女は家にいませんでした。)
- What did you do then?(その時、あなたは何をしましたか?)
- We did not have smartphones then.(その時、私たちはスマートフォンを持っていませんでした。)
- Back then, we lived in Tokyo.(当時、私たちは東京に住んでいました。)
特に「back then」という表現は「当時は」という意味で、過去の状況を強調する際によく使われます。
未来の「その時」を表すthen
「then」は未来の特定の時点を指すこともできます。
例文
- I will see you then.(その時にお会いしましょう。)
- Will you be ready then?(その時には準備ができていますか?)
- We will discuss it then.(その時に話し合いましょう。)
- Let’s meet at 3:00 then.(じゃあ3時に会いましょう。)
- The train will arrive then.(電車はその時に到着します。)
未来の「then」は約束や予定を確認する時によく使われます。この場合も文末に置かれることが多いです。
thenの順序を表す使い方
「then」の二つ目の重要な使い方は「それから」「その後」という順序を表す用法です。何かが起こった後に別のことが続く場合に使用されます。
手順や計画を説明する時に特に便利です。
「それから」の意味での使い方
順序を表す「then」は、行動や出来事の順番を示します。この場合、「and」と一緒に使われることが多いですが、「and」が省略されることもあります。
例文
- I finished my homework, then I watched TV.(宿題を終えて、それからテレビを見ました。)
- She took a shower, and then she went to bed.(彼女はシャワーを浴びて、それから寝ました。)
- First, read the book, then answer the questions.(まず本を読んで、それから質問に答えなさい。)
- We will have lunch, then we will go to the park.(昼食を取って、それから公園に行きます。)
- Go straight, then turn right.(まっすぐ行って、それから右に曲がってください。)
and thenの使い方
「and then」は「それから」という意味をより強調する表現です。二つの行動の順序がはっきりしていることを示したい時に使います。
例文
- I woke up, and then I made breakfast.(起きて、それから朝食を作りました。)
- He called me, and then he sent an email.(彼は私に電話をかけて、それからメールを送りました。)
- We will study English, and then we will practice speaking.(英語を勉強して、それから会話の練習をします。)
- First study hard, and then you can play games.(まず一生懸命勉強して、それからゲームをしていいですよ。)
- The teacher explained the rule, and then she gave us examples.(先生はルールを説明して、それから例を示してくれました。)
thenの会話での使い方
「then」の三つ目の重要な使い方は会話での「じゃあ」「それじゃあ」という接続の用法です。相手の発言を受けて次の発言につなげる時や、会話の結論に導く時に使われます。
「じゃあ」「それじゃあ」の意味
会話の中で「then」を使うと、相手の言ったことを踏まえて自分の意見や提案を述べる流れがスムーズになります。
例文
- A: It’s raining today.(今日は雨が降っています。)
B: Then let’s stay home.(じゃあ家にいましょう。) - A: I’m hungry.(お腹が空きました。)
B: Then we should eat something.(じゃあ何か食べましょう。) - A: I don’t understand this math problem.(この数学の問題が分かりません。)
B: Then, let me explain it to you.(じゃあ、説明してあげましょう。) - A: I finished all my work.(仕事を全部終えました。)
B: Then you can go home now.(じゃあもう帰っていいですよ。) - A: I like music.(音楽が好きです。)
B: Then, have you ever been to a concert?(じゃあ、コンサートに行ったことがありますか?)
文頭と文末でのthenの使い方
「then」は文頭に置くこともできますし、文末に置くこともできます。それぞれ少しニュアンスが異なります。
文頭の「then」
- Then, what should we do?(じゃあ、私たちは何をすべきですか?)
- Then I’ll call you tomorrow.(じゃあ明日電話します。)
文末の「then」
- I’ll see you tomorrow then.(じゃあ、明日会いましょう。)
- What’s your answer then?(じゃあ、あなたの答えは何ですか?)
文末に「then」を置くと、少しカジュアルな印象になり、相手の反応を求めるニュアンスが加わります。
thenを条件文で使う方法
「then」は条件文でもよく使われます。「if(もし〜なら)」と組み合わせて「その場合」という意味で使われることが多いです。
if…thenの構造
「if…then」の構造は「もし〜なら、その場合は〜」という意味になります。「then」は省略されることも多いですが、結果を強調したい時には使われます。
例文
- If it rains tomorrow, then we will stay home.(もし明日雨が降れば、その場合は家にいます。)
- If you study hard, then you will pass the test.(もし一生懸命勉強すれば、試験に合格するでしょう。)
- If you are hungry, then you should eat something.(もしお腹が空いているなら、何か食べるべきです。)
- If you don’t understand, then ask your teacher.(もし理解できなければ、先生に質問してください。)
- If it’s too expensive, then we should look for something cheaper.(もし高すぎるなら、もっと安いものを探すべきです。)
条件と結果を結びつけるthen
「then」は条件と結果の関係をより明確にする役割を果たします。特に長い文の場合、「then」を入れることで文の構造が分かりやすくなります。
例文
- If you want to improve your English, then you need to practice every day.(英語を上達させたいなら、毎日練習する必要があります。)
- If we leave now, then we will arrive on time.(今出発すれば、時間通りに到着するでしょう。)
- If the weather is nice tomorrow, then we can go to the beach.(明日天気が良ければ、ビーチに行けます。)
thenと似た表現の違い
「then」と似た意味を持つ単語はいくつかありますが、使い方やニュアンスに違いがあります。ここでは「then」とよく似た表現を比較して説明します。
afterward(その後で)
「afterward」は「その後で」という意味で、「then」と似ていますが、よりフォーマルな印象があります。
例文
- We went to dinner, and afterward, we watched a movie.(夕食に行って、その後で映画を観ました。)
subsequently(その後、続いて)
「subsequently」は「その後、続いて」という意味で、特に文章やフォーマルな場面で使われます。
中学英語のレベルを超えるため、中学生はまず「then」をマスターすることをお勧めします。
例文
- The committee met, and subsequently, they issued a report.(委員会が開かれ、その後、報告書が発行されました。)
therefore(したがって)
「therefore」は「したがって」「それゆえに」という意味で、論理的な結論を導く際に使われます。「then」よりもフォーマルな表現です。
例文
- She was late, therefore she missed the beginning of the movie.(彼女は遅刻したので、映画の始まりを見逃しました。)
thenとよく使う組み合わせ表現
「then」はいくつかの前置詞や副詞と組み合わせて使われることがあります。これらの表現を知っておくと、より豊かな英語表現ができるようになります。
by then(その時までに)
「by then」は「その時までに」という意味で、ある時点までに何かが起こることを表します。
例文
- I will have finished my homework by then.(その時までに宿題を終えているでしょう。)
- She will be home by then.(彼女はその時までには家にいるでしょう。)
since then(その時から)
「since then」は「その時から」という意味で、過去のある時点から現在までの継続を表します。
例文
- I met her last year, and I have seen her many times since then.(私は去年彼女に会い、その時から何度も会っています。)
- He moved to Tokyo three years ago, and he has lived there since then.(彼は3年前に東京に引っ越し、その時から東京に住んでいます。)
until then(その時まで)
「until then」は「その時まで」という意味で、ある時点までの期間を表します。
例文
- I will wait until then.(その時まで待ちます。)
- Please study hard until then.(その時まで一生懸命勉強してください。)
just then(ちょうどその時)
「just then」は「ちょうどその時」という意味で、ある出来事が起こったまさにその瞬間を強調します。
例文
- I was about to leave, just then the phone rang.(ちょうど出かけようとしていたその時、電話が鳴りました。)
- Just then, she remembered where she had put her keys.(ちょうどその時、彼女は鍵をどこに置いたか思い出しました。)
thenのよくある間違いと注意点
「then」を使う際によくある間違いや注意点を紹介します。これらを理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。
「その時」の意味でのthenの位置
「その時」という意味で「then」を使う場合、基本的には文末に置きます。日本語の語順に引きずられて文頭に置くと、異なる意味に解釈されることがあります。
- 誤:Then I was a student.(この場合、「それから私は学生になった」という意味になります)
- 正:I was a student then.(その時、私は学生でした)
thenとwhenの混同
「then」と「when」は混同されがちですが、役割が異なります。「when」は「〜の時」という接続詞や疑問詞で、従属節を導きます。
一方、「then」は副詞で、主に独立した文で使われます。
- 誤:I will call you then I get home.
- 正:I will call you when I get home.(家に着いたら電話します)
- または:I will get home, then I will call you.(家に着いて、それから電話します)
thenとthanの混同
「then」と「than」は発音が似ているため混同されがちですが、全く異なる単語です。
「than」は比較の際に使われる接続詞です。
- 誤:She is taller then her sister.
- 正:She is taller than her sister.(彼女は姉妹より背が高いです)
and thenの過剰使用
物語や説明で「and then」を何度も繰り返し使うのは避けた方が良いでしょう。様々な接続詞や表現を使うことで、より洗練された英語になります。
- 繰り返しを避ける
I woke up, and then I brushed my teeth, and then I had breakfast, and then I went to school. - より良い表現
I woke up, brushed my teeth, had breakfast, and then went to school.
thenに関する問題
「then」は英語で非常に多様な使い方ができる単語です。「そのとき」「それから」「それなら」など、文脈によって異なる意味を持ちます。
ここでは、「then」の使い方を中心に、他の関連表現も含めた問題を10問を作成しました。英語の理解を深めるために挑戦してみてください!
- 次の文を完成させてください
“I finished my homework, and _ I watched a movie.” - 「そのとき」という意味で使われている文を選んでください
a) If you are busy, then I will come later.
b) Back then, people didn’t have smartphones. - 空欄に適切な単語を入れてください
“If it rains tomorrow, _ we will stay at home.” - 次の文の「then」の意味として最も適切なものを選んでください
“I was younger then.”
a) それから
b) そのとき
c) それなら - 次の文を完成させてください(then以外の単語が正解になる場合もあります)
“Let’s finish our work first, and _ we can relax.” - 次の文の空欄に適切な単語を入れてください
“She studied hard; _, she passed the exam.” - 次の文の「then」の役割として最も適切なものを選んでください
“If you don’t like it, then don’t eat it.”
a) 結果を示す
b) 時間を示す
c) 意見を強調する - 「そのとき」という意味で正しい文を選んでください
a) He wasn’t home then.
b) Let’s go to the park, then have lunch. - 次の文を完成させてください(then以外が正解になる場合もあります)
“We need to discuss the budget first, and _ we can make a decision.” - 次の「then」を含む文が正しいかどうか判断し、理由を説明してください
“I will call you back then I finish my meeting.”
「then」に関するよくある質問
- 「then」と「at that time」はどう違いますか?
-
「then」と「at that time」はどちらも「その時」という意味を持ちますが、「at that time」の方がより具体的で明確です。「then」はよりカジュアルで簡潔な表現で、会話でよく使われます。また、「then」は他にも「それから」「じゃあ」など様々な意味がありますが、「at that time」は「その時」という意味に限定されます。
- I was a student then. = I was a student at that time.(その時、私は学生でした)
- 「then」はどこに置くのが正しいですか?
-
「then」の位置は、その意味によって異なります。
- 「その時」の意味:主に文末に置きます。
I was happy then.(その時、私は幸せでした。) - 「それから」の意味:文と文の間、または文頭に置きます。
I finished work. Then I went home.(仕事を終えました。それから家に帰りました。) - 「じゃあ」の意味:文頭または文末に置きます。
Then let’s go.(じゃあ行きましょう。)
Let’s go then.(じゃあ行きましょう。)
- 「その時」の意味:主に文末に置きます。
- 「then」と「so」はどう違いますか?
-
「then」と「so」はどちらも「じゃあ」「それなら」という意味で使えますが、ニュアンスが少し異なります。「so」は「だから」という因果関係を強調し、「then」は時間的な流れや条件を強調します。
- It’s raining. So we should stay home.(雨が降っている。だから家にいるべきだ。)
- It’s raining. Then we should stay home.(雨が降っている。じゃあ家にいよう。)
- 「and then」と「and」の違いは何ですか?
-
「and」は単に二つの事柄を結びつけますが、「and then」は時間的な順序を明確にします。「and then」は「それから」という時間の経過を強調します。
- I went to the store and bought some bread.(店に行ってパンを買いました。)
- I went to the store, and then I bought some bread.(店に行って、それからパンを買いました。)
- 「then」を使った丁寧な表現はありますか?
-
「then」自体はカジュアルからフォーマルまで幅広く使える単語ですが、より丁寧な表現にするには以下のような言い方があります。
- In that case(その場合は)
- At that time(その時に)
- Subsequently(その後)
- Therefore(したがって)
例文
- Then I’ll help you. → In that case, I’ll help you.(その場合は、お手伝いします。)
まとめ

この記事では、英語の「then」の様々な意味と使い方について詳しく解説してきました。「then」は単に「その時」という意味だけでなく、「それから」「じゃあ」「その場合」など、文脈によって様々な意味を持つ便利な単語です。
会話でも文章でもよく使われるため、英語学習者にとって重要な表現の一つと言えるでしょう。「then」の主な意味と使い方をまとめると、以下のようになります。
- 「その時、あの時」:過去や未来の特定の時点を表す
- 「それから、その後」:出来事の順序を表す
- 「じゃあ、それじゃあ」:会話の接続や提案を表す
- 「その場合」:条件文での使用
また、「by then」「since then」「until then」「just then」など、「then」と組み合わせて使う表現も数多くあります。これらの表現を覚えておくと、より自然な英語表現ができるようになります。
「then」を使う際の注意点としては、「その時」の意味で使う場合は基本的に文末に置くこと、「than」との混同に気をつけること、「and then」の過剰使用を避けることなどが挙げられます。
英語の学習において、基本的な単語の様々な使い方を理解することは非常に重要です。「then」のような多機能な単語をマスターすることで、英語表現の幅が広がり、より自然なコミュニケーションができるようになるでしょう。