英語で「勝つ」を表現する単語は複数ありますが、特に「win」「triumph」「prevail」は頻繁に使われる表現です。これらの単語にはそれぞれニュアンスの違いがあり、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。
この記事では、これら3つの単語の違いと適切な使い方について、英語初学者でもわかりやすいように解説します。例文も中学英語レベルでご紹介しますので、日常会話やライティングですぐに活用できるようになるでしょう。
win・triumph・prevailの基本的な違い

「win」「triumph」「prevail」はすべて「勝つ」という意味を持っていますが、使われる場面や表現のニュアンスが異なります。
「win」は最も一般的に使われる「勝つ」を表す単語です。スポーツの試合やゲーム、コンテストなどで勝利することを表現します。また、賞品や賞金を「獲得する」という意味でも使われます。日常会話で最もよく使われる表現です。
「triumph」は「win」より格式が高く、より大きな、または印象的な勝利を表す表現です。長い期間の努力や困難を経た後の勝利や成功を表すときに使われます。感動的な勝利の場面や、重要な達成を強調したいときに適しています。
「prevail」も「win」より格式の高い表現で、長い時間をかけた苦労の末に勝利することを意味します。また、ある考えや習慣が「広く受け入れられている」という意味でも使われます。「最終的に勝つ」「優勢になる」というニュアンスがあります。
それでは、それぞれの単語についてより詳しく見ていきましょう。
winの意味と使い方
「win」は最も基本的な「勝つ」を表す単語で、様々な場面で使うことができます。スポーツ、ゲーム、競争などで勝利することや、賞や賞金を獲得することを表します。
発音は「ウィン」で、過去形・過去分詞は「won(ワン)」です。
例文
- I won the race at school yesterday.(昨日、学校の競走で私は勝ちました。)
- Our team hopes to win the game next week.(私たちのチームは来週の試合で勝ちたいと思っています。)
- She won a prize in the art contest.(彼女は美術コンテストで賞を獲得しました。)
- They want to win the championship this year.(彼らは今年チャンピオンになりたいと思っています。)
- If you work hard, you will win in the end.(一生懸命働けば、最後には勝つでしょう。)
「win」は最も汎用性が高く、どのような勝利の場面でも使える万能な単語です。
triumphの意味と使い方
「triumph」は「大きな勝利を収める」「大成功を収める」という意味で、特に長い努力の末の重要な勝利を表すときに使われます。感情的な高揚感を伴うことが多く、大きな困難を乗り越えた成功を表現するのに適しています。
発音は「トライアンフ」で、過去形・過去分詞は「triumphed(トライアンフド)」です。
例文
- After many years of practice, she triumphed in the national contest.(何年もの練習の末、彼女は全国大会で勝利しました。)
- Good triumphed over evil in the story.(その物語では善が悪に打ち勝ちました。)
- The small team triumphed against the champion.(その小さなチームはチャンピオンに打ち勝ちました。)
- We triumphed despite all the problems.(すべての問題にもかかわらず、私たちは勝利しました。)
- Truth will triumph in the end.(最後には真実が勝ります。)
「triumph」は特に精神的・感情的な勝利や、大きな意義のある勝利を表現したいときに使われます。
prevailの意味と使い方
「prevail」は「(苦労の末に)勝つ」「優勢になる」「広く受け入れられる」という意味を持ちます。長期間の困難や対立を経た後に成功することや、ある考えや習慣が支配的になることを表します。
発音は「プリヴェイル」で、過去形・過去分詞は「prevailed(プリヴェイルド)」です。
例文
- After three days of debate, our opinion prevailed.(3日間の議論の末、私たちの意見が通りました。)
- Justice will prevail in the end.(最終的には正義が勝ります。)
- English prevails as an international language.(英語は国際言語として広く使われています。)
- The team prevailed against all difficulties.(そのチームはすべての困難に打ち勝ちました。)
- His ideas prevailed throughout the country.(彼の考えは国中に広まりました。)
「prevail」は単なる勝利だけでなく、長い過程や広がりのニュアンスを含んでいます。
win・triumph・prevailの使い分けのポイント
「win」「triumph」「prevail」をどのように使い分ければよいでしょうか。ここでは使い分けのポイントを場面別とフォーマル度別に解説します。
場面による使い分け
それぞれの単語が最も適している場面について見ていきましょう。
winの適した場面
- スポーツの試合や競争
- ゲームやくじ
- コンテストや選挙
- 賞品や賞金の獲得
- 日常的な勝ち負けが明確な場面
triumphの適した場面
- 長年の努力の末の重要な勝利
- 困難を乗り越えた感動的な成功
- 歴史的・意義のある勝利
- 善と悪の対立での勝利
- 感情的な高揚感を伴う勝利
prevailの適した場面
- 長期間の論争や対立での最終的な勝利
- ある考えや習慣の普及・浸透
- 正義や真実が認められる場面
- 困難な状況での持続的な成功
- 社会や文化における優勢な傾向
フォーマル度による使い分け
フォーマル度(改まり度)による使い分けも重要です。
win
- カジュアルな日常会話から公式な場面まで幅広く使用できます
- 最も一般的で使いやすい表現です
- 子供から大人まで誰でも使える基本的な単語です
triumph
- 「win」よりも格式が高く、文学的な表現です
- 書き言葉やスピーチなど、やや改まった場面で使われます
- 重要な勝利や成功を強調したい場合に使われます
prevail
- 最も格式の高い表現です
- ビジネスや学術的な文脈、法律関係の文書などでよく使われます
- 公式文書や専門的な議論の場で適切です
win・triumph・prevailの類似表現との比較
「勝つ」という意味を持つ英単語には、「beat」「defeat」「conquer」「overcome」などもあります。ここではこれらの単語との違いを解説します。
beatとdefeatの違い
「beat」と「defeat」はどちらも「相手に勝つ」という意味がありますが、使い方やニュアンスが異なります。
beat
- より口語的で日常会話でよく使われます
- 「相手を打ち負かす」というニュアンスがあります
- 直接的な対戦や競争の結果を表すことが多いです
- 発音は「ビート」、過去形は「beat」、過去分詞は「beaten」です
例文
- We beat them in the baseball game.(私たちは野球の試合で彼らに勝ちました。)
- She beat her friend at chess.(彼女はチェスで友達に勝ちました。)
defeat
- 「beat」よりも硬い表現で、書き言葉で多く使われます
- 「完全に打ち負かす」というニュアンスがあります
- 戦争や選挙、重要な競争などの場面でよく使われます
- 発音は「ディフィート」、過去形・過去分詞は「defeated」です
例文
- Our army defeated the enemy.(私たちの軍は敵を打ち負かしました。)
- The champion defeated all challengers.(チャンピオンはすべての挑戦者を負かしました。)
「beat」と「defeat」は相手に対して「勝つ」という点で「win」に似ていますが、より対戦相手との関係を強調します。
conquerとovercomeの違い
「conquer」と「overcome」も「勝つ」に関連する表現ですが、意味やニュアンスが異なります。
conquer
- 「征服する」「支配する」という意味があります
- 国や地域、山などを征服するときや、恐怖などを克服するときに使います
- 発音は「カンカー」、過去形・過去分詞は「conquered」です
例文
- The climbers conquered the highest mountain.(登山家たちは最高峰を征服しました。)
- She conquered her fear of water.(彼女は水への恐怖を克服しました。)
overcome
- 「克服する」「乗り越える」という意味があります
- 困難や問題、障害などを克服するときに使います
- 発音は「オーバーカム」、過去形は「overcame」、過去分詞は「overcome」です
例文
- We must overcome many problems.(私たちは多くの問題を克服しなければなりません。)
- He overcame his illness and returned to school.(彼は病気を克服して学校に戻りました。)
「conquer」と「overcome」は人や集団に対して「勝つ」というよりも、困難や場所、問題などを克服するという意味合いが強いです。
「win」と「triumph」と「prevail」の使い分け練習問題
以下の文章の空欄に、win、triumph、prevailのいずれかを入れてください。
- I hope our team will _ the game tomorrow.
- After many years of war, peace finally _ in the region.
- The small country _ against the larger enemy.
- She wants to _ a gold medal at the Olympics.
- Justice will _ in the end.
- Our school _ in the science contest last year.
- He hopes to _ the prize for his painting.
- Good always _ over evil in fairy tales.
- Their ideas _ throughout the company.
- The runner _ the race by two seconds.
- Truth will _ even in difficult times.
- The children want to _ the game.
- Democracy finally _ after years of dictatorship.
- She _ three games in a row.
- Common sense will _ in this argument.
- The team _ despite many injuries.
- I want to _ the lottery someday.
- Love _ over hate in the story.
- English _ as a global language.
- The underdog team _ against all expectations.
「win」と「triumph」と「prevail」に関するよくある質問
- 最も日常的に使うべき単語はどれですか?
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「win」が最も日常的に使われる単語です。スポーツの試合やゲーム、コンテストなど、一般的な「勝つ」の場面ではほとんどの場合「win」を使います。「triumph」と「prevail」は少し格式の高い表現なので、日常会話ではあまり使われません。
- 「triumph」はどんな時に使うのが適切ですか?
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「triumph」は特に感動的な勝利や、長い苦労の末の大きな成功を表現したい時に使います。例えば、小さなチームが強豪に勝った時や、長年の困難を乗り越えて大きな目標を達成した時などです。また、物語の中で「善が悪に勝つ」といった精神的な勝利を表現する時にも適しています。
- 「prevail」の「広く受け入れられている」という意味はどう使いますか?
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「prevail」の「広く受け入れられている」「優勢である」という意味は、社会的な傾向や習慣、考え方などが広まっていることを表します。例えば「In Japan, the custom of bowing prevails.(日本では、お辞儀の習慣が広く行われています。)」というように使います。また、「The opinion that we should protect nature prevails among young people.(自然を守るべきだという意見が若者の間で広まっています。)」といった使い方もできます。
- これらの単語の後に来る前置詞は何が適切ですか?
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「win」は通常、直接目的語を取ります(win a game, win a prize)。「〜に勝つ」という意味では「win against」や「win over」を使うこともあります。
「triumph」は「〜に打ち勝つ」という意味では「triumph over」または「triumph against」を使います。
「prevail」は「〜に勝つ」という意味では「prevail against」または「prevail over」を使います。「広く行われている」という意味では「prevail in」「prevail throughout」などと使われることもあります。 - これらの単語を使った慣用表現はありますか?
-
いくつか代表的な慣用表現をご紹介します。
- win the day(成功する、勝利する)
- win someone over(説得する、味方につける)
- triumph of good over evil(善の悪に対する勝利)
- let common sense prevail(常識に従う)
- prevailing opinion(一般的な意見)
- prevailing wind(卓越風、主風向)
- 名詞としても使えますか?
-
「win」と「triumph」は名詞としても使うことができます。「win」は「勝利」、「triumph」も「勝利」「大成功」という意味です。一方、「prevail」の名詞形は「prevalence(普及、広がり)」となります。
まとめ

この記事では、「win」「triumph」「prevail」の意味の違いと使い分けについて解説しました。ポイントをまとめると、
- 「win」は最も一般的な「勝つ」を表す単語で、日常会話で広く使われます
- 「triumph」は感動的な勝利や大きな成功を表す、やや格式の高い表現です
- 「prevail」は長期間の困難を乗り越えての勝利や、広く受け入れられていることを表す格式の高い表現です
- フォーマル度は「win」<「triumph」≒「prevail」の順です
- 「beat」「defeat」は相手に対して「勝つ」、「conquer」「overcome」は困難や問題を「克服する」という意味合いが強いです
- 状況に応じて適切な単語を選ぶことで、より正確で豊かな英語表現ができます
日常会話では「win」を中心に使い、特別な勝利や成功を表現したい場合は「triumph」、長期的な優勢や最終的な勝利を強調したい場合は「prevail」を使うと良いでしょう。
この記事で学んだ知識を活かして、より豊かな英語表現を目指してください。