「throw away」は英語の基本的な句動詞(phrasal verb)で、主に「捨てる」という意味を持ちます。しかし、実はそれだけでなく、いくつかの異なる意味や使い方があるのをご存知でしょうか。
この記事では「throw away」の意味や使い方、類似表現との違いについて、初心者にもわかりやすく解説します。中学英語レベルの例文も豊富に紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
「throw away」とは?

「throw away」は、動詞「throw(投げる)」と副詞「away(離れて)」が組み合わさった句動詞です。最も基本的な意味は「捨てる」「投げ捨てる」ですが、状況によって「無駄にする」「逃す」などの意味も持ちます。日常会話でよく使われる表現の一つです。
英語の句動詞は日本語に直訳しづらいものが多いですが、「throw away」は比較的イメージしやすい表現です。何かを「投げて遠ざける」という動作から、不要なものを「捨てる」という意味になっています。発音は「スロー アウェイ」で、アクセントは前の単語「スロー」にあります。
「throw away」の主な意味
「throw away」には主に3つの意味があります。それぞれの意味と使い方を見ていきましょう。
物理的に「捨てる」
最も一般的な意味は、不要になったものをゴミとして「捨てる」ことです。使わなくなったもの、壊れたもの、古くなったものなどを処分する際に使います。
例文
- I threw away my old shoes yesterday.(昨日、古い靴を捨てました。)
- Please don’t throw away this paper. I need it.(このペーパーを捨てないでください。必要です。)
- She threw away all her toys when she grew up.(彼女は大きくなったとき、すべておもちゃを捨てました。)
- My mother threw away my comic books by mistake.(母が間違えて私のコミック本を捨ててしまいました。)
- We should throw away this food. It’s not good anymore.(この食べ物は捨てるべきです。もう良くありません。)
機会などを「逃す」「無駄にする」
物理的なものだけでなく、抽象的な「機会」「チャンス」「時間」「お金」などを無駄にする、または逃してしまうという意味でも使われます。
例文
- Don’t throw away this good chance.(このよい機会を逃さないでください。)
- He threw away his money on games.(彼はゲームにお金を無駄遣いしました。)
- She threw away three years of high school.(彼女は高校の3年間を無駄にしました。)
- I don’t want to throw away our friendship.(私たちの友情を無駄にしたくありません。)
- You are throwing away your talent.(あなたは自分の才能を無駄にしています。)
さりげなく言う
あまり知られていない用法ですが、「わざとさりげなく言う」という意味もあります。重要な内容をあえて軽く言う場合などに使われます。
例文
- He just threw away that important information during the meeting.(彼はその重要な情報をミーティング中にさりげなく言いました。)
- She threw away a comment about her new job.(彼女は新しい仕事についてさりげなくコメントしました。)
- The teacher threw away a hint about the test.(先生はテストについてのヒントをさりげなく言いました。)
「throw away」の文法
「throw away」は句動詞として使う際に、いくつかの文法ルールがあります。初学者にとって重要なポイントを見ていきましょう。
句動詞としての使い方
「throw away」は句動詞なので、使い方にいくつかのルールがあります。特に語順について知っておくべき点があります。
目的語が名詞の場合は、以下の2つの形式どちらも正しいです。
- throw + 目的語 + away
- throw away + 目的語
例文
- I threw the paper away.(私は紙を捨てました。)
- I threw away the paper.(私は紙を捨てました。)
どちらも意味は同じですが、第1の形式(throw + 目的語 + away)の方がよく使われる傾向があります。
しかし、目的語が代名詞(it, them, her, himなど)の場合は、必ず次の語順になります。
- throw + 代名詞 + away
例文
- I threw it away.(私はそれを捨てました。)
- He threw them away.(彼はそれらを捨てました。)
この点は英語の句動詞に共通するルールですので、ぜひ覚えておきましょう。
時制と活用形
「throw away」の各時制での活用形は以下のようになります。
- 現在形:throw away / throws away
- 過去形:threw away
- 過去分詞形:thrown away
- 現在分詞:throwing away
例文
- I throw away trash every day.(私は毎日ゴミを捨てます。)
- He throws away old newspapers on Sundays.(彼は日曜日に古い新聞を捨てます。)
- We threw away many things when we moved.(引っ越しの時、私たちは多くのものを捨てました。)
- I have thrown away my old phone.(私は古い電話を捨ててしまいました。)
- She is throwing away all her old clothes.(彼女は古い服をすべて捨てています。)
「throw away」の類似表現との違い
英語には「捨てる」という意味を持つ表現がいくつかあります。ここでは「throw away」と似た表現との違いを解説します。
throw out
「throw out」も「throw away」と同じく「捨てる」という意味を持つ句動詞です。両者はほぼ同じ意味で使われることが多いですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
「throw out」は「外に投げ出す」というイメージが強く、特に家の中から外へ何かを捨てる場合に適しています。また、「throw out」には「追い出す」という意味もあります。
例文
- I threw out all the old magazines.(古い雑誌をすべて捨てました。)
- She threw him out after their fight.(喧嘩の後、彼女は彼を追い出しました。)
- We need to throw out these old chairs.(これらの古い椅子を捨てる必要があります。)
- The teacher threw the noisy student out of class.(先生はうるさい生徒を教室から追い出しました。)
dispose of
「dispose of」も「捨てる」「処分する」という意味を持ちますが、「throw away」よりもフォーマルな表現です。特に正式な文書や丁寧な会話で使われます。また、「適切に処分する」というニュアンスがあります。
例文
- Please dispose of your trash properly.(ゴミを適切に処分してください。)
- We need to dispose of these chemicals safely.(これらの化学物質を安全に処分する必要があります。)
- How do you dispose of old batteries?(古い電池はどのように処分しますか?)
- The company disposed of its old equipment.(その会社は古い機器を処分しました。)
discard
「discard」は「不要なものを捨てる」という意味ですが、「throw away」よりも書き言葉的で、やや硬い印象があります。また、物理的なものだけでなく、考えや習慣なども「捨てる」という場合に使われます。
例文
- I discarded my old beliefs.(私は古い信念を捨てました。)
- She discarded her jacket because it was hot.(暑かったので、彼女はジャケットを脱ぎ捨てました。)
- Please discard these papers after reading.(読んだ後、これらの紙を捨ててください。)
- He discarded all his old toys.(彼は古いおもちゃをすべて捨てました。)
dump
「dump」も「捨てる」という意味ですが、「投棄する」「不法に捨てる」というニュアンスが強い表現です。特に大きなゴミや廃棄物を不適切な場所に捨てる場合に使われることが多いです。また、「dump」には恋人を「振る」という俗語的な意味もあります。
例文
- Don’t dump your trash on the street.(ゴミを道路に投棄しないでください。)
- Someone dumped an old refrigerator in the river.(誰かが古い冷蔵庫を川に投棄しました。)
- She dumped her boyfriend last week.(彼女は先週彼氏を振りました。)
- It’s illegal to dump waste in this area.(この地域に廃棄物を投棄することは違法です。)
get rid of
「get rid of」は「処分する」「除去する」という意味で、不要なものや望ましくないものを取り除く場合に使います。「throw away」よりも広い意味を持ち、物だけでなく問題や症状などを「取り除く」場合にも使えます。
例文
- I want to get rid of my old computer.(古いコンピュータを処分したいです。)
- How can I get rid of this headache?(このような頭痛をどうやって取り除けますか?)
- We need to get rid of these mice in our house.(家のこれらのネズミを駆除する必要があります。)
- She tried to get rid of her bad habits.(彼女は悪い習慣を取り除こうとしました。)
「throwaway」形容詞としての使い方
「throw away」から派生した「throwaway」は形容詞としても使われます。主に次の2つの意味があります。
使い捨ての
「throwaway」は「使い捨ての」「一回限りの使用を目的とした」という意味の形容詞として使われます。
例文
- I bought a throwaway camera for the trip.(旅行のために使い捨てカメラを買いました。)
- We ate on throwaway plates at the party.(パーティーでは使い捨ての皿で食べました。)
- This is a throwaway society.(これは使い捨て社会です。)
- He always uses throwaway cups.(彼はいつも使い捨てのカップを使います。)
さりげない、無造作な
また、「throwaway」は「さりげない」「何気ない」「無造作な」という意味でも使われます。特に発言や意見について使われることが多いです。
例文
- She made a throwaway comment about her new job.(彼女は新しい仕事についてさりげないコメントをしました。)
- It was just a throwaway line in his speech.(それは彼のスピーチの中のただの何気ない一言でした。)
- Don’t pay too much attention to his throwaway remarks.(彼のさりげない発言にあまり注意を払わないでください。)
- The actor delivered that throwaway line perfectly.(その俳優はそのさりげないセリフを完璧に演じました。)
日常会話での「throw away」
「throw away」は日常会話でよく使われる表現です。ここでは、日常生活でよく使われるフレーズをいくつか紹介します。
日常でよく使うフレーズ
「throw away」を使った日常会話でよく使われるフレーズには以下のようなものがあります。
例文
- Can you throw this away for me?(これを捨ててくれませんか?)
- Don’t throw it away, I still need it.(それを捨てないで、まだ必要です。)
- I accidentally threw away my homework.(宿題を誤って捨ててしまいました。)
- Should I throw these away?(これらを捨てるべきですか?)
- We need to throw away this old food.(この古い食べ物を捨てる必要があります。)
- Throw away your worries.(心配を捨てなさい。)
- I can’t believe you threw away my letter.(あなたが私の手紙を捨てたなんて信じられません。)
注意すべき表現
「throw away」を使う際に注意すべき表現もあります。例えば、「物を捨てる」という単純な意味以外の用法には慣れが必要です。
例文
- Don’t throw away your chances.(チャンスを無駄にするな。)
この表現は「機会を逃す」という抽象的な意味で使われています。 - He threw away his career for love.(彼は愛のためにキャリアを投げ捨てた。)
これも抽象的な「キャリア」を犠牲にするという意味です。 - She just threw that comment away.(彼女はそのコメントをさりげなく言った。)
これは「さりげなく言う」という意味での用法です。
「throw away」を使った慣用表現
「throw away」を使った慣用表現もいくつかあります。これらは直訳では理解しづらいかもしれませんが、覚えておくと英語表現の幅が広がります。
役立つ慣用表現
例文
- Throw away the key(鍵を捨てる)
この表現は「永久に閉じ込める」という意味で使われます。例えば、「They should lock him up and throw away the key.(彼を閉じ込めて、鍵を捨てるべきだ=永久に牢屋に入れるべきだ)」のように使います。 - Throw away money(お金を捨てる)
これは「無駄遣いをする」という意味です。例えば、「Stop throwing away money on things you don’t need.(必要のないものにお金を無駄遣いするのをやめなさい。)」 - Throw away words(言葉を捨てる)
これは「むだ口をきく」「考えなしに話す」という意味で使われます。「He always throws away words without thinking.(彼はいつも考えずに話す。)」
「throw away」に関するよくある質問
「throw away」に関するよくある質問に答えていきます。
- throw away と throw out の違いは何ですか?
-
「throw away」と「throw out」は基本的に同じ「捨てる」という意味を持ち、多くの場合は互換的に使用できます。しかし、「throw out」はより「外に出す」というニュアンスが強く、特に家の中から外へ捨てるイメージがあります。また、「throw out」には「追い出す」という意味もあります。
- I threw away my old shoes.(古い靴を捨てました。)
- I threw out my old shoes.(古い靴を捨てました。)
- The landlord threw out the tenant who didn’t pay rent.(大家は家賃を払わなかった借主を追い出しました。)
- throw away の過去形は何ですか?
-
「throw away」の過去形は「threw away」です。「throw」は不規則動詞で、過去形は「threw」になります。過去分詞形は「thrown away」です。
- I throw away trash every day.(私は毎日ゴミを捨てます。)
- I threw away my old books yesterday.(昨日、古い本を捨てました。)
- I have thrown away many things this year.(今年は多くのものを捨てました。)
- throw away を使った日常会話のフレーズはありますか?
-
「throw away」を使った日常会話でよく使われるフレーズには以下のようなものがあります。
- Can you throw this away for me?(これを捨ててくれませんか?)
- Don’t throw it away, I still need it.(それを捨てないで、まだ必要です。)
- I accidentally threw away my receipt.(レシートを誤って捨ててしまいました。)
- Should I throw these away?(これらを捨てるべきですか?)
- We need to throw away this old food.(この古い食べ物を捨てる必要があります。)
- 「捨てないで」は英語で何と言いますか?
-
「捨てないで」は英語で “Don’t throw (it) away” と言います。「それを捨てないでください」という場合は “Please don’t throw it away” とより丁寧に言うこともできます。
- Don’t throw away my drawings!(私の絵を捨てないで!)
- Please don’t throw it away. I still need it.(それを捨てないでください。まだ必要です。)
- Don’t throw away these old photos.(これらの古い写真を捨てないでください。)
- throwaway は名詞としても使えますか?
-
はい、「throwaway」は名詞としても使用できます。名詞として使う場合、主に「使い捨てのもの」「チラシ」「浮浪児」などの意味があります。しかし、形容詞としての使用の方が一般的です。
- The company distributed throwaways to advertise their new product.(その会社は新製品を宣伝するためにチラシを配布しました。)
- This camera is just a throwaway.(このカメラは単なる使い捨てです。)
まとめ

この記事では「throw away」の意味と使い方について詳しく解説しました。主なポイントをまとめると、
- 「throw away」は主に「捨てる」「投げ捨てる」という意味を持つ句動詞です。
- 主な意味は、(1)物理的に「捨てる」、(2)機会などを「逃す」「無駄にする」、(3)「さりげなく言う」の3つです。
- 目的語が名詞の場合は「throw + 目的語 + away」または「throw away + 目的語」の両方が使えますが、代名詞の場合は必ず「throw + 代名詞 + away」の語順になります。
- 「throw away」の類似表現には「throw out」「dispose of」「discard」「dump」「get rid of」などがあり、それぞれニュアンスが少し異なります。
- 「throwaway」は形容詞として「使い捨ての」「さりげない」という意味で使われます。
- 「throw away」の過去形は「threw away」、過去分詞形は「thrown away」です。
- 日常会話では「Can you throw this away?」(これを捨ててくれる?)などのフレーズがよく使われます。
- 抽象的な意味での使用(機会を逃すなど)も覚えておくと英語表現の幅が広がります。
- 実際の行動と言葉を結びつけて練習すると効果的に覚えられます。
「throw away」は日常会話でよく使われる表現ですので、ぜひ覚えて使ってみてください。様々な文脈での使い方を理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。