TOEICのPart7は多くの受験者が苦戦する最大の難関パートです。長文読解問題が連続し、リーディングセクション全体の半分以上を占めるこのパートで点数を取れるかどうかが、TOEICのスコアを大きく左右します。
「時間が足りなくて最後まで解けない」「どのように対策すればいいかわからない」という悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、TOEICのPart7を攻略するための効果的な時間配分と解き方について、初心者の方にもわかりやすく解説します。単に「問題を解きまくる」だけでは効率的な対策にならないこともあります。
正しい方法で効率よく学習するためのポイントをしっかり押さえていきましょう。
TOEICのPart7の基本情報

TOEICのPart7は、リーディングセクションの最後に位置する長文読解問題です。この部分の対策が十分でないと、時間切れで後半の問題が解けず、点数を大きく落としてしまう可能性があります。
まずはPart7の基本的な情報を確認しておきましょう。
Part7は、英語圏の日常生活やビジネスシーンで目にするような文書を読み、その内容に関する設問に答える形式です。Eメール、広告、記事、チャットなど様々な種類の文書が出題されます。
これらの文書を読み解き、設問に対して4つの選択肢から最も適切なものを選びます。
問題数と形式
PPart7の問題形式は大きく分けて3つあります。それぞれの特徴を押さえておきましょう。
- シングルパッセージ:1つの文書に対して2〜4問の設問が出題されます。10題程度あり、合計で約29問を占めます。比較的短い文章も含まれますが、1問あたりの解答時間は限られています。
- ダブルパッセージ:2つの関連する文書に対して5問程度の設問が出題されます。2題程度あり、合計で約10問です。2つの文書を比較しながら読む必要があります。
- トリプルパッセージ:3つの関連する文書に対して5問程度の設問が出題されます。3題程度あり、合計で約15問です。最も複雑な問題形式で、3つの文書間の関連性を理解する必要があります。
問題の種類としては、内容把握問題(約20問)、選択肢問題(約12問)、推測問題(約8問)、テーマ問題(約5問)、語彙問題(約3問)、NOT問題(約2問)、意図問題(約2問)、文挿入問題(約2問)などがあります。
Part7で出題される内容
Part7で出題される文章は、「英語圏で生活している人が日常生活や仕事で見るような文体」を想定しています。
具体的には以下のようなトピックが頻出します。
- メール:最も頻出する問題形式です。ビジネスや日常生活におけるメールのやり取りが出題されます。
- 記事:新聞や雑誌の記事を模した問題も頻出します。一般的な情報から専門的な内容まで幅広く出題されます。
- Webサイト:企業のウェブサイトや情報サイトなど、ウェブページ形式の文章も出題されます。
- 手紙:公式・非公式な手紙のやり取りも時々出題されます。
- チャット:近年増えてきた形式で、複数人のチャットのやり取りが出題されます。
- 広告:商品広告や求人広告などが出題されます。それぞれ特有の情報に注目する必要があります。
これらのトピックに慣れておくことで、実際の試験で戸惑うことなく問題に取り組めるようになります。
Part7の時間配分の考え方
TOEICのリーディングセクション(Part5〜7)全体の制限時間は75分です。
この75分をどのように配分するかが、全問解き切るために非常に重要になります。
リーディングセクション全体の理想的な時間配分
リーディングセクション全体の理想的な時間配分は以下のとおりです。
- Part5(短文穴埋め問題):10分(30問)
- Part6(長文穴埋め問題):10分(16問)
- Part7(長文読解問題):55分(54問)
Part7は問題数が多く難易度も高いため、できるだけ多くの時間を確保する必要があります。
そのためには、Part5とPart6をできるだけ効率よく解き終えることが大切です。
Part7内での時間配分
Part7内での理想的な時間配分は以下のとおりです。
- シングルパッセージ:25分(29問)
- ダブルパッセージ:10分(10問)
- トリプルパッセージ:20分(15問)
1問あたりの目安時間
Part7の問題数は54問で、割ける時間が55分とすると、単純計算で1問あたり約1分という計算になります。しかし、実際には問題の難易度や文章の長さによって解答時間は異なります。
シングルパッセージでは比較的短い文章もあるため、1問あたり50秒程度で解けるよう意識しましょう。一方、複雑なトリプルパッセージでは1問あたり1分20秒程度かかることも想定しておくべきです。
重要なのは、「一問あたり1分以内」という目安を常に意識しながら解くことです。これによって、最後まで問題を解ききることができます。もし1問で長く悩んでしまった場合は、潔く次の問題に進むことも大切です。
時間が足りなくなったときの対処法
時間内に全問解ききれない可能性も考慮して、以下の対処法を知っておきましょう。
- 悩み過ぎず、次の問題に進む
- 時間がかかりそうな問題は一旦飛ばす
- 残り時間が少なくなったら、未回答の問題に適当にマークするのではなく、戦略的に答える
特に3つ目のポイントは重要です。TOEICはマイナス採点がないため、未回答よりは適当に答えた方が確率的に有利です。
しかし、ただランダムに選ぶのではなく、パターンを意識して選ぶと正解率が上がる可能性があります。
Part7を効率的に解くためのテクニック
Part7を効率的に解くために、いくつかの重要なテクニックを紹介します。
これらのテクニックを身につけることで、限られた時間内に多くの問題を正確に解くことができるようになります。
設問を先に読む重要性
Part7の問題に取り組む際、多くの受験者が犯しがちな間違いは、まず文章を読み始めることです。しかし、効率的に解くためのコツは「設問を先に読む」ことにあります。
設問を先に読むことで以下のメリットがあります。
- 何を探しながら読めばいいのかが明確になる
- 関連する情報に焦点を当てて読むことができる
- 文章全体を読む必要があるのか、特定の部分だけでいいのかの判断ができる
設問を読む際は、質問の内容を理解することに集中し、選択肢はざっと目を通す程度で構いません。
選択肢を細かく読み込むと時間がかかり、本文を読む際に混乱することもあります。
スキミングとスキャニングの活用法
長文を全て精読していたら、時間が足りなくなってしまいます。そこで役立つのが「スキミング」と「スキャニング」という読解テクニックです。
スキミングは文章を斜め読みして全体の流れをつかむ技術です。文章の最初と最後の段落、各段落の最初の文などに注目することで、短時間で文章の大意を理解できます。
スキャニングは特定の情報(日付、数字、名前など)を探すために文章を素早く見る技術です。設問で尋ねられている特定の情報を効率よく見つけるのに役立ちます。
これらのテクニックを使うことで、全ての単語を順番に読まなくても必要な情報を素早く見つけることができます。初学者の方は、まず日本語の文章でこれらのテクニックを練習してみるのもよいでしょう。
簡単な問題から解く戦略
全ての問題を順番に解く必要はありません。まずは取り組みやすい問題、自信を持って解ける問題から手をつけることも効果的な戦略です。
例えば、短い文章のシングルパッセージから解き始めたり、自分が得意なトピック(広告やメールなど)の問題を先に解いたりする方法があります。これにより、時間を効率的に使うことができます。
ただし、解答用紙への記入ミスを防ぐため、問題番号には十分注意しましょう。また、後で解くつもりの問題にはマークをつけておくとよいでしょう。
文書のフォーマットを活用する
Part7で出題される文書には、それぞれ特徴的なフォーマットがあります。これらのフォーマットを理解し活用することで、情報を素早く把握することができます。
例えば、Eメールであれば、送信者(From)、受信者(To)、件名(Subject)、日付(Date)といった情報が冒頭に記載されています。これらの情報を最初にチェックするだけで、Eメールの概要や関係者を把握することができます。
同様に、広告であれば商品名や価格、条件などの重要情報が目立つように記載されていることが多いです。記事であれば、見出しや最初の段落に重要な情報が集約されていることがほとんどです。
Part7の問題タイプ別の攻略法
Part7には様々な文書タイプが出題されますが、それぞれに適した攻略法があります。
ここでは、代表的な文書タイプごとの解き方のコツを紹介します。
メール・手紙の読み方
メールや手紙は最も頻出する文書タイプです。これらを効率よく読むためのポイントは以下の通りです。
- 宛先(To)、差出人(From)、件名(Subject)に注目する:これらの情報から、メールの目的や関係性を素早く把握できます。
- 最初と最後の部分を重点的に読む:メールの目的は冒頭に、重要な依頼や結論は末尾に書かれていることが多いです。
- 日付や時間、場所などの具体的な情報に注意する:これらは設問でよく問われる内容です。
- 添付ファイルや追伸(P.S.)も必ずチェックする:重要な情報が含まれていることがあります。
初学者の方は、英語のビジネスメールのフォーマットに慣れておくことも大切です。
実際のビジネスメールを読む機会があれば、積極的に取り組んでみましょう。
記事・広告の読み方
新聞記事や雑誌記事、広告文も頻出する文書タイプです。これらの読み方のポイントは以下の通りです。
- 見出しやサブ見出しを重視する:記事の内容を簡潔に表しています。
- 最初の段落(リード文)を丁寧に読む:記事の要点が書かれていることが多いです。
- 広告の場合は、商品名や価格、期間などの情報に注目する:これらが設問のポイントになりやすいです。
- 求人広告の場合は、応募資格や条件をチェックする:学位(Bachelor’s degree、Master’s degreeなど)や経験年数などが重要です。
記事は「5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)」を意識して読むと理解しやすくなります。
日頃から英語のニュースサイトなどで記事を読む習慣をつけるとよいでしょう。
チャット・Webサイトの読み方
近年増えているチャットやWebサイト形式の文書も、特有の読み方があります。
- チャットは発言者と発言内容の関係を把握する:誰が何を言ったのかを整理しながら読みましょう。
- Webサイトはメニュー項目やカテゴリーに注目する:サイトの構造を理解することが大切です。
- 日時順に並んでいるかどうかを確認する:チャットは必ずしも時系列順とは限りません。
- リンクテキストや強調表示された部分に注意する:重要な情報が含まれていることが多いです。
チャットやSNSでの英語のやり取りに慣れていない方は、簡単な英語のチャットのやり取りを読む練習をするとよいでしょう。
略語(ASAP、FYIなど)にも慣れておくことが重要です。
Part7の問題パターン別の解き方
Part7にはいくつかの典型的な問題パターンがあります。
それぞれのパターンに合った解き方を知っておくことで、効率よく正確に解答することができます。
内容把握問題の解き方
内容把握問題は、文章に明示されている情報を問う問題です。約20問と最も多く出題されます。
解き方のポイント
- 設問の内容に関連する部分を素早く見つける:キーワードを利用してスキャニングします。
- 選択肢を文章の内容と照らし合わせる:選択肢の表現が文章とほぼ同じか確認します。
- 誤った選択肢には、文章と矛盾する情報が含まれていることが多い:注意深く比較しましょう。
内容把握問題は比較的取り組みやすいため、確実に点数を取りたい問題です。
文章中の表現と選択肢の表現が異なる場合もあるので、意味を理解することが重要です。
推測問題の解き方
推測問題は、文章に明示されていない情報を推測する問題です。約8問出題されます。
解き方のポイント
- 文章全体の文脈を理解する:部分的な情報だけでなく、全体の流れを把握します。
- 登場人物の立場や意図を考える:特にメールやチャットでは重要です。
- 論理的な推論を行う:「AならばBである」という論理展開を追います。
推測問題は難易度が高いことが多いですが、文章をよく理解していれば解けるようになります。
直接書かれていなくても、文脈から明らかな情報を見つける練習をしましょう。
NOT問題の解き方
NOT問題は、「〜でないものはどれか」と問う否定形の問題です。約2問出題されます。
解き方のポイント
- 問題文の「NOT」「EXCEPT」などのキーワードを見落とさない:問われているのは「正しくない情報」です。
- 各選択肢を一つずつ文章と照らし合わせる:3つは文章内容と一致し、1つだけが一致しません。
- 消去法を活用する:明らかに正しい選択肢から消していくと効率的です。
NOT問題は問題文をしっかり読まないと、逆の答えを選んでしまう危険があります。
問題文の指示をよく確認するクセをつけましょう。
その他の問題タイプへの対応
語彙問題(約3問)、テーマ問題(約5問)、意図問題(約2問)、文挿入問題(約2問)など、他の問題タイプにも効果的な解き方があります。
- 語彙問題:文脈から単語の意味を推測します。前後の文との関係を考えましょう。
- テーマ問題:文章全体の主題を問う問題です。冒頭と結論部分に注目しましょう。
- 意図問題:著者や登場人物の意図を問う問題です。表現のニュアンスを理解することが重要です。
- 文挿入問題:文章の流れを考え、つながりが自然な位置を選びます。接続詞や指示語に注目しましょう。
これらの問題は、文章の理解度を深く問うものが多いです。
日頃から英文を読む際に、「著者の意図は何か」「この文章の主題は何か」を考える習慣をつけるとよいでしょう。
初心者のためのPart7学習方法
英語初学者がPart7で点数を上げるためには、計画的な学習が必要です。以下に効果的な学習方法を紹介します。
基礎的な語彙力の強化
Part7を解くためには、基本的な語彙力が不可欠です。
特にビジネス関連の語彙や、頻出する接続詞、前置詞などの機能語を理解することが重要です。
初心者向けの対策
- TOEIC頻出単語リストを活用する
- フラッシュカードアプリで隙間時間に単語学習をする
- 単語を文脈の中で覚える(例文と一緒に学習する)
- 同じ単語でも複数の意味があることを意識して学習する
語彙学習は継続が大切です。毎日少しずつでも続けることで、着実に語彙力が向上します。
読解スピードを上げる練習
Part7では読解スピードが重要なポイントになります。以下の方法で読解スピードを向上させましょう。
- 音読練習:声に出して読むことで、英文の区切りや意味のまとまりを意識できるようになる
- スラッシュリーディング:文を意味のかたまりごとに区切って読む練習をする
- 時間制限を設けた読解練習:タイマーを使って、徐々に読むスピードを上げていく
- 同じ文章を繰り返し読む:内容に慣れることで、読むスピードが自然と上がる
特にスラッシュリーディングは効果的で、前置詞句や接続詞、動詞の後などで区切りながら読むことで、英語の語順のまま理解する力が身につきます。
効果的な問題演習の方法
ただ問題を解きまくるだけでは効率的な学習にはなりません。以下のような方法で効果的に問題演習を行いましょう。
- 本番と同じ時間配分で解く練習をする
- 解答後に間違えた問題だけでなく、合っていた問題も含めて解説を読む
- 特に苦手なタイプの問題や文書形式を重点的に練習する
- 解いた問題は、数週間後に再度解き直してみる
- 問題を解く過程で使ったテクニックや考え方を振り返る
特に重要なのは、時間を測って解く練習です。
いくら正確に解けても時間がかかり過ぎては本番で点数につながりません。徐々に速く解ける力を養いましょう。
TOEIC Part7に関するよくある質問
- Part7は全問解かないとダメですか?
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理想的には全問解くことが望ましいですが、目標スコアによります。600点台を目指すなら全問解く必要はありませんが、800点以上を目指すなら、ほぼ全問解く必要があります。
時間配分を工夫し、難しい問題は後回しにするなどの戦略が大切です。
- Part7の対策として英字新聞を読むことは効果的ですか?
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ある程度効果はありますが、英字新聞はTOEICの文書形式とは異なることが多いです。
TOEICで出題される様々な文書形式(Eメール、広告、チャットなど)に慣れるためには、TOEIC対策の問題集や教材を使った方が効率的です。
- Part7で時間が足りない場合、どの問題を優先すべきですか?
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シングルパッセージの方が解きやすい傾向があるため、まずはシングルパッセージを解くことをお勧めします。また、問題文が短く、選択肢もシンプルな問題から解くのも効率的です。
ダブル・トリプルパッセージは時間がかかるため、余裕がある場合に取り組むとよいでしょう。
- 初心者がPart7対策を始める際の目標設問数はどれくらいですか?
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初めは全54問を解ききることを目指すのではなく、20〜30問程度を確実に解けるようになることが現実的な目標です。徐々に解ける問題数を増やしていきましょう。
最初から全問解くことにこだわり過ぎると挫折の原因になります。
- Part7で頻出するキーワードや表現はありますか?
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「according to(〜によると)」「purpose(目的)」「suggest(提案する)」「recommend(推奨する)」「indicate(示す)」「imply(暗示する)」などの表現は頻出するため、意味を確実に理解しておくと役立ちます。
また、接続詞(however, therefore, in addition)なども文章の流れを理解する上で重要です。
まとめ

TOEICのPart7対策について、初心者の方向けに解説してきました。最後に重要なポイントをまとめます。
- Part7は54問あり、リーディングセクションの半分以上を占める最重要パート
- 理想的な時間配分は、Part5に10分、Part6に10分、Part7に55分
- Part7では1問あたり約1分のペースで解くことを目指す
- 設問を先に読み、何を探せばいいかを明確にすることが効率的
- 文書のフォーマットを理解し、必要な情報を素早く見つける訓練が大切
- 文書タイプ別(Eメール、広告、記事、チャットなど)の攻略法を把握する
- 基礎的な語彙力と読解スピードを向上させる継続的な学習が必要
- 本番と同じ時間配分で演習することが重要
- 初心者は全問解ききることよりも、確実に解ける問題を増やしていく方針で学習する
TOEICのPart7は確かに難関ですが、正しい方法で対策すれば、着実にスコアを上げることができます。
「問題を解きまくる」だけの対策ではなく、効率的な解き方のコツを身につけ、計画的に学習を進めていきましょう。
継続的な努力が必ず実を結びます。

