「Touch base」は英語のビジネスシーンでよく使われるイディオムです。日本人にとっては馴染みがないかもしれませんが、グローバルなビジネス環境では頻繁に耳にする表現です。
この記事では、「Touch base」の意味や使い方、そして実際の例文を通して、英語初学者でも理解しやすいように解説します。英会話やビジネスメールで自信を持って使えるようになりましょう。
「Touch base」の基本的な意味

「Touch base」は、簡単に言えば「連絡を取る」「状況を確認する」という意味のイディオムです。特にビジネスの文脈では、「進捗状況を確認するために短い打ち合わせをする」「最新情報を共有するために連絡する」といったニュアンスを持ちます。
この表現は、一時的に途切れていた連絡を再開したり、プロジェクトの進行状況を確認したりする際によく使われます。形式ばった長い会議というよりは、短時間の情報交換や確認のためのコミュニケーションを指すことが多いです。
ビジネスシーンでの「Touch base」
ビジネスの場面では、「Touch base」は効率的なコミュニケーションのための重要な表現です。プロジェクトの進行状況を把握したい上司が部下に対して使ったり、チームメンバー間で情報を共有する際に用いられたりします。
また、クライアントとの関係維持のために定期的に連絡を取る際にも「Touch base」という表現が適しています。関係を維持するための軽いコミュニケーションを意味することもあります。
「Touch base」の語源と背景
「Touch base」という表現は、アメリカの国民的スポーツである野球に由来しています。野球では、走者がベースに触れることを「touch base」と言います。特に、ホームベースに帰ってくることで1点を獲得するルールがあります。
野球用語からビジネス用語へ
野球では、走者がベースに触れることで安全圏内にいることを示します。この概念がビジネス用語として転用され、「定期的に連絡を取ることで関係性を安全に保つ」という意味合いになりました。
アメリカの企業文化では、この表現が1970年代頃からビジネスシーンで広く使われるようになり、今では英語圏のビジネスコミュニケーションでは欠かせない表現となっています。
「Touch base」の使い方と適切なシーン
「Touch base」は様々なビジネスシーンで活用できる便利な表現です。使い方によって少しニュアンスが変わることもあるため、状況に合わせた適切な使用方法を理解しておきましょう。
ビジネスメールでの使い方
ビジネスメールでは、「Touch base」は特に便利な表現です。例えば、しばらく連絡を取っていなかった取引先に対して「Let me touch base with you about our project」(プロジェクトについて状況確認のご連絡をします)のように使えます。
また、将来の連絡予定を伝える際にも「I’ll touch base with you next week」(来週ご連絡します)のように使うことができます。この表現は、フォーマルすぎず、かといってカジュアルすぎない、丁度良い丁寧さを持っています。
対面やオンラインミーティングでの使い方
会議や打ち合わせの場では、「Let’s touch base on the marketing strategy」(マーケティング戦略について確認しましょう)のように、議題を提案する際に使うことができます。
また、定期的なチームミーティングを「weekly touch base meeting」(週次の状況確認ミーティング)と呼ぶこともあります。短時間で効率的に情報共有を行うミーティングのニュアンスがあります。
「Touch base」を使った例文
実際の会話やメールで「Touch base」がどのように使われるのか、具体的な例文を見てみましょう。これらの例文は、日常的なビジネスシーンでよく使われるパターンです。
上司との会話での例文
例文
- 上司:I’d like to touch base with you about the client presentation tomorrow.(明日のクライアントプレゼンについて確認したいです。)
- あなた:Sure, I have the latest version ready. Let’s go through it.(はい、最新版の準備ができています。一緒に確認しましょう。)
同僚との会話での例文
例文
- あなた:Can we touch base on the marketing campaign before the deadline?(締切前にマーケティングキャンペーンについて確認できますか?)
- 同僚:Absolutely. How about this afternoon around 3?(もちろん。今日の午後3時頃はどうですか?)
ビジネスメールでの例文
件名:Touching base about the quarterly report
- I hope this email finds you well. I wanted to touch base regarding the quarterly report due next week. How is the data collection progressing? Let me know if you need any support from my team.
(お元気でしょうか。来週締め切りの四半期報告書について確認のご連絡をしています。データ収集の進捗はいかがでしょうか?私のチームからのサポートが必要であればお知らせください。)
「Touch base」の類似表現と違い
「Touch base」に似た表現はいくつかありますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。使い分けることで、より適切なコミュニケーションが可能になります。
「Check in」との違い
「Check in」も「状況を確認する」という意味ですが、より広い場面で使えます。例えば、友人の体調を気遣う場合や、ホテルに到着した時にも使えます。一方、「Touch base」はより具体的なビジネスの文脈で使われることが多いです。
例文
- Check in: I wanted to check in and see how you’re feeling after surgery.(手術後の調子を確認したいと思いました。)
- Touch base: Let’s touch base about the project timeline.(プロジェクトのスケジュールについて確認しましょう。)
「Follow up」との違い
「Follow up」は特定の話題や問題について継続的に対応することを意味します。前回の会話や決定事項に基づいて行動するニュアンスがあります。
例文
- Follow up: I’ll follow up on our discussion about the budget increase.(予算増額についての議論についてフォローアップします。)
- Touch base: Let’s touch base regularly to ensure we’re on the same page.(定期的に連絡を取って認識を合わせておきましょう。)
「Touch base」に関するよくある質問
「Touch base」について、英語学習者からよく寄せられる質問に答えていきます。これらの疑問を解消することで、より自信を持って表現を使いこなせるようになるでしょう。
- 「Touch base」はフォーマルな表現ですか?
-
「Touch base」はビジネス英語としては一般的な表現ですが、厳密にはセミフォーマルな表現です。非常に改まった場面よりも、ある程度関係が構築されている相手との会話やメールで使うのが適切です。完全にカジュアルすぎず、かといって堅苦しすぎないバランスの良い表現です。
- 日本語に完全に訳せる表現はありますか?
-
「Touch base」を一言で完璧に訳すのは難しいですが、文脈によって「連絡を取る」「状況確認をする」「打ち合わせる」「進捗を確認する」などと訳すことができます。日本語には完全に対応する慣用句がないため、状況に応じた訳し方をする必要があります。
- 「Let’s touch base」と「I’ll touch base with you」の違いは?
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「Let’s touch base」は「一緒に確認しましょう」という提案の形になり、互いにコミュニケーションを取ることを提案しています。一方、「I’ll touch base with you」は「私からあなたに連絡します」という約束の形になります。主体が「私たち」か「私」かの違いがあります。
まとめ

今回の記事では「Touch base」について詳しく解説しました。ポイントをまとめると、
- 「Touch base」は「連絡を取る」「状況を確認する」という意味のビジネス英語
- 野球から派生した表現で、定期的に連絡を取り合うことを意味する
- ビジネスメールや短い打ち合わせの提案に最適な表現
- セミフォーマルな表現で、ある程度関係性ができている相手に使うのが適切
- 「Check in」や「Follow up」など似た表現とは微妙にニュアンスが異なる
- 文脈によって使い方や訳し方が変わるため、状況に応じた使い分けが重要
- 初学者でも「Let’s touch base next week」(来週連絡しましょう)のように簡単に使い始められる
「Touch base」を適切に使えるようになれば、ビジネス英語の表現力が格段に向上します。日常的なビジネスコミュニケーションの中で積極的に取り入れてみることをおすすめします。
最初は少し練習が必要かもしれませんが、徐々に自然と使えるようになるでしょう。