「vamoose」は英語の動詞で、「急いで立ち去る」「逃げる」「素早く去る」といった意味を持つ、主にアメリカで使われるスラング表現です。スペイン語に由来するこの言葉は、カジュアルな会話で使われることが多く、特にアメリカ西部劇映画でよく耳にする表現です。
この記事では、「vamoose」の意味や使い方、例文、間違いやすいポイントなどを詳しく解説していきます。
「vamoose」とは?その意味と起源

「vamoose」は「急いで立ち去る」「逃亡する」「素早く消える」という意味の俗語・スラング表現です。この単語は1834年頃に英語に入ってきたとされ、スペイン語の「vamos(行きましょう)」から派生したものです。元々は「vamos」というスペイン語の言葉がアメリカの西部開拓時代に英語圏の人々によって「vamoose」と発音され、綴りも変化して現在の形になりました。
アメリカの西部劇(カウボーイ映画)では1940年代から1960年代にかけて非常によく使われた表現で、カウボーイやガンマンのキャラクターがよく使うフレーズとして知られています。ラテン語の「vadamus(我々が行く)」にまで遡ることができる古い言葉です。
「vamoose」は現代でも主にアメリカ英語の中で使われるカジュアルな表現ですが、正式な文書や丁寧な会話ではあまり使われません。むしろ友人同士の会話や、急いで逃げる必要がある場面を描写するときに使われることが多い言葉です。
「vamoose」の使い方
「vamoose」は自動詞として使われ、「急いで立ち去る」という動作を表します。一般的には命令形で使われることが多く、「さあ、行こう」「急いで逃げよう」といった意味合いで使用されます。
また、過去形「vamoosed」や進行形「vamoosing」の形でも使うことができます。
基本的な使い方
「vamoose」は基本的に自動詞として使われます。つまり、「何かをvamoose」という使い方はせず、単に「vamoose」または「vamoose from」の形で使います。命令文として「Let’s vamoose!(さあ、行こう!)」のように使うのが最も一般的です。
文法的には以下のような形で使われます。
- 「主語 + vamoose」(例:He vamoosed.)
- 「Let’s vamoose」(例:Let’s vamoose before it rains.)
- 「主語 + vamoose + from + 場所」(例:They vamoosed from the party.)
日常会話での「vamoose」
日常会話では、主に以下のようなシチュエーションで「vamoose」が使われます。
- 何か危険なことや問題が迫っているときに、急いでその場から離れる必要がある場合
- 長居しすぎた場所から去るべきだと思った時
- ユーモアを交えて「さっさと行こう」と言いたい時
現代のアメリカでは、若者よりも中年以上の世代がこの言葉を使うことが多いと言われています。また、特に西部地域や南部地域でよく使われる傾向があります。
文学や映画での「vamoose」
「vamoose」は特にアメリカの西部劇映画でよく使われてきました。カウボーイや保安官などのキャラクターが危険が迫った時に「Let’s vamoose!(逃げるぞ!)」と言うシーンがよくあります。
また、冒険小説や子供向けの物語でも、スリリングな場面展開をする際にこの言葉が使われることがあります。文学作品では、古風な雰囲気や特定の時代感を出すために意図的に使われることもあります。
現代の映画やテレビでは、コメディやアクション作品の中で、少しユーモラスな効果を出すために使われることがあります。
「vamoose」の例文
ここでは、「vamoose」を使った簡単な例文をいくつか紹介します。中学英語レベルで理解できる内容になっています。
例文
- Let’s vamoose before the rain starts.(雨が降り始める前に急いで行きましょう。)
- When they saw the police car, they vamoosed quickly.(彼らは警察車両を見ると、素早く逃げ出した。)
- It’s getting late. We should vamoose now.(遅くなってきた。今立ち去るべきだ。)
- The children vamoosed when they heard their mother coming.(子供たちは母親が来るのを聞いて急いで逃げ出した。)
- If the dog comes, vamoose as fast as you can.(もし犬が来たら、できるだけ速く逃げなさい。)
- We need to vamoose before the store closes.(店が閉まる前に急いで行かないといけない。)
- The boy vamoosed when he broke the window.(その少年は窓を割った時に逃げ出した。)
- Time to vamoose! The bus is coming.(さあ急いで行こう!バスが来るよ。)
- After the party, everyone vamoosed quickly.(パーティーの後、みんな素早く立ち去った。)
- I think we should vamoose from here. It’s not safe.(ここから逃げるべきだと思う。安全ではない。)
「vamoose」のよくある間違いと注意点
「vamoose」を使う際によくある間違いと注意点をいくつか紹介します。
使用場面の間違い
「vamoose」はカジュアルな表現・スラングであるため、フォーマルな場面では使うべきではありません。たとえば、ビジネスの会議や公式な手紙、学術的な文章などでこの言葉を使うのは適切ではありません。
- ❌ I need to vamoose from this meeting.(この会議から立ち去る必要があります。)
- ⭕ I need to leave this meeting early.(この会議を早めに退席する必要があります。)
文法的な間違い
「vamoose」は自動詞として使われるべきで、目的語を直接取ることはありません。
- ❌ Let’s vamoose the room.(その部屋をvamooseしよう。)
- ⭕ Let’s vamoose from the room.(その部屋から立ち去ろう。)
発音の間違い
「vamoose」の正しい発音は「ヴァムース」(/vəˈmuːs/)です。「ヴァムーシュ」や「ヴァムーズ」と発音するのは間違いです。
文化的な理解の不足
「vamoose」はアメリカの西部劇文化に根付いた言葉であるため、特に年配のアメリカ人にはなじみがありますが、若い世代や他の英語圏の国々(イギリス、オーストラリアなど)では広く知られていない場合があります。
そのため、国際的なコミュニケーションでは注意が必要です。
時代感覚の間違い
「vamoose」は少し古風な印象を与える単語です。現代の日常会話でこの言葉を頻繁に使うと、古い言葉遣いをしているという印象を与えることがあります。
友人との会話でユーモアを交えて使うのは良いですが、現代的な表現としては「get out of here」「let’s go」「hurry up」などの方がより一般的です。
「vamoose」に関する問題
英語学習の理解度を測るために、「vamoose」に関する問題を10問用意しました。問題を解いて、この言葉の意味や使い方についての理解を深めましょう。全て異なる回答になっています。
まずは問題に挑戦し、その後で解答を確認してください。
- 「vamoose」の品詞は何ですか?
- 「vamoose」の起源となる言語は何ですか?
- 次の文のうち、「vamoose」の使い方が正しいのはどれですか?
a) He vamoosed the classroom.
b) Let’s vamoose from here.
c) We vamoose him away.
d) I am vamoose now. - 「vamoose」の意味に最も近いものはどれですか?
a) ゆっくり歩く
b) 静かに話す
c) 急いで立ち去る
d) 喜んで踊る - 「vamoose」が最もよく使われるのはどの場面ですか?
a) ビジネスミーティング
b) 学術論文
c) 友人との会話
d) 公式スピーチ - 「When the teacher came, the students vamoosed.」この文の意味として正しいのはどれですか?
- 「vamoose」が英語に入ってきたのは約何年頃ですか?
a) 1700年頃
b) 1834年頃
c) 1900年頃
d) 1950年頃 - 「vamoose」の正しい発音は次のうちどれですか?
a) ヴァームーシュ
b) ヴェイムース
c) ヴァムース
d) ヴァモーゼ - 「Let’s vamoose before it gets dark.」のvamooseを別の一般的な表現に置き換えるとしたら何が適切ですか?
- 「vamoose」はどのタイプの英語で主に使われますか?
a) イギリス英語
b) オーストラリア英語
c) アメリカ英語
d) カナダ英語
「vamoose」に関するよくある質問
- 「vamoose」は現代の日常英会話でもよく使われますか?
-
「vamoose」は現代の日常会話ではそれほど頻繁には使われていません。特に若い世代の間では古風な表現として認識されることが多いです。しかし、ユーモアを込めた表現や、西部劇の雰囲気を出したい時などには今でも使われることがあります。また、地域によっては(特にアメリカの西部や南部)、この言葉が日常会話で生き残っている場合もあります。
- 「vamoose」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
いいえ、「vamoose」はスラングであり、非常にカジュアルな表現なので、ビジネスの場や学術的な文章、公式なスピーチなどのフォーマルな場面では使うべきではありません。そのような状況では「leave」「depart」「exit」などの標準的な表現を使うのが適切です。
- 「vamoose」に似た意味を持つ他のスラング表現はありますか?
-
はい、「scram」「beat it」「take off」「split」「make tracks」「hit the road」「skedaddle」などが類似した意味を持つスラング表現です。これらも「急いで立ち去る」「逃げる」といったニュアンスを持っています。
- 「vamoose」はイギリス英語でも通じますか?
-
「vamoose」はアメリカ起源のスラングなので、イギリスでは一般的ではありません。映画やテレビを通じて知られてはいますが、日常会話で使われることはあまりなく、特に年配のイギリス人には通じない可能性もあります。
- 「vamoose」の正しい発音を教えてください。
-
「vamoose」の正しい発音は「ヴァムース」(/vəˈmuːs/)です。「va」は弱く発音され、アクセントは「moose」の部分に置かれます。
- 「vamoose」は他の言語にも似た言葉がありますか?
-
「vamoose」はスペイン語の「vamos(行きましょう)」から来ているので、スペイン語やポルトガル語など他のロマンス系言語にも類似した言葉があります。しかし、発音と綴りが大きく変化したのは英語特有の現象です。
- 「vamoose」を使った有名な表現やフレーズはありますか?
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特に定型的なフレーズはありませんが、西部劇でよく「Let’s vamoose!」「Time to vamoose!」「Vamoose, pardner!」(パートナー、逃げるぞ!)のような表現が使われました。
まとめ

この記事では、英語のスラング表現「vamoose」について詳しく解説してきました。起源から意味、使い方、例文、間違いやすい点まで幅広く見てきましたが、主なポイントを以下にまとめておきます。
- 「vamoose」はスペイン語の「vamos(行きましょう)」から派生した英語のスラング
- 主な意味は「急いで立ち去る」「逃げる」「素早く去る」
- 1834年頃に英語に入ってきた言葉で、特にアメリカ西部劇で人気だった
- 自動詞として使われ、カジュアルな会話で使われる表現
- 正式な場面では使うべきではなく、友人同士の会話やユーモアを込めた表現として使うのが適切
- 現代ではやや古風な印象を与える単語だが、特にアメリカでは今でも使われることがある
「vamoose」はアメリカの西部開拓時代の雰囲気を持つ魅力的な言葉です。英語の多様性や歴史を理解する上でも興味深い単語といえるでしょう。カジュアルな英会話の中でユーモアを交えて使ってみると、ネイティブスピーカーとの会話がより楽しくなるかもしれません。
ただし、使う場面や相手に合わせて適切に使い分けることが大切です。