「up to」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では「最大で」「〜まで」「〜次第で」「何をしているの」など様々な意味に訳される便利なフレーズです。シンプルな表現ながら、使い方やコンテキストによって意味が変わるため、正確に理解して使いこなすことで英語表現の幅が広がります。
この記事では「up to」の基本的な意味から実際の使い方、よく使われる表現まで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
初学者の方にもわかりやすく説明していますので、ぜひ最後まで読んで「up to」を自分のものにしましょう。
「up to」の基本的な意味

「up to」は多様な意味を持つフレーズで、使われる文脈によって訳し方が変わります。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われるため、それぞれの意味をしっかり理解することが大切です。
ここでは「up to」の主な意味を詳しく見ていきましょう。
実は「up to」は英語学習のレベルでいうと英検準2級レベル(高校1年程度)の表現ですが、日常会話でとても頻繁に使われる表現なので、早い段階でマスターしておくと役立ちます。
「最大で」「〜まで」(最大限度を表す)
最も一般的な使い方として、「up to」は数量や程度の最大限度を示すときに使われます。
「最大で〜まで」という意味です。セールの割引率や人数の上限、時間の長さなどを説明する際によく使われます。
例文
- The shop can hold up to twenty customers.
(その店は最大で20人の客を収容できます。) - My phone battery lasts up to two days.
(私の電話のバッテリーは最大で2日持ちます。) - The ticket costs up to 5000 yen.
(そのチケットは最大で5000円かかります。)
「〜次第で」「〜の責任で」(責任や選択を示す)
誰かの責任や選択に任せられていることを表す場合にも「up to」が使われます。
特に「It’s up to you」(あなた次第です)という表現はよく使われます。決定権が誰にあるかを示す重要な表現です。
例文
- It’s up to you to choose the movie tonight.
(今夜の映画を選ぶのはあなた次第です。) - It’s up to the teacher to decide the test date.
(テストの日を決めるのは先生次第です。) - The success of the project is up to all of us.
(プロジェクトの成功は私たち全員次第です。)
「何をしているの?」(会話での使用)
会話では、「What are you up to?」という質問がよく使われます。
これは「何をしているの?」「最近どう?」という意味で、友人との会話の始まりとしてよく使われる表現です。
軽い挨拶として日常的によく使われています。
例文
- What are you up to this weekend?
(今週末は何をするの?) - What have you been up to lately?
(最近何をしていたの?) - What is she up to these days?
(彼女は最近何をしているの?)
「企む」「たくらむ」(特に悪事について)
「up to」は誰かが何か(特に悪いこと)を企んでいることを示すためにも使われます。
子供やペットが静かすぎる時など、怪しい行動に対して使われることが多いです。
例文
- The kids are too quiet. They must be up to something.
(子供たちがとても静かだ。何かを企んでいるに違いない。) - I know you are up to no good.
(あなたがよからぬことを企んでいるのを知っています。) - The cat is up to mischief again.
(その猫はまた悪さを企んでいます。)
「〜に至るまで」(時間や範囲について)
「up to」は時間や範囲が特定の点に達することを示すためにも使われます。
本のページや章、時間的な区切りなどを表現する際に使います。
例文
- I read the book up to page fifty.
(その本を50ページまで読みました。) - We have studied English up to lesson ten.
(私たちは英語を10課まで勉強しました。) - Up to last week, I didn’t know about this rule.
(先週まで、私はこのルールを知りませんでした。)
「水準に達している」(基準について)
「up to」は誰かや何かが特定の基準や期待に応えているかどうかを示すためにも使われます。
特に否定形で「基準に達していない」という意味でよく使われます。
例文
- His work is not up to standard.
(彼の仕事は基準に達していません。) - Is this meal up to your taste?
(この食事はあなたの好みに合っていますか?) - The quality of the product is not up to par.
(その製品の品質は標準レベルに達していません。)
「up to」の読み方と発音
「up to」を正しく発音することは、コミュニケーションを円滑にするために重要です。ここでは、「up to」の読み方と発音のポイントを解説します。
「up to」は英語では「アップ トゥ」と発音します。発音記号では /ʌp tə/ と表されます。「up」の「u」は日本語の「ア」に近い音で、口を少し開けて発音します。「to」の「o」は弱く発音し、「トゥ」という感じになります。
会話の中では、「up to」の「to」は弱形で発音されることが多く、「アプトゥ」とつながって聞こえることがあります。特に早口で話すときはこの傾向が強くなります。
「What are you up to?」という質問文では、カジュアルな会話では「What’re you up to?」や「Whatcha up to?」と縮められて発音されることもあります。これは口語表現なので、フォーマルな場面では使わないように注意しましょう。
「up to」の文法と構造
「up to」を正しく使うためには、その文法構造を理解することが重要です。
ここでは、「up to」の主な文法パターンとその使い方を詳しく見ていきましょう。
「up to」は前置詞句として機能し、名詞や代名詞、数字などと組み合わせて使われます。
up to + 数字/数量表現
「最大で」という意味で使う場合、「up to + 数字/数量表現」の形になります。
この形は様々な数量を表す言葉と組み合わせることができます。
例文
- The room can fit up to ten people.
(その部屋は最大10人まで入れます。) - The sale offers up to fifty percent off.
(そのセールでは最大50%オフを提供しています。) - It takes up to one hour to get there.
(そこに着くまで最大1時間かかります。)
It’s up to + 人/名詞
「〜次第で」という意味で使う場合、「It’s up to + 人/名詞」の形になります。
この形は決定権や責任が誰にあるかを示します。
例文
- It’s up to the boss to make the final decision.
(最終決定を下すのは上司次第です。) - It’s up to me to finish this task.
(このタスクを終わらせるのは私次第です。) - It’s up to the weather if we go to the park.
(公園に行くかどうかは天気次第です。)
What + be + 主語 + up to?
「何をしているの?」という意味で使う場合、「What + be + 主語 + up to?」の疑問文の形になります。
この形は現在の活動や最近の出来事について尋ねるために使います。
例文
- What are you up to now?
(今何をしているの?) - What have you been up to since graduation?
(卒業後、何をしていたの?) - What is he up to these days?
(彼は最近何をしているの?)
主語 + be + up to + something/no good
「何かを企んでいる」という意味で使う場合、「主語 + be + up to + something/no good」の形になります。
この形は怪しい行動や悪い行いについて言及する際に使います。
例文
- The dog is up to something in the kitchen.
(犬はキッチンで何かを企んでいます。) - I think they are up to no good.
(彼らはよからぬことを企んでいると思います。) - My little brother is up to his old tricks again.
(弟がまた昔のいたずらを企んでいます。)
日常会話での「up to」の使用例
「up to」は日常会話の中でも頻繁に使われる表現です。
ここでは、実際の会話シーンでの「up to」の使い方を具体的な例を通して見ていきましょう。
様々な場面での自然な会話例を通して、より実践的な使い方を学びましょう。
友人との会話
友人との何気ない会話の中で「up to」を使うことは非常に一般的です。
特に挨拶や予定を尋ねる場面で活用できます。
例文
- “Hey, what are you up to this weekend?” “I’m going to visit my grandparents.”
(「やあ、今週末は何をするの?」「祖父母を訪ねる予定だよ。」) - “I haven’t seen you for a while. What have you been up to?” “I’ve been busy with my new job.”
(「しばらく会わなかったね。最近何してたの?」「新しい仕事で忙しかったよ。」) - “It’s up to you where we go for lunch today.”
(「今日のランチはどこへ行くか、君次第だよ。」)
家族との会話
家族との会話でも「up to」は様々な場面で活用できます。
特に決定権を誰が持つかを示す際に便利です。
例文
- “It’s up to dad to decide where we go for vacation.”
(「休暇でどこへ行くかを決めるのはお父さん次第だよ。」) - “What are the kids up to in the garden?” “They are playing with water.”
(「子供たちは庭で何をしているの?」「水遊びをしているよ。」) - “The cake can have up to three layers.”
(「そのケーキは最大3段まで重ねられるよ。」)
学校や職場での会話
学校や職場など、より公式な場面でも「up to」は色々な状況で使うことができます。
例文
- “It’s up to the team leader to assign tasks.”
(「タスクを割り当てるのはチームリーダー次第です。」) - “This project may take up to two weeks to complete.”
(「このプロジェクトは完了するまで最大2週間かかるかもしれません。」) - “What has your department been up to this month?”
(「あなたの部署は今月何をしていたのですか?」)
ビジネスシーンでの「up to」の使用例
ビジネスの場面でも「up to」は様々な状況で活用されます。
ここでは、職場やビジネスシーンでの「up to」の使い方を見ていきましょう。
フォーマルなコミュニケーションにおいても、「up to」は便利な表現です。
会議やプレゼンテーションでの使用
会議やプレゼンテーションなど、フォーマルな場面でも「up to」は効果的に使うことができます。
例文
- “Our team can handle up to five projects at once.”
(「私たちのチームは一度に最大5つのプロジェクトを処理できます。」) - “It’s up to the board to approve the budget.”
(「予算を承認するのは取締役会次第です。」) - “This new system is not up to our company standards.”
(「この新しいシステムは当社の基準に達していません。」)
ビジネスメールでの使用
ビジネスメールでも「up to」を使うことで、簡潔かつ明確なメッセージを伝えることができます。
例文
- “The discount is valid for up to three items per customer.”
(「この割引は1人のお客様につき最大3点まで有効です。」) - “It’s up to you to decide the meeting time.”
(「会議の時間を決めるのはあなた次第です。」) - “We need to get everyone up to speed on the new procedures.”
(「新しい手順について全員に最新情報を伝える必要があります。」)
顧客対応での使用
顧客と話す際にも「up to」を使うことで、情報を明確に伝えることができます。
例文
- “Delivery may take up to seven days.”
(「配達には最大7日かかる場合があります。」) - “Our warranty covers up to two years.”
(「当社の保証は最大2年間カバーします。」) - “It’s up to the customer to decide which plan works best.”
(「どのプランが最適かを決めるのはお客様次第です。」)
「up to」を含む便利な表現
「up to」を含むよく使われる表現やイディオムをいくつか紹介します。
これらの表現を覚えることで、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。
up to date(最新の)
「up to date」は「最新の」「最新の情報を持っている」という意味です。
情報やシステム、知識などが最新であることを示す際に使われます。
例文
- My resume is up to date.
(私の履歴書は最新です。) - Please keep your contact information up to date.
(連絡先情報を最新の状態に保ってください。) - I need to get up to date on current events.
(時事問題について最新情報を得る必要があります。)
up to no good(よからぬことを企んでいる)
「up to no good」は「よからぬことを企んでいる」「悪いことをしている」という意味です。
特に不審な行動や悪さについて言及する際に使います。
例文
- Those boys are up to no good.
(あの少年たちはよからぬことを企んでいます。) - I think the dog is up to no good.
(犬が何かよからぬことを企んでいると思います。) - She is definitely up to no good with that smile.
(あの笑顔で、彼女は間違いなく何かよからぬことを企んでいます。)
up to scratch/par(基準に達している)
「up to scratch」や「up to par」は「基準に達している」「期待に応えている」という意味です。
何かが必要な基準や期待レベルに達しているかどうかを示す際に使われます。
例文
- His work is not up to scratch.
(彼の仕事は基準に達していません。) - Is the quality up to par?
(品質は基準に達していますか?) - The hotel service was not up to scratch.
(そのホテルのサービスは基準に達していませんでした。)
up to speed(最新情報を持っている)
「up to speed」は「最新情報を持っている」「状況を完全に理解している」という意味です。
特に新しい情報や変更について理解していることを示す際に使います。
例文
- I need to get up to speed on this project.
(このプロジェクトについて最新情報を得る必要があります。) - Are you up to speed with the changes?
(変更点について把握していますか?) - Let me bring you up to speed.
(最新の状況をお知らせします。)
up to the task(任務をこなせる)
「up to the task」は「任務をこなせる」「挑戦に対応できる」という意味です。
誰かが特定の仕事や責任を果たす能力があるかどうかを示す際に使われます。
例文
- I hope I am up to the task.
(その任務をこなせることを願っています。) - She is definitely up to the task.
(彼女は間違いなくその任務をこなせます。) - Is he up to the task of leading the team?
(彼はチームを率いる任務をこなせますか?)
「up to」と類似表現の違い
「up to」と似た意味を持つ表現として「as much as」「at most」「depending on」などがあります。
これらの違いを理解することで、より正確に英語を使うことができます。
それぞれの表現のニュアンスの違いを知ることで、状況に応じた適切な表現を選べるようになります。
「up to」と「as much as」
「as much as」も「最大で」という意味を持ちますが、「up to」よりも「驚くほど多い」というニュアンスが強いです。
「as much as」は、その数量が予想よりも多いことを強調する場合に使われます。
例文
- The ticket costs up to 5000 yen.
(そのチケットは最大で5000円かかります。)- 単に最大額を示す - The ticket costs as much as 5000 yen.
(そのチケットはなんと5000円もかかります。)- その金額が多いことを強調
「up to」と「at most」
「at most」も「最大で」という意味ですが、より形式的で、上限を明確に示す表現です。
「at most」は、その数量が絶対に超えないという確定的な上限を示す際に使われます。
例文
- It will take up to one hour.
(最大1時間かかります。)- 一般的な表現 - It will take at most one hour.
(多くても1時間しかかかりません。)- より厳格な上限
「It’s up to you」と「It depends on you」
「It’s up to you」と「It depends on you」はどちらも「あなた次第です」という意味ですが、ニュアンスが異なります。
「It’s up to you」は決定権が相手にあることを示し、「It depends on you」は結果が相手の行動や選択に左右されることを強調します。
例文
- It’s up to you to choose the restaurant.
(レストランを選ぶのはあなた次第です。)- 決定権が相手にあることを強調 - It depends on you whether we finish on time.
(時間通りに終えられるかはあなた次第です。)- 結果が相手の行動に左右されることを強調
「up to」と「up until」
「up to」と「up until」はどちらも「〜まで」という意味を持ちますが、「up until」はより明確に時間の継続性を強調します。
「up until」は特定の時点まで何かが継続したことを示す場合に使われます。
例文
- I’ll be working up to five o’clock.
(5時まで働きます。)- 時間の上限を示す - I’ve been working here up until today.
(今日までずっとここで働いていました。)- 継続性を強調
「up to」に関するよくある質問
「up to」に関するよくある質問とその回答を紹介します。
これらの疑問点を理解することで、「up to」をより正確に使いこなせるようになります。
- 「up to」と「up until」の違いは何ですか?
-
「up to」と「up until」はどちらも「〜まで」という意味を持ちますが、「up until」はより明確に時間の継続性を強調します。「up until」は特定の時点まで何かが継続したことを示す場合に使われます。
例文:
- I’ll be at the office up to 6pm.
(6時までオフィスにいます。) - I’ve been living in Tokyo up until now.
(今までずっと東京に住んでいました。)- 時間の継続性をより強調
- I’ll be at the office up to 6pm.
- 「What are you up to?」に対する返答は何が適切ですか?
-
「What are you up to?」は「何をしているの?」「最近どう?」という意味の質問です。この質問に対しては、現在の活動や最近の出来事について答えるのが適切です。
例文:
- “What are you up to?” “I’m just studying for my test.”
(「何してるの?」「テストの勉強をしているところだよ。」) - “What are you up to these days?” “I’ve been very busy with work.”
(「最近何してるの?」「仕事でとても忙しいよ。」) - “What have you been up to?” “Not much, just the usual things.”
(「最近何してたの?」「あまり変わらず、いつも通りだよ。」)
- “What are you up to?” “I’m just studying for my test.”
- 「up to」を含む他の慣用表現はありますか?
-
「up to」を含む慣用表現はたくさんあります。以下に代表的なものをいくつか紹介します:
- up to one’s ears/neck(非常に忙しい、困っている)
例文: I’m up to my ears in work this week.(今週は仕事で手一杯です。) - up to snuff(基準を満たしている、調子が良い)
例文: Is your performance up to snuff?(あなたのパフォーマンスは基準を満たしていますか?) - up to one’s old tricks(昔のいたずらや悪癖に戻る)
例文: My cat is up to her old tricks again.(私の猫はまた昔の悪さをしています。)
- up to one’s ears/neck(非常に忙しい、困っている)
- 「up to」は否定文でどのように使われますか?
-
「up to」は否定文でも使用でき、特に「基準に達していない」という意味でよく使われます。
例文:
- His work is not up to standard.
(彼の仕事は基準に達していません。) - I’m not up to going out tonight.
(今夜出かける気分ではありません。) - The quality is not up to what we expected.
(品質は私たちが期待していたものに達していません。)
- His work is not up to standard.
- 「What are you up to?」と「How are you?」の違いは何ですか?
-
「What are you up to?」と「How are you?」はどちらも挨拶表現ですが、意味が異なります。「How are you?」は相手の調子や健康状態を尋ねる表現で、「What are you up to?」は相手が現在何をしているか、または最近の活動について尋ねる表現です。
例文:
- “How are you?” “I’m fine, thank you.”
(「お元気ですか?」「はい、元気です、ありがとう。」)- 調子を尋ねる - “What are you up to?” “I’m making dinner.”
(「何してるの?」「夕食を作っているところだよ。」)- 現在の活動を尋ねる
- “How are you?” “I’m fine, thank you.”
まとめ:「up to」の使い方のポイント

「up to」は英語で様々な意味を持つ便利な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、以下のようになります。
- 「最大で」「〜まで」という意味で数量や程度の上限を示します。
- 「〜次第で」「〜の責任で」という意味で責任や選択を示します。
- 「What are you up to?」は「何をしているの?」という意味の会話表現です。
- 「企む」「たくらむ」という意味で、特に悪事について使われます。
- 「〜に至るまで」という意味で時間や範囲を示します。
- 「水準に達している」という意味で基準や期待について使われます。
- 「up to date」「up to speed」など、多くの便利なイディオムの一部として使われます。
- 類似表現との違いを理解して、状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
「up to」の多様な意味と使い方を理解することで、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる重要な表現なので、ぜひ積極的に使ってみてください。
特に「What are you up to?」や「It’s up to you」といった表現は日常会話でよく使われるので、覚えておくと非常に役立ちます。「up to」をマスターして、あなたの英語表現の幅を広げましょう!