「Tongue-tied」は英語でよく使われる表現ですが、日本人学習者にとってはなじみが薄いかもしれません。この表現は主に「緊張や恥ずかしさのあまり言葉が出てこない状態」や「うまく話せなくなる状態」を表します。直訳すると「舌が縛られた」という意味になりますが、実際には心理的な要因で一時的に言葉が詰まる状況を指します。
本記事では、英語初学者向けに「tongue-tied」の意味や使い方、実際の例文を中学英語レベルでわかりやすく解説していきます。
「Tongue-tied」の基本的な意味

「Tongue-tied」は、緊張したり恥ずかしく感じたりして、一時的に話す能力を失ってしまう状態を表現するイディオムです。特に予期せぬ状況や重要な場面、あるいは好きな人や尊敬する人の前で起こりやすい現象です。日本語では「言葉に詰まる」「どもる」「口ごもる」などと訳されることが多いでしょう。
この表現は形容詞として使われることが多く、「be tongue-tied」という形で「言葉が出てこない状態である」ことを表します。また、「get tongue-tied」や「become tongue-tied」という形で「言葉につまる状態になる」という変化を表現することもできます。
「Tongue-tied」の語源と歴史的背景
「Tongue-tied」という表現の起源は実際の医学的な状態に由来しています。舌小帯短縮症(たんこうたいたんしゅくしょう)という、舌の下の組織が短く、舌の動きが制限される状態を指す言葉でした。この状態だと実際に話しづらくなるため、そこから比喩的に「話せない」状態を表す表現として使われるようになりました。
シェイクスピアの作品にも登場するなど、長い歴史を持つ表現で、16世紀にはすでに比喩的な意味で使われていたとされています。現代では主に心理的な理由で言葉に詰まる状態を表す表現として定着しています。
「Tongue-tied」の一般的な使い方
「Tongue-tied」は日常会話の中でよく使われる表現です。特に緊張する場面や、突然の出来事に言葉を失った時などに使われます。例えば、人前でのスピーチ、初対面の人との会話、好きな人と話すとき、面接の場面など、さまざまな状況で使用されます。
「I was tongue-tied」(私は言葉につまりました)や「She became tongue-tied」(彼女は言葉につまりました)のように、過去の経験を振り返る場面でよく使われます。また、「Don’t get tongue-tied during your presentation」(プレゼンテーション中に言葉につまらないように)のように、アドバイスとして使われることもあります。
緊張する場面での「Tongue-tied」
「Tongue-tied」は特に緊張する場面で多く使われます。例えば、大勢の前でスピーチをする時や、重要な会議での発言、面接での自己紹介など、プレッシャーを感じる状況で言葉に詰まることを表現するのに適しています。
このような場面では、事前の準備不足よりも、むしろ心理的な緊張によって言葉が出てこなくなる状態を指します。準備していたことが頭から消えてしまったり、何を言おうとしていたのか忘れてしまったりする状況です。
人間関係における「Tongue-tied」
「Tongue-tied」は人間関係の文脈でもよく使われます。特に好きな人や憧れの人、尊敬する人の前では、普段は流暢に話せる人でも言葉につまることがあります。このような状況は恋愛小説や映画でもよく描かれるシーンです。
また、初対面の人との会話でも緊張して「tongue-tied」になることがあります。何を話せばいいのかわからず、沈黙が続いてしまうような状況でも使用できる表現です。
「Tongue-tied」を使った例文
「Tongue-tied」を使った基本的な例文をいくつか紹介します。すべて中学英語レベルの簡単な文法と語彙を使用しています。
例文
- I was tongue-tied when I met my favorite singer.(私は大好きな歌手に会ったとき、あまりにも緊張して言葉が出ませんでした。)
- She gets tongue-tied whenever she has to speak in front of many people.(彼女は大勢の前で話さなければならないとき、いつも言葉につまります。)
- He became tongue-tied during the job interview.(彼は就職面接の間、言葉につまりました。)
- My friend is usually talkative, but she was tongue-tied yesterday.(私の友達はいつもおしゃべりですが、昨日は言葉に詰まっていました。)
- Don’t be tongue-tied when the teacher asks you a question.(先生が質問したとき、言葉に詰まらないようにしましょう。)
場面別の例文
さまざまな場面での「tongue-tied」の使い方を見てみましょう。
学校の場面
- I was tongue-tied when the teacher called on me unexpectedly.(先生に突然指名されたとき、私は言葉につまりました。)
- The new student was tongue-tied on his first day at school.(新しい生徒は学校の初日、言葉につまっていました。)
恋愛の場面
- Tom is always tongue-tied around the girl he likes.(トムは好きな女の子の周りではいつも言葉につまります。)
- I practiced what to say, but I got tongue-tied when I finally met her.(何を言うか練習したのに、ついに彼女に会ったとき言葉につまりました。)
日常生活の場面
- My grandfather gets tongue-tied when he tries to use new technology.(祖父は新しい技術を使おうとするとき、言葉につまります。)
- She was so surprised by the gift that she was tongue-tied for a moment.(彼女はそのプレゼントにとても驚いて、一瞬言葉を失いました。)
「Tongue-tied」と似た表現
英語には「言葉に詰まる」「話せなくなる」状態を表す表現がいくつかあります。「Tongue-tied」と似た表現を知ることで、より豊かな表現力が身につきます。
「Tongue-tied」は主に緊張や恥ずかしさによって一時的に言葉が出なくなる状態を表します。比較的カジュアルな表現で、日常会話でよく使われます。一方、似たような意味を持つ表現でも、微妙にニュアンスが異なる場合があるので注意が必要です。
「Lost for words」との比較
「Lost for words」(言葉を失う)は「Tongue-tied」と似ていますが、少し異なるニュアンスを持ちます。「Lost for words」は主に驚きや衝撃、感動などによって何も言えなくなる状態を表します。
例文
- I was lost for words when I saw the beautiful sunset.(美しい夕日を見て、私は言葉を失いました。)
- She was so kind to me that I was lost for words.(彼女はとても親切にしてくれたので、私は何と言っていいかわかりませんでした。)
「Speechless」との比較
「Speechless」(言葉を失った)も「言葉が出ない状態」を表しますが、こちらは主にポジティブな驚きやショック、感動によって話せなくなる状態を表します。
例文
- The beautiful view left me speechless.(その美しい景色に私は言葉を失いました。
- I was speechless when I heard the good news.(良いニュースを聞いて、私は言葉を失いました。)
「Tongue-tied」が主に緊張や恥ずかしさによるものなのに対し、「speechless」は驚きや感動によるものという違いがあります。
「Tongue-tied」に関するよくある質問
- 「Tongue-tied」は否定的な表現ですか?
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「Tongue-tied」自体は否定的な意味合いを持つわけではありません。多くの人が経験する自然な反応を表す表現です。ただし、「常に言葉につまる」という状態は、コミュニケーション上の課題として捉えられることもあります。
- 「Tongue-tied」は医学的な状態も指しますか?
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元々は医学的な状態(舌小帯短縮症)を指す言葉でしたが、現代では主に比喩的な意味で使われます。医学的な文脈では「ankyloglossia」という専門用語が使われることが多いです。
- 「Tongue-tied」を克服するにはどうすればいいですか?
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言葉につまる状態を克服するには、事前の準備や練習が効果的です。また、深呼吸をして落ち着くことや、自分の考えを整理するための短い沈黙を恐れないことも大切です。人前で話す機会を増やして慣れることも有効な方法です。
- 「Tongue-tied」と「stammer」や「stutter」との違いは何ですか?
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「Stammer」や「stutter」(どもる)は、話し方の障害を指す言葉で、特定の音や単語を繰り返したり、音を引き伸ばしたりする症状を表します。一方、「tongue-tied」は主に心理的な理由で一時的に言葉が出てこない状態を指します。
まとめ

「Tongue-tied」について学んだポイントをまとめます。
- 「Tongue-tied」は主に緊張や恥ずかしさから言葉につまる状態を表す表現である。
- 直訳すると「舌が縛られた」という意味だが、心理的な理由で話せなくなる状態を指す。
- 「be tongue-tied」「get tongue-tied」「become tongue-tied」などの形で使われる。
- 元々は医学的な状態(舌小帯短縮症)を指していたが、現在は比喩的な意味で使われる。
- 人前でのスピーチ、好きな人との会話、面接など、緊張する場面でよく使われる。
- 「lost for words」や「speechless」など、似た表現と比較することで、より適切な使い分けができる。
- 中学英語レベルの簡単な文でも「tongue-tied」を使った表現が可能である。
「Tongue-tied」は誰にでも起こりうる自然な反応を表す便利な表現です。この表現を知っておくことで、「緊張して言葉が出なかった」という経験を英語で簡潔に伝えることができるようになります。
日常会話やライティングで積極的に使ってみましょう。