「明日テニスをするよ」「来週京都に行く予定です」「雨が降りそうだ」—このような未来のことを英語で表現するとき、「will」と「be going to」という二つの表現方法があります。どちらも未来のことを表すのに、なぜ二つの表現が必要なのでしょうか?それは、使う状況やニュアンスが異なるからです。
英語の文法において未来形の使い分けは、ネイティブらしい表現をするために重要なポイントです。この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、「will」と「be going to」の違いを例文付きで分かりやすく解説します。これらの表現を適切に使い分けられるようになれば、あなたの英語はより自然で豊かなものになるでしょう。
未来形の基本:「will」と「be going to」とは

英語で未来のことを表現する方法はいくつかありますが、最も一般的なのが「will」と「be going to」です。どちらも「〜するつもりだ」「〜するだろう」という未来の予定や予測を表しますが、使われる状況やニュアンスが異なります。
「will」は「will + 動詞の原形」の形で使われ、その場での決断や予測、申し出などを表します。一方、「be going to」は「am/is/are going to + 動詞の原形」の形で使われ、事前に計画していたことや、現在の状況から予測できることを表します。
初めは似ているように感じるかもしれませんが、使い分けることで自分の意図をより正確に伝えることができます。それでは、それぞれの詳しい使い方を見ていきましょう。
「will」の使い方:その場の決断と予測
「will」は主に次のような場面で使われます。具体的な使い方と例文を見ていきましょう。
その場で決めた意思を表す
「will」は会話の瞬間に決断したことを表現するのに適しています。
事前に計画していたわけではなく、その場で決めたことを伝えるときに使います。
例文
- The phone is ringing. I will answer it.(電話が鳴っています。私が出ます)
- It’s hot in here. I will open the window.(ここは暑いですね。窓を開けましょう)
- We don’t have any bread. I will go to the store and buy some.(パンがありません。店に行って買ってきます)
これらの例では、状況を見てその場で決断したことを「will」を使って表現しています。
未来の予測を表す
「will」はまた、未来に起こると予測されることを表す場合にも使われます。
特に話し手の主観的な予測や期待を表現するのに適しています。
例文
- It will probably rain tomorrow.(明日はたぶん雨が降るでしょう)
- My brother will arrive at 7:00.(兄は7時に到着するでしょう)
- I think she will pass the test.(彼女はテストに合格すると思います)
これらの例では、特に根拠があるわけではなく、話し手の予測に基づいて「will」を使っています。
申し出や同意を表す
「will」は何かを申し出たり、頼まれたことに同意したりする場合にも使われます。
例文
- Let me help you. I will carry your bag.(お手伝いします。あなたのバッグを持ちましょう)
- Can you help me with my homework? – Yes, I will help you.(宿題を手伝ってくれる?- はい、手伝います)
- Will you close the door, please? – Sure, I will.(ドアを閉めてくれますか?- はい、閉めます)
これらの例では、相手の要求に対する応答や自発的な申し出に「will」を使っています。
約束や決意を表す
「will」は強い意思や決意、約束を表す場合にも使われます。
例文
- I will call you tonight.(今夜電話します)
- I will never forget you.(あなたのことを決して忘れません)
- I will do my best.(最善を尽くします)
これらの例では、話し手の強い意思や約束を「will」を使って表現しています。
「be going to」の使い方:計画と予測
「be going to」は主に次のような場面で使われます。具体的な使い方と例文を見ていきましょう。
事前に計画していたことを表す
「be going to」は会話の前にすでに決めていた計画や予定を表すのに適しています。
例文
- I am going to visit my grandparents this weekend.(今週末、祖父母を訪ねる予定です)
- She is going to study abroad next year.(彼女は来年留学する予定です)
- We are going to have a party on Saturday.(土曜日にパーティーを開く予定です)
これらの例では、会話の時点ですでに決まっていた予定を「be going to」を使って表現しています。
現在の状況から予測できることを表す
「be going to」は現在見える兆候から予測できる未来の出来事を表す場合にも使われます。
例文
- Look at those dark clouds. It is going to rain.(あの黒い雲を見て。雨が降りそうです)
- Be careful! You are going to fall.(気をつけて!転びそうですよ)
- She is going to have a baby next month.(彼女は来月赤ちゃんが生まれる予定です)
これらの例では、現在の状況(黒い雲、危険な状況、妊娠している状態)から予測できる未来の出来事を「be going to」を使って表現しています。
現在の意図や計画を表す
「be going to」は現在の意図や近い将来の計画を表す場合にも使われます。
例文
- What are you going to do after school?(放課後何をするつもりですか?)
- I am going to clean my room today.(今日部屋を掃除するつもりです)
- They are going to start a new project next week.(彼らは来週新しいプロジェクトを始める予定です)
これらの例では、すでに心の中で決めている計画や意図を「be going to」を使って表現しています。
「will」と「be going to」の違い:具体的な比較
「will」と「be going to」の主な違いを具体的に比較して見ていきましょう。
決定のタイミングの違い
最も重要な違いは、決定のタイミングです。
「will」はその場で決めたこと、「be going to」は前もって決めていたことを表します。
比較例
- A: There’s no milk left.(牛乳がなくなったよ)
B: I will buy some on my way home.(帰りに買ってくるよ)
[その場で決めた意思] - A: What are your plans for the weekend?(週末の予定は?)
B: I am going to visit my parents.(両親を訪ねる予定です)
[前もって決めていた計画]
予測の根拠の違い
予測を表す場合も、「will」と「be going to」には違いがあります。
「will」は話し手の主観的な予測を、「be going to」は現在の状況から論理的に予測できることを表します。
比較例
- I think it will rain tomorrow.(明日は雨が降ると思います)
[特に根拠のない予測] - Look at those dark clouds. It is going to rain.(あの黒い雲を見て。雨が降りそうです)
[現在の状況(黒い雲)からの予測]
確実性の違い
「will」と「be going to」には、未来の出来事の確実性についても違いがあります。
一般的に「be going to」の方が「will」よりも確実性が高いとされています。
比較例
- The train will arrive at 3:00.(列車は3時に到着するでしょう)
[予定だが、確実とは言い切れない] - The train is going to arrive at 3:00.(列車は3時に到着する予定です)
[より確実な予定]
使用される状況の違い
「will」と「be going to」は使用される状況も異なります。
「will」は申し出や同意、約束などを表す場合に使われますが、「be going to」はこのような使い方はしません。
比較例
- A: Can you help me with my homework?(宿題を手伝ってくれる?)
B: Yes, I will help you.(はい、手伝います)
[申し出や同意] - I will never forget you.(あなたのことを決して忘れません)
[約束や決意]
未来形の活用:シーン別の使い分け
「will」と「be going to」を適切に使い分けるために、具体的なシーンごとの使い方を見ていきましょう。
日常会話での使い分け
日常会話では、状況に応じて「will」と「be going to」を使い分けることが重要です。
例文
- A: What are you doing this weekend?(週末何をしますか?)
B: I am going to go fishing with my father.(父と釣りに行く予定です)
[事前に計画していた場合] - A: I need someone to help me move furniture.(家具を動かすのを手伝ってくれる人が必要です)
B: I will help you.(手伝いますよ)
[その場での申し出] - A: The phone is ringing.(電話が鳴っています)
B: I will answer it.(私が出ます)
[その場での決断]
旅行の計画での使い分け
旅行の計画について話す場合も、「will」と「be going to」の使い分けが重要です。
例文
- I am going to visit Kyoto next month.(来月京都を訪れる予定です)
[すでに計画している場合] - A: Let’s go to the beach tomorrow.(明日海に行きましょう)
B: Good idea! I will bring some food.(いいね!食べ物を持っていくよ)
[その場での決断] - A: What are you going to do in Paris?(パリでは何をする予定ですか?)
B: I am going to visit the Eiffel Tower.(エッフェル塔を訪れる予定です)
[事前に計画していた場合]
天気の予測での使い分け
天気の予測を表現する場合も、「will」と「be going to」で使い分けが可能です。
例文
- According to the weather forecast, it will be sunny tomorrow.(天気予報によると、明日は晴れるでしょう)
[一般的な予測] - Look at those dark clouds. It is going to rain soon.(あの黒い雲を見て。すぐに雨が降りそうです)
[現在の状況からの予測]
英語の未来形「will」と「be going to」に関する練習問題
以下の問題を解いて、「will」と「be going to」の使い分けを練習しましょう。
- 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
The phone is ringing. I _____ answer it. - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
I already bought a ticket. I _____ travel to Osaka next week. - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
Look at the sky. It _____ rain soon. - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
A: I’m thirsty.
B: I _____ get you some water. - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
I _____ be a doctor when I grow up. This has been my dream since I was a child. - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
A: Do you have any plans for the summer vacation?
B: Yes, I _____ visit my grandparents in Hokkaido. - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
I think it _____ be sunny tomorrow. - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
A: Can you help me with my homework?
B: Sure, I _____ help you. - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
Be careful! You _____ fall! - 次の文の空欄に適切な表現(will または be going to)を入れなさい
I _____ never forget this day. - 次の日本語を英語に訳しなさい(willを使って)
「手伝いましょうか?」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(be going toを使って)
「明日映画を見に行く予定です」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(willを使って)
「明日は晴れるでしょう」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(be going toを使って)
「見て!あの雲。雨が降りそうだ」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(willを使って)
「電話が鳴っている。私が出るよ」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(be going toを使って)
「私は医者になるつもりです」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(willを使って)
「約束します。二度と遅刻しません」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(be going toを使って)
「明日何をする予定ですか?」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(willを使って)
「ドアを開けてくれませんか?」「はい、開けます」 - 次の日本語を英語に訳しなさい(be going toを使って)
「彼女は来月結婚する予定です」
「will」と「be going to」に関するよくある質問
- 「will」と「be going to」の一番簡単な区別方法は何ですか?
-
最も簡単な区別方法は、「いつ決めたか」を考えることです。その場で急に決めたことなら「will」、前もって計画していたことなら「be going to」を使います。例えば、友達から「のどが渇いた」と言われてその場で「水を持ってくるよ」と言う場合は「will」を使い、すでに決めていた旅行計画について話す場合は「be going to」を使います。
- 天気の予報では「will」と「be going to」どちらを使うべきですか?
-
どちらも使えますが、状況によって適切な方が変わります。一般的な予報や話し手の主観的な予測の場合は「will」(例:「I think it will rain tomorrow.」)、現在の状況から予測できる場合は「be going to」(例:「Look at those dark clouds. It is going to rain soon.」)を使います。
- 「will」と「be going to」は同じ意味で交換可能ですか?
-
多くの場合、厳密には意味が異なります。ただし、一般的な未来の予測などでは両方使えることもあります。例えば「明日は暑いでしょう」は “It will be hot tomorrow.” も “It is going to be hot tomorrow.” も可能ですが、ニュアンスが少し異なります。前者は一般的な予測、後者はより確信がある予測となります。
- 質問形式では「will」と「be going to」はどう使い分けますか?
-
質問形式でも同じルールが適用されます。急な提案や相手の意思を尋ねる場合は「Will you…?」(例:「Will you help me?」)、すでに計画されているかどうかを尋ねる場合は「Are you going to…?」(例:「Are you going to attend the party?」)を使います。
- 未来形「will」と「be going to」以外にも未来を表す表現はありますか?
-
はい、他にも未来を表す表現方法があります。現在進行形(例:「I am meeting him tomorrow.」)、現在形(例:「The train leaves at 7:00.」)、「be about to」(例:「I am about to leave.」)などがあります。それぞれ使われる状況やニュアンスが異なります。
まとめ

この記事では、英語の未来形「will」と「be going to」の違いと使い方について解説しました。
主な違いは以下の通りです。
- 決定のタイミング
- 「will」: その場で決めたこと(例:電話が鳴っています。私が出ます。)
- 「be going to」: 前もって決めていたこと(例:今週末、祖父母を訪ねる予定です。)
- 予測の根拠
- 「will」: 主観的な予測(例:明日は晴れると思います。)
- 「be going to」: 現在の状況からの予測(例:あの黒い雲を見て。雨が降りそうです。)
- 使用される状況
- 「will」: 申し出、同意、約束、決意など(例:手伝いますよ。決して忘れません。)
- 「be going to」: 計画、予定、現在の意図など(例:医者になるつもりです。)
英語の文法において未来形の使い分けを理解することは、ネイティブのような自然な英語表現を身につける上で重要です。この記事で学んだことを活用して、状況に応じて適切な未来形を選べるようになりましょう。
「will」と「be going to」のどちらを使うべきか迷ったときは、「いつ決めたか」「何を根拠に予測しているか」を考えると良いでしょう。また、練習問題を繰り返し解いて感覚を身につけることも大切です。
未来形の使い分けをマスターすれば、あなたの英語表現はより正確で豊かなものになるでしょう。頑張って練習してください!