「to begin with」は英語の便利な表現で、日常会話やビジネスの場でよく使われています。この表現を知ることで、英語でより自然な会話ができるようになります。
この記事では、英語初学者向けに「to begin with」の意味と使い方をわかりやすく解説します。例文も豊富に用意したので、実際の使い方をイメージしながら読み進めてください。
「to begin with」とは

「to begin with」は「まず第一に」「最初に」「そもそも」といった意味を持つ英語のフレーズです。文章の冒頭や、複数の理由や事項を列挙する際に、最初の要素を示すために使われることが多いです。また、議論や説明の初めに、基本的な事実や前提条件を提示する際にも使用されます。
英語を学び始めた方にとって、この表現は会話をスムーズにつなげるのに役立ちます。たとえば、何かの理由を説明するときや、話の順序を整理するときに便利です。「to begin with」を使うことで、「これから話を始めますよ」というサインになり、聞き手も内容を理解しやすくなります。
発音と読み方
「to begin with」の発音は「トゥ ビギン ウィズ」となります。特に「with」の「th」の発音が難しいかもしれませんが、舌先を軽く歯に当てて息を出すように発音します。何度か声に出して練習してみてください。
「to begin with」の主な使い方
「to begin with」にはいくつかの使い方があります。ここでは主な3つの使い方を紹介します。
「まず第一に」という意味での使い方
複数の事柄を順番に説明するときに使います。特に最初のポイントを強調したいときに有効です。
例文
- To begin with, let’s clean our room. Then we can play outside.(まず第一に、部屋を掃除しましょう。そのあと外で遊べます。)
- To begin with, you need to wash your hands before cooking.(まず第一に、料理する前に手を洗う必要があります。)
- To begin with, I want to thank everyone for coming today.(まず最初に、今日来てくれた皆さんに感謝します。)
「そもそも」という意味での使い方
問題の原点や根本に言及するときに使います。何かの理由や原因を説明する際に役立ちます。
例文
- To begin with, why did you go there alone?(そもそも、なぜ一人でそこへ行ったの?)
- To begin with, this book is too difficult for me.(そもそも、この本は私には難しすぎます。)
- To begin with, we don’t have enough money for the trip.(そもそも、旅行するのに十分なお金がありません。)
「最初から・元々」という意味での使い方
何かが初めから特定の状態であったことを表すときに使います。
例文
- The toy was broken to begin with.(そのおもちゃは最初から壊れていました。)
- She didn’t like math to begin with.(彼女は元々数学が好きではありませんでした。)
- I didn’t want to go to the party to begin with.(私はそもそもそのパーティーに行きたくありませんでした。)
「to begin with」の文中での位置
「to begin with」は文のどの位置にも置くことができますが、一般的には文頭か文末に置かれることが多いです。ここではその使い方を見ていきましょう。
文頭での使い方
文頭に置くと、これから話す内容の最初のポイントであることを強調します。このとき、「To begin with,」の後にはコンマを置きます。
例文
- To begin with, we need to buy some food.(まず最初に、食べ物を買う必要があります。)
- To begin with, I don’t understand your question.(そもそも、あなたの質問が理解できません。)
- To begin with, let me introduce myself.(まず最初に、自己紹介させてください。)
文中・文末での使い方
文末に置くと、何かが元々そうだったという意味合いが強くなります。
例文
- I wasn’t good at sports to begin with.(私はそもそもスポーツが得意ではありませんでした。)
- She didn’t want to join us to begin with.(彼女はそもそも私たちに加わりたくなかったのです。)
- The problem existed to begin with.(その問題はそもそも存在していました。)
「to begin with」と似た表現の違い
英語には「to begin with」と似た意味を持つ表現がいくつかあります。ここではそれらの違いを解説します。
「firstly」との違い
「firstly」も「まず第一に」という意味ですが、より形式的な文脈で使われます。また、「firstly」を使う場合は、通常「secondly」「thirdly」などが続きます。
例文
- Firstly, we need to study. Secondly, we should do our homework.(第一に、勉強する必要があります。第二に、宿題をすべきです。)
「in the first place」との違い
「in the first place」は「そもそも」「初めから」という意味で、「to begin with」とほぼ同じ使い方ができますが、少しニュアンスが異なります。「in the first place」は特に「最初からそうであるべきだった」という後悔や批判のニュアンスが強いことがあります。
例文
- You shouldn’t have gone there in the first place.(そもそもあなたはそこに行くべきではなかった。)
- Why did you buy it in the first place?(そもそもなぜそれを買ったのですか?)
「at first」との違い
「at first」は「最初は」という意味で、何かが変化する前の初期状態を表します。「to begin with」が物事の順序や理由を示すのに対し、「at first」は時間的な変化を示します。
例文
- At first I didn’t like coffee, but now I love it.(最初はコーヒーが好きではありませんでしたが、今は大好きです。)
「first of all」との違い
「first of all」も「まず第一に」という意味で、「to begin with」とほぼ同じ使い方ができます。より強調したい場合に使われることが多いです。
例文
- First of all, I want to thank you for your help.(まず何よりも、あなたの助けに感謝したいです。)
「to begin with」を使う際の注意点
「to begin with」を使う際にはいくつか注意点があります。初学者がよく混乱する点を解説します。
フォーマル・カジュアルの違い
「to begin with」はフォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使えますが、特にフォーマルな文書やスピーチでは「firstly」や「first of all」の方が適切な場合があります。
よくある間違い
初学者がよくする間違いの一つは、「to begin with」を使った後に、「to end with」という表現を使うことです。しかし、「to end with」という対応する表現はなく、代わりに「finally」や「lastly」を使います。
例文
- To begin with, we need to clean the room. Finally, we can decorate it.(まず最初に、部屋を掃除する必要があります。最後に、飾り付けができます。)
日常会話で使える「to begin with」の例文
ここでは、日常生活のさまざまな場面で使える「to begin with」の例文を紹介します。
学校生活での例文
例文
- To begin with, we should finish our homework.(まず最初に、宿題を終わらせるべきです。)
- I wasn’t good at math to begin with.(私はそもそも数学が得意ではありませんでした。)
- To begin with, let’s decide our group leader.(まず最初に、グループリーダーを決めましょう。)
家庭での例文
例文
- To begin with, please put your shoes away.(まず最初に、靴を片付けてください。)
- We need to clean the house to begin with.(まず最初に家を掃除する必要があります。)
- To begin with, I never agreed to this plan.(そもそも、私はこの計画に同意していませんでした。)
友達との会話での例文
例文
- To begin with, where should we meet?(まず最初に、どこで会いますか?)
- I didn’t want to see that movie to begin with.(そもそも私はその映画を見たくありませんでした。)
- To begin with, thanks for inviting me.(まず最初に、招待してくれてありがとう。)
ビジネスシーンでの「to begin with」の使い方
ビジネスの場面でも「to begin with」は非常に役立ちます。特にプレゼンテーションやメールなどで使うと、内容を整理して伝えることができます。
メールでの使い方
ビジネスメールでは、要点を明確に伝えるために「to begin with」を使うことができます。
例文
- To begin with, I would like to thank you for your quick response.(まず最初に、迅速なご返答に感謝申し上げます。)
- To begin with, please find attached the documents you requested.(まず初めに、ご要望いただいた書類を添付いたします。)
会議・プレゼンでの使い方
会議やプレゼンテーションでは、話の流れを整理するために「to begin with」を使うと効果的です。
例文
- To begin with, let me explain our new project.(まず最初に、新しいプロジェクトについて説明させてください。)
- To begin with, I’d like to share some important news.(まず最初に、いくつかの重要なニュースを共有したいと思います。)
- Our team has three goals. To begin with, we want to increase sales.(私たちのチームには3つの目標があります。まず第一に、売上を増やしたいと思います。)
「to begin with」に関するよくある質問
ここでは、「to begin with」についてよく寄せられる質問に答えます。
- 「to begin with」はどんな場面で使えますか?
-
「to begin with」は主に以下の場面で使えます。
- 複数のポイントを順番に説明するとき、最初のポイントを示す
- 何かの理由や原因を説明するときに、根本的な問題を指摘する
- 何かが元々ある状態だったことを説明する
例えば、「To begin with, we need to fix the budget.(まず第一に、予算を修正する必要があります。)」のように使います。
- 「to begin with」と「to start with」の違いは?
-
「to begin with」と「to start with」はほぼ同じ意味で使えます。どちらも「まず最初に」「そもそも」という意味を持ちます。使い方も同じで、文頭や文末に置くことができます。選ぶのは好みの問題で、意味に大きな違いはありません。
- To begin with, I don’t like spicy food.(そもそも、私は辛い食べ物が好きではありません。)
- To start with, I don’t like spicy food.(そもそも、私は辛い食べ物が好きではありません。)
- 「to begin with」は文末でも使えますか?
-
はい、「to begin with」は文末でも使えます。特に「そもそも・元々」という意味で使う場合に多いです。
- I didn’t want to go there to begin with.(そもそも私はそこに行きたくなかった。)
- The computer was slow to begin with.(そのコンピュータはそもそも遅かったのです。)
- 「to begin with」は話し言葉と書き言葉どちらでも使えますか?
-
「to begin with」は話し言葉でも書き言葉でも使えます。日常会話でもビジネス文書でも適切に使うことができる便利な表現です。ただし、非常にフォーマルな文書では「firstly」や「first of all」の方が好まれる場合もあります。
まとめ

「to begin with」は英語でよく使われる便利な表現です。この記事でポイントをまとめると以下のようになります。
- 「to begin with」は「まず第一に」「そもそも」「最初から」という意味を持つ
- 主に3つの使い方がある:
- 複数のポイントの最初を示す「まず第一に」
- 問題の根本を指摘する「そもそも」
- 最初からある状態を示す「元々」
- 文頭でも文末でも使うことができる
- 似た表現(「firstly」「in the first place」「at first」「first of all」)とは微妙なニュアンスの違いがある
- カジュアルな会話からビジネスの場まで幅広く使える
- 「to start with」とほぼ同じ意味で使える
英語の学習において、「to begin with」のような便利なフレーズを覚えることは、より自然な会話や文章作成に役立ちます。この記事で紹介した例文を参考に、ぜひ日常会話やライティングで使ってみてください。最初は少し意識して使う必要があるかもしれませんが、使っているうちに自然と身につくでしょう。
英語学習は一歩一歩進んでいくものです。To begin with(まず最初に)、簡単な例文から始めて、徐々に自分の表現に取り入れていきましょう。継続的な練習が、英語力向上の鍵です。