英語の指示代名詞である「this・that」「these・those」は、日常会話でとても頻繁に使われる基本的な表現です。しかし、初めて英語を学ぶ方にとっては、これらの言葉の使い分けが難しく感じられることがあります。
この記事では、それぞれの意味の違いや正しい使い方について、わかりやすく解説します。中学英語レベルの例文も豊富に紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
「this・that」の基本的な意味と違い

「this(これ)」と「that(あれ)」は、単数のものを指す指示代名詞です。基本的には、話し手からの距離によって使い分けます。
「this」は話し手に近いものを指し、「that」は話し手から離れたものを指します。この距離は物理的な距離だけでなく、時間的・心理的な距離も含みます。
「this」の基本的な使い方
「this」は、話し手の近くにあるものや、話し手が今触れているものを指すときに使います。
例文
- This is my new book.(これは私の新しい本です。)
- I like this apple.(私はこのリンゴが好きです。)
- This pen writes very smoothly.(このペンはとてもなめらかに書けます。)
- Can you help me with this problem?(この問題を手伝ってくれますか?)
時間に関しても、現在や近い未来を指すときに「this」を使います。
例文
- I will go to Tokyo this weekend.(今週末、私は東京に行きます。)
- This year is very important for me.(今年は私にとってとても重要です。)
「that」の基本的な使い方
「that」は、話し手から離れた場所にあるものや、聞き手に近いものを指すときに使います。
例文
- That is my teacher’s car.(あれは私の先生の車です。)
- I want that book on the shelf.(あの棚の上の本が欲しいです。)
- Can you see that mountain?(あの山が見えますか?)
- Is that your dog?(あれはあなたの犬ですか?)
時間に関しても、過去のことを指すときに「that」を使います。
例文
- That day was very special.(あの日はとても特別でした。)
- Do you remember that summer?(あの夏を覚えていますか?)
「this」と「that」の使い分けのポイント
「this」と「that」の使い分けで重要なのは、話し手からの距離感です。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 物理的な距離:手元や近くのものには「this」、遠くのものには「that」を使います。
- 時間的な距離:現在や近い未来には「this」、過去には「that」を使います。
- 心理的な距離:親近感を示したいときには「this」、距離を置きたいときには「that」を使うこともあります。
例文
- This movie is better than that one.(この映画はあの映画よりも良いです。)
- I don’t like this weather. That sunny day last week was much better.(この天気は好きではありません。先週のあの晴れた日の方がずっと良かったです。)
「these・those」の基本的な意味と違い
「these(これら)」と「those(あれら)」は、「this」と「that」の複数形です。複数のものを指すときに使います。
「these」の基本的な使い方
「these」は、話し手の近くにある複数のものを指します。
例文
- These are my friends.(これらは私の友達です。)
- I bought these flowers yesterday.(私は昨日これらの花を買いました。)
- These shoes are comfortable.(これらの靴は快適です。)
- Do you like these pictures?(あなたはこれらの写真が好きですか?)
時間表現でも使われます。
例文
- These days, I’m very busy.(最近、私はとても忙しいです。)
- I have many tests these weeks.(私はここ数週間、テストがたくさんあります。)
「those」の基本的な使い方
「those」は、話し手から離れた場所にある複数のものを指します。
例文
- Those are my classmates over there.(あそこにいるのは私のクラスメイトです。)
- Can you pass me those books?(あれらの本を渡してくれますか?)
- Those apples look delicious.(あれらのリンゴはおいしそうに見えます。)
- I want to buy those shoes.(私はあれらの靴を買いたいです。)
過去の複数の事柄や時間を指すこともあります。
例文
- I miss those happy days.(私はあの幸せな日々が恋しいです。)
- Those were difficult times for me.(あれらは私にとって難しい時期でした。)
「these」と「those」の使い分けのポイント
「these」と「those」も、基本的には話し手からの距離で使い分けます。
- 物理的な距離:近くの複数のものには「these」、遠くの複数のものには「those」を使います。
- 時間的な距離:現在や近い未来の複数の事柄には「these」、過去の複数の事柄には「those」を使います。
- 心理的な距離:親近感のある複数のものには「these」、距離を置きたい複数のものには「those」を使います。
例文
- These cookies are homemade. Those are from the store.(これらのクッキーは手作りです。あれらは店で買ったものです。)
- I prefer these red pens to those blue ones.(私はあれらの青いペンよりもこれらの赤いペンの方が好きです。)
時間を表す場合の「this・that・these・those」
指示代名詞は時間を表現する際にも重要な役割を果たします。時間的な近さや遠さを表現するときの使い方を見ていきましょう。
「this・these」で時間を表す場合
現在や近い未来の時間を表すときは「this」や「these」を使います。
例文
- I will clean my room this afternoon.(今日の午後、私は部屋を掃除します。)
- This month is very important for my studies.(今月は私の勉強にとてもっ重要です。)
- I have many assignments these days.(最近、私は多くの課題があります。)
- These weeks are very busy for me.(ここ数週間、私はとても忙しいです。)
「that・those」で時間を表す場合
過去の時間を表すときは「that」や「those」を使います。
例文
- I was very happy that day.(あの日、私はとても幸せでした。)
- That summer was the hottest in my life.(あの夏は私の人生で最も暑かったです。)
- Those years in high school were fun.(高校時代のあれらの年は楽しかったです。)
- I will never forget those wonderful moments.(私はあれらの素晴らしい瞬間を決して忘れません。)
時間表現での使い分けのポイント
時間表現では、現在を基準にして使い分けます。
- 「this morning」は今日の朝を、「that morning」は過去の特定の朝を指します。
- 「this year」は今年を、「that year」は過去の特定の年を指します。
- 「these days」は最近を、「those days」は過去のある期間を指します。
例文
- I woke up early this morning.(私は今朝早く起きました。)
- I will never forget that morning when it snowed.(雪が降ったあの朝を私は決して忘れません。)
- These days, more students use computers.(最近、より多くの学生がコンピューターを使っています。)
- I miss those days when we played together.(私たちが一緒に遊んだあの日々が恋しいです。)
「this・that・these・those」の特殊な使い方と注意点
指示代名詞には、基本的な使い方以外にも特殊な用法があります。ここでは、よく使われる特殊な用法と注意点について解説します。
電話での使い方
電話での会話では、独特の指示代名詞の使い方があります。
例文
- Hello, this is Keiko speaking.(もしもし、こちらは恵子です。)
- Is that Mr. Yamada?(そちらは山田さんですか?)
電話では、自分側を「this」で表し、相手側を「that」で表すのが一般的です。
人を指す場合の使い方
人を指す場合の指示代名詞は、失礼にならないように注意が必要です。
例文
- This is my friend, Takeshi.(こちらは私の友達の健です。)- 紹介する場合
- That man in the blue shirt is my brother.(青いシャツを着たあの男性は私の兄です。)
直接人を指して「that person」と言うのは、場合によっては失礼に当たることがあるので注意しましょう。
「this is」と「that is」の使い分け
「this is」と「that is」には、特有の使い分けがあります。
例文
- This is what I wanted to tell you.(これが私があなたに伝えたかったことです。)
- That is why I couldn’t come.(それが私が来られなかった理由です。)
「this is」は新しい情報や話題を導入するときに使われることが多く、「that is」は前に述べられたことを指したり、説明を加えたりするときに使われます。
「this・that・these・those」と関連表現の違い
指示代名詞と混同されやすい関連表現との違いを理解しておくことも大切です。
「it」との違い
「it」は三人称単数の代名詞で、前に言及された物事を指す場合に使います。一方、「this」や「that」は特定のものを指し示す指示代名詞です。
例文
- This is my cat. It is three years old.(これは私の猫です。それは3歳です。)
- That building is famous. It was built 100 years ago.(あの建物は有名です。それは100年前に建てられました。)
「it」は通常、すでに会話の中で言及されたものを指す場合に使います。一方、「this」や「that」は新しくものを指し示す場合に使われます。
「the」との違い
「the」は定冠詞で、話し手と聞き手の両方が知っている特定のものを指します。一方、「this」「that」「these」「those」は、話し手が特に指し示したいものを強調する指示代名詞です。
例文
- The book on the table is mine.(テーブルの上の本は私のものです。)
- This book on the table is mine.(テーブルの上のこの本は私のものです。)
「the」は単に特定のものを示すだけですが、「this」や「that」を使うと、そのものに対して特に注意を向けさせる効果があります。
「this・that」と「these・those」の使い分け練習問題
指示代名詞の使い分けをマスターするには練習が欠かせません。ここでは、20問の練習問題を用意しました。適切な指示代名詞(this、that、these、those)を選んで文を完成させてください。
- _____ is my new computer. I bought it yesterday.
- _____ books on the shelf are very old.
- Look at _____ birds flying in the sky!
- _____ is the reason why I couldn’t come to school.
- I like _____ shoes you’re wearing today.
- Do you remember _____ summer when we went to the beach?
- _____ days, many students use computers for studying.
- _____ was a great movie we watched last week.
- Can you give me _____ pen next to you?
- _____ people over there are waiting for the bus.
- _____ is my friend Emma. She is from England.
- I prefer _____ kind of music to what they’re playing now.
- _____ are the pictures I took during my vacation.
- Do you see _____ building with the red roof?
- _____ morning, I woke up very early.
- Who are _____ children playing in the park?
- _____ was the best day of my life.
- _____ apples look fresher than the ones at the other store.
- I don’t understand _____ math problem. Can you help me?
- _____ were the happiest years of my childhood.
「this・that・these・those」に関するよくある質問
指示代名詞に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。英語学習者が疑問に思うポイントを解説します。
- 「this」と「it」はどう違うの?
-
「this」は指示代名詞で、特定のものを指し示す役割があります。一方、「it」は人称代名詞で、すでに言及されたものを指す場合に使います。
- This is my cat. It is three years old.(これは私の猫です。それは3歳です。)
最初に猫を紹介するときには「this」を使い、その後に猫について言及するときには「it」を使います。「this」は新しく話題に出すとき、「it」はすでに話題になっているものを指すときに使うと覚えておくとよいでしょう。
- 「that」は失礼な表現になることがある?
-
人を直接指して「that person」(あの人)と言うのは、場合によっては失礼に当たることがあります。特に目の前にいる人を「that」で指すのは避けた方が無難です。
例えば、「Who is that?」(あれは誰?)と言うのは、遠くにいる知らない人について尋ねる場合には問題ありませんが、目の前で紹介された人について言うのは失礼になる可能性があります。
紹介する場合は「This is Mr. Tanaka」(こちらは田中さんです)のように「this」を使うのが一般的です。
- 「these」と「those」を混同しやすいケースは?
-
「these」と「those」を混同しやすいケースとして、以下のような場合があります。
- 時間表現
- These days(最近)と Those days(あの頃)
- These years(ここ数年)と Those years(あの数年間)
- 前後関係での使い分け
- I like these red apples and those green ones.(私はこれらの赤いリンゴとあれらの緑のリンゴが好きです。)
- 抽象的な概念
- These ideas are new.(これらのアイデアは新しいです。)
- Those concepts were difficult to understand.(あれらの概念は理解するのが難しかったです。)
混同しないためのコツは、常に話し手の視点からの距離(物理的・時間的・心理的)を意識することです。現在や近いものには「these」、過去や遠いものには「those」を使うと覚えておくとよいでしょう。
- 時間表現
まとめ

この記事では、英語の指示代名詞「this・that」「these・those」の意味の違いと使い分け方について解説しました。英語初学者にとって重要なポイントをまとめます。
- 「this」は話し手に近いものを指し、「that」は話し手から遠いものを指します。
- 「these」は「this」の複数形、「those」は「that」の複数形です。
- 距離は物理的な距離だけでなく、時間的・心理的な距離も含みます。
- 現在や未来のことには「this/these」、過去のことには「that/those」を使うことが多いです。
- 電話では、自分を「this」、相手を「that」で表します。
- 人を紹介するときは「this」を使うのが一般的です。
- 「this is」は新しい情報を導入するとき、「that is」は前に述べたことを指すときに使います。
- 「it」は既に言及されたものを指す人称代名詞、「this/that」は特定のものを指し示す指示代名詞です。
- 「the」は特定のものを示す定冠詞ですが、距離感は表現しません。
指示代名詞の正確な使い分けは、自然な英語表現の基本となります。この記事で紹介した例文や練習問題を参考に、「this・that」「these・those」の使い分けをマスターしましょう。日常会話で意識的に使ってみることで、徐々に自然な使い分けができるようになります。
英語の学習では、こうした基本的な文法要素をしっかり理解することが、より高度な表現を学ぶための土台となります。指示代名詞を正確に使えるようになれば、英語でのコミュニケーション能力が大きく向上するでしょう。

