「vastly」は英語の副詞で、「非常に」「大いに」「広大に」という意味を持ち、何かの程度が極めて大きいことを強調するときに使われます。形容詞や他の副詞を修飾する役割を持ち、特に比較表現でよく使用されます。
この記事では、英語初学者向けに「vastly」の意味や使い方、例文などについて詳しく解説していきます。
vastlyとは?基本的な意味と使い方

「vastly」は形容詞「vast(広大な、膨大な)」から派生した副詞です。主に「非常に」「大いに」「広大に」という意味で使われ、何かの程度や差が極めて大きいことを強調するときに用いられます。「vastly」は特に比較の文脈でよく使われ、二つのものの間に大きな違いがあることを表現する際に効果的です。
「vastly」は通常、形容詞や他の副詞を修飾して使われます。例えば「vastly different(非常に異なる)」「vastly improved(大幅に改善された)」などの表現でよく見かけることができます。また、「vastly superior」(はるかに優れている)のように比較級と組み合わせて使うこともあります。
vastlyの発音と語源
「vastly」の発音は「ヴァーストリー」に近く、アクセントは最初の音節「vast」にあります。
語源としては、ラテン語の「vastus(広大な、荒れた)」から来ており、形容詞「vast」から副詞形として「-ly」がついた形になっています。
vastlyが使われる一般的な状況
「vastly」は主に以下のような状況で使われます。
- 比較表現で大きな差を強調するとき
- 改善や悪化が著しいことを示すとき
- 規模や範囲が非常に大きいことを表現するとき
vastlyの使用例と例文
「vastly」の使い方をより深く理解するために、実際の例文を見ていきましょう。ここでは、中学英語レベルで理解できる簡単な例文を紹介します。
日常会話での使用例
例文
- The new computer is vastly faster than the old one.(新しいコンピューターは古いものよりもはるかに速い。)
- My English skills have improved vastly since last year.(私の英語力は去年から大幅に向上した。)
- The two brothers look vastly different from each other.(その二人の兄弟は見た目が全く異なる。)
- She vastly prefers tea to coffee.(彼女はコーヒーよりも断然お茶が好きだ。)
学校や勉強に関する例文
例文
- This book is vastly more interesting than that one.(この本はあの本よりもずっと面白い。)
- The students in our class come from vastly different backgrounds.(私たちのクラスの生徒たちは非常に異なる背景を持っている。)
- My math skills have vastly improved after taking extra lessons.(追加の授業を受けた後、私の数学の能力は大幅に向上した。)
- The new teaching method is vastly superior to the old one.(新しい教授法は古いものよりはるかに優れている。)
日常生活での使用例
例文
- The internet has vastly changed how we communicate.(インターネットは私たちのコミュニケーション方法を大きく変えた。)
- Tokyo is vastly larger than my hometown.(東京は私の故郷よりもはるかに大きい。)
- The quality of this restaurant has vastly improved.(このレストランの質は大幅に向上した。)
- The new medicine works vastly better than the one I used before.(新しい薬は以前使っていたものよりずっと効果がある。)
vastlyの類義語と違い
「vastly」には似たような意味を持つ副詞がいくつかありますが、それぞれニュアンスや使い方が異なります。ここでは、「vastly」の主な類義語とその違いについて説明します。
greatlyとの違い
「greatly」も「大いに」「非常に」という意味を持つ副詞ですが、「vastly」と比べるとやや程度が弱い印象があります。
「vastly」は非常に大きな差や変化を強調するのに対し、「greatly」はより一般的な強調表現です。
例文
- The new policy greatly affected our business.(新しい政策は私たちのビジネスに大きく影響した。)
- The new policy vastly improved our business prospects.(新しい政策は私たちのビジネスの見通しを大幅に改善した。)
enormouslyとの違い
「enormously」は「enormous(巨大な)」という形容詞から派生した副詞で、「vastly」と同様に強い程度を表します。
「enormously」は主に量や大きさに関する強調に使われることが多いのに対し、「vastly」はより広範な状況で使用されます。
例文
- I enjoy reading enormously.(私は読書を非常に楽しんでいる。)
- The two cultures are vastly different.(その二つの文化は全く異なる。)
significantlyとの違い
「significantly」は「大幅に」「有意に」という意味で、特に統計や科学的文脈でよく使われます。
「vastly」がより口語的で強い印象を与えるのに対し、「significantly」はややフォーマルで客観的な印象があります。
例文
- Our sales have increased significantly this year.(今年、私たちの売上は大幅に増加した。)
- Our new product is vastly superior to our competitors’.(私たちの新製品は競合他社のものよりはるかに優れている。)
類義語の比較表
副詞 | 意味 | 強さ | 主な使用状況 |
---|---|---|---|
vastly | 非常に、大いに | 非常に強い | 大きな差や変化の強調 |
greatly | 大いに、非常に | 中程度 | 一般的な強調 |
enormously | 非常に、巨大に | 非常に強い | 量や大きさの強調 |
significantly | 大幅に、有意に | 中程度 | 科学的、統計的な文脈 |
extremely | 極めて、非常に | 非常に強い | 一般的な極度の強調 |
vastlyを使った慣用表現
「vastly」は特定の単語と組み合わさって、よく使われる表現がいくつかあります。ここでは、「vastly」を含む代表的な慣用表現を紹介します。
vastly different(全く異なる)
最もよく使われる表現の一つで、二つのものが非常に大きく異なることを強調します。
例文
- Japanese culture is vastly different from American culture.(日本文化はアメリカ文化と全く異なる。)
- The two sisters have vastly different personalities.(その二人の姉妹は全く異なる性格を持っている。)
vastly improved(大幅に改善された)
何かが以前と比べて非常に良くなったことを表現します。
例文
- My English has vastly improved since I started watching movies in English.(英語の映画を見始めてから、私の英語は大幅に向上した。)
- The new version of the game is vastly improved.(そのゲームの新バージョンは大幅に改善されている。)
vastly superior(はるかに優れている)
何かが他のものと比較して非常に優れていることを強調します。
例文
- This computer is vastly superior to the model I had before.(このコンピュータは以前持っていたモデルよりはるかに優れている。)
- Her skills are vastly superior to mine.(彼女のスキルは私のものよりはるかに優れている。)
vastly underestimated(大いに過小評価された)
何かの重要性や影響力などが非常に過小評価されていることを表します。
例文
- The impact of social media has been vastly underestimated.(ソーシャルメディアの影響は大いに過小評価されてきた。)
- The difficulty of learning a new language is often vastly underestimated.(新しい言語を学ぶ難しさはしばしば大いに過小評価されている。)
vastlyのよくある間違いと注意点
「vastly」を使う際によくある間違いや注意すべき点について解説します。英語初学者が「vastly」を正しく使えるようになるためのポイントを紹介します。
形容詞として使用する
「vastly」は副詞であり、形容詞ではありません。形容詞として使いたい場合は、「vast」を使う必要があります。
誤:This is a vastly improvement.
正:This is a vast improvement.(これは大きな改善です。)
または
正:This has improved vastly.(これは大幅に改善されました。)
単独で使用する
「vastly」は通常、他の形容詞や副詞を修飾するために使われ、単独で使うことはあまりありません。
誤:I like this vastly.
正:I like this very much.(私はこれが非常に好きです。)
正しい使い方:This is vastly better.(これははるかに良いです。)
不適切な文脈での使用
「vastly」は大きな差や変化を強調するために使われるため、小さな違いや変化について述べる場合には適切ではありません。
誤:The temperature has changed vastly from 20°C to 21°C.
正:The temperature has changed slightly from 20°C to 21°C.(気温は20℃から21℃へとわずかに変化した。)
適切な使用例:The climate has changed vastly over the past century.(気候は過去1世紀で大きく変化した。)
名詞の直前に置く
「vastly」は副詞であるため、名詞を直接修飾することはできません。名詞を修飾したい場合は、形容詞「vast」を使います。
誤:They have vastly resources.
正:They have vast resources.(彼らは膨大な資源を持っている。)
正しい使い方:Their resources have increased vastly.(彼らの資源は大幅に増加した。)
注意点:類義語との使い分け
「greatly」「extremely」「highly」など似たような意味を持つ副詞と「vastly」を適切に使い分けることも重要です。「vastly」は特に大きな差や変化を強調する場合に使うのが適切です。
例文
- The new system is greatly improved.(新しいシステムは大きく改善されている。)- 一般的な改善
- The new system is vastly improved.(新しいシステムは大幅に改善されている。)- 非常に大きな改善
vastlyに関する問題
「vastly」は「非常に」「大いに」といった意味を持つ副詞で、程度や規模が非常に大きいことを表現する際に使われます。英語学習では、「vastly」の使い方や、似た意味を持つ他の副詞との違いを理解することが重要です。
以下の問題では、「vastly」を含む文脈や、他の適切な副詞を選ぶ問題を通して、語彙力と文脈判断力を養うことができます。
- The new technology is _______ superior to the old one.
- Her opinion was _______ different from what I expected.
- This city is _______ larger than my hometown.
- The two artists have _______ styles; you can easily tell them apart.
- The results were _______ disappointing for the whole team.
- The landscape changed _______ after the storm.
- His explanation was _______ unclear, so I had to ask again.
- The movie was _______ entertaining; I laughed the whole time.
- The cost of living has increased _______ in recent years.
- Their approach to the problem was _______ creative and unique.
この問題を通して、「vastly」とその他の副詞の使い分けをしっかりと身につけましょう。
vastlyに関するよくある質問
「vastly」について英語学習者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「vastly」と「very」の違いは何ですか?
-
「vastly」と「very」はどちらも強調するための副詞ですが、強調の度合いと使われる文脈が異なります。「very」は一般的な強調表現で幅広い場面で使われるのに対し、「vastly」はより強い強調を表し、特に大きな差や変化について述べる場合に使われます。例えば「very different(とても異なる)」よりも「vastly different(全く異なる)」の方がより大きな違いを強調しています。
- 「vastly」は日常会話でよく使われますか?
-
「vastly」は日常会話よりも、書き言葉や少しフォーマルな文脈で使われることが多い表現です。日常的な会話では「really」「very」「extremely」などの副詞の方がより一般的です。ただし、特に大きな違いや変化を強調したい場合には、口語でも「vastly different」「vastly improved」などの表現が使われることがあります。
- 「vastly」の反対語は何ですか?
-
「vastly」は程度の大きさを表す副詞なので、直接的な反対語というものはありませんが、「slightly(わずかに)」「marginally(わずかに)」「barely(かろうじて)」などが対義的に使われることがあります。例えば「vastly different(全く異なる)」の対義表現は「slightly different(わずかに異なる)」となります。
- 「vastly」はどんな動詞と一緒に使えますか?
-
「vastly」は直接動詞を修飾するよりも、形容詞や他の副詞を修飾することが多いです。しかし、「improve」「differ」「exceed」「outperform」などの動詞と組み合わせて使われることもあります。
- The situation has vastly improved.(状況は大幅に改善した。)
- Their performance vastly exceeded our expectations.(彼らの成績は私たちの予想をはるかに上回った。)
- 「vastly」と「vastness」の違いは何ですか?
-
「vastly」は副詞で「非常に、大いに」という意味であるのに対し、「vastness」は名詞で「広大さ、膨大さ」という意味です。「vastness」は何かの広大な規模や範囲を表す際に使われます。
- The vastness of the universe is beyond our imagination.(宇宙の広大さは私たちの想像を超えている。)
- The project is vastly more complex than we thought.(そのプロジェクトは私たちが思っていたよりもはるかに複雑だ。)
- 「vastly」は学術的な文章でも使えますか?
-
はい、「vastly」は学術的な文章でも使用されます。特に研究結果や理論間の大きな違いを強調する場合などに適しています。ただし、より客観的な表現が求められる場合には、「significantly」「substantially」などの副詞が好まれることもあります。
- 「vastly」の発音のコツはありますか?
-
「vastly」の発音は「ヴァースト・リー」に近く、第一音節(vast)にアクセントがあります。「a」は日本語の「ア」よりも少し長めの「アー」に近い音で、「st」は一つの子音として発音します。最後の「ly」は軽く発音します。英語の発音記号では /ˈvæstli/ と表されます。
まとめ

この記事では「vastly」の意味や使い方について詳しく解説してきました。「vastly」は「非常に、大いに、広大に」という意味を持つ副詞で、何かの程度が非常に大きいことを強調するときに使われます。
特に比較表現や大きな変化を述べる際に効果的な表現です。以下に本記事のポイントをまとめます。
- 「vastly」は副詞で、「非常に」「大いに」「広大に」という意味を持つ
- 主に形容詞や他の副詞を修飾して使用される
- 「vastly different」「vastly improved」「vastly superior」などの表現でよく用いられる
- 名詞を直接修飾する場合は「vast」(形容詞形)を使用する
- 日常会話よりも書き言葉やフォーマルな文脈でよく使われる
- 大きな差や変化を強調するときに特に効果的
- 類義語には「greatly」「enormously」「significantly」などがあるが、それぞれニュアンスが異なる
- 「vastly」は比較級と組み合わせて使うことが多い
英語学習において、「vastly」のような強調表現を適切に使いこなせるようになると、より豊かで正確な表現ができるようになります。この記事で紹介した例文や使い方を参考に、ぜひ実際の会話や作文で「vastly」を使ってみてください。
正しく使いこなせば、あなたの英語表現の幅は大いに(vastly)広がることでしょう。