英語学習において頻繁に混乱する表現に「yet」と「already」があります。どちらも時間に関連する副詞ですが、意味や使われる状況が異なります。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、これらの表現の違いや使い分けを具体的な例文とともに詳しく解説します。正しく使いこなせるようになれば、英語力が一段と向上することでしょう。
「yet」と「already」の基本的な意味

「yet」と「already」はどちらも時間に関係する副詞ですが、使用する場面や伝えるニュアンスが大きく異なります。これらの違いを理解することは、自然な英語表現のために非常に重要です。
「yet」は基本的に「まだ」という意味で、主に否定文や疑問文で使われます。何かがまだ起こっていない状態や、ある時点までに何かが起こったかどうかを尋ねる際に使用します。特に、これから起こる可能性がある行動や状態に注目する表現です。
一方、「already」は「すでに、もう」という意味で、主に肯定文で使われます。何かがすでに完了した、または発生した状態を表現します。予想よりも早く物事が起こったというニュアンスを含むこともあります。
これら二つの副詞の使い分けを理解することで、より正確な時間表現ができるようになります。
「yet」の使い方と例文
「yet」は「まだ」「いまだに」という意味を持つ副詞です。主に否定文や疑問文で用いられ、ある時点までに何かが起こっていないことや、起こったかどうかを尋ねる際に使います。
「yet」は未来に向けての期待や可能性を含む表現で、何かがこれから起こる可能性があることを示唆します。時間的な概念としては「ある時点まで」という意味合いを持っています。
否定文での「yet」の使い方
否定文では「まだ~していない」という意味で使われます。「not yet」の形で「まだ~ない」という状態を表現します。
例文
- I have not finished my homework yet.(私はまだ宿題を終えていません。)
- She hasn’t called me yet.(彼女はまだ私に電話をしていません。)
- My brother hasn’t come home yet.(私の兄はまだ帰宅していません。)
- We haven’t decided which movie to watch yet.(私たちはまだどの映画を見るか決めていません。)
- They haven’t started the meeting yet.(彼らはまだ会議を始めていません。)
疑問文での「yet」の使い方
疑問文では「もう~しましたか?」という意味で使われます。ある時点までに何かが起こったかどうかを尋ねる際に用います。
例文
- Have you eaten dinner yet?(もう夕食は食べましたか?)
- Has the mail arrived yet?(郵便はもう届きましたか?)
- Did you finish your book report yet?(もう読書感想文は終わりましたか?)
- Have they announced the test results yet?(テストの結果はもう発表されましたか?)
- Has your mother come back from work yet?(お母さんはもう仕事から戻りましたか?)
「yet」のその他の用法
「yet」は接続詞としても使われ、この場合は「しかし」「それなのに」という意味になります。また、「さらにもう一つ」という意味で使われることもあります。
例文
- The problem is difficult, yet I will try to solve it.(その問題は難しいですが、解こうと試みます。)
- She is young, yet she is very wise.(彼女は若いですが、とても賢明です。)
- There is yet another reason why we should wait.(私たちが待つべき理由がもう一つあります。)
「already」の使い方と例文
「already」は「すでに、もう」という意味の副詞です。主に肯定文で使われ、何かがすでに起こったことや完了したことを表します。予想や期待よりも早く何かが起こったというニュアンスを含むこともあります。
「already」は完了や達成を強調する表現で、時間的には「予想より早く」という意味合いを持つことが多いです。
肯定文での「already」の使い方
肯定文では「すでに~している」「もう~した」という意味で使われます。
例文
- I have already done my homework.(私はすでに宿題を終えました。)
- She has already left for school.(彼女はすでに学校へ出発しました。)
- The train has already departed.(電車はすでに出発しました。)
- We have already seen that movie twice.(私たちはすでにその映画を2回見ました。)
- They have already eaten all the cookies.(彼らはすでにクッキーを全部食べました。)
疑問文での「already」の使い方
疑問文では「もう~したのですか?」という意味で、特に驚きや意外さを表現する場合に使われます。
例文
- Have you already finished your homework?(もう宿題を終えたのですか?)
- Is it already 7 o’clock?(もう7時なのですか?)
- Has the class already started?(もう授業は始まったのですか?)
- Did you already wash the dishes?(もう皿を洗ったのですか?)
- Have they already left the party?(彼らはもうパーティーを去ったのですか?)
「yet」と「already」の違いを比較
「yet」と「already」の最も明確な違いは、使われる文のタイプにあります。この違いを理解することが、両者を正しく使い分ける第一歩です。
「yet」は主に否定文や疑問文で使われます。
例文
- I haven’t read that book yet.(私はまだその本を読んでいません。)
- Have you visited Tokyo yet?(あなたはもう東京を訪れましたか?)
一方、「already」は主に肯定文で使われますが、驚きや意外さを表現する疑問文でも使われます。
例文
- I have already read that book.(私はすでにその本を読みました。)
- Have you already visited Tokyo?(もう東京を訪れたのですか?)(驚きのニュアンス)
表現する時間的概念の違い
「yet」と「already」は表現する時間的な概念も異なります。これらの違いを理解することで、より適切な使い分けができるようになります。
「yet」は「ある時点までに~していない」または「もう~したか?」というように、まだ起こっていないことや、起こったかどうかを尋ねる際に使います。未来に向けての期待や可能性を含みます。
「already」は「すでに~した」というように、すでに起こった・完了したことを表します。しばしば予想よりも早く何かが起こったというニュアンスを含みます。
同じ状況での「yet」と「already」の使い分け
同じ状況でも、「yet」と「already」を使うことで、伝わる意味やニュアンスが変わります。以下の例を比較してみましょう。
例文
- Have you done your homework yet?(宿題はもうやりましたか?)
- この質問は単に情報を求めています。まだやっていないかもしれないと考えています。
- Have you done your homework already?(もう宿題をやったのですか?)
- この質問には「こんなに早く終わったの?」という驚きのニュアンスがあります。
- I haven’t eaten lunch yet.(私はまだ昼食を食べていません。)
- 昼食を食べる予定だが、まだ食べていないことを示します。
- I have already eaten lunch.(私はすでに昼食を食べました。)
- 昼食を食べ終わったことを示します。おそらく予想より早く食べたというニュアンスもあります。
「yet」と「already」の文中での位置
「yet」は文中での位置にもある程度のルールがあります。正しい位置に置くことで、より自然な英語表現になります。
「yet」は通常、文末に置かれることが多いです。
例文
- I haven’t finished my homework yet.(私はまだ宿題を終えていません。)
- They haven’t arrived yet.(彼らはまだ到着していません。)
ただし、疑問文では文末または文中に置くことができます。
例文
- Have you seen that movie yet?(もうその映画を見ましたか?)
- Have you yet decided where to go?(もうどこに行くか決めましたか?)(やや形式的)
「already」の文中での位置
「already」も文中での位置に一定のルールがあります。位置によって強調される部分が異なることもあります。
「already」は通常、次のような位置に置かれます。
助動詞と主動詞の間
- I have already done my homework.(私はすでに宿題をしました。)
- She has already left.(彼女はすでに出発しました。)
be動詞の後
- He is already here.(彼はすでにここにいます。)
- They were already sleeping.(彼らはすでに寝ていました。)
一般動詞の前(助動詞がない場合)
- I already know the answer.(私はすでに答えを知っています。)
- She already lives in Tokyo.(彼女はすでに東京に住んでいます。)
文末(特に会話では使われることがあります)
- I’ve seen that movie already.(私はその映画をすでに見ました。)
- We finished the project already.(私たちはすでにプロジェクトを終えました。)
「yet」と「already」に関連する表現
「yet」と「already」に類似する表現もあるので、それをご紹介します。
「still」との違い
「still」も時間に関する副詞で、「yet」や「already」と混同されることがあります。それぞれの違いを理解することが重要です。
「still」は「まだ、依然として」という意味を持ち、主に肯定文や否定文で使われます。ある状態が継続していることを表します。
肯定文での「still」
- She is still at school.(彼女はまだ学校にいます。)
- They are still working on the project.(彼らはまだそのプロジェクトに取り組んでいます。)
否定文での「still」
- I still don’t understand this math problem.(私はまだこの数学の問題を理解できません。)
- He still hasn’t called me.(彼はまだ私に電話をしていません。)
「yet」との違い
- I haven’t finished my homework yet.(私はまだ宿題を終えていません。)
- 単に「まだ終わっていない」ことを示します。
- I still haven’t finished my homework.(私はまだ宿題を終えていません。)
- 「依然として終わっていない」というニュアンスがあり、ある程度の時間が経過したことを暗示します。
「just」との違い
「just」も時間に関する副詞で、「already」と比較されることがあります。両者の違いを理解しましょう。
「just」は「ちょうど今、たった今」という意味を持ち、非常に最近起こった出来事を表します。「already」と比較すると、「just」はより最近の出来事を指します。
「just」の例
- I have just finished my homework.(私はたった今宿題を終えました。)
- She has just arrived.(彼女はたった今到着しました。)
「already」との違い
- I have already finished my homework.(私はすでに宿題を終えました。)
- 宿題を予想より早く終えたというニュアンスがあります。
- I have just finished my homework.(私はたった今宿題を終えました。)
- 宿題を完了したのがごく最近であることを強調しています。
「yet」と「already」の使い分け練習問題
ここでは「yet」と「already」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。空欄に適切な語(yet または already)を入れてください。
- Have you finished your homework _____ ?
- I have _____ seen that movie three times.
- She hasn’t arrived _____.
- They have _____ left for school.
- Has the bus come _____ ?
- The train has _____ departed.
- We haven’t decided where to go _____.
- I’m _____ tired, and it’s only 3 o’clock!
- Have you _____ met my brother?
- She hasn’t eaten lunch _____.
- He has _____ read that book twice.
- Have they finished the project _____ ?
- We haven’t visited that museum _____.
- The teacher has _____ explained this topic.
- Has the mail arrived _____ ?
- My father has _____ come home from work.
- I haven’t started my assignment _____.
- They have _____ solved the problem.
- Have you had breakfast _____ ?
- We’ve _____ discussed this issue many times.
「yet」と「already」に関するよくある質問
- 「yet」は肯定文でも使えますか?
-
はい、「yet」は肯定文でも使うことができます。ただし、その場合は「まだ」ではなく「すでに、もう」あるいは「それでも、しかし」という意味になります。特に接続詞として使われる場合がこれにあたります。例えば:
例文
- She is young, yet very wise.(彼女は若いですが、とても賢いです。)
- The problem is difficult, yet solvable.(その問題は難しいですが、解決可能です。)
また、「さらに、その上」という意味で副詞として使うこともあります。
例文
- There is yet another reason why we should wait.(私たちが待つべき理由がさらにもう一つあります。)
- We need yet more time to finish this project.(このプロジェクトを終えるにはさらに時間が必要です。)
これらの用法は、基本的な「まだ~していない」という意味とは異なるので注意が必要です。
- 「already」は否定文でも使えますか?
-
「already」は基本的に否定文では使いません。代わりに「yet」を使います。ただし、特定の文脈では使われることがあります。
例文
- I’m not already tired.(私はまだ疲れていません。)
これは「もう疲れている」という予想や思い込みに対して否定する場合に使われます。しかし、この用法はあまり一般的ではありません。
通常、否定文では「yet」を使います。
例文
- I haven’t finished my homework yet.(私はまだ宿題を終えていません。)
- She hasn’t called me yet.(彼女はまだ私に電話をしていません。)
「already」を否定すると、「すでに~している」状態を否定することになります。
- 「yet」と「already」はどのような時制で使われますか?
-
「yet」と「already」は様々な時制で使用できますが、特に完了形(現在完了形、過去完了形)と一緒に使われることが多いです。
現在完了形
- I have already done my homework.(私はすでに宿題をしました。)
- She hasn’t arrived yet.(彼女はまだ到着していません。)
過去完了形
- When I called, he had already left.(電話したとき、彼はすでに出発していました。)
- I hadn’t finished my work yet when she arrived.(彼女が到着したとき、私はまだ仕事を終えていませんでした。)
現在形
- I already know the answer.(私はすでに答えを知っています。)
- Do you have any questions yet?(まだ何か質問がありますか?)
過去形(特にアメリカ英語では)
- Did you eat lunch yet?(もう昼食は食べましたか?)
- I already saw that movie.(私はすでにその映画を見ました。)
アメリカ英語では過去形と「yet」「already」の組み合わせがよく見られますが、イギリス英語では通常、完了形と一緒に使われます。
- 「yet」と「still」はどう違いますか?
-
「yet」と「still」は両方とも「まだ」という意味を持ちますが、使い方やニュアンスが異なります
「yet」
- 主に否定文や疑問文で使われる
- 「まだ~していない」「もう~したか?」という意味
- 文末に置かれることが多い
- 未来に向けての期待や可能性を含む
例文
- I haven’t read that book yet.(私はまだその本を読んでいません。)
- Have you finished yet?(もう終わりましたか?)
「still」
- 肯定文、否定文の両方で使われる
- 「依然として」「まだ~している/していない」という意味
- 通常、助動詞の後か一般動詞の前に置かれる
- 状態の継続を強調する
例文
- She is still at work.(彼女はまだ仕事中です。)
- I still don’t understand.(私はまだ理解できません。)
「yet」が未来への可能性を示すのに対し、「still」は現在の状態の継続を強調します。
- 「already」と「just」はどう違いますか?
-
「already」と「just」は両方とも完了した行為を表しますが、時間的なニュアンスや焦点が異なります。
「already」
- 「すでに、もう」という意味
- 予想よりも早く何かが起こったことを表す
- 特定の時間を指定しない
- 完了や達成を強調する
例文
- I have already finished my homework.(私はすでに宿題を終えました。)
「just」
- 「たった今、ちょうど」という意味
- 非常に最近発生した行為を表す
- より具体的な時間(つい先ほど)を指す
- 行為の直近性を強調する
例文
- I have just finished my homework.(私はたった今宿題を終えました。)
「already」が予想より早い完了を強調するのに対し、「just」は行為がごく最近行われたことを強調します。
まとめ

この記事では、「yet」と「already」の意味の違いと使い分けについて詳しく解説しました。主なポイントをまとめると、
- 「yet」は主に否定文や疑問文で使われ、「まだ~していない」「もう~したか?」という意味を持ちます。
- 「already」は主に肯定文で使われ、「すでに~した」「もう~している」という意味を持ちます。
- 「yet」は通常文末に置かれます。
- 「already」は助動詞と主動詞の間、Be動詞の後、または一般動詞の前に置かれることが多いです。
- 「yet」は未完了の状態や行為に焦点を当てます。
- 「already」は予想よりも早く完了した行為に焦点を当てます。
- 「still」は「依然として」という意味で、状態の継続を強調します。
- 「just」は「たった今」という意味で、非常に最近発生した行為を表します。
- 文脈によって「yet」は接続詞としても使われ、「しかし」という意味になります。
- アメリカ英語では過去形と一緒に使われることもありますが、イギリス英語では主に完了形と使われます。
これらの表現を正しく使い分けることで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。練習問題を繰り返し解いて、理解を深めてください。