「Turn a blind eye」は英語の日常会話やビジネスシーンでよく使われる慣用句です。この表現は「意図的に見て見ぬふりをする」「問題を故意に無視する」という意味を持ち、様々な状況で使われます。
今回は、英語初学者の方でも理解しやすいように、この表現の意味や使い方、さらに実用的な例文を詳しく解説していきます。
「Turn a blind eye」の基本的な意味

「Turn a blind eye」とは、直訳すると「盲目の目を向ける」という意味ですが、実際には「意図的に見て見ぬふりをする」「何かを故意に無視する」という意味で使われる慣用句です。つまり、本来なら気づくべき問題や状況に対して、わざと気づかないふりをすることを表現しています。
この表現は、何か不都合なことや問題があるにもかかわらず、それを認めたくない時や対処したくない時に使われることが多いです。日本語では「見て見ぬふりをする」「知らんぷりをする」などの表現に近い意味を持っています。
日常生活での使用例
私たちの日常生活では、様々な場面でこの表現が使われます。例えば、友人の小さなミスに対して意図的に指摘しない場合や、家族の些細な欠点を大目に見る時などです。
また、職場での同僚の軽微な過失を見過ごす状況でも使うことができます。
ビジネスシーンでの使用例
ビジネスの世界では、この表現はしばしばネガティブな文脈で使われることがあります。例えば、会社の問題点を経営陣が無視する場合や、チーム内の課題に対してリーダーが対処しないケースなどです。
企業倫理や法令遵守の観点からも重要な表現として認識されています。
「Turn a blind eye」の語源と歴史
この慣用句には興味深い歴史的背景があります。最も広く知られている説明によると、1801年のコペンハーゲンの戦いの際、イギリス海軍提督のホレイショ・ネルソンにまつわるエピソードが起源とされています。
ネルソン提督は片目が不自由だったとされており、上官からの撤退信号を見たときに、意図的に望遠鏡を見えない方の目に当て「信号が見えない」と言って戦闘を続行したと言われています。このエピソードから「故意に見ないふりをする」という意味で「Turn a blind eye」という表現が生まれたと考えられています。
現代での普及
現代では、この表現は文学作品や映画、ニュースなど様々なメディアで使用されています。特に社会問題や政治的な文脈で、「問題を無視する」という意味合いで頻繁に登場します。
日常会話からフォーマルな文章まで幅広く使われる便利な表現です。
「Turn a blind eye」の具体的な使い方
「Turn a blind eye」は通常、「turn a blind eye to something」という形で使われることが多いです。「to」の後には無視する対象となる問題や状況が続きます。
また、過去形の「turned a blind eye」や現在進行形の「turning a blind eye」としても使うことができます。
基本的な文型パターン
例文
- 主語 + turn a blind eye + to + 名詞/動名詞
例:She turns a blind eye to his mistakes.
(彼女は彼のミスを見て見ぬふりをします。) - 主語 + cannot/could not + turn a blind eye + to + 名詞/動名詞
例:I cannot turn a blind eye to this problem anymore.
(もうこの問題を無視し続けることはできません。) - 主語 + be + turning a blind eye + to + 名詞/動名詞
例:They are turning a blind eye to the pollution.
(彼らは汚染問題を無視しています。)
「Turn a blind eye」の実用的な例文
「Turn a blind eye」をより理解するために、実際の会話や文章で使われる例文を見てみましょう。中学英語レベルの簡単な例文を通して、この表現の使い方をマスターしましょう。
日常会話での例文
例文
- My mother turns a blind eye to my messy room.
(母は私の散らかった部屋を見て見ぬふりをします。) - The teacher turned a blind eye when Tom was using his phone.
(先生はトムが携帯電話を使っているとき見て見ぬふりをしました。) - We cannot turn a blind eye to the problems in our school.
(私たちは学校の問題を無視することはできません。) - My friend turns a blind eye to my small mistakes.
(友達は私の小さなミスを大目に見てくれます。) - His parents are turning a blind eye to his bad grades.
(彼の両親は彼の悪い成績を無視しています。)
ビジネスシーンでの例文
例文
- The manager turns a blind eye to employees coming late.
(マネージャーは従業員の遅刻を見て見ぬふりをしています。) - We should not turn a blind eye to safety issues.
(安全上の問題を無視すべきではありません。) - Many companies turned a blind eye to environmental problems.
(多くの企業は環境問題を無視してきました。) - The boss is turning a blind eye to the office conflict.
(上司はオフィスの対立を無視しています。) - I cannot turn a blind eye to your hard work.
(あなたの努力を見過ごすことはできません。)
「Turn a blind eye」と類似表現の比較
英語には「無視する」や「見て見ぬふりをする」という意味を持つ表現がいくつかあります。
「Turn a blind eye」と似た意味を持つ表現との違いを理解することで、より適切に使い分けることができるようになります。
「Ignore」との違い
「Ignore」は単純に「無視する」という意味で、必ずしも意図的に見ないふりをするというニュアンスは含まれていません。
一方、「Turn a blind eye」は問題や状況を認識しながらも、意図的に対応しないという意味合いが強いです。
例文
- He ignores my messages.(彼は私のメッセージを無視します。)
- He turns a blind eye to my messages.(彼は私のメッセージを見て見ぬふりをします。)
「Look the other way」との類似点
「Look the other way」も「Turn a blind eye」と非常に似た意味を持ち、「(問題から)目を背ける」「見て見ぬふりをする」という意味です。
どちらも意図的に無視するというニュアンスを持っており、多くの場合は互換的に使うことができます。
例文
- The police turned a blind eye to the crime.(警察はその犯罪を見て見ぬふりをした。)
- The police looked the other way when the crime happened.(警察はその犯罪が起きたとき目を背けた。)
「Turn a blind eye」に関するよくある質問
ここでは、「Turn a blind eye」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめています。
- 「Turn a blind eye」はネガティブな表現ですか?
-
基本的に、「Turn a blind eye」は中立的な表現ですが、使われる文脈によってはネガティブな意味合いを持つことが多いです。特に、責任や義務を果たすべき立場の人が問題を無視する場合には、批判的なニュアンスで使われることが一般的です。
- 「Turn a blind eye」を丁寧な表現に言い換えるには?
-
よりフォーマルな場面や丁寧な表現にしたい場合は、「choose not to address」(対処しないことを選ぶ)、「disregard」(無視する)、「overlook」(見過ごす)などの表現を使うことができます。
- 「Turn a blind eye to」の後には何が来ますか?
-
通常、「to」の後には無視する対象となる名詞や動名詞が来ます。例えば「turn a blind eye to the problem」(問題を無視する)、「turn a blind eye to cheating」(カンニングを見て見ぬふりをする)などです。
- 日常会話でよく使われる表現ですか?
-
はい、「Turn a blind eye」は日常会話でもビジネスシーンでも広く使われる表現です。特に社会問題や職場の問題について話す際によく使われます。
まとめ

「Turn a blind eye」について学んだポイントを簡単にまとめます。
- 「Turn a blind eye」は「意図的に見て見ぬふりをする」「故意に問題を無視する」という意味の慣用句である。
- この表現の起源は、イギリス海軍提督ネルソンが意図的に信号を見なかったというエピソードとされている。
- 基本的な使い方は「turn a blind eye to + 名詞/動名詞」の形で使う。
- 日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる表現である。
- 単なる「無視」とは異なり、問題を認識しながらも対応しないというニュアンスがある。
- 類似表現として「look the other way」がある。
- 多くの場合、neutral〜slightly negativeのニュアンスで使われることが多い。
- 中学英語レベルの簡単な文でも効果的に使うことができる便利な表現である。
英語の慣用句は文化的背景を理解することで、より効果的に使うことができます。「Turn a blind eye」は日常会話で頻出する表現なので、ぜひ実際の会話で使ってみてください。
正しい文脈で使えるようになれば、あなたの英語表現の幅が広がること間違いありません。