「would」は英語の助動詞の一つで、様々な状況や意味を表現するために使われます。日常会話から文学作品まで幅広く登場する重要な単語です。
この記事では、英語初学者の方にも分かりやすく「would」の基本的な意味から実践的な使い方まで、例文を交えて詳しく解説していきます。
「would」とは?基本的な意味と役割

「would」は英語の助動詞で、「will」の過去形として使われますが、それだけでなく様々な状況で活用される便利な表現です。基本的に、条件文や丁寧な依頼、過去の習慣、願望など多くの場面で使われます。
「would」は単独では使えず、必ず他の動詞と組み合わせて使います。また、疑問文では主語の前に置かれ、否定形は「would not」または短縮形の「wouldn’t」となります。
中学英語では主に条件文や丁寧な表現として学習しますが、実際の使い方はもっと広範囲に渡ります。英語学習の初期段階でしっかり理解しておくと、より自然な英語表現ができるようになるでしょう。
「would」の基本的な形と構造
「would」を使った文の基本構造を理解することは、正しく使うための第一歩です。ここでは、肯定文、否定文、疑問文の形を見ていきましょう。
肯定文では、「主語 + would + 動詞の原形」という形になります。
例文
- I would like a cup of tea.(私はお茶を一杯いただきたいです。)
否定文では、「主語 + would not(wouldn’t) + 動詞の原形」となります。
例文
- She wouldn’t go to the party.(彼女はそのパーティーに行かないでしょう。)
疑問文では、「Would + 主語 + 動詞の原形」という語順になります。
例文
- Would you help me with my homework?(私の宿題を手伝ってもらえますか?)
「would」は他の助動詞と一緒に使うことはできません。例えば「would can」や「would must」といった表現は誤りです。
また、「would」の短縮形は「’d」で表されることが多く、話し言葉や非公式な文章でよく使われます。
例文
- I’d love to come to your party.(あなたのパーティーに行きたいです。)
「would」の主な使い方
ここでは、「would」の主な使い方を解説していきます。
丁寧な依頼と提案
「would」は丁寧な依頼や提案をする際によく使われます。「will」よりも丁寧で間接的な印象を与えるため、特に初対面の人や目上の人との会話で重宝します。
丁寧な依頼
- Would you open the window, please?(窓を開けていただけますか?)
- Would you mind passing the salt?(塩を取っていただけますか?)
- Would you help me with this problem?(この問題を手伝ってもらえますか?)
これらの表現は「will you」や単に「can you」と言うよりも丁寧です。特に「would you mind」という表現は非常に丁寧な依頼になります。
提案や招待
- Would you like some tea?(お茶はいかがですか?)
- Would you like to come to my house this weekend?(今週末、私の家に来ませんか?)
- Would you be interested in joining our club?(私たちのクラブに参加することに興味はありますか?)
「would you like」は「do you want」よりも丁寧で、相手に選択肢を提供する感じがあります。特にレストランや人の家を訪問した際のオファーでよく使われます。
条件文での使い方
「would」は条件文、特に仮定法で重要な役割を果たします。現実ではない状況や想像上の状況を表現する際に使われます。
現在の仮定(仮定法過去)
- If I had more time, I would study French.(もっと時間があれば、フランス語を勉強するのに。)
- If she were here, she would help us.(彼女がここにいれば、私たちを手伝ってくれるのに。)
- What would you do if you won the lottery?(宝くじに当たったら、何をしますか?)
これらの例では、現実には起こっていないか、または起こる可能性が低い状況について述べています。「if節」には過去形(had, were, won)を使い、主節には「would + 動詞の原形」を使います。
過去の仮定(仮定法過去完了)
- If I had studied harder, I would have passed the test.(もっと一生懸命勉強していたら、テストに合格していたのに。)
- If you had told me earlier, I would have helped you.(もっと早く言ってくれていたら、手伝ったのに。)
これらの例では、過去に起こらなかったことについて後悔や残念な気持ちを表しています。「if節」には「had + 過去分詞」を使い、主節には「would have + 過去分詞」を使います。
条件文での「would」の使い方は、英語学習者にとって少し難しいかもしれませんが、多くの状況で使われる重要な表現方法です。
過去の習慣的な行動
「would」は、過去に繰り返し行っていた習慣的な行動を表現するのにも使われます。この用法では、「used to」と似た意味を持ちますが、より文学的で形式的な印象があります。
例文
- When I was a child, I would play in the park every day.(子供の頃、私は毎日公園で遊んでいました。)
- Every Sunday, my grandmother would bake cookies for us.(毎週日曜日、祖母は私たちのためにクッキーを焼いてくれていました。)
- During summer vacation, we would go to the beach.(夏休みの間、私たちはよく海に行ったものです。)
この用法では、状態ではなく行動を表す動詞と一緒に使われます。例えば「When I was a child, I would live in Tokyo」とは言わず、代わりに「When I was a child, I used to live in Tokyo」と言います。これは「live」が状態を表す動詞だからです。
過去の習慣を表す「would」は、物語や回想録でよく使われます。過去を振り返る場面で生き生きとした表現を加えることができます。
願望や希望の表現
「would」は願望や希望を表現する際にも使われます。特に丁寧に自分の気持ちを伝えたい時に便利です。
例文
- I would love to visit Paris someday.(いつか是非パリを訪れたいです。)
- Would you like to have dinner with me tonight?(今夜、私と夕食を一緒にどうですか?)
- I would really appreciate your help.(あなたの助けを本当にありがたく思います。)
「would like」は「want」よりも丁寧で間接的な表現です。特に他人に何かを頼む時や自分の希望を述べる時に適しています。
また、「would love」や「would appreciate」などの表現は、より強い願望や感謝の気持ちを表します。フォーマルな場面や、相手との関係に配慮したい時に効果的です。
意見や予測の表現
「would」は自分の意見や予測を控えめに、あるいは不確かさを含めて表現する時にも使われます。
例文
- I would say that the blue one is better.(青い方が良いと思います。)
- I would imagine they’ll arrive by 5 o’clock.(彼らは5時までに到着すると思います。)
- That would be John calling. I’ll answer it.(それはジョンからの電話でしょう。出ます。)
これらの表現は断定的な言い方(例:「The blue one is better」)よりも控えめで丁寧な印象を与えます。特に確信がない場合や、相手の意見を尊重したい場合に使われます。
また、未来の出来事について予測する際にも使われ、「will」よりも可能性が低いことを示唆します。
例文
- It will rain tomorrow.(明日は雨が降るでしょう。[確信度が高い])
- It would rain tomorrow if the forecast is correct.(予報が正しければ、明日は雨が降るでしょう。[条件付き])
「would」のよくある間違いと注意点
「would」は使い方を間違えやすい表現の一つです。ここでは、よくある間違いと注意すべきポイントを解説します。
「would」を「if」の後に使う誤り
条件文では、通常「if節」の中で「would」は使いません。代わりに過去形や過去完了形を使います。
誤:If I would have money, I would buy a car.
正:If I had money, I would buy a car.(もしお金があれば、車を買うのに。)
ただし、間接的な依頼や丁寧な表現として例外的に使われる場合もあります。
例文
- I would appreciate it if you would consider my proposal.(もし私の提案を検討していただければ幸いです。)
「would of」という誤り
「would have」の発音が「would of」に聞こえるため、書く際に間違える人がいます。
誤:I would of helped you.
正:I would have helped you.(手伝ったのに。)
時制の混乱
仮定法では、現在の仮定と過去の仮定を混同しないように注意が必要です。
例文
- 現在の仮定:If I were rich, I would buy a big house.(もし金持ちなら、大きな家を買うのに。)
- 過去の仮定:If I had been rich, I would have bought a big house.(もし金持ちだったら、大きな家を買っていたのに。)
「would」と「used to」の違い
過去の習慣を表す場合、「would」と「used to」は似ていますが、使い方に違いがあります。「would」は行動を表す動詞と使い、「used to」は状態を表す動詞とも使えます。
例文
- When I was young, I would play baseball every day.(子供の頃、私は毎日野球をしていました。)[行動]
- When I was young, I used to live in Tokyo.(子供の頃、私は東京に住んでいました。)[状態]
「would」と他の助動詞を一緒に使わない
「would」は他の助動詞(can, must, shouldなど)と一緒には使えません。
誤:She would can help us tomorrow.
正:She would be able to help us tomorrow.(彼女は明日手伝ってくれるでしょう。)
「would」に関する問題
ここでは「would」の使い方を確認するための問題を10問用意しました。括弧内に適切な形を入れましょう。解答は後でまとめて示します。
- If I _ (be) rich, I would buy a big house.
- Would you _ (like) some tea?
- Every evening, my grandfather would _ (tell) us stories.
- If she _ (study) harder, she would pass the exam.
- Would you _ (mind) opening the window?
- If I _ (have) more time, I would travel the world.
- He would _ (help) you if you asked him.
- If they _ (know) the truth, they would be shocked.
- Would you _ (pass) the salt, please?
- If we _ (leave) earlier, we would have caught the train.
「would」の様々な用法まとめ表
「would」は多くの用法があるため、下記の表にまとめました。
用法 | 説明 | 例文 |
---|---|---|
丁寧な依頼 | 相手に何かを頼む時に使う丁寧な表現 | Would you help me, please?(手伝ってもらえますか?) |
提案・招待 | 相手に何かを提案したり招待したりする時の表現 | Would you like to join us?(私たちと一緒にいかがですか?) |
条件文(現在の仮定) | 現実とは異なる現在の状況を仮定する表現 | If I had a car, I would drive to school.(車があれば、学校まで運転するのに。) |
条件文(過去の仮定) | 過去に起こらなかったことを仮定する表現 | If I had studied, I would have passed the test.(勉強していれば、テストに合格していたのに。) |
過去の習慣 | 過去に繰り返し行っていた行動を表す表現 | When I was a child, I would play in the park.(子供の頃、私は公園で遊んでいました。) |
願望・希望 | 自分の願いや希望を丁寧に表現する方法 | I would love to visit Paris.(パリを訪れたいです。) |
意見・予測 | 自分の意見や予測を控えめに表現する方法 | I would say the blue one is better.(青い方が良いと思います。) |
「would」に関するよくある質問
- 「would」と「will」の違いは何ですか?
-
「will」は未来のことや意志を表す助動詞で、「would」は「will」の過去形です。しかし、「would」は過去の未来だけでなく、条件文、丁寧な依頼、過去の習慣など様々な用法があります。「would」は「will」よりも丁寧で間接的な印象を与えることが多いです。
- 「would」と「used to」はどう使い分けますか?
-
どちらも過去の習慣を表しますが、「would」は主に行動を表す動詞と一緒に使われ、「used to」は行動も状態も表せます。また、「used to」は過去にはあったが今はない状態も表せますが、「would」はその用法では使えません。
- 「If I would」という表現は正しいですか?
-
通常、条件文の「if節」では「would」は使いません。「If I had money」のように過去形を使います。ただし、丁寧な依頼や間接的な表現として例外的に使われることもあります(例:I would appreciate it if you would consider my offer.)。
- 「would」を使った丁寧な依頼の返事はどうすればいいですか?
-
「Would you…?」の質問には、肯定なら「Yes, I would」または単に「Yes, of course」、否定なら「No, I wouldn’t」または「I’m sorry, I can’t」などと答えます。
- 「would rather」とはどういう意味ですか?
-
「would rather」は「〜する方がよい」という意味で、自分の好みや選択を表します。例:I would rather stay at home than go out tonight.(今夜は出かけるより家にいたいです。)
- 「would have to」の意味は?
-
「would have to」は「〜しなければならないだろう」という意味で、仮定の状況での義務や必要性を表します。例:If I got that job, I would have to move to Tokyo.(その仕事に就いたら、東京に引っ越さなければならないでしょう。)
- 「would」を使った質問の答え方は?
-
「Would you like…?」という質問には、「Yes, I would」または「No, I wouldn’t」と答えるのが基本です。ただし、日常会話では「Yes, please」や「No, thank you」などの表現もよく使われます。
まとめ

英語の助動詞「would」は、丁寧な依頼から条件文、過去の習慣まで幅広い用法を持つ便利な表現です。この記事では「would」の基本的な意味から実践的な使い方まで、初学者にも分かりやすく解説しました。
以下に「would」についての重要なポイントをまとめます。
- 「would」は条件文で「〜だろう」「〜するだろう」という意味を表す
- 丁寧な依頼や提案をする時に使うと、より丁寧な印象になる
- 過去の習慣的な行動を表現する際にも使える
- 願望や希望を表現する「would like」「would love」などの表現がある
- 意見や予測を控えめに表現する時にも役立つ
- 条件文の「if節」の中では通常「would」は使わない
- 「would of」ではなく「would have」が正しい表現
- 他の助動詞と一緒には使えない
「would」の様々な用法をマスターすることで、より自然で丁寧な英語表現ができるようになります。日常会話から文章作成まで幅広く使える表現なので、例文を参考にしながら積極的に使ってみましょう。
自分の気持ちや考えをより適切に、そして丁寧に伝えることができるようになるはずです。