マルタ共和国は地中海に浮かぶ小さな島国ですが、近年英語留学先として注目を集めています。イギリスやアメリカと比較して費用が抑えられる一方で、英語が公用語のひとつであることから語学習得環境として優れた選択肢となっています。しかし「日本人が多い」「英語の訛りが気になる」など、批判的な意見も見られます。
本記事では、マルタ留学の基本情報からメリット・デメリット、費用の詳細、そして「意味ない」と言われる理由の真相まで、英語初学者向けに徹底解説します。これからマルタ留学を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
マルタ留学とは?基本情報と特徴

マルタは南ヨーロッパの地中海に位置する小さな島国で、面積は東京23区の約半分ほどしかありません。公用語はマルタ語と英語の2つで、長いイギリス統治の歴史から英語が広く普及しています。EUに加盟していることから、ヨーロッパ各国へのアクセスも容易です。
マルタは年間300日以上が晴れという温暖な気候に恵まれ、世界遺産も多く点在する観光地としても人気があります。
マルタの地理と気候
マルタはシチリア島から南へ約90kmに位置し、マルタ島、ゴゾ島、コミノ島を中心とした島々で構成されています。地中海性気候で夏は暑く乾燥し、冬は比較的穏やかで雨季となります。夏季(6月〜9月)は最高気温が30度を超える日が多く、冬季(12月〜2月)でも最低気温が10度を下回ることはめったにありません。
一年を通して過ごしやすい気候であることも留学先として選ばれる理由の一つです。
マルタの言語環境
マルタ語と英語が公用語となっており、特に観光業や教育関連の場では英語が広く使用されています。マルタ人の約90%が英語を話すことができ、日常生活でも英語でのコミュニケーションに困ることはほとんどありません。
英語はイギリス英語の影響を強く受けていますが、マルタ語からの影響もあり、独特のアクセントや表現が見られることもあります。
マルタの教育システム
マルタには数多くの語学学校があり、その教育の質はマルタ政府によって厳しく管理されています。マルタ英語教育機関協会(FELTOM)に加盟している学校は特に質が保証されており、初心者から上級者まで様々なレベルに対応したコースが用意されています。
一般的な英語コースだけでなく、ビジネス英語やケンブリッジ英検対策など、目的に合わせた専門コースも充実しています。
マルタ留学がおすすめな人の特徴
マルタ留学は誰にでも適しているわけではありませんが、特定の目的や条件を持つ人には非常に魅力的な選択肢となります。
ここでは、マルタ留学が特におすすめな人の特徴を見ていきましょう。
英語初心者・中級者
マルタは特に英語初心者や中級者にとって学びやすい環境です。教師が非ネイティブの学生への指導に慣れているため、ゆっくりと明確に話してくれることが多く、初心者でも安心して学習を進められます。また、クラスの規模も比較的小さめに設定されていることが多いため、質問しやすい雰囲気があります。
さらに、文法やリーディングだけでなく、実際のコミュニケーション能力向上を重視したカリキュラムが多いのも特徴です。
費用を抑えて留学したい人
マルタ留学の大きな魅力の一つが、比較的低コストで質の高い英語教育を受けられる点です。イギリスやアメリカと比較すると、学費は20〜30%程度安く、生活費も抑えられることが多いです。特に3ヶ月以上の中長期留学を考えている場合、費用面での差は大きくなります。
限られた予算で効果的に英語を学びたい人には、マルタは理想的な選択肢と言えるでしょう。
南欧の文化に興味がある人
マルタはアラブ、イタリア、イギリスなど様々な文化の影響を受けた独特の文化を持っています。地中海料理を楽しんだり、数千年の歴史を持つ遺跡を訪れたり、美しいビーチでリラックスしたりと、語学学習以外の面でも多くの魅力があります。
勉強と文化体験を両立させたい人にとって、マルタは理想的な留学先です。
ヨーロッパ各国を旅行したい人
マルタはEU加盟国であり、シェンゲン協定にも参加しているため、ヨーロッパ各国への旅行が比較的容易です。イタリアのシチリア島へはフェリーで行くことができ、格安航空会社を利用すればローマやバルセロナなどの主要都市にも手頃な価格で行くことができます。
週末や休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行したい人にとって、マルタは絶好の拠点となります。
マルタ留学にかかる費用の詳細
留学を計画する上で最も重要な要素の一つが費用です。マルタ留学にかかる費用を項目別に詳しく見ていきましょう。
渡航費用
日本からマルタへの直行便はなく、ヨーロッパの主要都市(ロンドン、フランクフルト、ローマなど)で乗り継ぐ必要があります。往復の航空券は、時期にもよりますが平均して10万円〜18万円程度です。ピークシーズン(7月〜8月)は特に高くなりがちですので、オフシーズンや早期予約での渡航がお得です。
また、ヨーロッパ内の格安航空会社を利用することで費用を抑えることも可能です。
学費
マルタの語学学校の授業料は、コースの種類や期間によって大きく異なります。一般的な目安として、以下のような費用が考えられます。
| 期間 | 一般英語コース(週20レッスン) | 集中英語コース(週30レッスン) |
|---|---|---|
| 2週間 | 4〜6万円 | 5〜7万円 |
| 4週間 | 8〜12万円 | 10〜15万円 |
| 12週間 | 20〜30万円 | 25〜35万円 |
| 24週間 | 35〜50万円 | 45〜60万円 |
これらの費用には通常、入学金や教材費が含まれていないことがあるため、別途2〜3万円程度が必要になることが多いです。
また、個人レッスンや専門コース(ビジネス英語やケンブリッジ英検対策など)は上記よりも高くなる傾向があります。
滞在費
マルタでの滞在方法には主に以下のようなオプションがあり、それぞれ費用が異なります。
- ホームステイ: 現地の家庭に滞在する方法で、英語を使う機会が多く得られます。一般的に朝食と夕食が含まれ、週あたり3〜5万円程度です。
- 学生寮: 他の留学生と共同生活をする形態で、国際交流の機会が多くあります。設備や立地によって価格は異なりますが、週あたり2.5〜4.5万円程度です。
- シェアアパート: 長期滞在の場合はアパートをシェアする方法もあります。月あたり5〜8万円程度ですが、立地や設備によって大きく変動します。
- ホテル・ゲストハウス: 短期滞在の場合や、より快適な環境を求める場合はこちらを選ぶこともできますが、費用は他の選択肢より高くなりがちです。
生活費
マルタでの生活費は、ライフスタイルによって大きく異なりますが、一般的な目安として以下のような費用が考えられます。
- 食費: 自炊中心の場合は月3〜4万円、外食中心の場合は月6〜8万円程度
- 交通費: バスが主な交通手段で、月1〜1.5万円程度
- 通信費: SIMカードなら月0.5〜1万円程度
- 娯楽・その他: 映画、カフェ、週末旅行などに月2〜4万円程度
総費用の目安
期間別にマルタ留学にかかる総費用の目安をまとめると、以下のようになります。
- 1ヶ月の留学: 35〜50万円(渡航費、授業料、滞在費、生活費を含む)
- 3ヶ月の留学: 80〜120万円
- 6ヶ月の留学: 140〜200万円
- 1年の留学: 250〜350万円
これらの費用は、滞在方法やライフスタイル、為替レートなどによって変動します。また、学生割引や早期申込割引を利用することで、総費用を抑えることも可能です。
マルタ留学が「意味ない」と言われる理由
マルタ留学に関しては、「意味がない」という意見を耳にすることもあります。そのような評価の背景にある理由を客観的に検証してみましょう。
日本人が多いという指摘
マルタの語学学校では、特に夏季を中心に日本人留学生の割合が高くなることがあります。学校によっては日本人比率が20〜30%に達することもあり、同じ言語を話す学生が多いと英語を使う機会が減少するのではないかという懸念があります。
しかし、実際には学校によって日本人比率には大きな差があり、事前にリサーチすることで日本人の少ないクラスや学校を選ぶことも可能です。
また、学校外でのアクティビティに積極的に参加することで、様々な国籍の人々と交流する機会を増やすこともできます。
英語の発音や訛りに関する懸念
マルタ人の英語には独特のアクセントや訛りがあり、これがネイティブの英語と異なるという指摘もあります。確かにマルタ英語にはマルタ語の影響が見られることがありますが、多くの語学学校ではイギリス人やアメリカ人など、ネイティブスピーカーの教師も採用しています。
また、様々な英語のアクセントに触れることは、実際のグローバルなコミュニケーション環境では却って有利に働くこともあります。世界中で使われている英語には様々な訛りがあることを理解し、対応できるようになることも重要な学びです。
他の英語圏と比較した際の認知度
マルタはイギリスやアメリカ、オーストラリアなどと比べると、留学先としての知名度は低い傾向にあります。そのため、就職活動の際にマルタ留学の経験が十分に評価されないのではないかという懸念もあります。
しかし、実際には語学力の証明として国際的に認められた検定試験(TOEIC、TOEFL、IELTSなど)のスコアがあれば、留学先よりも実際の英語力が評価される傾向にあります。
また、マルタがEU加盟国であり、その教育機関が国際的な基準に則っていることは、むしろ積極的にアピールできるポイントと言えます。
観光地であることの影響
マルタは人気の観光地でもあるため、勉強よりも観光や遊びに時間を費やしてしまうという懸念もあります。確かに美しいビーチや歴史的な観光スポット、活気あるナイトライフなど、誘惑は多いです。
しかし、これはマルタに限らず、どの留学先でも自己管理が必要な問題です。むしろ、語学学習とリフレッシュのバランスを取りやすい環境であるとも言えます。
学習意欲の高い人にとっては、観光や文化体験が英語を使う実践的な機会になり、学習効果を高めることもあるでしょう。
マルタ留学の魅力とメリット
マルタ留学には批判的な意見もありますが、多くの魅力とメリットも存在します。ここでは、マルタ留学の肯定的な側面について詳しく見ていきましょう。
費用対効果の高さ
マルタ留学の最大の魅力の一つは、比較的低コストで質の高い英語教育を受けられる点です。イギリスやアメリカなどの主要英語圏と比較して、学費や生活費が20〜40%程度安いケースが多いです。
また、マルタの語学学校は欧州連合(EU)の教育基準に準拠しており、品質管理も厳格です。限られた予算で効果的に英語を学ぶという点では、マルタは非常に優れた選択肢と言えるでしょう。
地中海の温暖な気候と美しい環境
マルタは年間を通して温暖な気候に恵まれています。特に冬でも比較的穏やかな気候であるため、北欧やイギリスなどで見られる冬季の厳しい寒さや日照時間の短さによるストレスがありません。
美しい青い海と歴史的な街並みは、勉強の合間のリフレッシュにも最適です。自然環境と都市環境のバランスが取れた場所で学ぶことで、精神的な余裕を持って語学学習に取り組むことができます。
歴史的・文化的な学びの機会
マルタは7000年以上の歴史を持ち、フェニキア人、ローマ人、アラブ人、騎士団、イギリス人など様々な文明の影響を受けてきました。島内には世界遺産に登録されている先史時代の神殿群や中世の要塞都市など、貴重な歴史的建造物が多数存在します。
こうした豊かな歴史や文化に触れることで、語学学習だけでなく、幅広い視野と教養を身につけることができます。文化的な体験が語学学習のモチベーション維持にも役立つでしょう。
ヨーロッパ旅行の拠点として
マルタはEU加盟国であり、シェンゲン圏内に位置しているため、ヨーロッパ各国への旅行が比較的容易です。特に週末や休暇期間を利用して、イタリア、スペイン、フランスなどの近隣国を訪れることができます。
格安航空会社も多く就航しているため、費用を抑えて様々な国を訪問することが可能です。長期留学の場合、こうした旅行の機会は貴重な異文化体験となり、語学力向上にも寄与します。
安全な生活環境
マルタは犯罪率が低く、政治的にも安定しているため、安心して生活することができます。特に女性の一人旅や留学でも比較的安全に過ごせる環境があります。
また、医療水準も高く、万が一の際にも質の高い医療サービスを受けることができます。安全面での心配が少ないことは、特に初めての海外留学を考えている人にとって大きなメリットです。
マルタ留学のデメリットと注意点
マルタ留学には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意すべき点もあります。より良い留学経験のために、これらの点も事前に理解しておきましょう。
観光シーズンの混雑
マルタは特に夏季(6月〜9月)に多くの観光客で賑わいます。この時期は宿泊施設の価格が高騰し、予約も取りにくくなる傾向があります。また、人気のビーチや観光スポットは非常に混雑することがあります。
語学学校も夏休み期間は学生数が増えるため、クラスサイズが大きくなったり、希望のレベルのクラスが満員になったりすることもあります。可能であれば、春や秋のショルダーシーズンを選ぶことで、より落ち着いた環境で学ぶことができるでしょう。
公共交通機関の課題
マルタの公共交通機関は主にバスですが、特に混雑時や観光シーズンには遅延が頻繁に発生することがあります。また、夜間のバスの運行本数は少なく、一部の地域へのアクセスが制限されることもあります。
島内の移動に時間がかかることを考慮して、語学学校と滞在先の位置関係を事前によく確認しておくことが重要です。長期滞在の場合は、自転車やバイクのレンタル、カーシェアリングなどの代替手段も検討すると良いでしょう。
水資源の制限
マルタは水資源が限られており、特に夏季には水の供給に制限がかかることがあります。多くの住居では貯水タンクを使用していますが、使い切ってしまうと次の補充まで水が使えなくなる可能性もあります。水の使用には常に注意が必要で、長めのシャワーや不必要な水の使用は避けるべきです。
また、水道水は飲用に適さないため、飲料水はボトル入りの水を購入する必要があります。これは追加の出費になりますので、予算に含めておきましょう。
物価に関する注意点
マルタは他のヨーロッパ諸国と比べると全体的に物価は安い方ですが、観光地であるため、特に観光客向けのエリアでは価格が高めに設定されていることがあります。レストランやカフェ、お土産店などは、観光客の少ない地元の人が利用する場所を選ぶことで費用を抑えられます。
また、スーパーマーケットでの買い物や自炊をすることで、食費を大幅に節約することができます。長期滞在の場合は特に、地元のマーケットや地域のフェスティバルなどを利用することで、よりリーズナブルに生活することができるでしょう。
マルタ留学のよくある間違いと注意点
マルタ留学を計画する際によく見られる間違いや、避けるべき落とし穴について解説します。これらのポイントを理解しておくことで、より充実した留学体験を実現できるでしょう。
準備不足での渡航
多くの留学生が陥りがちな失敗が、十分な準備をせずに渡航することです。マルタに到着してから語学学校や滞在先を探そうとすると、選択肢が限られたり、割高になったりする可能性があります。特に人気の学校やコースは数ヶ月前に埋まってしまうことも少なくありません。最低でも3ヶ月前から、理想的には半年前から計画を立て始めることをおすすめします。
また、マルタの文化や気候、治安状況などについても事前に情報収集しておくことで、現地での適応がスムーズになります。
シーズンを考慮しない計画
マルタは季節によって環境が大きく変わります。夏季(6月〜9月)は最も観光客が多く、気温も高くなります。この時期は語学学校も混雑し、宿泊費も高騰する傾向があります。一方で冬季(12月〜2月)は比較的静かで費用も抑えられますが、雨が多く、海水浴などのアクティビティは難しくなります。
春(3月〜5月)と秋(10月〜11月)はバランスが良く、多くの留学生に人気です。自分の目的や予算に合わせて最適な時期を選ぶことが重要です。また、マルタの祝祭日やイベントカレンダーもチェックしておくと、現地での特別な体験を計画に組み込むことができます。
語学学習への過度な期待
短期間で劇的に英語力が向上すると期待するのは現実的ではありません。言語習得には時間がかかり、特に実用レベルに達するには継続的な努力が必要です。2週間や1ヶ月の留学で流暢に英語を話せるようになることは難しいでしょう。現実的な目標を設定し、留学期間に合わせた学習計画を立てることが大切です。
また、留学前から基礎的な英語学習を始めておくことで、現地での学習効果を高めることができます。さらに、留学後も継続して学習する計画を立てておくことも、長期的な語学力向上には欠かせません。
現地での交友関係の構築ミス
マルタでは、同じ日本人や同じ母国語を話す留学生とばかり交流してしまうケースがよく見られます。これでは英語を使う機会が大幅に減少し、語学学習の効果が限定的になってしまいます。意識的に様々な国籍の人々と交流する機会を作ることが重要です。
語学学校が主催するアクティビティや交流イベントに積極的に参加したり、寮やシェアハウスで国際的な環境を選んだりすることで、多様な言語的・文化的背景を持つ人々と交流することができます。また、地元のコミュニティイベントやボランティア活動に参加することも、現地の人々と交流する良い機会となります。
マルタ留学と他の英語圏留学の比較
マルタ留学を検討する際には、他の主要な英語圏留学先との比較も重要です。それぞれの特徴を理解し、自分の目的や条件に最も合った選択をしましょう。
イギリス留学との比較
イギリスはネイティブの英語環境で学べる点が大きな魅力ですが、マルタと比較すると費用面で大きな違いがあります。イギリスの語学学校の授業料はマルタより30〜50%高く、ロンドンなどの主要都市では生活費もかなり高額になります。
また、イギリスの気候は変わりやすく、特に冬は寒く暗い日が続くことがあるのに対し、マルタは年間を通して温暖で明るい日が多いです。短期留学の場合、イギリスではEU離脱後のビザ規制が厳しくなっている点も考慮する必要があります。
一方、長期的なキャリア形成を考える場合は、イギリスの知名度の高さや教育の伝統は大きなメリットとなるでしょう。
アメリカ留学との比較
アメリカはグローバルスタンダードとなっている英語を学べる環境ですが、マルタと比較するとコストと距離が大きく異なります。渡航費はマルタよりもかなり高額で、時差の影響も大きいため、短期留学にはあまり向いていません。
また、学費や生活費もマルタより40〜60%高い傾向があります。さらに、学生ビザの取得手続きが複雑で時間がかかるのに対し、マルタは日本人の場合90日以内の滞在であればビザが不要です。
アメリカの魅力は広大な国土と多様な文化、世界トップクラスの教育機関へのアクセスにありますが、費用対効果や手続きの簡便さを重視するなら、マルタの方が優位性があるでしょう。
オーストラリア留学との比較
オーストラリアはワーキングホリデービザでの留学が人気ですが、マルタとは距離や環境が大きく異なります。渡航費はオーストラリアの方が高く、時差も大きいです。生活費は都市によって異なりますが、シドニーやメルボルンなどの主要都市ではマルタよりも20〜30%高い傾向があります。オーストラリアの強みは、広大な自然環境とリラックスした雰囲気の中で学べること、そして就労の機会が豊富な点です。
一方、マルタはヨーロッパへのアクセスの良さと、比較的小さな島内で多様な経験ができる点が魅力です。長期間の滞在とアルバイトを考えている場合はオーストラリアが、ヨーロッパ文化に触れながらコストを抑えて学びたい場合はマルタが適しているでしょう。
フィリピン留学との比較
アジア圏ではフィリピンが英語留学先として人気ですが、マルタとは学習環境や文化的背景が大きく異なります。フィリピンの最大の魅力は圧倒的な費用の安さで、授業料も生活費もマルタの半分以下で済むことが多いです。また、マンツーマンレッスンが充実している点もフィリピン留学の特徴です。
一方、マルタはEU圏にあり、ヨーロッパ文化に触れられること、そして英語がより日常的に使われている環境である点が異なります。フィリピンの英語は独特のアクセントがあるのに対し、マルタの英語はイギリス英語に近い傾向があります。
予算を最優先する場合や短期集中学習を希望する場合はフィリピン、ヨーロッパ文化に触れながら英語を学びたい場合はマルタが適しているでしょう。
マルタ留学の準備方法と手続きの流れ
マルタ留学を成功させるためには、計画的な準備が欠かせません。ここでは、留学準備の具体的な手順と注意点を解説します。
留学エージェントの活用
留学エージェントを利用すると、学校選びから入学手続き、滞在先の手配、ビザ申請のサポートまで一貫したサービスを受けられます。特に初めての留学や英語に自信がない場合は、エージェントのサポートが心強いでしょう。ただし、エージェントによってサービス内容や対応の質には差があるため、複数のエージェントの説明会に参加したり、口コミを調べたりして比較検討することをおすすめします。
また、エージェントを通すと手数料がかかる場合があることも理解しておきましょう。直接学校に申し込むことで費用を抑えられることもありますが、その場合は自分で全ての手続きを行う必要があります。
語学学校の選び方
マルタには40以上の語学学校がありますが、学校によって特色や強みが異なります。以下のポイントを考慮して選ぶと良いでしょう。
- 認定・資格: マルタ英語教育機関協会(FELTOM)の認定を受けているか
- 学校の規模: 小規模でアットホームな環境か、大規模で設備が充実しているか
- 立地: 中心部で交通の便が良いか、静かな環境で集中できるか
- 国籍比率: 日本人の割合が低く、多様な国籍の学生がいるか
- コース内容: 目的に合ったコースや、レベル分けの細かさ
- 設備・サービス: 図書室、自習スペース、無料Wi-Fiなどの有無
- アクティビティ: 放課後や週末のアクティビティの充実度
実際に学校を選ぶ際は、公式サイトだけでなく、過去の留学生の体験談や口コミも参考にすると良いでしょう。
ビザと滞在許可
マルタ留学におけるビザと滞在許可の要件は滞在期間によって異なります。
- 90日以内の短期滞在: 日本国籍の場合、観光目的であればビザは不要です。ただし、パスポートの残存有効期間がマルタ出国予定日から3ヶ月以上あることが条件です。
- 90日を超える長期滞在: 学生ビザ(National Visa)の申請が必要です。申請には以下の書類が一般的に必要となります。
- パスポート(残存有効期間6ヶ月以上)
- 入学許可証(語学学校から発行)
- 滞在先の証明書
- 海外旅行保険証書
- 財政証明(銀行残高証明書など)
- 往復航空券予約確認書
長期留学の場合は、マルタ到着後に滞在許可証(e-Residence Card)の申請も必要です。この手続きは現地の移民局で行います。
保険と医療
海外留学中の医療費は非常に高額になる可能性があるため、適切な海外旅行保険に加入することが不可欠です。以下の点を確認して保険を選びましょう。
- 補償内容: 医療費、救援者費用、携行品損害、賠償責任など
- 補償金額: 特に医療費は最低でも3000万円以上が望ましい
- 補償期間: 留学期間全体をカバーするか
- キャッシュレス対応: 現地で治療費を立て替えなくても良いか
また、マルタでの医療システムについても理解しておきましょう。マルタは国民健康サービス(NHS)を提供していますが、これは観光客や留学生には適用されません。民間の医療機関を利用する場合は全額自己負担となるため、保険の重要性が高まります。
ただし、EU加盟国の学生は欧州健康保険カード(EHIC)を持っていれば、ある程度の医療サービスを受けられます。
出発前の準備チェックリスト
マルタ留学出発前に確認すべき項目をリスト化しました。
必要書類の準備
- パスポート(残存有効期間の確認)
- 航空券(Eチケット)
- 海外旅行保険証書
- 入学許可証
- 滞在先の詳細情報
- 緊急連絡先リスト
持ち物の準備
- 衣類(季節に合わせたもの)
- 変圧器・変換プラグ(マルタはUK式プラグを使用)
- 常備薬
- 学習教材(辞書など)
- クレジットカード
- 少額の現金(ユーロ)
その他の準備
- 携帯電話の国際ローミング設定または現地SIMカードの準備
- 銀行への海外利用通知
- 家族や友人への連絡先の共有
- 日本の住居や公共料金の手続き
- 現地の気候や文化に関する情報収集
- 基礎的な英語フレーズの練習
出発の1〜2週間前には、このリストに従って最終確認を行うと安心です。特に書類や保険に関する準備は早めに完了させておくことをおすすめします。
マルタ留学に関するよくある質問
マルタ留学を検討する際によく挙がる疑問について、詳しく回答します。
- マルタ留学に最適な時期はいつですか?
-
マルタ留学の時期は目的によって異なります。気候と観光シーズンを考慮すると、以下のような特徴があります。
春(3月〜5月)は気温が穏やかで観光客もまだ少ないため、集中して勉強したい人に適しています。花が咲き乱れる美しい景色も楽しめます。夏(6月〜9月)は最も暑く、観光客も多い時期です。海水浴やビーチアクティビティを楽しみたい人には良いですが、宿泊費が高騰し、語学学校も混雑します。秋(10月〜11月)は夏の暑さが和らぎ、観光客も減少するため、比較的穏やかな環境で学べます。海水浴も十分楽しめる温度です。冬(12月〜2月)は最も観光客が少なく、宿泊費も安い時期ですが、雨が多く気温も下がります。ただし、他の北欧諸国と比べるとかなり穏やかで、日中は15度前後まで上がることもあります。
予算を重視するなら冬、アクティビティを楽しみたいなら夏、バランスを取るなら春か秋がおすすめです。また、クリスマスやイースターなどの祝祭期間は特別なイベントが多いため、文化体験を重視する人には良い時期となるでしょう。
- 英語初心者でもマルタ留学は可能ですか?
-
はい、英語初心者でもマルタ留学は十分に可能です。マルタの多くの語学学校では、初心者レベル(A1)からのコースを提供しています。また、教師も非英語圏からの学生に教えることに慣れているため、ゆっくりと明確に話してくれます。初心者の場合は、以下のような点に注意すると良いでしょう。
- 出発前に最低限の挨拶や日常会話のフレーズを学んでおく
- 初めは短期間(2〜4週間)の一般英語コースから始める
- 可能であれば、授業前後に個人レッスンを追加する
- 同じ母国語を話す人とばかり過ごさないよう意識する
- 学校のアクティビティに積極的に参加し、英語を使う機会を増やす
英語初心者の場合、最初は理解できないことも多く戸惑うかもしれませんが、日々の生活の中で英語に触れることで、徐々に耳が慣れていきます。焦らず、小さな進歩を大切にしながら学習を進めていくことが重要です。
- マルタでのアルバイトは可能ですか?
-
短期留学(観光ビザでの90日以内の滞在)の場合、マルタでの就労は法律上認められていません。一方、学生ビザを取得して長期留学する場合は、一定の条件下でアルバイトが可能です。
具体的には、マルタに6ヶ月以上滞在予定の学生で、週あたり20時間以上の授業を受けている場合、週20時間までのパートタイム就労が認められています。ただし、就労許可証(Employment License)の取得が必要であり、これは雇用主が申請する必要があります。
マルタでの一般的なアルバイト先としては、ホテル、レストラン、カフェ、バー、ツアー会社などの観光関連産業が多いです。時給は最低賃金が適用され、おおよそ4.5〜8ユーロ程度です。ただし、英語力が求められるため、初心者の場合は職種が限られる可能性があります。また、観光シーズン(夏季)は求人が増えますが、競争も激しくなります。
就労を主目的とした留学を考えている場合は、オーストラリアやカナダなどのワーキングホリデー制度のある国の方が適しているかもしれません。
- 滞在先はどのように選ぶべきですか?
-
滞在先の選択は留学生活の質に大きく影響します。主な滞在形態とそれぞれの特徴は以下の通りです。
ホームステイ
- メリット:現地の生活習慣を学べる、食事が提供される、家族との会話で英語を練習できる
- デメリット:プライバシーが限られる、規則(門限など)がある場合がある、家庭によって環境が大きく異なる
- おすすめな人:初めての留学、家庭的な環境を好む人、食事の心配をしたくない人
学生寮
- メリット:様々な国籍の学生と交流できる、設備が整っている、学校に近いことが多い
- デメリット:騒がしい場合がある、プライバシーが限られる(相部屋の場合)、費用が高めの場合も
- おすすめな人:国際交流を重視する人、学校の近くに住みたい人、施設の充実を求める人
シェアアパート
- メリット:比較的自由な生活、長期滞在なら費用を抑えられる、キッチンなど設備を共有できる
- デメリット:手配が複雑、ルームメイトとの相性、物件の質にばらつきがある
- おすすめな人:長期滞在、自立した生活を好む人、費用を抑えたい人
ワンルームアパート(単身)
- メリット:完全なプライバシー、自分のペースで生活できる
- デメリット:費用が高い、孤独を感じる可能性、英語を使う機会が減る
- おすすめな人:長期滞在、プライバシーを重視する人、すでに交友関係がある人
滞在先を選ぶ際は、予算、滞在期間、通学の便、希望する生活スタイル、英語環境などを総合的に考慮しましょう。特に短期留学の場合は、語学学校を通じて手配するのが安心です。長期留学の場合は、最初は短期間のホームステイや学生寮に滞在し、現地の状況を把握してから長期の滞在先を探すという方法も有効です。
- マルタで使用されている英語の特徴は?
-
マルタで使用されている英語には、いくつかの特徴的な点があります。
マルタ英語の発音は基本的にイギリス英語(特に南部の発音)に近いですが、マルタ語の影響を受けた独特のアクセントがあります。特に「h」の音が強調されたり、「t」と「d」の発音が舌先ではなく歯で行われたりする傾向があります。また、イントネーションにもマルタ語の影響が見られ、独特のリズムがあります。
語彙や表現については、基本的にイギリス英語の表現が使われますが、一部にマルタ独自の言い回しも存在します。例えば、「Give me five minutes」を「Give me five」と省略して言ったり、「How are you?」の返答として「Good good」と繰り返したりする傾向があります。また、マルタの歴史的背景から、イタリア語やアラビア語の影響を受けた表現も時折見られます。
マルタ英語の特徴を理解することは重要ですが、心配する必要はありません。マルタの語学学校では、国際的なスタンダードの英語が教えられており、教師の多くはイギリスやアメリカ、オーストラリアなどの英語ネイティブ国の出身か、国際的に認められた資格を持っています。また、様々な訛りに触れることは、実際のグローバルなコミュニケーションでは有利に働くこともあります。世界中で話されている英語には多様なアクセントがあることを理解し、それに対応できる柔軟性を身につけることも、語学学習の重要な側面です。
まとめ

マルタ留学は、多くの魅力とメリットを持つ一方で、留学先として選ぶべきかどうかは個人の目的や条件によって大きく異なります。この記事では、マルタ留学の基本情報から費用、メリット・デメリット、そして「意味ない」と言われる理由の真相まで、総合的に解説してきました。
最後に、マルタ留学を検討する際の主なポイントをまとめておきましょう。
- マルタは地中海に位置する小さな島国で、英語が公用語の一つ
- 温暖な気候と豊かな歴史文化が魅力
- イギリスやアメリカと比べて費用が20〜40%抑えられる
- 特に英語初心者・中級者にとって学びやすい環境
- ヨーロッパ各国への旅行の拠点として優れている
- 日本人比率が高い学校もあるため、事前の調査が重要
- 短期留学なら90日以内ならビザ不要、長期なら学生ビザが必要
- 時期によって環境や費用が大きく変動する(春・秋がバランス◎)
- 英語の訛りの問題は多様な視点で考えるべき
- 学校選びや滞在先選びが留学成功の鍵
マルタ留学は、費用対効果の高さと温暖な環境、ヨーロッパ文化への接触のしやすさから、特に初めての留学や予算を抑えたい人、ヨーロッパ体験を求める人にとって、非常に魅力的な選択肢です。一方で、ネイティブ環境を求める方や就職活動での評価を最優先する方には、別の選択肢を検討する価値もあるでしょう。
最終的には、自分自身の留学の目的、予算、期間、希望する環境を明確にし、それに最も合った留学先を選ぶことが重要です。マルタが自分にとって適切な選択かどうか、この記事の情報を参考に、じっくりと検討してみてください。どのような選択をするにしても、明確な目標と積極的な姿勢があれば、留学は必ず価値ある経験となるでしょう。

