「while」は主に接続詞として使われる英単語で、「〜している間」という時間的な同時性や「〜だけれども」という対比・譲歩を表します。また、名詞として「しばらくの間」という意味でも使われることがあります。
英語初心者にとっては重要な基本単語の一つで、様々な場面で活用できる便利な表現です。
「while」とは?基本的な意味と役割

「while」は英語の中でも使用頻度の高い単語で、主に接続詞として文と文をつなぐ役割を果たします。発音は「ワイル」と読み、語源は古英語の「hwīl(時間、期間)」に由来しています。中学英語でも早い段階で学習する基本的な単語ですが、複数の意味と使い方があるため、しっかりと理解しておくことが重要です。
接続詞としての「while」の基本的な構文は「while + 主語 + 動詞」で、この従属節と主節を組み合わせて一つの文を作ります。例えば「I read a book while my mother cooked dinner.(母が夕食を作っている間、私は本を読みました)」のように使います。
「while」には主に3つの用法があります。一つ目は「〜している間に」という時間的同時性を表す用法、二つ目は「〜だが、一方で」という対比を表す用法、三つ目は「〜ではあるけれども」という譲歩を表す用法です。また、名詞としても使われ、「a while(しばらくの間)」という表現でよく用いられます。
「while」の接続詞としての使い方
接続詞の「while」は、文と文をつなぐ役割を果たし、様々なニュアンスを表現できます。ここでは代表的な3つの用法について詳しく見ていきましょう。
時間的同時性を表す「while」
最も一般的な用法は、2つの行動や状態が同時に起こっていることを表す時間的同時性です。日本語では「〜している間に」と訳されます。
例文
- I study while my sister watches TV.(私は勉強します、妹がテレビを見ている間に)
- She listens to music while she cleans her room.(彼女は部屋を掃除しながら音楽を聴きます)
- The children played in the garden while their parents were cooking.(両親が料理をしている間、子どもたちは庭で遊んでいました)
- He fell asleep while reading a book.(彼は本を読みながら眠りに落ちました)
- My dog sits under the table while we eat dinner.(私たちが夕食を食べている間、犬はテーブルの下に座っています)
この用法では、「while」の後に続く節と主節の動作が同時に行われていることを示します。両方の節の時制は通常一致させます。
対比・対照を表す「while」
「while」は2つの対照的な事柄を比較する際にも使われます。この場合は「〜だが、一方で」というニュアンスになります。
例文
- I like coffee while my brother prefers tea.(私はコーヒーが好きですが、一方で兄は紅茶の方が好きです)
- She is good at math while I am good at English.(彼女は数学が得意ですが、私は英語が得意です)
- Tom works in a hospital while Mary works in a school.(トムは病院で働いていますが、メアリーは学校で働いています)
- The north is cold while the south is warm.(北部は寒いですが、南部は暖かいです)
- Some people like summer while others prefer winter.(夏が好きな人もいれば、冬を好む人もいます)
この用法では、対照的な2つの事柄を同じ文の中で表現することができます。
譲歩を表す「while」
「while」は「〜ではあるけれども」という譲歩の意味でも使われます。この用法は「although」や「though」と似た意味合いになります。
例文
- While I like him, I don’t want to date him.(彼のことは好きではあるけれども、付き合いたいとは思いません)
- While the movie was interesting, it was too long.(映画は面白かったけれども、長すぎました)
- While I understand your point, I cannot agree with you.(あなたの意見は理解できますが、同意することはできません)
- She went to school while she was feeling sick.(彼女は具合が悪いにもかかわらず学校に行きました)
- While he studied hard, he failed the test.(彼は一生懸命勉強したけれども、テストに失敗しました)
この用法では、最初の節で何かを認めた上で、後の節でそれに反する内容や制限を加えるという構造になっています。
「while」の名詞としての使い方
「while」は名詞としても使われ、「しばらくの間」「一時」という意味があります。名詞としての「while」は通常、冠詞や前置詞と一緒に使われることが多いです。
「a while」「for a while」などの表現
名詞の「while」は、主に「a while(しばらく)」という形で使われ、さらに前置詞と組み合わせて「for a while(しばらくの間)」「in a while(しばらくしたら)」などの表現になります。
例文
- Let’s rest for a while.(しばらく休みましょう)
- I haven’t seen Tom for a while.(しばらくトムに会っていません)
- It will take a while to finish this work.(この仕事を終えるにはしばらく時間がかかるでしょう)
- I’ll be back in a while.(しばらくしたら戻ります)
- We talked for quite a while yesterday.(昨日はかなりしばらく話しました)
名詞としての「while」は不特定の時間の長さを表し、状況によって数分から数ヶ月まで様々な長さを意味することがあります。
「while」を含むイディオム表現
「while」を含むイディオム表現はいくつかあり、日常会話でもよく使われます。代表的なものをいくつか見ていきましょう。
「worth while」の意味と使い方
「worth while」または「worthwhile」(一語で書かれることも)は「価値がある」「やる価値がある」という意味のイディオムです。
例文
- This book is worth while reading.(この本は読む価値があります)
- The experience was very worthwhile.(その経験はとても価値がありました)
- Is it worth while to visit that museum?(あの博物館を訪れる価値はありますか)
- Learning a new language is worthwhile.(新しい言語を学ぶことは価値があります)
- The trip was tiring but worthwhile.(その旅行は疲れましたが、価値がありました)
「worth while」は何かをする価値があるかどうかを評価する際によく使われる表現です。
「once in a while」の意味と使い方
「once in a while」は「時々」「たまに」という意味のイディオム表現です。
例文
- I go to the movies once in a while.(私は時々映画を見に行きます)
- Once in a while, she visits her grandmother.(彼女は時々祖母を訪ねます)
- It’s good to take a break once in a while.(時々休憩を取るのは良いことです)
- We eat out once in a while.(私たちは時々外食します)
- I like to try new foods once in a while.(時々新しい食べ物を試すのが好きです)
この表現は不定期に何かをする時や頻度が低い時に使います。「sometimes」よりも頻度が低いニュアンスがあります。
その他のイディオム表現
他にも「while」を含むイディオム表現はいくつかあります。
例文
- After a while, I got used to living alone.(しばらくして、一人暮らしに慣れました)
- I’ll be staying here for a while yet.(もうしばらくここにいるつもりです)
- It’s been quite a while since we last met.(前回会ってからかなり長い時間が経ちました)
- I heard about that a while back.(しばらく前にそれについて聞きました)
- He was smiling all the while.(彼はずっと笑っていました)
これらのイディオム表現を覚えておくと、時間に関する表現の幅が広がります。
「while」のよくある間違いと注意点
「while」を使う際によくある間違いや注意点について見ていきましょう。
「while」と「when」「during」の違い
「while」「when」「during」はいずれも時間関係を表す単語ですが、使い方に違いがあります。
単語 | 品詞 | 意味 | 使い方の特徴 |
---|---|---|---|
while | 接続詞 | 〜している間 | 動作や状態が継続している間 |
when | 接続詞 | 〜のとき | 特定の時点や条件 |
during | 前置詞 | 〜の間に | 名詞で表される期間や出来事の間 |
例文比較
- While I was studying, my friend called me.(私が勉強している間に、友達から電話がありました)
- When I was studying, my friend called me.(私が勉強していた時に、友達から電話がありました)
- During my study time, my friend called me.(私の勉強時間中に、友達から電話がありました)
「while」は継続している行動や状態の「間中」を強調し、「when」は特定の時点を指し、「during」は名詞で表される期間全体を指します。
「while」を使った文の時制の注意点
「while」を使う際は、時制の一致に注意する必要があります。基本的には、主節と従属節の時制は一致させるのが原則です。
正しい例
- I read a book while she watched TV.(彼女がテレビを見ている間、私は本を読みました)
- I am reading a book while she is watching TV.(彼女がテレビを見ている間、私は本を読んでいます)
間違った例
- I read a book while she is watching TV.(時制が一致していない)
ただし、一般的な事実や習慣を述べる場合は、whileの後ろに現在形を使うことができます。
例文
- Water boils while ice melts.(水は沸騰し、氷は溶けます – 一般的な事実)
また、対比を表す用法の場合は、異なる時制を使うこともあります。
例文
- While I lived in Tokyo last year, I will move to Osaka next month.(去年は東京に住んでいましたが、来月は大阪に引っ越します)
「while」に関する問題
ここでは、「while」の使い方を確認するための問題を10問用意しました。自分の理解度をチェックしてみましょう。
- 次の文の( )に入る適切な語を選びなさい。
I watched TV ( ) my mother cooked dinner.
a) while b) during c) for - 次の文の意味として正しいものを選びなさい。
While I like sports, I don’t like soccer.
a) スポーツが好きな間、サッカーは好きではない
b) スポーツは好きだが、サッカーは好きではない
c) スポーツとサッカーの両方が好きではない - 次の文を「while」を使って1文にしなさい。
I do my homework. My sister plays the piano. - 次の文の( )に入る適切な表現を選びなさい。
Let’s take a rest ( ).
a) for while b) for a while c) during while - 次の文の誤りを正しなさい。
While I am reading a book, she watched TV. - 次の日本語を英語に訳しなさい。
「彼が料理をしている間、私は部屋を掃除しました。」 - 次の文の( )に入る適切な表現を選びなさい。
We go to the beach ( ).
a) once in while b) once a while c) once in a while - 次の2文の違いを説明しなさい。
a) I’ll call you when I arrive.
b) I’ll call you while I arrive. - 次の文を完成させなさい。
The experience was difficult but ( ).(価値があった) - 次の日本語を英語に訳しなさい。
「彼は頭がいいけれども、勉強をしません。」
「while」に関するよくある質問
ここでは、「while」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「while」と「when」はどう違いますか?
-
「while」は行動や状態が継続している「間中」を表し、「when」は特定の「時点」や「瞬間」を表します。例えば、「While I was sleeping, the phone rang.(私が寝ている間に電話が鳴りました)」は寝ているという継続した状態の中で電話が鳴ったことを示しています。一方、「When I was sleeping, the phone rang.(私が寝ていた時に電話が鳴りました)」は寝ていたという状況や時点で電話が鳴ったことを示しています。
- 「while」の後ろは現在進行形を使うべきですか?
-
必ずしも現在進行形である必要はありませんが、継続している動作や状態を表す場合には進行形を使うことが多いです。例えば、「While I was reading, she was cooking.(私が読書をしている間、彼女は料理をしていました)」のように進行形を使います。一方、習慣や一般的な事実を表す場合は単純現在形を使うこともあります。例えば、「While some people prefer coffee, others like tea.(コーヒーを好む人もいれば、紅茶を好む人もいます)」のように。
- 「while」を文頭に置くことはできますか?
-
はい、「while」は文頭に置くことができます。例えば、「While I was studying, my friend called me.(私が勉強している間に、友達が電話をかけてきました)」のように使えます。文頭に置く場合も文中に置く場合も意味は変わりません。
- 「while」を使った文ではカンマは必要ですか?
-
「while」節が文頭にある場合は、通常その後にカンマを置きます。例えば、「While I was shopping, I met my old friend.(買い物をしている間に、昔の友人に会いました)」のように。ただし、「while」節が文の後ろにある場合は、通常カンマは必要ありません。例えば、「I met my old friend while I was shopping.(買い物をしている間に昔の友人に会いました)」のようになります。
- 「meanwhile」と「while」の違いは何ですか?
-
「meanwhile」は副詞で「その間に」「一方で」という意味があり、通常は別の文や文脈で起こっていることを示します。例えば、「I was studying. Meanwhile, my sister was watching TV.(私は勉強していました。その間、姉はテレビを見ていました)」のように使います。一方、「while」は接続詞で2つの節をつなぎ、同時に起こっていることを1つの文で表現します。例えば、「I was studying while my sister was watching TV.(姉がテレビを見ている間、私は勉強していました)」のように使います。
- 「during」と「while」はどう違いますか?
-
「during」は前置詞で、その後に名詞(句)が続きます。例えば、「during the night(夜の間に)」「during the meeting(会議の間に)」のように使います。一方、「while」は接続詞で、その後に「主語 + 動詞」の形の節が続きます。例えば、「while I was sleeping(私が寝ている間に)」「while we were talking(私たちが話している間に)」のように使います。
まとめ

この記事では、英語の「while」の意味と使い方について詳しく解説しました。「while」は主に接続詞として使われ、「〜している間に」という時間的な同時性や「〜だけれども」という対比・譲歩を表します。また、名詞としても使われ、「しばらくの間」という意味もあります。
ここで、記事のポイントをまとめておきましょう。
- 「while」は主に接続詞として使われ、「〜している間に」という意味がある。
- 接続詞としての「while」には、時間的同時性、対比、譲歩の3つの主な用法がある。
- 時間的同時性を表す「while」は、2つの行動が同時に起こっていることを示す。
- 対比を表す「while」は、対照的な2つの事柄を示す。
- 譲歩を表す「while」は、「〜ではあるけれども」という意味になる。
- 名詞としての「while」は「しばらくの間」という意味で、主に「a while」「for a while」などの形で使われる。
- 「worth while」「once in a while」などのイディオム表現もある。
- 「while」と「when」「during」は似ているが使い方が異なる。
- 「while」を使う際は時制の一致に注意する必要がある。
英語の学習において、「while」のような基本的な接続詞をマスターすることは、より複雑な文を作るためにとても重要です。この記事で紹介した様々な用法や例文を参考に、ぜひ日常の英会話や作文に「while」を取り入れてみてください。継続的な練習を通じて、自然な英語表現ができるようになるでしょう。
英語の学習は一朝一夕で成果が出るものではありませんが、基本的な表現を一つずつ確実に身につけていくことで、着実に英語力を向上させることができます。「while」の様々な使い方をマスターして、英語表現の幅を広げていきましょう。