「to date」という英語表現をよく見かけるけれど、正確な意味や使い方がわからない」と感じたことはありませんか?この表現は英語の文章やビジネスメールなどでよく使われる便利なフレーズですが、日本人学習者にとっては少しわかりにくい部分もあります。
この記事では、「to date」の基本的な意味から実践的な使い方まで、英語初学者にもわかりやすく解説します。中学英語レベルの例文もたくさん紹介しますので、この表現をマスターして英語力をアップさせましょう。
「to date」の基本的な意味

「to date」は、「今まで」「現在まで」「これまで」という意味を持つ英語表現です。過去から現在までの期間を指し示す際に使われます。日本語でいう「現時点では」「今日までのところ」といったニュアンスに近いでしょう。
特に、ある事柄について「今までの状態や進捗」を表現したいときによく使われます。何か継続的な活動や状況を説明する場合に便利な表現です。
辞書での定義
英和辞典では、「to date」は「今まで」「現在まで」と訳されています。英英辞典では「up to the present time(現在までの時間)」や「until now(今まで)」という説明がされています。このことから、「to date」は時間の経過とともに積み上げられてきた何かを表現する際に使われることがわかります。
「to date」の使い方
「to date」は様々な状況で使うことができますが、特に「これまでの成果」「今までの進捗」などを述べる時によく用いられます。例えば、プロジェクトの進行状況や、達成した業績について話す際に使われます。
この表現は、文の最初(文頭)または文の最後(文末)に置くことができます。文頭に置く場合はコンマで区切り、文末に置く場合はコンマは不要です。
「to date」と時制の関係
「to date」は、主に現在完了形と一緒に使われることが多いです。なぜなら、現在完了形は「過去から現在までの出来事とその結果」を表すからです。例えば、「I have read three books to date.(私は今まで3冊の本を読みました)」のような文です。
しかし、時制の一致が必要な場合や近い過去の出来事を表す場合には、過去形や過去完了形でも使用できます。例えば「I thought this was the best movie I had seen to date.(これは当時までに見た中で最高の映画だと思いました)」という表現も可能です。
「to date」の文中での位置
「to date」の位置によって、少しニュアンスが変わることがあります。
文頭に置く場合
- To date, we have completed five chapters.(今までに、私たちは5つの章を完成させました)
このように使うと、「現時点での状況」を強調する意味合いが強くなります
文末に置く場合
- We have completed five chapters to date.(私たちは今までに5つの章を完成させました)
こちらは、これまでの成果を淡々と述べるニュアンスになります。
「to date」の例文
ここでは、「to date」を使った中学英語レベルの例文をいくつか紹介します。実際の使用場面をイメージしながら読んでみてください。
現在完了形での例文
例文
- I have read five English books to date.(私は今までに5冊の英語の本を読みました)
- To date, she has visited three foreign countries.(今までに、彼女は3つの外国を訪れました)
- We have studied English for three years to date.(私たちは今までに3年間英語を勉強してきました)
- To date, our class has collected 10,000 yen for charity.(今までに、私たちのクラスはチャリティーのために1万円集めました)
- My father has worked at this company for ten years to date.(私の父はこの会社で今までに10年間働いています)
- To date, I have not found the book I want.(今までのところ、私は欲しい本を見つけていません)
過去形での例文
次は過去形を使った例文です。近い過去や語り手の視点が過去にある場合に使われます。
例文
- I thought it was the best game I played to date.(それは当時までにプレイした中で最高のゲームだと思いました)
- Last week, to date, we had finished half of our project.(先週の時点で、私たちはプロジェクトの半分を終えていました)
- She said that to date, she had never seen such a beautiful sunset.(彼女はその時点までに、そのように美しい夕日を見たことがないと言いました)
- The teacher told us that to date, our class had the highest scores.(先生は、その時点で私たちのクラスが最高得点だったと言いました)
- When I met him last year, he had written three books to date.(去年彼に会ったとき、彼はその時点で3冊の本を書いていました)
「to date」の類似表現
「to date」と似た意味を持つ英語表現はいくつかあります。ここでは主な類似表現とその違いについて解説します。
- so far(今のところ)
- up to now(今まで)
- until now(今までに)
- up to this point(この時点まで)
- thus far(今までのところ)
それぞれの違いと使い分け
これらの表現は基本的に「今までに」という意味で互換性がありますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
「so far」は「今のところ」というニュアンスが強く、状況がこれからも変化する可能性を含みます。例えば「So far, I have read two chapters.(今のところ、2章読みました)」と言うと、これからさらに読み進める予定があることが暗示されます。
「up to now」と「until now」は「to date」とほぼ同じ意味ですが、「up to now」はより口語的な表現で、「until now」はやや形式的な印象があります。
「up to this point」は特定の時点や状況を強調したい場合に使われ、「thus far」はやや文語的で堅い表現です。
状況によってこれらの表現を使い分けることで、より自然な英語表現が可能になります。
「to date」を使う際の注意点
「to date」を使う際には、いくつか注意点があります。
- 「to date」という表現自体は難しい単語ではありませんが、日本語の「今まで」とは使われる文脈が少し異なることがあります。
- 「to date」は、完全に終わっていない、進行中のプロセスを表現する場合に適しています。すでに完結した事柄には使いません。
- 日常会話では「so far」の方がよく使われる傾向があります。「to date」はややフォーマルな印象を与えることがあります。
- 過去の視点から見た「その時点まで」を表す場合は、文脈によって過去形や過去完了形と組み合わせて使います。
- 「to date」は時間的な表現であり、文字通り「日付」や「デート」を意味する「date」とは使い方が異なります。
「up-to-date」について
「to date」関連表現として、「up-to-date」という形容詞も覚えておくと便利です。これは「最新の」「現代的な」「時代に即した」という意味で使われます。
例文
- This is an up-to-date smartphone.(これは最新のスマートフォンです)
- We need up-to-date information about the market.(市場に関する最新の情報が必要です)
- His knowledge of computers is very up-to-date.(彼のコンピューターに関する知識は非常に最新です)
「up-to-date」は、何かが現在の状況や最新の発展に合わせて更新されていることを示します。これは「to date」が「現在までの経過」を表すのに対し、「現在の最新状態」を表す表現です。
また、類似表現として「out-of-date」(時代遅れの)という反対の意味を持つ表現もあります。
例文
- This textbook is out-of-date.(この教科書は時代遅れです)
「to date」の実践的な使用場面
「to date」は日常会話だけでなく、さまざまな実践的な場面で使われます。特にビジネスや学術の世界では頻繁に見かけることでしょう。
メールでの使用
ビジネスメールでは進捗報告などで使われることが多いです。
例文
- To date, we have received 20 applications for the position.(現在までに、その職位に対して20件の応募がありました)
- The project has cost $5,000 to date.(そのプロジェクトは現在までに5,000ドルの費用がかかっています)
プレゼンテーションでの使用
プレゼンテーションでは成果や実績を報告する際に使えます。
例文
- To date, our company has opened 10 new stores.(現在までに、当社は10の新店舗をオープンしました)
- Our marketing campaign has reached 1 million people to date.(私たちのマーケティングキャンペーンは現在までに100万人に届いています)
学術論文での使用
学術的な文脈では研究の現状を示す際に使われます。
例文
- To date, no studies have examined this specific aspect.(現在までに、この特定の側面を調査した研究はありません)
- The research has produced promising results to date.(その研究は現在までに有望な結果を出しています)
このように、「to date」は様々な場面で活用できる便利な表現です。
「to date」に関するよくある質問
- 「to date」は口語でもよく使われますか?
-
「to date」はやや formal な表現で、日常会話では「so far」の方がよく使われる傾向があります。ただし、ビジネスの場や学術的な場面では「to date」がよく使用されます。
- 「to date」は未来のことを話す時にも使えますか?
-
「to date」は基本的に「過去から現在まで」を表す表現なので、未来のことを話す時には使いません。未来の予測などを話す場合は、別の表現を使います。
- 「to date」と「as of today」の違いは何ですか?
-
「to date」は「過去から現在までの全期間」を指しますが、「as of today」は「今日の時点で」という意味で、特定の日(今日)を強調します。例えば「As of today, we have 100 members.(今日の時点で、会員は100人います)」と言えます。
- 「to date」を文の最初と最後、どちらに置くべきですか?
-
どちらも文法的に正しいです。文の最初(To date, …)に置くと「現時点での状況」を強調するニュアンスになり、文の最後(… to date)に置くとより淡々と事実を述べるニュアンスになります。文脈や強調したい点によって使い分けるとよいでしょう。
- 「to date」を過去形の文で使うときの注意点はありますか?
-
過去形の文で「to date」を使う場合、「その時点まで」という意味になります。時間的に離れすぎた過去の出来事を指す場合は「until then(そのときまでに)」などの表現の方が適切なこともあります。
まとめ

この記事では、英語表現「to date」の意味と使い方について解説しました。ポイントをまとめると、
- 「to date」は「今まで」「現在まで」「これまで」という意味を持つ
- 主に現在完了形と一緒に使われるが、過去形や過去完了形でも使用可能
- 文頭(To date, …)または文末(… to date)に置くことができる
- 類似表現には「so far」「up to now」「until now」などがある
- 「so far」は日常会話でよく使われ、「to date」はややフォーマルな印象がある
- 「up-to-date」は関連表現で「最新の」という意味の形容詞
- ビジネスメール、プレゼンテーション、学術論文など様々な場面で活用できる
- 過去形の文で使う場合は「その時点まで」という意味になる
- 未来のことを話す時には使わない
「to date」は英語の中でも汎用性の高い便利な表現です。この記事で紹介した例文や使い方を参考に、ぜひ自分の英語表現の幅を広げてみてください。特に「これまでの進捗」や「現在までの成果」などを伝えたい場面で、自信を持って使えるようになりましょう。