「utter」は英語で「発する」「言う」という意味の動詞と、「完全な」「全くの」という意味の形容詞の2つの品詞として使われる単語です。日常会話から公式な文書まで幅広く登場し、特に形容詞としては強調表現として頻繁に使われます。
今回は「utter」の基本的な意味から実践的な使い方まで、例文を交えて詳しく解説します。
utterとは?基本的な意味と用法

「utter」は2つの主な品詞として使われています。1つ目は「声や言葉を出す」という意味の動詞、2つ目は「完全な」「極端な」という意味の形容詞です。
動詞としての「utter」は、何かを声に出して言うこと、特に言葉や音を発することを表します。形式的な文脈でよく使われ、日常会話ではあまり使われません。
形容詞としての「utter」は、何かが完全である、または極端であることを強調するために使われます。常に名詞の前に置かれ、「完全な」「全くの」という意味を持ちます。
どちらの用法も英語の表現力を高める重要な単語です。基本的な文法構造は以下の通りです。
- 動詞:主語 + utter + 目的語(言葉や音)
- 形容詞:utter + 名詞(強調したいもの)
utterの動詞としての使い方
動詞としての「utter」は主に「言葉や音を発する」という意味で使われます。フォーマルな文脈や文学的な表現でよく見られ、日常会話ではあまり使われません。
「言葉を発する」という意味での使い方
「utter」は「言葉を口に出す」「発言する」という意味で使われることが多いです。何かを声に出して言う行為を表します。
例文
- He did not utter a word during the entire meeting.(彼は会議の間、一言も発しなかった。)
- She uttered a short prayer before the exam.(彼女は試験の前に短い祈りを唱えた。)
- The child was so scared that he could not utter a sound.(その子はとても怖がっていて、声を出すことができなかった。)
「音を出す」という意味での使い方
「utter」は「声を出す」「音を発する」という意味でも使われます。これは人間だけでなく、動物や物が出す音にも使われることがあります。
例文
- The dog uttered a low growl when the stranger approached.(その犬は見知らぬ人が近づくと低い唸り声を発した。)
- She uttered a cry of joy when she heard the good news.(彼女は良いニュースを聞いて喜びの声を上げた。)
- He uttered a sigh of relief after finishing the test.(彼はテストを終えた後、安堵のため息をついた。)
utterの形容詞としての使い方
形容詞としての「utter」は、何かが「完全である」「極端である」ことを強調するために使われます。常に名詞の前に置かれる限定用法の形容詞です。
「完全な」という意味での使い方
「utter」は「完全な」「全くの」という意味で、状況や状態が徹底していることを強調します。
例文
- The room was in utter chaos after the party.(パーティーの後、部屋は完全に混乱状態だった。)
- There was utter silence when the teacher entered the classroom.(先生が教室に入ると、完全な静寂があった。)
- We watched the sunset in utter amazement.(私たちは完全に感嘆して夕日を見ていた。)
「極端な」という意味での使い方
「utter」は「極端な」「究極の」という意味で、程度が非常に高いことを強調します。しばしば否定的なニュアンスを持つことがあります。
例文
- That explanation is utter nonsense.(その説明は全くのナンセンスだ。)
- It was an utter waste of time.(それは完全な時間の無駄だった。)
- He showed utter disregard for the rules.(彼はルールを全く無視した。)
utterを使った英語表現
「utter」を使ったさまざまな表現があります。ここでは特によく使われる表現をいくつか紹介します。
utter a word(言葉を発する)
「utter a word」は「言葉を発する」という意味の表現です。多くの場合、否定形で「一言も言わない」という意味で使われます。
例文
- She didn’t utter a word about the incident.(彼女はその出来事について一言も話さなかった。)
- He was so surprised that he couldn’t utter a word.(彼はあまりに驚いて、一言も発することができなかった。)
utter nonsense(全くのナンセンス)
「utter nonsense」は「全くのナンセンス」「まったくの馬鹿げた話」という意味の表現です。何かが完全に意味をなさないことを強調します。
例文
- His theory is utter nonsense.(彼の理論は全くのナンセンスだ。)
- What she said about me is utter nonsense.(彼女が私について言ったことは全くの馬鹿げた話だ。)
utter confusion(完全な混乱)
「utter confusion」は「完全な混乱」「全くの混沌」という意味の表現です。状況が完全に制御不能になっていることを表します。
例文
- There was utter confusion after the fire alarm went off.(火災警報が鳴った後、完全な混乱状態になった。)
- The new system caused utter confusion among the staff.(新しいシステムはスタッフの間に完全な混乱をもたらした。)
utter disregard(完全な無視)
「utter disregard」は「完全な無視」「全くの軽視」という意味の表現です。何かを全く考慮しないことを表します。
例文
- He showed utter disregard for his health.(彼は自分の健康を完全に無視した。)
- The driver had utter disregard for traffic rules.(その運転手は交通ルールを全く無視していた。)
utterの発音と読み方
「utter」の発音は英語学習者にとって少し難しいかもしれません。正確な発音は以下の通りです。
- アメリカ英語: [ˈʌ.t̬ɚ](アター)
- イギリス英語: [ˈʌt.ər](アタァ)
発音のポイント
- 最初の「u」は「ア」と発音します(「アップル」の「ア」と同じ)
- 「t」は軽く発音し、特にアメリカ英語では「d」に近い音になります
- 最後の「er」は「ァ」と軽く発音します
発音練習をする際は、ネイティブスピーカーの発音を聞いて真似することが効果的です。特に「t」の音が日本語の「ト」とは異なるので注意が必要です。
utterのよくある間違いと注意点
「utter」を使う際によくある間違いと注意点をいくつか紹介します。
「outer」との混同
「utter」と似た発音の「outer(外側の)」と混同しやすいので注意しましょう。
- utter: 「発する」または「完全な」
- outer: 「外側の」「外部の」
例文
- This is the outer layer of the Earth.(これは地球の外層です。)
※「外側の」という意味なので「outer」が正しい - He uttered a cry for help.(彼は助けを求める叫び声を上げた。)
※「声を出した」という意味なので「utter」が正しい
形容詞の位置の間違い
形容詞としての「utter」は必ず名詞の前に置かれる限定用法のみです。名詞の後ろには置けません。
誤: The confusion was utter.
正: It was utter confusion.(それは完全な混乱だった。)
動詞の使い方の間違い
動詞としての「utter」は必ず目的語を伴います。自動詞として使うことはできません。
誤: He uttered loudly.
正: He uttered a loud cry.(彼は大きな叫び声を上げた。)
フォーマル度の間違い
「utter」は特に動詞としては比較的フォーマルな言葉です。カジュアルな会話では「say」や「speak」などの方が自然です。
誤: I uttered “hello” to my friend.(カジュアルな状況では不自然)
正: I said “hello” to my friend.(私は友達に「こんにちは」と言った。)
正: The politician uttered a formal statement.(その政治家は正式な声明を発表した。)(フォーマルな状況では適切)
utterに関する問題
「utter」の理解度を確認するための問題を10問用意しました。それぞれの問題で「utter」の異なる用法や意味を確認できます。各問題に取り組んでから、解答を確認してください。
- 次の文の空欄に入る最も適切な単語を選びなさい:He was so shocked that he couldn’t _ a word.
a) say
b) utter
c) speak
d) tell - 「utter」を形容詞として正しく使っている文はどれですか?
a) The situation was utter.
b) It was an utter disaster.
c) She uttered beautifully.
d) The utter was complete. - 次の文の「utter」は品詞としてどれに該当しますか? “She uttered a cry of joy.”
a) 名詞
b) 動詞
c) 形容詞
d) 副詞 - 「utter nonsense」の意味として最も適切なものはどれですか?
a) 少しばかげている
b) 全くのナンセンス
c) 面白い冗談
d) 難しい説明 - 次の「utter」と最もよく結びつく単語はどれですか?
a) happiness
b) confusion
c) beauty
d) flower - 「utter disregard」の意味として最も適切なものはどれですか?
a) 部分的な無視
b) 完全な無視
c) たまの不注意
d) 意図的な注目 - 動詞「utter」の過去形はどれですか?
a) uttering
b) uttered
c) utterred
d) utterred - 次の中で「utter」を形容詞として使っている正しい例文はどれですか?
a) He uttered goodbye to his friend.
b) The movie was an utter disappointment.
c) She couldn’t utter clearly.
d) We uttered our opinions. - 「utter a threat」の意味として最も適切なものはどれですか?
a) 脅しを無視する
b) 脅しに反応する
c) 脅しの言葉を発する
d) 脅しを理解する - 次の文の「utter」の反対語として最も適切なものはどれですか? “It was utter chaos.”
a) partial
b) organized
c) terrible
d) complete
「utter」に関するよくある質問
- 「utter」と「say」の違いは何ですか?
-
「utter」と「say」はどちらも「言う」という意味を持ちますが、使用される文脈やニュアンスが異なります。「say」は日常会話で一般的に使われる単語で、単に何かを言うことを意味します。一方、「utter」はより形式的で、しばしば重要な言葉や感情的な発言、または音を「発する」というニュアンスを持ちます。例えば、「He said hello」(彼はこんにちはと言った)は普通の挨拶ですが、「He uttered a cry」(彼は叫び声を上げた)は感情的な表現になります。
- 「utter」の形容詞は名詞の後に置くことができますか?
-
いいえ、形容詞としての「utter」は常に名詞の前に置かれる限定用法の形容詞です。名詞の後ろには置けません。例えば、「utter nonsense」(全くのナンセンス)は正しいですが、「nonsense utter」は間違いです。これは英語の形容詞の基本的な使い方に従っています。
- 「utter」はどのような状況で使うのが適切ですか?
-
動詞としての「utter」は主にフォーマルな文脈や文学的な表現で使われます。例えば、公式のスピーチ、文学作品、あるいは感情的な場面の描写などで使われることが多いです。日常会話では「say」や「speak」などの方が自然です。形容詞としての「utter」は、何かが完全である、または極端であることを強調したい時に使います。特に「utter nonsense」(全くのナンセンス)、「utter confusion」(完全な混乱)などの表現でよく使われます。
- 「utter」の発音のコツはありますか?
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「utter」の発音で特に注意すべき点は、最初の「u」の音が「ア」と発音されることです。日本語話者は「ウ」と発音しがちですが、正確には「アター」に近い音になります。また、「t」の音は日本語の「ト」よりも軽く、特にアメリカ英語では「d」に近い音になります。発音練習をする時は、ネイティブスピーカーの発音を聞いて真似することをおすすめします。
- 「utter」を使った他のよく使われる表現はありますか?
-
「utter」を使ったよく使われる表現には、以下のようなものがあります。
- utter a sigh(ため息をつく)
- utter a prayer(祈りを唱える)
- utter a lie(嘘をつく)
- utter darkness(真っ暗闇)
- utter silence(完全な静寂)
- utter failure(完全な失敗)
- utter stranger(全くの他人)
これらの表現を覚えておくと、英語表現の幅が広がります。
まとめ

今回は英語の「utter」について、その意味や使い方、例文などを詳しく解説しました。「utter」は動詞としても形容詞としても使われる多機能な単語で、英語学習者がマスターすべき重要な表現です。
ここでポイントをまとめておきましょう。
- 「utter」は動詞として「言葉や音を発する」という意味を持つ
- 形容詞としては「完全な」「全くの」という意味で強調表現として使われる
- 動詞としての「utter」はフォーマルな表現で、日常会話ではあまり使われない
- 形容詞としての「utter」は必ず名詞の前に置かれる
- よく使われる表現として「utter nonsense」「utter confusion」「utter disregard」などがある
- 発音は「アター」に近く、特に「u」の音が「ア」になることに注意が必要
- 「outer(外側の)」との混同に注意する
- 動詞としては必ず目的語を伴う
「utter」は単に「言う」という意味の「say」よりも強いニュアンスを持ち、形容詞としては物事を強調するのに役立ちます。この単語をマスターすることで、より豊かな英語表現が可能になります。ぜひ日常の英語学習に取り入れてみてください。