TOEIC Part 7で多くの受験者が苦戦するのが「NOT問題」です。
NOT問題とは、設問文に大文字で「NOT」が含まれている形式で、本文に書かれていないことや正しくないことを選ぶのが特徴です。この問題形式に時間を取られ、Part 7全体のペース配分を崩してしまう受験者が少なくありません。
しかし、NOT問題には効率的な解き方の手順があり、それをマスターすれば正答率を上げることができます。
ここでは、英語初学者の方にもわかりやすく、NOT問題の特徴から具体的な解き方の手順、時間を節約するためのテクニック、そしてよくある間違いまで詳しく解説します。
TOEIC Part 7の「NOT問題」とは?

TOEICの長文読解(Part 7)で出題される「NOT問題」は、設問文に大文字の「NOT」が含まれているのが特徴です。
NOT問題の基本ルール
| 項目 | 内容 |
| 形式 | 4つの選択肢のうち、本文の内容と「一致しないもの」を1つ選ぶ |
| 選択肢の内訳 | 3つは本文に書かれている正しい情報、1つは本文にない、または矛盾する情報 |
| 解答手順 | 3つの正しい選択肢を本文から見つけて消去し、残った1つを正解とする |
NOT問題は、通常の問題と比べて逆の思考を求められるため、解答に時間がかかりやすい形式です。
正しい選択肢を3つ探して消去する作業が必要なため、効率的な時間配分が求められます。
NOT問題の出題頻度
- 毎回のテストで2問〜4問程度出題されることが多いです。
- 以前よりは減少傾向にあり、テストによっては1問のみのこともあります。
- しかし、適切な対策をすれば確実に得点源にできるため、対策が重要です。
NOT問題の典型的な設問パターン
NOT問題には、主に以下の3つの設問パターンがあります。
「述べられていないもの」を問う形式(最も頻出)
- 設問形式: What is NOT mentioned about…?
- 意味: 「〜について述べられていないものは何ですか」
- 解答: 選択肢の中で、本文に一切書かれていない情報を選ぶ。
「正しくないもの」を問う形式
- 設問形式: What is NOT true about…?
- 意味: 「〜について正しくないものは何ですか」
- 解答:本文の内容と矛盾する選択肢を選ぶ。
- 例: 本文が「会議は7月」→ 選択肢の「会議は8月」が正解。
「要件・条件でないもの」を問う形式
- 設問形式: What is NOT a requirement for…? など
- 意味: 「〜の要件でないものは何ですか」
- 解答: 本文に記載されていない要件や条件を選ぶ。
NOT問題が難しく感じる3つの理由
多くの受験者がNOT問題を難しいと感じるのは、以下の理由によります。
必要な作業量が多い
- 通常の問題:正しい選択肢を1つ見つければ完了。
- NOT問題:3つの正しい選択肢を本文から見つけ、消去する必要がある。
→ 通常の問題の約3倍の作業量が必要となる。
言い換え表現への注意が必要
- 本文と選択肢で異なる言葉(言い換え表現)が使われていることがあります。
- 例: 本文 “apply for a position” 選択肢 “submit an application”
- この同義の言い換えに気づかなければ、正しい選択肢を見つけるのに時間がかかります。
部分的な一致による誤解
- 選択肢が本文中の特定の単語と似ているため、意味が異なっていても一致していると勘違いしやすいです。
- 例: 本文 “正社員のみが対象” ≠ 選択肢 “すべての従業員が参加できる”
- 単語レベルではなく、文全体の意味を正確に把握する力が求められます。
NOT問題の基本的な解き方の手順
NOT問題を効率的に解くためには、正しい手順を踏むことが重要です。
ここでは、初心者でも実践できる基本的な解き方の手順を詳しく解説します。
ステップ1:設問文をしっかり読んでNOT問題だと認識する
最も重要なのは、設問文をしっかりと読み、NOT問題であることを確実に認識することです。
- NOTを見落とさない: 「NOT」は大文字で書かれていますが、急いでいると見落とす可能性があります。見落としは、正解とは逆の選択肢を選ぶという致命的なミスにつながります。
- 問われている対象を把握:
- 「What is NOT mentioned about…」や「What is NOT true about…」のように、何について問われているか(例:Mr. Smith、新製品、セミナーなど)を正確に把握します。
- これにより、本文のどの部分に注目すべきかが明確になります。
- キーワードを記憶/メモ: 設問文のキーワード(例:「セミナー」)を意識しながら、選択肢と本文を読み進めます。この段階で内容を正確に理解することが、効率的な解答につながります。
ステップ2:4つの選択肢すべてに目を通す
通常の問題とは異なり、本文を読む前に4つの選択肢すべてに目を通すことが推奨されます。
- 効率の向上: 選択肢の内容を事前に把握しておくことで、本文を読む際の効率が格段に上がります。
- キーワードの把握:
- それぞれの選択肢のキーワード(例:「無料」「事前登録」「駐車場」「昼食」)を頭に入れます。
- 選択肢が短い場合は、4つすべてを記憶します。
- 選択肢が長い場合は、1つずつ読んで本文と照合する方法を取るなど、柔軟に対応します。
ステップ3:本文を読みながら選択肢と照合する
選択肢のキーワードを念頭に置きながら本文を読み始め、一致する情報を見つけ次第、その選択肢を消去します。
- 情報が集約されている箇所を探す: NOT問題では、選択肢に関連する情報が本文の特定の箇所(1つか2つの段落)にまとまって書かれていることが多いです。
- 照合作業(消去):
- 本文の内容と一致する情報を見つけたら、その選択肢を消去します。(例:本文に「事前登録が必要」とあれば、選択肢Bの「事前登録が必要」は正しい情報なので消去)
- 本文の内容と矛盾する情報が見つかった場合、それが正解候補となります。(例:本文に「参加費は50ドル」とあれば、選択肢Aの「参加費が無料」が正解候補)
- 言い換え表現に注意:
- 本文と選択肢で同義語や類似表現(例:
pre-registration is requiredとadvance booking is necessary)が使われていることがあります。 - これらは同じ意味なので、見逃さずに正しいと判断して消去することが重要です。
- 本文と選択肢で同義語や類似表現(例:
ステップ4:消去法で正解を導く
NOT問題の解答は、確実性が高い消去法で行います。
- 基本的なアプローチ: 4つの選択肢のうち、本文の内容と一致する3つの選択肢を見つけて消去し、残った1つを正解とします。
- 確認と注意点:
- 本文を読み終えた時点で3つ消去できていれば、残りが正解です。
- 2つしか消去できていない場合は、残り2つについて再度本文を確認しますが、時間にかけすぎないよう注意が必要です。
- 「確実に正しいと判断できた選択肢だけ」を消去します。「おそらく正しいだろう」という曖昧な判断は誤答につながります。
この手順のまとめ
| ステップ | アクション | ポイント |
| 1. 認識 | 設問文を読み、NOT問題を認識 | NOTを見落とさず、問われている対象とキーワードを把握 |
| 2. 準備 | 4つの選択肢すべてに目を通す | 選択肢のキーワードを頭に入れ、本文を読む効率を上げる |
| 3. 照合 | 本文を読みながら選択肢と照合 | 一致する選択肢を消去する。言い換え表現に注意 |
| 4. 解答 | 消去法で正解を導く | 3つ消去して残った1つを選ぶ。確実な情報のみ消去する |
この手順で進めることで、NOT問題の正答率を高めることができます。
NOT問題を効率的に解くための実践テクニック
NOT問題を制限時間内に正確に解くためには、戦略的なアプローチが不可欠です。
ここでは、スコアアップに直結する効果的なテクニックを紹介します。
選択肢の長さで難易度を判断する
NOT問題の難易度と所要時間は、選択肢の形式からある程度予測できます。
- 短い選択肢(単語・短いフレーズ)
- 例: 「Tokyo」「Osaka」「Kyoto」「Nagoya」などの固有名詞のみ
- 特徴: 本文中の該当箇所を見つけやすく、照合作業が簡単。比較的解きやすい問題です。
- 戦略: 優先的に解くことで、確実に得点源としましょう。
- 長い選択肢(完全な文章)
- 例: 「The company will expand its operations to three new cities in Asia by the end of this year」
- 特徴: 内容を正確に理解し、本文と照合する必要があるため、時間がかかり難易度が高いです。
- 戦略:
- 時間に余裕がない場合や、目標スコア(例: 600点〜800点)によっては、後回しにするか、思い切って飛ばすことも有効な戦略です。
情報がまとまっている箇所を効率的に見つける
NOT問題の4つの選択肢に関連する情報は、本文の特定の箇所に集中して書かれていることが多いです。
集中箇所を探すポイント
- キーワードの特定: 選択肢(例: セミナーの詳細)から、本文中で関連情報が書かれているであろう段落やセクションを推測します。
- 周辺情報の確認: 選択肢の1つに関連する情報を見つけたら、その周辺を特に注意深く読みます。
- 例: 「参加費は50ドル、事前登録が必要、駐車場は無料で利用可能」という文で、一度に複数の選択肢を照合できることがあります。
- 文書構造の利用: 文書の種類によって、情報がまとまる傾向があります。
- メール/レター: 本文の中盤に詳細情報が書かれていることが多いです。
- 広告/求人情報: 箇条書きやリスト形式で情報がまとめられていることが多いです。
厳格な時間管理の徹底
NOT問題は作業量が多いため、時間管理が極めて重要です。時間管理のルールは以下になります。
| 項目 | 推奨時間/戦略 |
| Part 7の基本 | 1問あたり約1分 |
| NOT問題の目安 | 1問あたり1分半〜2分程度(通常問題の3倍の作業量と認識) |
| 最重要ルール | 本文を一度読んで3つの選択肢を消去できなかった場合、2回目を読む前に次の問題に進む。 |
取捨選択の戦略
- NOT問題に取り組む前に、選択肢の長さや複雑さを見て、解くべきかどうかを判断します。
- 時間がかかりそうな問題は一旦飛ばし、他の問題を先に解いて最後に時間があれば戻るようにします。
- 特に目標スコアが800点以下の場合、すべて解き切る必要はありません。確実に点数を取れる問題に時間を使いましょう。
NOT問題における言い換え表現の見抜き方
TOEICのNOT問題を正確に解くには、本文と選択肢の間にある言い換え表現(パラフレーズ)を見抜く力が不可欠です。
TOEICでは、本文と選択肢で同じ単語が使われることはまれで、ほとんどの場合、意味は同じでも異なる表現に言い換えられています。
頻出の言い換えパターンを覚える
TOEIC Part7では、特定の言い換えパターンが頻繁に使われます。
これらの基本的なパターンを覚えておくことで、本文と選択肢の照合がスムーズになります。
- 動詞や名詞の言い換え
- 「購入する」: purchase → buy, acquire
- 「返金」: refund → get money back
- 「増える」: increase → rise
- 「減る」: decrease → decline
- 職業・役職の言い換え
- supervisor → manager
- applicant → candidate
- employee → staff member
- 数量・程度の言い換え
- approximately → about
- nearly → almost
- significantly → considerably
否定表現の言い換えに注意する
NOT問題では、肯定文と否定文の間での言い換えも見逃さないことが重要です。
| 本文の肯定表現(例) | 選択肢の否定表現(例) | 意味 |
| free, no charge, at no cost | There is no registration fee (登録料はない) | 無料 |
| Only full-time employees are eligible | Part-time staff cannot participate | 正社員のみ参加可能(パートタイムは不可) |
要件に関する表現の言い換え
「必須」や「任意」といった要件に関する表現も言い換えられます。
- 必須: Pre-registration is required → You must register in advance, Advanced booking is mandatory
- これらの微妙な表現の違いを理解することが、NOT問題攻略の鍵です。
部分的な一致と完全な一致を区別する
NOT問題でよくある間違いは、部分的な一致を完全な一致と勘違いしてしまうことです。
例:
- 本文: 「正社員には無料で昼食が提供される」
- 選択肢: 「すべての従業員に昼食が提供される」
→ 「昼食が提供される」は一致していますが、「正社員のみ」という条件が無視されているため、完全には一致しません。
細部まで注意深く読むべきポイント
選択肢が本文と完全に一致するかを見抜くためには、以下の細部に注意を払いましょう。
- 主語や対象者: all employees と full-time employees など
- 時期や期間: in July と in the second week of July など
- 条件や制限: 「~のみ」「~の場合」などの限定語句
- 数字や固有名詞: 「参加費は50ドル」と「参加費は15ドル」など(これは明確な矛盾)
急いで問題を解いていると見落としがちなので、慎重に確認しましょう。
文書タイプ別 TOEIC Part 7 NOT問題 攻略法
TOEIC Part 7では、多岐にわたる文書が出題されます。
NOT問題(本文に書かれていない、または言及されていないことを問う問題)を解くには、文書のタイプに応じたアプローチが有効です。
メール・レター形式の文書
メールやレターでは、差出人、宛先、件名、本文の構成を理解することが重要です。
- 問われやすい情報:
- 本文の中盤から後半に書かれている詳細情報。
- メールの冒頭で目的や概要が述べられ、その後に具体的詳細が続く構成を意識する。
- 攻略のポイント:
- 件名から文書の主題を把握し、本文のどこに注目すべきかを予測する。(例:「Seminar Registration Confirmation」なら登録確認情報)
- 本文だけでなく、署名欄にも注意を払う。送信者の役職や連絡先情報が記載されている場合がある。
- 典型的な設問例:
- 「送信者について述べられていないものは何か」
- 「受信者に求められていないことは何か」
広告・求人情報形式の文書
広告や求人情報では、情報が箇条書きやリスト形式でまとめられていることが多く、NOT問題は比較的解きやすい傾向があります。
- 攻略のポイント:
- 見出し(例:「Requirements」「Qualifications」)の下に書かれている情報に注目する。
- 箇条書きで条件が列挙されている場合は、一つずつ選択肢と照合する。
- 料金や特典に関する情報(例:「What is NOT included in the price?」)を問われた際は、「includes」や「comes with」といった表現の後に書かれている内容を慎重に照合する。
- 典型的な設問例:
- 「応募資格として求められていないものは何か」
- 「職務内容に含まれていないものは何か」
- 「料金に含まれていないものは何か」
記事・お知らせ形式の文書
記事やお知らせ形式では、文章が段落ごとに構成されています。
NOT問題では、複数の段落にわたって情報を探す必要がある場合もありますが、特定の段落に情報が集中していることも多いです。
- 記事形式の攻略法:
- 各段落の最初の一文を読んで概要を把握する。
- 選択肢に関連する情報がありそうな段落を特定し、その段落を詳しく読むことで、時間短縮を図る。
- お知らせ形式の攻略法:
- 日時、場所、参加条件など、具体的な詳細情報について問われることが一般的。
- 本文に散りばめられた複数の情報を丁寧に拾い上げ、選択肢と照合していく必要がある。
- 典型的な設問例:
- 「記事で述べられていないことは何か」
- 「著者が言及していないことは何か」
- 「イベントについて言及されていないことは何か」
NOT問題に関するよくある間違いと対策
NOT問題(本文の内容と一致しない選択肢を選ぶ問題)を解く際、多くの受験者が陥りがちな間違いがあります。
これらの間違いを理解し、対策を講じることで、正答率を大幅に向上させることができます。
設問の「NOT」を見落とす(最も致命的なミス)
間違いの内容
設問文の「NOT」や「除くもの」などの否定語を見落とし、通常の問題として解いてしまうことです。
本文と一致する選択肢を選んでしまい、正解とは逆の答えを選んでしまいます。
対策
- 「NOT」の意識的な確認
- 設問文を読む際、「NOT」という単語を意識的に確認する習慣をつけましょう。
- 心の中での確認
- 設問文を読んだ後、「これはNOT問題だ」と心の中で確認してから選択肢に進みましょう。
- マーク前の再確認
- 解答を記入する直前に、「これはNOT問題だから、一致しない選択肢を選ぶ」と再確認し、単純なマークミスを防ぎましょう。
すべての情報を本文から探そうとする(時間の浪費)
間違いの内容
NOT問題では、3つは本文に書かれている情報、1つは本文に書かれていない情報(正解)です。
しかし、4つすべての選択肢について、本文から明確な根拠を見つけようとして貴重な時間を浪費してしまいます。
対策
- 3つの根拠探しに集中
- 3つの選択肢について本文で根拠を見つけることができたら、残り1つは本文を探し続けるのではなく、それを正解として選ぶのが原則です。
- 深追いの判断
- 2つしか根拠が見つからなかった場合は、残り2つの選択肢を比較し、時間に応じて「本文の再確認」か「より本文から離れていると思われる方を選ぶ」か判断が必要です。時間をかけすぎないことが重要です。
言い換え表現を見逃す(語彙力の問題)
間違いの内容
本文と選択肢で同じ意味を持つ異なる表現(言い換え表現)が使われていることに気づかず、本文に書かれている情報を「書かれていない」と誤って判断してしまうことです。
例: 本文「free of charge (無料)」→ 選択肢「do not need to pay (支払う必要がない)」
対策
- 同義語・類似表現の学習
- 日頃から同義語や類似表現を意識して学習しましょう。特にTOEICなどで頻出の言い換えパターンを覚えておくと効果的です。
- 意味レベルでの照合
- 選択肢と本文を照合する際は、単語レベルではなく、その表現が持つ意味レベルで一致しているかを判断するように心がけましょう。
部分的な情報だけで判断する(不注意な読解)
間違いの内容
選択肢の一部だけが本文の内容と一致している場合に、選択肢全体を注意深く読まず、部分的な情報だけで「これは本文に書かれている」と早合点してしまうことです。
例:
- 本文: 「正社員には研修が提供される」
- 選択肢: 「すべての従業員に研修が提供される」
→ 「研修が提供される」という部分だけを見て一致と誤判断。
対策
- 選択肢の丁寧な読解
- 選択肢を最後まで丁寧に読み、すべての要素が本文の内容と一致しているかを確認しましょう。
- 重要要素のチェック
- 特に、主語、時期、場所、条件などの重要な要素については、本文と選択肢で完全に一致しているかを慎重にチェックします。一つでも異なる要素があれば、その選択肢は本文の内容と一致していません。
NOT問題の効果的な練習方法:TOEIC攻略のためのステップ
TOEICのNOT問題を攻略するためには、適切な練習方法で実力をつけることが重要です。
ここでは、具体的な効果的な練習方法を3つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1:公式問題集で「正確性」を鍛える
NOT問題の練習には、公式TOEIC問題集を使用するのが最も効果的です。
実際の試験と同じ形式・レベルの問題で、本番に近い形で練習できます。
練習の進め方
- 時間を気にせず、丁寧に問題に取り組みましょう。
- 設問文と4つの選択肢をしっかり読み、本文から根拠を探して消去法で解答します。
- この段階では、正確性を最重視し、「なぜその選択肢が正解/不正解なのか」を完全に理解することが重要です。
間違いの分析
問題を解いた後は、必ず解説を読んで答え合わせをし、間違えた原因を徹底的に分析しましょう。
| 間違いの原因例 | 対策 |
| 言い換え表現を見逃した | リスト化して覚える(ステップ3参照) |
| 部分的な一致に惑わされた | 選択肢全体と本文全体を照合する意識を持つ |
| 時間が足りなかった | 時間を測る練習を導入する(ステップ2参照) |
間違いの原因を特定することで、同じミスを繰り返さなくなります。
ステップ2:時間を測って「スピード」を意識する
正確に解けるようになってきたら、時間制限を意識した練習を始めましょう。
実際の試験では、正確性だけでなくスピードも求められます。
目安となる時間配分
- Part7全体で55分程度の時間配分が推奨されます。
- NOT問題を含む1問あたり、1分〜1分半程度しか使えません。
効果的な練習方法
- 1問ずつ時間を計測し、自分が解くのにどれくらい時間がかかっているかを把握します。
- Part7全体を通して時間を測り、他の問題タイプとのバランスを考えながら解く練習をします。
最初は時間がかかっても、練習を重ねることで徐々にスピードアップできます。
ステップ3:言い換え表現の「ストック」を増やす
NOT問題を攻略するためには、TOEIC頻出の言い換え表現に慣れることが不可欠です。
リストの作成
公式問題集や模擬試験を解く中で見つけた言い換え表現を、ノートやデジタルツールにリストアップしていきましょう。
- 本文で使われた表現と、選択肢で使われた表現をペアで記録します。
- 例:「purchase – buy」「refund – get money back」「supervisor – manager」
- このリストを定期的に見直すことで、頻出パターンを自然に覚えることができます。
語彙力の強化
- 同義語辞典やTOEIC対策の単語帳を活用し、重要な単語の同義語を調べましょう。
- 特に、動詞、形容詞、副詞の同義語は言い換え表現として頻繁に使われるため、重点的に学習します。
仕上げ:間違えた問題の「繰り返し練習」
一度解いた問題、特に間違えた問題は、間隔を空けて(数日後や1週間後)繰り返し解くことが非常に重要です。
- 前回と同じ間違いをしないように、注意しながら解き直します。
- 前回:言い換えを見逃し → 今回:言い換えに注意しながら照合
- 前回:NOTを見落とした → 今回:設問文の「NOT」を意識的に確認
- 正解した問題についても、「なぜその選択肢が正解なのか」「他の選択肢はなぜ間違いなのか」を他人に説明できるレベルで言語化できるようにしましょう。
この繰り返し練習を通じて、NOT問題を解く際の論理的な思考プロセスが定着し、本番での正答率向上に繋がります。
NOT問題を解く際の効果的な時間配分戦略
NOT問題は時間がかかりやすい形式であるため、目標スコアに応じた戦略的な時間配分が必要です。
目標スコア別:時間配分の目安と戦略
| 目標スコア | 1問あたりの目安時間 | 戦略のポイント |
| 600~700点 | 最大1分 | 時間のかかる問題は飛ばす:選択肢が長い問題は思い切ってスキップし、他の解きやすい問題に時間を充てる。全問正解を目指さない。 |
| 800~900点 | 1.5分~2分程度 | 集中の強化:時間を節約するため、本文の2回読みは避ける。1回の読みで確実に3つの選択肢を消去できるよう集中力を高める。 |
| 900点以上 | 最大2分 | Part7の時間確保:Part5・6を素早く解き、Part7に十分な時間を確保する。NOT問題にも時間をかけるが、全体バランスを意識し2分以上はかけない。 |
選択肢の長さによる優先順位づけ
NOT問題に取り組む際は、選択肢の長さを基準に優先順位をつけることが有効です。
- 高優先度(先に解く)
- 選択肢が単語や短いフレーズで構成されている問題。
- 日付、数字、固有名詞など、具体的な情報を問う問題(本文から見つけやすい)。
- 低優先度(後回しにする/飛ばす)
- 選択肢が長い文章になっている問題。
- 抽象的な概念や推測を必要とする情報を問う問題。
実践例(Part7)
- 長文を読んでいる途中でNOT問題に遭遇したら、まず選択肢の長さを確認する。
- 選択肢が短ければ、そのまま解く。
- 選択肢が長ければ、一旦飛ばして次の問題に進む。
- Part7の最後まで解き終え、時間に余裕があれば飛ばした問題に戻る。時間がなければ、マークして次に進む。
時間浪費を防ぐ「2回読み」の回避
NOT問題で最も時間を浪費する原因の一つは、本文を2回読んでしまうことです。
1回の読みで情報を最大限に拾い上げる
- 準備:本文を読む前に選択肢のキーワードをしっかり頭に入れておく。
- 実行:本文を読みながら、それらのキーワードに関連する情報を意識的に探す。
- 集中:重要な情報が書かれている箇所ではスピードを落とし、丁寧に読むことで見逃しを防ぐ。
確信が持てない場合の対処法
1回の読みで2つしか選択肢を消去できなかった場合、残り2つで時間をかけずに判断します。
- 残り2つの選択肢を比較する。
- 本文で言及されているトピックからより離れていると思われる方(全く関連していないなど)を正解として選ぶ。
- 完璧な確信がなくても判断を下し、次の問題に進む。これが時間配分上、非常に重要です。
NOT問題に関するよくある質問と回答
NOT問題について、受験者から特に多く寄せられる質問とその回答をまとめました。
- NOT問題は必ず解かなければならないのか?
-
目標スコアによって、取るべき戦略が異なります。
目標スコア NOT問題への対応戦略 600〜700点 時間をかけて全て解く必要はない。
時間がかかる複雑なNOT問題は意図的にスキップし、他の解きやすい問題に時間を使う戦略が有効です。800点以上 できる限り正解を目指す。
高得点にはPart 7の失点を最小限に抑える必要があるため、適切な時間をかけて取り組みます。
ただし、時間配分に注意し、1問に時間をかけすぎないようにしましょう。柔軟な判断が重要
- 選択肢が短いなど解きやすいNOT問題は積極的に取り組む。
- 選択肢が長く複雑な難しいNOT問題は、状況に応じて飛ばすことも検討する。
- 本文に書かれていない選択肢と矛盾する選択肢はどう見分けるのか?
-
NOT問題の正解(本文の記述と合致しない選択肢)には、大きく分けて以下の2パターンがあります。
パターン 特徴 見分け方 例(本文がセミナーの文書の場合) A. 本文に全く書かれていない情報 本文をいくら探しても、その選択肢に関する関連情報が一切見つからない。 3つの誤りの選択肢について本文で根拠を確認後、残りの1つ(正解)については情報が見つからないことで判断。 選択肢に「駐車場が利用可能」とあるが、本文に駐車場に関する記述が全くない。 B. 本文の内容と矛盾する情報 本文に関連情報は存在するが、内容が選択肢と食い違っている。 選択肢と本文の情報を直接比較することで判断でき、比較的見分けやすい。 本文に「参加費は$50」とあるのに、選択肢に「参加は無料」とあり、内容が矛盾している。 - NOT問題の出題頻度はどれくらいか?
-
項目 概要 一般的な出題数 1回のテストで2〜4問程度。 最近の傾向 出題数が減少傾向にあり、テストによっては1問のみの場合もある。 減少の背景 時間のかかる形式であり、他の形式の方が受験者の実力を効率的に測れるという判断があるため。 対策の重要性 完全になくなったわけではないため、特に解きやすいNOT問題は確実に得点できるよう対策は重要。 増加傾向にある他の問題形式
NOT問題の減少と並行して、全体の理解を問う問題や推測問題が増えています。NOT問題だけでなく、これらの時間のかかる問題形式にも対応できる柔軟な読解力を身につけることが重要です。
- NOT問題で迷ったときはどう判断すればよいか?
-
選択肢を2つに絞り込んだものの、どちらが正解か迷った場合は、以下の判断基準を参考に限られた時間内で最善の決断を下しましょう。
- 本文のトピックとの関連性で判断する
- 2つの選択肢のうち、本文の主題から遠い、あるいは関連性が低い内容を選びます。本文の主題から遠いほど、書かれていない可能性が高くなります。
- 情報の具体性で判断する
- 本文で具体的に言及されている可能性が低い、より具体的な情報を含む選択肢を選びます。
- 例:「昼食が提供される」(一般的)よりも「イタリアンレストランで昼食が提供される」(具体的)方が、書かれていない可能性が高い。
- 本文で具体的に言及されている可能性が低い、より具体的な情報を含む選択肢を選びます。
- 消去した選択肢の共通属性を考える(補助的な手段)
- 消去できた3つの選択肢に共通するテーマ(例:すべてセミナーの内容に関する情報)を考え、残った2つの選択肢のうち、そのテーマからより離れている方を選びます。
注意点
これらの基準はあくまで判断の目安であり、確実な方法ではありません。迷いすぎず、時間切れになる前に次の問題に進むことが最も重要です。
- 本文のトピックとの関連性で判断する
まとめ

TOEIC Part 7のNOT問題は、多くの受験者が苦手意識を持つ形式ですが、適切な対策と練習で確実に攻略できます。
NOT問題を解くには、まず設問文をしっかり読んでNOT問題であることを認識します。次に、4つの選択肢すべてに目を通し、それぞれのキーワードを把握しましょう。
本文を読む際は、選択肢のキーワードに関連する情報を探しながら読み進め、本文の内容と一致する選択肢を消去していきます。最終的に、消去法で残った1つの選択肢が正解となります。
攻略の重要なポイントは次の通りです。
- NOT問題であることを必ず確認し、見落とさないようにする。
- 本文を読む前に選択肢のキーワードを把握する。
- 消去法を使い、本文の内容と一致する3つの選択肢を見つける。
- 言い換え表現に注意し、同じ意味を持つ異なる表現を見逃さない。
- 部分的な一致ではなく、完全な一致を確認する。
- 時間配分を意識し、1つの問題に時間をかけすぎない。
- 本文を2回読むことは避け、1回の読みで判断する。
- 選択肢が2つに絞れたら、合理的な判断基準で正解を選ぶ。
- 選択肢の長さで難易度を判断し、優先順位をつける。
NOT問題の練習では、公式問題集を活用し、正確性とスピードの両方を磨くことが重要です。
- 言い換え表現のリストを作成し、頻出パターンを覚えることで、本番での照合作業がスムーズになります。
- 間違えた問題を繰り返し解くことで、NOT問題を解く際の思考プロセスを身につけましょう。
- 時間を測って練習することで、実際の試験に近い環境で問題を解く感覚を養います。
NOT問題は時間がかかる形式ですが、この記事で紹介した手順やテクニックを実践し、継続的に練習することで、苦手意識を克服し、TOEIC Part 7全体のスコアアップにつなげられます。

