「Weather the storm」は英語のイディオム(慣用句)で、困難な状況や試練を乗り切るという意味を持っています。日本語では「嵐を乗り切る」「困難を切り抜ける」といった表現に相当します。このイディオムは日常会話やビジネスシーンでよく使われる表現なので、英語学習者にとって知っておくと便利です。
この記事では、「Weather the storm」の意味や使い方、起源について、分かりやすく解説していきます。
「Weather the storm」の基本的な意味

「Weather the storm」は、文字通りには「嵐を切り抜ける」という意味ですが、実際には比喩的に使われることがほとんどです。困難な状況や試練、苦難の時期を無事に乗り越え、大きな害を受けずに生き残るという意味を表します。
このイディオムにおける「weather」は名詞ではなく動詞として使われています。「嵐(storm)」は困難や苦難を象徴しており、それを「耐え抜く(weather)」という意味になります。日常生活での様々な困難(経済的問題、人間関係のトラブル、職業上の危機など)に直面したときに、それを乗り越える状況を表現するのに適しています。
日本語での類似表現
日本語では「荒波を乗り越える」「難局を乗り切る」「嵐が過ぎ去るのを待つ」といった表現が近い意味を持っています。
日本語でも自然現象を用いて困難を表す比喩表現が多く存在します。
「Weather the storm」の起源と歴史
「Weather the storm」というイディオムは、海洋や航海に関連する用語から生まれました。船が実際の嵐や荒天を無事に切り抜けるという実体験から、比喩的な表現として発展してきました。
1600年代頃から比喩的に使われ始めたとされています。歴史的には船乗りたちが海の嵐に遭遇し、無事に港に戻ってくる様子を表現する言葉でした。時間の経過とともに、この表現は実際の嵐だけでなく、あらゆる種類の困難な状況を表すために広く使われるようになりました。
語源的な背景
「Weather」という単語は、名詞としての「天気」という意味だけでなく、動詞として「(嵐などを)切り抜ける、耐える」という意味でも使われます。
この動詞としての用法がこのイディオムの中で使われているのです。
「Weather the storm」の使い方と例文
「Weather the storm」は、個人的な困難から経済危機、政治的変動まで、様々な文脈で使うことができます。
以下、いくつかの例文を通して使い方を見ていきましょう。
日常生活での使用例
例文
- She lost her job, but she will weather the storm.(彼女は仕事を失いましたが、この困難を乗り切るでしょう。)
- My family helped me weather the storm after my accident.(事故の後、私の家族が困難を乗り切る手助けをしてくれました。)
- We must work together to weather the storm.(私たちはこの困難を乗り切るために協力しなければなりません。)
ビジネスや経済の文脈での使用例
例文
- The small shop weathered the storm of the recession.(その小さな店は不況の嵐を乗り切りました。)
- Our company is strong enough to weather this financial storm.(私たちの会社はこの金融危機を乗り切るのに十分強いです。)
- Many businesses failed, but we weathered the storm.(多くの企業が失敗しましたが、私たちは困難を乗り切りました。)
感情や人間関係に関する使用例
例文
- Their friendship weathered the storm of disagreement.(彼らの友情は意見の相違という嵐を乗り切りました。)
- We had problems, but our love weathered the storm.(問題はありましたが、私たちの愛は困難を乗り切りました。)
- The team weathered the storm after losing three games.(チームは3試合負けた後も困難を乗り切りました。)
「Weather the storm」の類似表現
「Weather the storm」と似た意味を持つ英語表現がいくつかあります。
これらの表現も知っておくと、英語での表現の幅が広がります。
Ride out the storm(嵐を乗り切る)
「Ride out the storm」も「Weather the storm」とほぼ同じ意味を持ちます。困難な状況を耐え忍び、それが過ぎ去るのを待つというニュアンスです。
例文
- We will ride out the storm together.(私たちは一緒にこの困難を乗り切ります。)
Get through a rough patch(困難な時期を乗り越える)
「困難な時期を切り抜ける」という意味で、より一般的な表現です。
例文
- She is getting through a rough patch at school.(彼女は学校での困難な時期を乗り越えています。)
Come out stronger(より強くなって現れる)
困難を経験した後に、以前よりも強くなるという意味です。
例文
- We came out stronger after facing this problem.(私たちはこの問題に直面した後、より強くなりました。)
「Weather the storm」に関するよくある質問
- 「Weather」は名詞ではないのですか?
-
「Weather」は名詞としての「天気」という意味と、動詞としての「耐える、乗り切る」という意味の両方があります。「Weather the storm」では動詞として使われています。
- 「Weather the storm」は文字通りの嵐についても使えますか?
-
はい、実際の嵐や台風などの気象現象を乗り切る場合にも使えますが、より一般的には比喩的に困難な状況を表すために使われます。
- ビジネスの文脈で使う場合の適切な例はありますか?
-
ビジネスでは、経済不況、市場の変動、競争の激化などの困難な状況を乗り切る際に使います。例えば「Our business weathered the storm of the market crash.」(私たちのビジネスは市場崩壊の嵐を乗り切りました。)
- 「Weather the storm」の反対の意味を持つ表現はありますか?
-
明確な反対表現はありませんが、「succumb to the difficulties」(困難に屈する)や「be overwhelmed by challenges」(課題に圧倒される)などが逆の状況を表します。
まとめ

「Weather the storm」について学んできましたが、ポイントをまとめると、
- 「Weather the storm」は困難や試練を乗り切るという意味のイディオム
- 起源は航海における実際の嵐を切り抜ける経験から来ている
- 1600年代から比喩的に使われ始めた表現
- 個人的な困難、ビジネス上の課題、人間関係のトラブルなど、様々な文脈で使える
- 「Ride out the storm」など類似した表現も存在する
- 「Weather」はこの表現では動詞として使われる
- 日本語では「荒波を乗り越える」「難局を乗り切る」などに相当する
英語のイディオムを学ぶことは、より自然な英語表現を身につける上で重要です。「Weather the storm」のようなイディオムを知っておくと、英語でのコミュニケーション能力が格段に向上します。
困難な状況に直面したとき、「I will weather this storm」(この困難を乗り切ります)と言えるようになりましょう。