「Wear your heart on your sleeve」は英語のイディオム(慣用句)で、自分の感情や気持ちをありのままに表現する、または隠さずにオープンに表すという意味を持ちます。この表現は英語圏でよく使われますが、初学者にとっては理解しづらい表現かもしれません。
この記事では、意味や由来、実際の使い方、そして簡単な例文を通して詳しく解説していきます。
「Wear your heart on your sleeve」の基本的な意味

「Wear your heart on your sleeve」を直訳すると「心臓を袖の上に着ける」となりますが、実際には「感情を隠さずにオープンに表現する」という意味です。自分の気持ちや考えをすぐに外に表してしまう人、または意図的に感情をありのままに表現する人を描写するときに使われます。
このイディオムの起源は、中世ヨーロッパの騎士たちが愛する女性への忠誠の証として、彼女のスカーフや小物を袖に付けていた習慣にあるとされています。また、別の説ではシェイクスピアの作品「オセロ」で初めて使われたという説もあります。
現代では、感情表現が豊かな人や、思ったことをそのまま言ってしまう人の特徴を表すときによく使われています。日本語では「素直に感情を表す」「包み隠さず気持ちを表現する」といった表現に近いでしょう。
「Wear your heart on your sleeve」の使い方
このイディオムは様々な状況で使われますが、特に人の性格や行動を描写するときに便利です。感情をコントロールできない人や、意図的に正直に感情を表現する人について話すときに適しています。
日常会話での使い方
友達との会話や、カジュアルな場面で使うことが多いイディオムです。例えば、「She always wears her heart on her sleeve」(彼女はいつも感情をオープンに表現する)のように、ある人の性格を説明するときに使います。
感情表現が豊かな人を肯定的に評価するときにも使われますし、時には感情のコントロールができないという否定的なニュアンスで使われることもあります。状況やトーン次第で意味合いが変わる表現です。
恋愛やビジネスシーンでの使い方
恋愛関係では、相手に対して正直に気持ちを伝える人を描写するときに使います。「He wears his heart on his sleeve when he talks to her」(彼は彼女と話すとき、正直に気持ちを表現する)といった使い方をします。
ビジネスシーンでは、感情をオープンに表すことがポジティブにもネガティブにも捉えられます。チームワークやコミュニケーションの観点からは良いこともありますが、交渉や厳しい状況では感情を表に出しすぎないほうが良い場合もあります。
「Wear your heart on your sleeve」の例文
英語初学者でも理解しやすいように、中学英語レベルの簡単な例文をいくつか紹介します。
基本的な例文
例文
- Tom wears his heart on his sleeve. He always shows his feelings.(トムは感情をオープンに表現します。彼はいつも自分の気持ちを表します。)
- My mother wears her heart on her sleeve. She cries during sad movies.(私の母は感情をオープンに表現します。彼女は悲しい映画を見ると泣きます。)
- I don’t wear my heart on my sleeve. I keep my feelings inside.(私は感情をオープンに表現しません。自分の気持ちを内に秘めています。)
- She wore her heart on her sleeve when she told him she liked him.(彼女は彼に好意を伝えるとき、感情をオープンに表現しました。)
- My friend wears his heart on his sleeve. We always know how he feels.(私の友達は感情をオープンに表現します。私たちはいつも彼がどう感じているか分かります。)
会話での例文
例文
- A: Why does Lisa look so sad today?(リサは今日どうして悲しそうに見えるの?)
- B: She wears her heart on her sleeve. She had a fight with her brother.(彼女は感情をオープンに表現するタイプなんだ。兄弟げんかをしたんだよ。)
- A: Do you think John is angry with us?(ジョンは私たちに怒っていると思う?)
- B: No, he would tell us. He always wears his heart on his sleeve.(いいえ、彼なら言うはずよ。彼はいつも感情をオープンに表現するから。)
「Wear your heart on your sleeve」の類似表現
英語には「感情を表現する」ことに関連した表現がいくつかあります。それらを知ることで、状況に応じて適切な表現を選べるようになります。
似た意味を持つ英語表現
「Open book」は「開かれた本」という意味で、すぐに何を考えているかが分かる人を表します。例えば、「My sister is an open book」(私の姉は何を考えているか一目瞭然です)。
「Speak your mind」は「思っていることをそのまま話す」という意味で、遠慮なく自分の意見を述べることを指します。これも感情や考えを隠さないという点で似ています。
反対の意味を持つ英語表現
「Poker face」(ポーカーフェイス)は感情を表に出さない表情のことで、「Wear your heart on your sleeve」とは正反対の意味を持ちます。
「Keep your cards close to your chest」は「カードを胸に近づけて持つ」という意味で、自分の考えや感情を他人に明かさないことを表します。
「Wear your heart on your sleeve」に関するよくある質問
- 「Wear your heart on your sleeve」は良い意味ですか、悪い意味ですか?
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このイディオムは状況によって良い意味にも悪い意味にもなります。友人関係や親密な関係では、正直で開かれた態度として評価されることが多いです。一方、ビジネスシーンや初対面の人との関係では、感情的すぎると思われる場合もあります。
- 日本語で同じような表現はありますか?
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日本語では「素直に感情を表す」「思ったことがすぐ顔に出る」「正直者」「喜怒哀楽が表に出る」などの表現が近いと言えるでしょう。ただし、完全に同じニュアンスではありません。
- この表現はどんな場面で使うべきですか?
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主に人の性格や行動を描写するときに使います。特に感情表現が豊かな人や、自分の気持ちを隠さない人について話すときに適しています。普段は感情を隠す人が例外的に感情を表したときにも使うことができます。
- 「Wear your heart on your sleeve」はフォーマルな場面でも使えますか?
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このイディオムはややカジュアルな表現ですが、ビジネス英語でも使われることがあります。ただし、非常にフォーマルな文書や場面では、「express emotions openly」(感情をオープンに表現する)のようなより直接的な表現を使うほうが適切な場合もあります。
まとめ

「Wear your heart on your sleeve」について学んだポイントを以下にまとめます。
- 感情をオープンに表現する、気持ちを隠さないことを意味するイディオム
- 中世ヨーロッパの騎士文化やシェイクスピアの作品が起源と言われている
- 文脈によって肯定的にも否定的にも解釈される表現
- 人の性格や行動を描写するときによく使われる
- 「open book」「speak your mind」など似た表現がある
- 反対の意味では「poker face」「keep your cards close to your chest」などがある
- 日常会話からビジネスシーンまで様々な場面で使うことができる
- 感情表現に関する語彙を増やすことで、英語でのコミュニケーションがより豊かになる
このイディオムを知ることで、英語の表現の幅が広がります。会話の中で使ってみたり、映画やドラマでこの表現が出てきたときに理解できるようになったりすると、英語学習がさらに楽しくなるでしょう。