「turn down」は英語の日常会話でよく使われる表現ですが、複数の意味を持っているため、英語初学者にとっては少し混乱するかもしれません。
この記事では、「turn down」の基本的な意味から実際の使い方、さらには類似表現との違いまで、わかりやすく解説します。中学英語レベルの例文もたくさん紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「turn down」とは

「turn down」は「動詞+副詞」の組み合わせからなる句動詞(フレーズバーブ)です。英語には、基本の動詞に前置詞や副詞を組み合わせることで、元の意味と全く異なる意味を作り出す表現がたくさんあります。「turn down」もそのひとつで、「turn(回す・向ける)」と「down(下へ)」を組み合わせた表現です。
この表現は主に3つの意味で使われます。音量や温度などを下げること、提案や申し出を断ること、そして何かを折り曲げることです。日常会話で特によく使われるのは最初の2つの意味です。それぞれの使い方について、詳しく見ていきましょう。
「turn down」の基本的な意味
「turn down」には大きく分けて3つの意味があります。それぞれの意味と使い方について、例文とともに解説します。
音量・温度などを下げる
最もよく使われる意味のひとつが、「音量や温度、明るさなどを下げる」という意味です。何かのレベルを下げるときに使います。
例文
- Can you turn down the TV? It’s too loud.(テレビの音を下げてくれませんか?うるさすぎます。)
- Please turn down the air conditioner. I’m cold.(エアコンの温度を下げてください。寒いです。)
- My mother asked me to turn down my music.(母が音楽の音量を下げるように言いました。)
- He turned down the light because it was too bright.(明るすぎたので、彼は明かりを暗くしました。)
- The teacher turned down the heater in the classroom.(先生は教室の暖房を弱くしました。)
この用法では、何かの設定や強さを調整して弱くする・小さくするという意味で使います。家電や機器の調整によく使われます。
提案や申し出を断る
もうひとつよく使われる意味が、「提案や申し出、招待などを断る・拒否する」という意味です。何かの申し出やオファーに対して「いいえ」と言うときに使います。
例文
- She turned down my invitation to the party.(彼女は私のパーティーへの招待を断りました。)
- I turned down the job offer because the salary was too low.(給料が低すぎたので、その仕事のオファーを断りました。)
- He asked her to marry him, but she turned him down.(彼は彼女にプロポーズしましたが、彼女は断りました。)
- The company turned down our proposal.(その会社は私たちの提案を却下しました。)
- I can’t turn down free food!(無料の食べ物は断れません!)
この意味で使うとき、断る対象が人の場合は「turn someone down」、物や提案の場合は「turn down something」という形で使います。
折り曲げる・折り返す
あまり頻繁には使われませんが、「turn down」には「何かを折り曲げる・折り返す」という意味もあります。特に衣類や書類などを折る場合に使われます。
例文
- Turn down the corner of the page to mark where you stopped reading.(読むのをやめたところにマークするために、ページの角を折り曲げてください。)
- She turned down the collar of her coat.(彼女はコートの襟を折り返しました。)
- Don’t forget to turn down your sleeves before the meeting.(会議の前に袖を折り返すのを忘れないでください。)
- He turned down the blanket before getting into bed.(彼はベッドに入る前に毛布を折り返しました。)
- The hotel staff turned down the beds every evening.(ホテルのスタッフは毎晩ベッドの準備をしました。)
この意味では文字通り「下向きに折る」というイメージで使われます。ホテルでは「turn down service」と呼ばれるベッドメイクのサービスもあります。
実際の会話での「turn down」の使い方
「turn down」は日常会話でよく使われる表現です。実際の会話でどのように使われるのか、いくつかの会話例を見てみましょう。
音量を下げる場面での会話例
会話例1
- A: The music is too loud. I can’t hear you.(音楽がうるさすぎて、あなたの声が聞こえません。)
- B: Sorry, I’ll turn it down.(ごめんなさい、音量を下げます。)
会話例2
- A: Can you turn down the volume a little bit? The baby is sleeping.(少し音量を下げてもらえますか?赤ちゃんが寝ています。)
- B: Oh, I didn’t know. I’ll turn it down right away.(知りませんでした。すぐに下げます。)
提案を断る場面での会話例
会話例1
- A: Would you like to go to the movies this weekend?(今週末、映画に行きませんか?)
- B: I’m sorry, but I have to turn down your offer. I have a lot of homework.(申し訳ありませんが、お誘いを断らなければなりません。宿題がたくさんあるんです。)
会話例2
- A: Did you accept the job at the new company?(新しい会社の仕事を受け入れましたか?)
- B: No, I turned it down. The location was too far from my home.(いいえ、断りました。場所が家から遠すぎました。)
これらの会話例からわかるように、「turn down」は日常的なシチュエーションでよく使われます。特に音量調節や誘いを断るような場面で頻繁に登場する表現です。
「turn down」を使った便利なフレーズ
「turn down」を含む便利なフレーズをいくつか紹介します。これらのフレーズを覚えておくと、日常会話で役立ちます。
turn down the volume(音量を下げる)
最も一般的な使い方のひとつで、テレビやラジオ、音楽プレーヤーなどの音量を下げる時に使います。
例文
- Please turn down the volume of your game. It’s disturbing others.(ゲームの音量を下げてください。他の人の迷惑になっています。)
turn down an offer(申し出を断る)
仕事や誘いなどの申し出を断る時によく使います。
例文
- I had to turn down an offer to study abroad.(留学のオファーを断らなければなりませんでした。)
turn down a request(要求を断る)
何かを頼まれたけれど、それを断る時に使います。
例文
- My friend asked to borrow money, but I had to turn down his request.(友達がお金を借りたいと言いましたが、その要求を断らなければなりませんでした。)
turn down the heat/air conditioning(暖房/エアコンを弱くする)
室温調節に関して使う便利なフレーズです。
例文
- It’s too hot in here. Could you turn down the heat?(ここは暑すぎます。暖房を弱くしてもらえますか?)
turn someone down flat(きっぱりと断る)
「flat」を加えることで、「はっきりと・きっぱりと断る」というニュアンスが加わります。
例文
- He asked her out, but she turned him down flat.(彼は彼女をデートに誘いましたが、彼女はきっぱりと断りました。)
「turn down」と似ている表現
「turn down」と似た意味を持つ表現はいくつかありますが、それぞれニュアンスや使い方に違いがあります。特に「断る」という意味で似ている表現について比較してみましょう。
「refuse」との違い
「refuse」も「断る」という意味ですが、「turn down」よりもフォーマルで、より強い拒絶のニュアンスがあります。
例文比較
- I turned down his invitation because I was busy.(忙しかったので、彼の招待を断りました。)【カジュアル】
- I refused his invitation because I was busy.(忙しかったので、彼の招待を拒否しました。)【やや強い拒絶】
「refuse」は「断固として拒む」というニュアンスがあり、「turn down」よりもやや強い表現です。「turn down」の方がソフトな断り方をするときに適しています。
「decline」との違い
「decline」は「丁寧に断る」というニュアンスがあり、ビジネスシーンなどフォーマルな場面でよく使われます。
例文比較
- I turned down the job offer from that company.(その会社からの仕事のオファーを断りました。)【カジュアル】
- I declined the job offer from that company.(その会社からの仕事のオファーを辞退しました。)【フォーマル】
「decline」は「turn down」よりも丁寧でフォーマルな表現です。ビジネスの場や公式な文書で使われることが多いです。
「reject」との違い
「reject」は「拒絶する・却下する」という強いニュアンスがあり、提案やアイデアなどを完全に却下するような場面で使われます。
例文比較
- The committee turned down our proposal.(委員会は私たちの提案を断りました。)【カジュアル】
- The committee rejected our proposal.(委員会は私たちの提案を却下しました。)【強い拒絶】
「reject」は「完全に拒絶する」というニュアンスがあり、「turn down」よりも強い表現です。
「lower」との違い
「音量などを下げる」という意味では、「lower」という表現も使われます。
例文比較
- Please turn down the TV.(テレビの音を下げてください。)【カジュアル】
- Please lower the volume of the TV.(テレビの音量を下げてください。)【やや正式】
「lower」は「下げる」というシンプルな意味で、「turn down」よりもやや正式な場面で使われることが多いです。「turn down」は日常会話でより一般的です。
「turn down」を使う際の注意点
「turn down」を正しく使いこなすためには、いくつかの文法的な注意点があります。ここでは、「turn down」を使う際によく見られる間違いや注意点について解説します。
代名詞を使う場合の語順
「turn down」に代名詞(me, you, him, her, it など)を使う場合、代名詞は必ず「turn」と「down」の間に入れる必要があります。
正しい例
- She turned him down.(彼女は彼を断りました。)
- I can’t turn it down.(それを断ることはできません。)
間違った例
- ❌ She turned down him.
- ❌ I can’t turn down it.
名詞を使う場合の語順
名詞(invitation, music, offer など)を使う場合は、「turn down + 名詞」の形でも「turn + 名詞 + down」の形でも両方使えます。
どちらも正しい例
- I turned down the offer. = I turned the offer down.
(そのオファーを断りました。) - Can you turn down the music? = Can you turn the music down?
(音楽の音量を下げてもらえますか?)
過去形と過去分詞形
「turn down」の過去形は「turned down」、過去分詞も「turned down」です。
例文
- I turned down his invitation yesterday.(昨日、彼の招待を断りました。)【過去形】
- I have turned down many job offers before.(以前、多くの仕事のオファーを断ったことがあります。)【現在完了形】
受動態での使い方
「turn down」は受動態でも使うことができます。特に「断られる」という意味でよく使われます。
例文
- My proposal was turned down by the committee.(私の提案は委員会に却下されました。)
- He was turned down for the job.(彼はその仕事を断られました。)
「turn down」に関するよくある質問
ここでは、「turn down」に関してよくある質問とその回答をまとめました。
- 「turn down」と「turn off」の違いは何ですか?
-
「turn down」は音量や温度などを「下げる・弱くする」という意味で、完全に消すわけではありません。一方、「turn off」は「完全に切る・消す」という意味です。
- Turn down the TV.(テレビの音量を下げてください。)【音量を小さくする】
- Turn off the TV.(テレビを消してください。)【完全に電源を切る】
- 「turn down」は丁寧な断り方ですか?
-
「turn down」自体は中立的な表現ですが、「decline」や「respectfully decline」などの表現と比べるとやや直接的です。丁寧に断りたい場合は、「I’m afraid I have to turn down your offer」(申し訳ありませんが、あなたのオファーを断らなければなりません)のように、丁寧な言葉と組み合わせるとよいでしょう。
- 「turn down for what」というフレーズはどういう意味ですか?
-
「Turn Down For What」は2013年のDJ SnakeとLil Jonによる人気曲のタイトルであり、「何のために音量を下げるの?」という意味です。パーティーなどで盛り上がっている時に、音楽の音量を下げる理由がないという意味で使われます。この曲のヒットにより、このフレーズは若者の間で流行語にもなりました。
- 「turn down」を使って「価格を下げる」と言えますか?
-
「価格を下げる」という意味では一般的に「turn down」は使いません。「価格を下げる」場合は「lower the price」、「reduce the price」、「bring down the price」などの表現を使います。
- 「turn down」の反対語は何ですか?
-
「turn down」の反対語は文脈によって異なります。
- 「音量を下げる」の反対は「turn up」(音量を上げる)
- 「断る」の反対は「accept」(受け入れる)
- 「折り曲げる」の反対は「unfold」(広げる)
- 「turn down」は常に2語で使うのですか?
-
はい、「turn down」は常に2語で使います。「turndown」と1語にすることはありません。ただし、名詞として「a turndown」(断り・拒否)という形で使うことはあります。例えば、「I received a turndown from the company.」(その会社から断りの返事をもらいました。)
- 「turn down」はビジネスの場でも使えますか?
-
「turn down」はややカジュアルな表現ですが、ビジネスの場でも使われることはあります。ただし、より正式な場面では「decline」や「reject」などの表現の方が適切かもしれません。
まとめ

この記事では、英語表現「turn down」の意味と使い方について詳しく解説しました。「turn down」の主なポイントをまとめると、
- 「turn down」には主に3つの意味があります
- 音量・温度などを下げる・弱くする
- 提案や申し出を断る・拒否する
- 何かを折り曲げる・折り返す
- 代名詞を使う場合は、必ず「turn」と「down」の間に入れます(例:turn it down)。
- 名詞を使う場合は、「turn down + 名詞」または「turn + 名詞 + down」の両方の形が可能です。
- 「turn down」に似た表現としては
- refuse(より強い拒絶)
- decline(よりフォーマルな断り)
- reject(完全な却下)
- lower(下げる、よりフォーマル)
- 「turn down」は日常会話でよく使われるカジュアルな表現です。
- 断る場合の「turn down」は、「decline」や「refuse」に比べると柔らかい印象を与えます。
- 「音量を下げる」という意味の「turn down」は「turn off(消す)」とは異なり、完全に消すわけではなく、レベルを下げるという意味です。
英語の句動詞はネイティブスピーカーが日常会話で頻繁に使う表現なので、「turn down」のような基本的な句動詞を覚えておくと、自然な英語表現ができるようになります。例文を参考にしながら、実際の会話の中で使ってみてください。
英語学習は継続が大切です。「turn down」のような便利な表現を少しずつ増やしていくことで、英語力は確実に向上していきます。この記事が皆さんの英語学習の助けになれば幸いです。