「upward」は主に副詞として使われる英単語で、「上向きに」「上方へ」という意味を持ちます。また、形容詞として「上向きの」「上昇する」という意味でも使われます。日常会話から専門的な文脈まで幅広く登場する便利な単語です。
この記事では、英語初学者でも理解しやすいように「upward」の様々な使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
upwardとは?基本的な意味と品詞について

「upward」は基本的に「上向きに」「上方へ」という意味を持つ英単語です。主に副詞として使われますが、形容詞としても使うことができます。語源は「up(上)」と「-ward(〜の方向へ)」が組み合わさってできた単語で、発音は「アップワード」となります。
副詞としての「upward」は、物や人が上の方向へ移動する様子を表します。また形容詞としては「上向きの」「上昇している」という意味で使われ、名詞を修飾します。日常会話でも頻繁に使われる単語なので、ぜひマスターしておきたい表現です。
「upward」と似た表現として「upwards」がありますが、これは主にイギリス英語で好まれる表現で、意味はほぼ同じです。アメリカ英語では「upward」が一般的ですが、どちらも正しい表現として認められています。
副詞としての基本的な使い方
副詞としての「upward」は、動きの方向が上向きであることを示します。物理的な上方向への移動だけでなく、数値や価格の上昇、社会的地位の向上などを表すこともあります。
例文
- The balloon floated upward into the sky.(風船は上空に向かって浮かんでいった。)
- He looked upward at the tall building.(彼は高いビルを見上げた。)
- The temperature is moving upward this week.(今週は気温が上昇している。)
形容詞としての基本的な使い方
形容詞としての「upward」は名詞を修飾し、何かが上向きであることや上昇していることを表します。特に傾向や動きについて述べる際によく使われます。
例文
- There is an upward trend in house prices.(住宅価格には上昇傾向がある。)
- The company showed upward progress this year.(その会社は今年上向きの進歩を示した。)
- We need to focus on the upward movement of sales.(私たちは売上の上昇に集中する必要がある。)
upwardの詳しい使い方と様々な表現
「upward」は単純に「上へ」という意味だけでなく、様々なニュアンスや状況で使うことができます。ここでは、より詳しい使い方や表現のバリエーションについて解説します。
「upward」は物理的な上向きの動きを表す基本的な用法から、抽象的な上昇や向上を表す比喩的な用法まで幅広く使われます。また、他の単語と組み合わせることで意味が広がる表現もたくさんあります。
物理的な上昇を表す使い方
最も基本的な使い方として、物や人が物理的に上へ向かう動きを表します。
例文
- The smoke went upward from the chimney.(煙は煙突から上へ昇っていった。)
- We climbed upward on the mountain path.(私たちは山道を上へ登っていった。)
- The elevator moved upward to the tenth floor.(エレベーターは10階へ上がっていった。)
数値や価格の上昇を表す使い方
数値、価格、温度などが増加する様子を表すときにも「upward」が使われます。
例文
- Gas prices are trending upward this month.(ガソリン価格は今月上昇傾向にある。)
- The stock market has been moving upward since last year.(株式市場は去年から上昇している。)
- The teacher adjusted my score upward after reviewing my test.(先生はテストを見直した後、私の点数を上方修正した。)
社会的地位や状況の向上を表す使い方
社会的な地位や状況が良くなることを表すときに「upward」を使うことがあります。
例文
- He experienced upward mobility in his career.(彼はキャリアにおいて上昇移動を経験した。)
- The country is on an upward path of development.(その国は発展の上昇路線にある。)
- Her life has taken an upward turn since she got the new job.(彼女は新しい仕事を得て以来、人生が上向きになった。)
upwardを含む重要な表現とフレーズ
「upward」を含む重要な表現やフレーズがいくつかあります。英語の理解を深めるために、これらの表現も覚えておくと便利です。
「upward」は単独で使われるだけでなく、他の単語と組み合わさって様々な表現を作ります。これらの表現は日常会話や文章でよく使われるので、ぜひ覚えておきましょう。
upward of(〜以上)
「upward of」は「〜以上」「少なくとも〜」という意味の表現です。数量を表す際によく使われます。
例文
- There were upward of fifty people at the party.(パーティーには50人以上の人がいた。)
- It will cost upward of 100 dollars to fix the car.(その車を修理するには100ドル以上かかるだろう。)
- The project will take upward of three weeks to complete.(そのプロジェクトは完了までに3週間以上かかるだろう。)
upward mobility(社会的上昇)
「upward mobility」は社会学でよく使われる表現で、個人や集団が社会的・経済的に上の階層へ移動する可能性や現象を指します。
例文
- Education is often seen as a key to upward mobility.(教育はしばしば社会的上昇の鍵と見なされる。)
- The company offers good opportunities for upward mobility.(その会社は社会的上昇のための良い機会を提供している。)
- Many immigrants come to this country seeking upward mobility.(多くの移民は社会的上昇を求めてこの国にやってくる。)
upward spiral(好循環)
「upward spiral」は物事が良い方向に進んでいく循環的なプロセスを表します。「downward spiral(悪循環)」の反対の意味です。
例文
- The new policies created an upward spiral of economic growth.(新しい政策は経済成長の好循環を生み出した。)
- Positive thinking can lead to an upward spiral in your life.(ポジティブ思考はあなたの人生に好循環をもたらす可能性がある。)
- The team’s confidence is in an upward spiral after winning three games.(チームは3試合勝った後、自信が好循環に入っている。)
upwardと関連する表現の比較
「upward」と似た意味を持つ表現や、混同されやすい表現について比較して解説します。これらの違いを理解することで、より正確に英語を使いこなせるようになります。
英語には「上向き」や「上昇」を表す表現がいくつかあります。これらは文脈によって使い分ける必要があります。ここでは、関連表現との違いに焦点を当てて説明します。
upwardとupの違い
「upward」と「up」はどちらも「上へ」という意味ですが、使い方に違いがあります。
「up」は方向や位置を表す基本的な副詞で、「上へ」「上に」という意味です。一方「upward」は特に上向きの動きや傾向を強調する表現です。
例文
- He looked up at the sky.(彼は空を見上げた。)
He looked upward toward the stars.(彼は星に向かって上を見上げた。) - The balloon went up quickly.(風船は速く上がった。)
The balloon drifted upward slowly.(風船はゆっくりと上へ漂った。)
upwardとupwardsの違い
「upward」と「upwards」はほぼ同じ意味ですが、使用される地域に違いがあります。
「upward」はアメリカ英語で好まれる表現で、「upwards」はイギリス英語でよく使われます。ただし、どちらの表現も両方の国で理解され、使用されています。
例文
- The rocket shot upward into space.(ロケットは宇宙へ向かって上昇した。)
The rocket shot upwards into space.(ロケットは宇宙へ向かって上昇した。) - Prices have been adjusted upward by 5%.(価格は5%上方修正された。)
Prices have been adjusted upwards by 5%.(価格は5%上方修正された。)
upwardの文法的な使い方とポイント
「upward」を正しく使うための文法的なポイントについて解説します。特に品詞による使い分けや、他の単語との組み合わせ方について詳しく見ていきましょう。
「upward」を使う際の文法的なルールを理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。ここでは、特に重要なポイントに焦点を当てます。
副詞としての位置
副詞としての「upward」は、主に動詞の後に置かれることが多いですが、文末に置かれることもあります。
例文
- The bird flew upward suddenly.(その鳥は突然上へ飛んでいった。)
- The prices are going upward.(価格は上昇している。)
- She pointed upward to show us the direction.(彼女は私たちに方向を示すために上を指さした。)
形容詞としての使い方
形容詞としての「upward」は名詞の前に置かれ、その名詞を修飾します。
例文
- There is an upward trend in the market.(市場には上昇傾向がある。)
- The upward movement of the balloon was fascinating.(風船の上昇する動きは魅力的だった。)
- We noticed an upward shift in customer satisfaction.(私たちは顧客満足度の上昇傾向に気づいた。)
前置詞との組み合わせ
「upward」は前置詞と組み合わせて使われることがあります。特に「upward to」や「upward from」などの表現があります。
例文
- The temperature rose upward from zero.(気温は0度から上昇した。)
- He gazed upward to the top of the mountain.(彼は山頂へ向かって見上げた。)
- The elevator can go upward to the fifteenth floor.(そのエレベーターは15階まで上がることができる。)
upwardのよくある間違いと注意点
英語学習者がよく間違える「upward」の使い方や注意すべきポイントについて解説します。これらを理解することで、より正確に「upward」を使えるようになります。
「upward」の使用に関してよくある誤解や間違いを知ることで、自分自身のミスを防ぐことができます。ここでは、特に注意すべき点をいくつか紹介します。
upwardとupwardsの混同
「upward」と「upwards」はどちらも正しい表現ですが、一貫した使い方をすることが望ましいです。特に文章の中で両方の形を混在させないように注意しましょう。
- 例文(誤)
The balloon went upward, and then moved upwards even faster.
(風船は上へ行き、それからさらに速く上へ移動した。) - 例文(正)
The balloon went upward, and then moved upward even faster.
(風船は上へ行き、それからさらに速く上へ移動した。)
「upward of」の意味の誤解
「upward of」は「約〜」ではなく「〜以上」「少なくとも〜」という意味です。概算を表す表現と混同しないように注意しましょう。
- 例文(誤解)
There were upward of 100 people at the event.(イベントには約100人がいた。) - 例文(正確)
There were upward of 100 people at the event.(イベントには100人以上がいた。)
反意語の使い間違い
「upward」の反意語は「downward」です。「down」や「downwards」との使い分けにも注意しましょう。
- 例文(誤)
The prices went upward last month, but this month they’re going down.
(価格は先月上昇したが、今月は下がっている。) - 例文(正)
The prices went upward last month, but this month they’re going downward.
(価格は先月上昇したが、今月は下降している。)
upwardを使った表現の活用場面
「upward」を使った表現がどのような場面で活用できるのか、具体的な状況とともに解説します。実際の生活で使える表現を身につけましょう。
「upward」は日常会話からビジネス、経済、教育など様々な場面で使われる表現です。ここでは、特に役立つ活用場面をいくつか紹介します。
ビジネスや経済の場面
ビジネスや経済の場面では、数値や傾向の上昇を表す際に「upward」がよく使われます。
例文
- Sales are showing an upward trend this quarter.(売上は今四半期上昇傾向を示している。)
- We need to adjust our budget upward.(予算を上方修正する必要があります。)
- The market is in an upward cycle right now.(市場は今上昇サイクルにある。)
日常会話での使い方
日常的な会話でも「upward」は様々な場面で使うことができます。
例文
- Look upward and you can see the stars.(上を見上げると星が見えます。)
- The cat climbed upward to the top of the tree.(猫は木の上まで登った。)
- My mood has been upward since I started exercising.(運動を始めてから気分が上向きになっている。)
教育や社会的な文脈
教育や社会的な文脈では、向上や発展を表す際に「upward」が使われます。
例文
- Education provides opportunities for upward mobility.(教育は社会的上昇の機会を提供する。)
- The new policy aims to promote upward movement in society.(新しい政策は社会での上昇移動を促進することを目指している。)
- Students are showing upward progress in their test scores.(生徒たちはテストの点数で上向きの進歩を示している。)
「upward」の活用度を高める表現集
「upward」をより効果的に使うための表現集を紹介します。様々な文脈で使える表現を覚えて、英語力を高めましょう。
以下の表では、「upward」を使った様々な表現とその意味、使用例を示しています。これらの表現を覚えることで、英語表現の幅が広がります。
表現 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
upward trend | 上昇傾向 | There is an upward trend in oil prices.(石油価格には上昇傾向がある。) |
upward mobility | 社会的上昇 | Education offers upward mobility.(教育は社会的上昇を提供する。) |
upward spiral | 好循環 | The economy is in an upward spiral.(経済は好循環にある。) |
upward adjustment | 上方修正 | We need an upward adjustment of the budget.(予算の上方修正が必要だ。) |
upward movement | 上向きの動き | The stock showed an upward movement.(株は上向きの動きを示した。) |
upward pressure | 上昇圧力 | There is upward pressure on prices.(価格に上昇圧力がかかっている。) |
upward path | 上昇路線 | The company is on an upward path.(その会社は上昇路線にある。) |
upward revision | 上方修正 | They announced an upward revision of sales figures.(彼らは売上数字の上方修正を発表した。) |
これらの表現は、ビジネス、経済、教育など様々な場面で使うことができます。状況に応じて適切な表現を選びましょう。
upwardに関する問題
以下に「upward」の使い方に関する問題を10問用意しました。自分の理解度をチェックしてみましょう。問題を解いた後で解答を確認してください。
- The balloon floated ( ) into the sky.
a) up
b) upward
c) upper
d) upside - There is an ( ) trend in house prices this year.
a) upward
b) upwards
c) up
d) upside - The company has shown ( ) mobility in the market.
a) up
b) upwards
c) upward
d) upper - We need ( ) of $500 to complete the project.
a) up
b) upward
c) upward of
d) upper of - The temperature is adjusted ( ) by 2 degrees.
a) up
b) upward
c) upper
d) upside - She looked ( ) at the tall building.
a) up
b) upward
c) upwards
d) both b and c are correct - The rocket shot ( ) into space.
a) up
b) upward
c) upwards
d) both b and c are correct - There were ( ) 200 people at the concert.
a) up of
b) upward to
c) upward of
d) upper than - Education is often seen as a path for ( ).
a) upward mobility
b) upward movement
c) upward direction
d) upward shift - The opposite of “upward” is ( ).
a) down
b) downward
c) lower
d) underneath
「upward」に関するよくある質問
「upward」についてよく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問点を解消して、さらに理解を深めましょう。
- 「upward」と「upwards」の違いは何ですか?
-
「upward」と「upwards」は基本的に同じ意味を持ちますが、使用される地域に若干の違いがあります。「upward」はアメリカ英語で好まれる傾向があり、「upwards」はイギリス英語でより一般的です。ただし、どちらも両方の国で理解され使用されています。文法的には両方とも副詞または形容詞として使えますが、形容詞としては「upward」のみが使われることが多いです。
- 「upward of」はどのような意味ですか?
-
「upward of」は「〜以上」「少なくとも〜」という意味の表現です。数量を表す際によく使われます。例えば「upward of 100 people」は「100人以上の人々」という意味になります。これは概算を表す表現ではなく、指定された数値が最低限であることを示します。
- 「upward」の発音のコツはありますか?
-
「upward」の発音は「アップワード」に近いです。「up」は強く発音し、「ward」はやや弱めに発音します。発音記号では /ˈʌpwərd/ と表されます。「w」の音をはっきりと出すことがポイントです。
- 「upward」と「upper」の違いは何ですか?
-
「upward」は主に副詞または形容詞で「上向きに」「上昇する」という意味を持ちます。一方、「upper」は形容詞で「より上の」「上部の」という意味です。例えば「upward movement」(上向きの動き)と「upper floor」(上の階)のように使い分けます。「upward」は動きや方向を示し、「upper」は位置や場所を示す傾向があります。
- 「upward mobility」とは具体的にどのような概念ですか?
-
「upward mobility」は社会学の概念で、個人や集団が社会的・経済的階層を上昇させる能力や可能性を指します。例えば、低所得家庭の子どもが教育を通じてより高い社会経済的地位を得ることができる場合、それは「upward mobility」の例です。この概念は特に教育、雇用機会、社会政策などの文脈でよく使われます。
まとめ

この記事では「upward」の意味と使い方について詳しく解説してきました。英語学習の中で「upward」という単語を正しく理解し使いこなせるようになると、より豊かな表現ができるようになります。
「upward」は基本的に「上向きに」「上方へ」という意味を持つ単語で、副詞または形容詞として使われます。物理的な上昇から抽象的な向上まで様々な文脈で活用できる便利な表現です。特にビジネスや経済の分野では、傾向や数値の上昇を表す際によく使われます。
以下が、この記事の主なポイントです。
- 「upward」は主に副詞として使われ、「上向きに」「上方へ」という意味を持つ
- 形容詞としても使われ、「上向きの」「上昇する」という意味がある
- 「upwards」はほぼ同じ意味だが、イギリス英語で好まれる傾向がある
- 「upward of」は「〜以上」という意味の重要な表現
- 「upward mobility」(社会的上昇)や「upward spiral」(好循環)など重要な複合表現がある
- ビジネス、経済、教育など様々な分野で活用できる
- 反意語は「downward」(下向きに)
「upward」は英語の基本的な表現の一つですが、その使い方を正確に理解することで、より自然な英語を話したり書いたりすることができるようになります。
この記事で紹介した例文や表現を参考に、ぜひ日常会話やライティングで「upward」を活用してみてください。