英語で「下手」を表現したいとき、どんな単語を使えば良いでしょうか?単に「下手」と言っても、状況や対象によって適切な表現は異なります。人の能力が不足している場合や、動作がぎこちない場合、または経験が足りない場合など、様々な「下手さ」に対応する英単語が存在します。
この記事では、「下手」を表す様々な英単語の意味や特徴、使い分けについて詳しく解説します。適切な表現を身につけて、より豊かな英語表現ができるようになりましょう。
「下手」を表す英単語

英語には「下手」を表す様々な表現があります。状況や対象によって適切な単語が異なりますので、それぞれの意味と用法を理解することが大切です。
以下に代表的な「下手」を表す英単語を紹介します。
「下手」を表す英単語
- unskilled(アンスキルド)- 技術や訓練を受けていない、熟練していない
- inept(イネプト)- 不器用な、無能な、適切に行動できない
- clumsy(クラムジー)- 動きがぎこちない、不器用な
- incompetent(インコンピテント)- 無能な、必要な能力や資格が欠けている
- awkward(オークワード)- ぎこちない、不自然な、居心地の悪い
- bungling(バングリング)- 下手くそな、へまをする
- inexpert(インエキスパート)- 熟練していない、専門知識や経験が不足している
- amateurish(アマチュアリッシュ)- 素人っぽい、プロフェッショナルでない
- maladroit(マラドロワ)- 不器用な、下手な
- useless(ユースレス)- 役に立たない、特定のスキルが全くない
- hopeless(ホープレス)- 絶望的に下手な、改善の見込みがない
- uncoordinated(アンコーディネイテッド)- 動きに協調性がない、ぎこちない
- ungainly(アンゲインリー)- 不格好な、ぎこちない
これらの単語はそれぞれ微妙にニュアンスが異なります。次のセクションでは、各単語の詳しい意味や使い方について説明します。
「下手」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
「下手」を表す英単語にはそれぞれ独自の特徴があります。ここでは、各単語の発音、意味、使い分けのポイント、そして実際の例文を紹介します。状況に応じて適切な単語を選べるようになりましょう。
unskilled(アンスキルド)
意味と特徴
unskilled は「技術や訓練を受けていない」「熟練していない」状態を表します。特に仕事や職業に関連して使われることが多く、専門的な技能や知識が不足していることを意味します。主に職業や労働に関する文脈で使用され、「未熟練の」「非熟練の」という意味合いがあります。
使い分けのポイント
この単語は主に職業的な技能の欠如を表現する時に使います。一般的な「下手さ」というよりも、特定の分野での訓練や経験の不足を示します。労働市場や仕事の文脈で、特定のスキルを持たない人を表現する際によく使われます。
例文
- He is an unskilled worker in the factory.(彼は工場の未熟練労働者です。)
- Many unskilled jobs are being replaced by robots.(多くの非熟練の仕事はロボットに置き換えられています。)
- I am unskilled in computer programming.(私はコンピュータープログラミングが未熟です。)
inept(イネプト)
意味と特徴
inept は「不器用な」「無能な」「適切に行動できない」ことを表します。特定のタスクや状況に対して能力が不足していることを意味し、否定的なニュアンスを持っています。何かをうまくこなせない状態を表現する際に使われます。
使い分けのポイント
何かを行う能力の欠如を強調したい時に使います。特に期待されるスキルや能力を持っていない場合に適しています。単なる未熟さではなく、適切に対応できないという意味合いが強いです。
例文
- He is inept at cooking.(彼は料理が下手です。)
- The team lost because of their inept performance.(チームは下手なパフォーマンスのために負けました。)
- I feel inept when I try to speak English.(英語を話そうとすると自分が下手だと感じます。)
clumsy(クラムジー)
意味と特徴
clumsy は「動きがぎこちない」「不器用な」ことを表します。主に身体的な不器用さを指し、動作がスムーズでない、または物を落としたりつまずいたりする傾向がある場合に使われます。物理的な動きの不器用さを強調します。
使い分けのポイント
物理的な動作の不器用さを表現したい時に使います。特に手先の器用さや身体の動きに関する不器用さを表現するのに適しています。物を壊したり、つまずいたりするような物理的な失敗を表現する際によく使われます。
例文
- I am clumsy with my hands.(私は手先が不器用です。)
- The clumsy boy broke his mother’s favorite cup.(その不器用な少年は母親のお気に入りのカップを壊しました。)
- She made a clumsy attempt to catch the ball.(彼女はぎこちなくボールを取ろうとしました。)
incompetent(インコンピテント)
意味と特徴
incompetent は「無能な」「必要な能力や資格が欠けている」ことを表します。職業的な文脈でよく使われ、期待される能力や役割を果たせないことを意味します。責任を果たす能力がないことを強調し、否定的なニュアンスが強いです。
使い分けのポイント
責任を果たす能力がないことを強調したい時に使います。特に専門的な仕事や重要な役割に関して、必要な能力や資格の深刻な欠如を示す場合に適しています。職業や責任に関連する文脈で多く使われます。
例文
- The manager was incompetent and lost his job.(そのマネージャーは無能でクビになりました。)
- I feel incompetent when I try to fix my computer.(コンピューターを修理しようとすると自分が無能だと感じます。)
- An incompetent teacher cannot help students learn.(無能な教師は生徒の学習を助けることができません。)
awkward(オークワード)
意味と特徴
awkward は「ぎこちない」「不自然な」「居心地の悪い」状態を表します。身体的な不器用さだけでなく、社会的な場面での不自然さや居心地の悪さも表現できます。状況や人間関係のぎこちなさも含む幅広い意味を持ちます。
使い分けのポイント
身体的な不器用さだけでなく、社会的な場面での居心地の悪さや不自然さも表現したい時に使います。人間関係や会話のぎこちなさ、社会的状況での不快感なども表現できる点が特徴です。
例文
- I feel awkward at parties.(パーティーでは居心地が悪いです。)
- He made an awkward movement and fell down.(彼はぎこちない動きをして転びました。)
- That was an awkward situation for everyone.(それは皆にとって居心地の悪い状況でした。)
bungling(バングリング)
意味と特徴
bungling は「下手くそな」「へまをする」ことを表します。特にミスを繰り返す、物事を下手に行うことを意味し、失敗やミスを強調する表現です。不器用さからくる失敗や混乱を表現します。
使い分けのポイント
不器用さからくる失敗やミスを強調したい時に使います。特にミスを繰り返すような状況や、下手なやり方で物事を行う様子を表現する際に適しています。しばしば否定的なニュアンスを持ちます。
例文
- His bungling attempt at repair made the problem worse.(彼の下手くそな修理の試みで問題が悪化しました。)
- The bungling thief was caught quickly.(その下手くそな泥棒はすぐに捕まりました。)
- I am bungling my way through this math problem.(私はこの数学の問題を何とか下手に解いています。)
inexpert(インエキスパート)
意味と特徴
inexpert は「熟練していない」「専門知識や経験が不足している」ことを表します。特定の分野での経験や知識が十分でないことを意味し、プロフェッショナルレベルに達していないことを示します。完全に無能というよりも、単に専門的でないことを表します。
使い分けのポイント
経験や専門知識の欠如を表現したい時に使います。特に熟練を要する分野での未熟さや専門性の欠如を示す場合に適しています。否定的なニュアンスはあまり強くなく、単に専門家ではないという意味合いが強いです。
例文
- His inexpert driving made me nervous.(彼の未熟な運転で私は緊張しました。)
- I am inexpert at playing the piano.(私はピアノを弾くのが未熟です。)
- The job was done in an inexpert way.(その仕事は未熟なやり方で行われました。)
amateurish(アマチュアリッシュ)
意味と特徴
amateurish は「素人っぽい」「プロフェッショナルでない」ことを表します。プロの質や水準に達していない、未熟な仕上がりを意味します。特に芸術、スポーツ、仕事などの分野での未熟さを表現する際に使われます。
使い分けのポイント
プロのような質やスキルが欠けていることを表現したい時に使います。特に出来栄えや仕上がりの質に焦点を当てる場合に適しています。必ずしも強い否定的なニュアンスを持つわけではなく、単に専門家レベルではないことを示します。
例文
- The painting looks amateurish.(その絵は素人っぽく見えます。)
- His amateurish attempt at singing made everyone smile.(彼の素人っぽい歌唱の試みは皆を微笑ませました。)
- The website has an amateurish design.(そのウェブサイトは素人っぽいデザインです。)
maladroit(マラドロワ)
意味と特徴
maladroit は「不器用な」「下手な」ことを表します。特に身体的または社会的なスキルが欠けていることを意味し、やや文学的な表現として使われることが多いです。「clumsy」よりもフォーマルな印象を与えます。
使い分けのポイント
より高度な表現として、不器用さや下手さを表現したい時に使います。文学的な文脈や、より洗練された表現が求められる場面で使われます。「clumsy」の同義語ですが、よりフォーマルで学術的な印象があります。
例文
- His maladroit comments hurt her feelings.(彼の不器用な発言は彼女の気持ちを傷つけました。)
- I was maladroit in handling the situation.(私はその状況を扱うのが下手でした。)
- The maladroit waiter spilled the soup.(その不器用なウェイターはスープをこぼしました。)
useless(ユースレス)
意味と特徴
useless は「役に立たない」「特定のスキルが全くない」ことを表します。特に特定の活動やスキルに関して全く能力がないことを強調します。否定的なニュアンスが強く、日常会話でよく使われる表現です。
使い分けのポイント
特定の活動やスキルに対する極端な無能さを表現したい時に使います。特にカジュアルな会話で、自分や他人のスキルの欠如を強調する際に使われます。強い表現なので、冗談めかして使われることも多いです。
例文
- I am useless at math.(私は数学がまったくできません。)
- He is useless in the kitchen.(彼は台所では全く役に立ちません。)
- My brother is useless when it comes to fixing things.(兄は物を修理することに関しては全く役に立ちません。)
hopeless(ホープレス)
意味と特徴
hopeless は「絶望的に下手な」「改善の見込みがない」ことを表します。特定のスキルや活動に対して絶望的なほど能力がないことを意味し、改善が見込めないほど下手であることを強調します。
使い分けのポイント
改善の見込みが薄いような極端な不得意を表現したい時に使います。特に長期間努力しても上達しない、または上達の見込みがないようなスキルについて使われます。自分の能力について謙遜する際にもよく使われます。
例文
- I am hopeless at dancing.(私はダンスが絶望的に下手です。)
- She is hopeless when it comes to technology.(彼女はテクノロジーに関しては絶望的です。)
- My father is hopeless at remembering names.(父は名前を覚えるのが絶望的に下手です。)
uncoordinated(アンコーディネイテッド)
意味と特徴
uncoordinated は「動きに協調性がない」「ぎこちない」ことを表します。特に身体の動きや運動能力に関する不器用さを意味し、バランス感覚や協調性の欠如を表現します。
使い分けのポイント
特に運動能力やバランス感覚の欠如を表現したい時に使います。スポーツや身体活動に関する不器用さを表現する際に適しています。身体の各部分がうまく連動して動かないような状態を示します。
例文
- I am too uncoordinated to play basketball.(私は運動神経が悪すぎてバスケットボールができません。)
- The uncoordinated dancer kept stepping on her partner’s feet.(その不器用なダンサーはパートナーの足を踏み続けました。)
- He feels uncoordinated after staying up all night.(彼は徹夜した後に動きがぎこちなくなります。)
ungainly(アンゲインリー)
意味と特徴
ungainly は「不格好な」「ぎこちない」ことを表します。特に体型や姿勢に関連した不器用さや、動きの不自然さを意味します。見た目の不格好さや動きの不自然さを強調します。
使い分けのポイント
特に体型や姿勢に関連した不器用さを表現したい時に使います。大きな体や長い手足を持つ人の不器用な動きや、バランスの悪い動作を表現する際に適しています。見た目の不格好さにも焦点を当てます。
例文
- The tall boy made an ungainly movement.(その背の高い少年は不格好な動きをしました。)
- She walked with ungainly steps in her new high heels.(彼女は新しいハイヒールで不格好な歩き方をしました。)
- The ungainly bird could barely fly.(その不格好な鳥はほとんど飛べませんでした。)
「下手」を表す英単語の比較
それぞれの「下手」を表す英単語には微妙なニュアンスの違いがあります。以下の表では、各単語の主な意味、使われる文脈、強調される側面、そしてニュアンスを比較しています。
英単語 | 主な意味 | 使われる文脈 | 強調される側面 | ニュアンス |
---|---|---|---|---|
unskilled | 技術や訓練を受けていない | 職業、労働 | 専門的技能の欠如 | 中立的 |
inept | 不器用な、無能な | 一般的な能力 | 適切に行動できない | やや否定的 |
clumsy | 動きがぎこちない | 身体的動作 | 物理的な不器用さ | やや否定的 |
incompetent | 無能な、能力不足 | 職業、責任 | 責任を果たせない | 強い否定的 |
awkward | ぎこちない、不自然な | 社会的場面、動作 | 不自然さ、居心地の悪さ | やや否定的 |
bungling | 下手くそな、へまをする | ミス、失敗 | 失敗、混乱 | 否定的 |
inexpert | 熟練していない | 専門分野 | 専門知識の欠如 | 中立的 |
amateurish | 素人っぽい | 仕上がり、質 | プロ水準でない | やや否定的 |
maladroit | 不器用な | 文学的表現 | 洗練された「不器用さ」 | フォーマル |
useless | 役に立たない | カジュアルな会話 | 極端な無能さ | 強い否定的 |
hopeless | 絶望的に下手な | 長期的な能力 | 改善見込みのなさ | 強い否定的 |
uncoordinated | 動きに協調性がない | 運動能力 | バランス感覚の欠如 | やや否定的 |
ungainly | 不格好な | 体型、姿勢 | 見た目の不格好さ | やや否定的 |
この比較表を参考に、状況や文脈に応じて最も適切な「下手」を表す英単語を選ぶことができます。表現したい「下手さ」の種類や強さによって、使い分けるとより正確に気持ちを伝えることができるでしょう。
「下手」を表す英単語の使い分け練習問題
以下の練習問題を解いて、「下手」を表す英単語の使い分けを練習しましょう。各問題の空欄に最も適切な単語を入れてください。
- I am very _ at cooking. I always burn the food.
- He is an _ worker. He has no special training.
- The _ thief left fingerprints everywhere.
- She feels _ at parties because she doesn’t know how to talk to new people.
- The manager was fired because he was _ and couldn’t do his job properly.
- My grandfather is _ with technology. He can’t even use a smartphone.
- The tall girl is very _ when she dances.
- His _ attempt to fix the computer made the problem worse.
- The website looks very _. It was clearly not made by a professional.
- I am _ when it comes to sports. I have no coordination.
- The _ waiter dropped three plates in one evening.
- She made some _ comments that hurt everyone’s feelings.
- I feel completely _ when I try to speak French.
- The _ bird had trouble flying with its large wings.
- His _ handling of the situation caused more problems.
- I am _ at drawing. I don’t think I’ll ever improve.
- Many _ jobs are being replaced by machines.
- The boy is very _ and often falls when he runs.
- His writing is quite _ compared to a professional author.
- I feel _ when trying to use chopsticks.
「下手」を表す英単語に関するよくある質問
- 「下手」を表す英単語で最も一般的に使われるのはどれですか?
-
最も一般的に使われる「下手」を表す英単語は、状況によって異なりますが、日常会話では「bad at」が最もシンプルで汎用的です。より具体的な表現としては、身体的な不器用さには「clumsy」、能力の欠如には「incompetent」や「inept」がよく使われます。カジュアルな場面では「useless」や「hopeless」も頻繁に使われます。
- 自分のスキル不足を謙虚に表現するにはどの単語が適していますか?
-
自分のスキル不足を謙虚に表現する場合は、あまり強い否定的ニュアンスを持たない単語が適しています。例えば「inexpert」(熟練していない)や「not very good at」(あまり得意ではない)といった表現が適切です。また、「I’m still learning」(まだ学んでいる途中です)のように、成長の余地を示す表現も効果的です。
- 「下手」を表す英単語の中で、最も丁寧な表現はどれですか?
-
最も丁寧な「下手」を表す表現としては、「inexperienced」(経験不足の)や「still developing skills in」(まだスキルを発展させている途中)などが挙げられます。これらは否定的なニュアンスが少なく、単に経験や訓練が不足していることを示唆します。また、「not my forte」(得意ではない)という表現も比較的丁寧です。
- 子供の不器用さを表現する場合、どの単語が適切ですか?
-
子供の不器用さを表現する場合は、否定的なニュアンスの少ない「clumsy」(不器用な)や「uncoordinated」(運動神経が発達途上の)が適切です。また、「still developing their motor skills」(まだ運動能力を発達させている途中)のように、成長過程であることを強調する表現も良いでしょう。
- 職場で同僚の能力不足を指摘する場合、どのような表現が適切ですか?
-
職場で同僚の能力不足を指摘する場合は、直接的に否定的な表現を避け、建設的なフィードバックを心がけるべきです。「needs more training in」(さらなるトレーニングが必要)や「could benefit from developing skills in」(スキルを発展させることで恩恵を受けられる)など、改善の可能性を示す表現が適切です。深刻な問題がある場合でも、「incompetent」などの強い否定的表現は避けるべきです。
まとめ

英語で「下手」を表現する方法は多岐にわたり、状況や対象によって適切な単語が異なります。本記事では、「unskilled」「inept」「clumsy」「incompetent」「awkward」など、13の代表的な「下手」を表す英単語について詳しく解説しました。
各単語には独自のニュアンスや使用場面があり、例えば「clumsy」は主に身体的な不器用さを表し、「incompetent」は職業的な能力不足を表現します。また、「amateurish」は素人っぽさを、「hopeless」は改善の見込みのなさを強調します。
これらの単語を適切に使い分けることで、より正確に「下手さ」のニュアンスを伝えることができます。状況に応じて最適な表現を選び、より豊かな英語表現を身につけましょう。また、特に自分や他人の能力について話す際は、文化的な背景や相手との関係性も考慮し、適切な表現を選ぶことが大切です。
英語学習の一環として、これらの「下手」を表す表現のニュアンスの違いを理解し、実際の会話で活用してみてください。練習問題を通じて使い分けを身につけ、より自然な英語表現ができるようになりましょう。