「whether」は英語の接続詞で、主に「〜かどうか」という意味を表す重要な単語です。英語の文章や会話で頻繁に使われるこの単語を理解することで、あなたの英語力は大きく向上するでしょう。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう「whether」の基本的な意味から応用まで、具体的な例文を用いて詳しく解説していきます。
「whether」とは?基本的な意味と使い方

「whether」は主に「〜かどうか」という不確実性や選択肢を表す接続詞です。日本語では「〜かどうか」や「〜であろうとなかろうと」といった意味に相当します。この単語は特に、話し手が結果を確定できない場合や、二つの可能性(「はい」または「いいえ」など)がある状況で使われます。
「whether」は特に疑問や不確かさを間接的に伝える場合に便利な単語です。直接「彼は来ますか?」と聞く代わりに、「彼が来るかどうか知りません」と言いたいときなどに使います。このように、直接疑問文を間接的に表現するときに重要な役割を果たします。
日常会話では「I don’t know whether」(〜かどうか分かりません)や「Please tell me whether」(〜かどうか教えてください)といった表現でよく使われます。
「whether」の発音と語源
「whether」の発音は「ウェザー」に近く、国際音声記号では/ˈweðər/と表記されます。「th」の音は日本語にない発音なので、舌先を上の前歯の裏に軽く当てて、息を出しながら発音するとよいでしょう。
語源的には、古英語の「hwæþer」(どちらの)から来ています。現代でも「どちらか」という二者択一の概念が「whether」の核となっています。「weather(天気)」とは発音が似ていますが、全く別の単語なので注意しましょう。
「whether」の基本的な使い方
「whether」の最も基本的な使い方は、間接疑問文を導入することです。直接的な質問を間接的に表現する場合に使われます。
以下に基本的な例文をいくつか紹介します。
例文
- I don’t know whether she likes coffee.(彼女がコーヒーを好きかどうか分かりません。)
- He asked me whether I could help him.(彼は私が手伝えるかどうか尋ねました。)
- Please tell me whether you will attend the party.(パーティーに出席するかどうか教えてください。)
- We need to decide whether we should buy a new car.(新しい車を買うべきかどうか決める必要があります。)
これらの例文では、「whether」が「〜かどうか」という不確かさを表現しています。
何かについて確信が持てない場面や、選択肢について話しているときに「whether」が使われます。
間接疑問文での「whether」の使い方
間接疑問文とは、「彼は何を言ったか」「どこへ行くべきか」などの疑問を間接的に伝える文のことです。
特にYes/No疑問文(はい・いいえで答えられる質問)を間接的に表現する場合に「whether」が重要な役割を果たします。
例文
- The teacher asked whether we had finished our homework.(先生は私たちが宿題を終えたかどうか尋ねました。)
- I wonder whether it will snow tomorrow.(明日雪が降るかどうか気になります。)
- She couldn’t decide whether to go to the beach or the mountains.(彼女は海に行くか山に行くか決められませんでした。)
これらの例文では、直接的な質問(「Did you finish your homework?」「Will it snow tomorrow?」)が間接的な形で表現されています。
「whether」を使うことで、二つの可能性(はい/いいえ)があることを示しています。
名詞節を導く「whether」
「whether」は名詞節(文の中で名詞の役割をする節)を導入するためにも使われます。
このような節は、文の主語、目的語、または前置詞の目的語として機能します。
例文
- Whether we win or lose is not important.(私たちが勝つか負けるかは重要ではありません。)[主語として]
- The success of the project depends on whether everyone works hard.(プロジェクトの成功はみんなが一生懸命働くかどうかにかかっています。)[前置詞の目的語として]
- I am worried about whether he will recover soon.(彼がすぐに回復するかどうか心配です。)[前置詞の目的語として]
これらの例では、「whether」が導く節全体が一つのまとまりとして文の中で機能しています。
特に「depend on whether」(〜かどうかによる)という表現はよく使われるので覚えておくと便利です。
「whether」と「if」の違い
英語学習者がよく混同するのが「whether」と「if」です。両方とも日本語では「〜かどうか」と訳されることが多いため、区別が難しく感じるかもしれません。しかし、使用する状況によって適切な選択が変わります。
「whether」は基本的に二つの選択肢を示唆します。一方、「if」は条件を表す場合にも使われ、必ずしも選択肢を示唆するわけではありません。また、特定の構文では「whether」しか使えない場合があります。
以下に両者の違いが分かる例文を紹介します。
例文
- I don’t know whether/if he will come.(彼が来るかどうか分かりません。)[どちらも使用可能]
- Let me know whether you can attend the meeting.(会議に出席できるかどうか教えてください。)[どちらも可能だが、フォーマルな場面ではwhetherが好まれる]
- I’m not sure whether I should study or play games.(勉強すべきかゲームをすべきか確信が持てません。)[選択肢を明示する場合はwhetherが好まれる]
「whether」と「if」は多くの場合互換的に使えますが、以下の場合は「whether」の使用が推奨または必須となります。
「whether」が適切な状況
例文
- 「or not」が明示的に使われる場合
Whether or not it rains, we will go to the park.(雨が降るかどうかにかかわらず、公園に行きます。) - 前置詞の後
We talked about whether we should change our plan.(計画を変更すべきかどうかについて話し合いました。) - 「whether…or…」の構文
Whether you like it or not, you must go to school.(あなたがそれを好むかどうかにかかわらず、学校に行かなければなりません。) - 不定詞の前
I couldn’t decide whether to eat lunch now or later.(今昼食を食べるか後で食べるか決められませんでした。)
これらの状況では、「if」よりも「whether」が適切です。特に、選択肢が明確に示されている場合や、前置詞の後では「whether」を使うのが一般的です。
「if」が適切な状況
一方、条件を表す場合は「if」を使うのが適切です。
例文
- If it rains tomorrow, we will stay at home.(明日雨が降れば、家にいます。)
- I will help you if you ask me.(あなたが頼めば、手伝います。)
これらの例文では、「〜かどうか」というよりも「もし〜なら」という条件の意味が強いため、「whether」ではなく「if」が使われています。
「whether…or…」の構文
「whether…or…」は「〜であろうと〜であろうと」という意味を持つ構文です。
二つの選択肢のどちらが実現しても結果は同じであることを示す場合に使われます。
例文
- Whether you study hard or not, you need to take the test.(一生懸命勉強するかしないかにかかわらず、テストを受ける必要があります。)
- Whether it’s hot or cold, I always walk to school.(暑くても寒くても、私はいつも学校まで歩きます。)
- Whether she comes or stays, we will start the meeting at 2:00.(彼女が来ても留まっても、会議は2時に始めます。)
この構文では、どちらの選択肢を選んでも、主節で述べられている内容は変わらないことを強調しています。
つまり、条件に関係なく結果は同じであることを表しています。
「whether…or not」の使い方
「whether…or not」は「〜であろうとなかろうと」という意味を持ち、「whether…or…」の特殊な形です。
この表現では、何かが起こるか起こらないかにかかわらず、結果は同じであることを示します。
例文
- Whether or not you agree, we will follow the rules.(あなたが同意するかしないかにかかわらず、ルールに従います。)
- I’m going to the movie whether or not it’s raining.(雨が降るか降らないかにかかわらず、映画に行きます。)
- He will succeed whether or not anyone helps him.(誰かが彼を助けるかどうかにかかわらず、彼は成功するでしょう。)
「or not」は文の後ろに置くこともできます。
例文
- I don’t know whether she will come or not.(彼女が来るかどうか分かりません。)
これは「I don’t know whether or not she will come.」と同じ意味です。どちらの形も正しいですが、文の流れによって自然な位置が変わることがあります。
「whether」を使った慣用表現
英語には「whether」を使った便利な慣用表現がいくつかあります。これらの表現を覚えておくと、より自然な英語表現ができるようになります。
「whether or not」(〜かどうかにかかわらず)
例文
- Whether or not you like math, you need to study it.(数学が好きかどうかにかかわらず、勉強する必要があります。)
「no matter whether」(どちらであっても)
例文
- No matter whether you’re young or old, you can learn a new language.(若くても年をとっていても、新しい言語を学ぶことができます。)
「whether to… or to…」(〜するか〜するか)
例文
- I can’t decide whether to play soccer or to watch TV.(サッカーをするかテレビを見るか決められません。)
「as to whether」(〜かどうかについて)
例文
- There is a question as to whether the book is suitable for children.(その本が子供に適しているかどうかについて疑問があります。)
これらの表現は、日常会話や文章の中でよく使われます。特に「whether or not」と「whether to… or to…」は頻出表現なので、積極的に使ってみましょう。
「whether」のよくある間違いと注意点
英語学習者が「whether」を使う際によく間違える点をいくつか紹介します。これらの注意点を理解することで、より正確に「whether」を使えるようになるでしょう。
間違い1:「if」と「whether」の混同
「if」と「whether」は似た意味を持ちますが、すべての状況で互換的に使えるわけではありません。
特に前置詞の後や「or not」との組み合わせでは「whether」を使う必要があります。
誤:I’m not sure about if he will come.
正:I’m not sure about whether he will come.(彼が来るかどうかわかりません。)
間違い2:「whether」の後の「that」
「whether」の後に「that」を付ける必要はありません。これは英語学習者がよくする間違いです。
誤:I don’t know whether that he likes dogs.
正:I don’t know whether he likes dogs.(彼が犬を好きかどうか分かりません。)
間違い3:間接疑問文での語順
間接疑問文では、通常の平叙文の語順(主語+動詞)を使います。直接疑問文のような倒置は使いません。
誤:I wonder whether is she coming.
正:I wonder whether she is coming.(彼女が来るのかどうか気になります。)
間違い4:「weather」との混同
「whether」と「weather」は発音が似ていますが、まったく異なる意味を持ちます。「weather」は「天気」を意味する名詞です。
誤:I don’t know weather he likes me.
正:I don’t know whether he likes me.(彼が私のことを好きかどうか分かりません。)
間違い5:冗長な表現
「whether or not」と「or not」を両方使うのは冗長です。
誤:I don’t know whether or not he will come or not.
正:I don’t know whether he will come or not.
または:I don’t know whether or not he will come.
(彼が来るかどうか分かりません。)
これらの間違いに注意し、正しい使い方を心がけましょう。英語の文章を書いたり話したりするときは、これらの点を意識すると良いでしょう。
「whether」の使い方の比較表
「whether」と関連表現の使い方を理解するために、以下の比較表を参考にしてください。
表現 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
whether | 〜かどうか | I don’t know whether he will come.(彼が来るかどうか分かりません。) |
if | もし〜なら、〜かどうか | If it rains, I will stay home.(雨が降れば、家にいます。) |
whether…or… | 〜であろうと〜であろうと | Whether you like it or not, you must go.(好きでも嫌いでも、行かなければなりません。) |
whether or not | 〜かどうかにかかわらず | We will go whether or not it rains.(雨が降っても降らなくても、行きます。) |
whether to… | 〜すべきかどうか | I can’t decide whether to go.(行くべきかどうか決められません。) |
この表を参考に、状況に応じて適切な表現を選べるようになりましょう。
「whether」に関する問題
「whether」は英語で「〜かどうか」という意味を持つ接続詞や副詞として使われます。主に選択や疑問を示す文脈で使用され、従属節を導く役割を果たしますが、似た表現には「if」などもあります。
この問題では「whether」の使い方を中心に取り上げつつ、それ以外の選択肢も含めて理解を深める内容となっています。
- I don’t know __ she will join the meeting today.
- Could you tell me __ you prefer tea or coffee?
- It depends on __ we have enough time to finish the project.
- I’m not sure __ he is telling the truth.
- The question is __ we should take the train or drive to the airport.
- Do you know __ the store opens at 9 a.m.?
- She asked me __ I had completed the report by the deadline.
- Let me know __ you can come to the party tomorrow.
- We need to decide __ it’s worth investing in this idea or not.
- He was wondering __ his application had been accepted.
これらの問題を通して、「whether」と「if」の使い分けや適切な文脈での使用方法を学ぶことができます。
「whether」に関するよくある質問
- 「whether」と「if」はいつでも交換可能ですか?
-
いいえ、常に交換可能というわけではありません。多くの場合、間接疑問文では両方使えますが、以下の場合は「whether」を使う必要があります。
- 前置詞の後(例:about whether, as to whether)
- 「or not」が明示的に使われる場合
- 「whether…or…」の構文
- 不定詞の前(例:whether to go)
- 「whether」の発音のコツはありますか?
-
「whether」の発音(/ˈweðər/)で難しいのは「th」の音です。舌先を上の前歯の裏に軽く当て、息を出しながら発音します。「ウェザー」と発音しますが、「th」は「ザ」よりも舌を前に出した音になります。何度も練習して慣れることが大切です。
- 「whether」の代わりに使える他の表現はありますか?
-
状況によっては、「whether」の代わりに以下の表現が使えることがあります。
- if(多くの間接疑問文で)
- in case(特定の状況で)
- the question of(名詞的な表現として)
例:I don’t know if he will come.(彼が来るかどうか分かりません。)
例:The question of his attendance remains unresolved.(彼の出席の問題はまだ解決していません。) - 「whether」を使った文でよく間違える点は何ですか?
-
よくある間違いには以下があります。
- 「whether」の後に不要な「that」を付ける
- 間接疑問文で語順を倒置する
- 「weather」(天気)と混同する
- 「whether or not」を冗長に使う
- 「whether」を使った慣用表現にはどのようなものがありますか?
-
よく使われる表現には以下があります。
- whether or not(〜かどうかにかかわらず)
- whether to… or to…(〜するか〜するか)
- as to whether(〜かどうかについて)
- no matter whether(どちらであっても)
まとめ

この記事では、英語の接続詞「whether」について詳しく解説しました。「whether」は主に「〜かどうか」という意味を持ち、間接疑問文や名詞節を導入するために使われる重要な単語です。特に選択肢や可能性を示す場面で活躍します。
以下が今回の記事の重要ポイントです。
- 「whether」は基本的に「〜かどうか」という意味を持つ接続詞である
- 主に間接疑問文や名詞節を導入するために使われる
- 「if」と似ているが、すべての場面で交換可能ではない
- 「whether…or…」の構文は「〜であろうと〜であろうと」という意味を持つ
- 前置詞の後、「or not」との組み合わせ、不定詞の前では「whether」を使う
- 間接疑問文では通常の語順(主語+動詞)を使う
- 「whether」と「weather(天気)」は発音が似ているが意味が異なる
- 「whether or not」、「as to whether」などの慣用表現が存在する
「whether」の使い方をマスターすることで、あなたの英語表現はより豊かになります。特に選択肢や可能性を示す場面で「whether」を適切に使えるようになると、より自然で正確な英語を話せるようになるでしょう。日常会話や英語の試験で自信を持って「whether」を使えるよう、この記事で学んだことを実践してみてください。
英語の学習は一歩ずつ進むものです。「whether」の使い方を理解したら、実際の会話や作文の中で積極的に使ってみることで、自然と身につけていきましょう。