「yet」は英語の基本的な単語で、副詞と接続詞の両方として使われます。日本語では文脈によって「まだ」「もう」「しかし」などの意味になり、英語初学者にとっては使い分けが難しい単語の一つです。しかし、基本的な使い方さえ理解すれば、日常会話や文章でとても役立つ表現となります。
この記事では、「yet」の意味と使い方を例文を交えながら、わかりやすく解説していきます。
yetとは?日本語でどんな意味になるのか

「yet」は主に二つの品詞として使われる単語です。副詞としては「まだ(〜していない)」や「もう(〜した?)」という時間に関する概念を表し、接続詞としては「しかし」「それにもかかわらず」という対比を表します。
日本語では文脈によって意味が異なるため、初学者は混乱しがちです。特に副詞としての「yet」は否定文と疑問文で使われ方が変わります。否定文では「まだ〜していない」という意味になり、疑問文では「もう〜した?」という意味になります。
この記事では、様々な場面での「yet」の使い方を詳しく解説し、英語初学者でも自信を持って使えるようになることを目指します。
yetの品詞と基本的な意味
「yet」は主に副詞と接続詞として使われます。それぞれの基本的な意味と使い方を見ていきましょう。
副詞としてのyet
副詞としての「yet」は主に否定文と疑問文で使われます。否定文では「まだ〜していない」、疑問文では「もう〜した?」という意味になります。文の最後に置かれることが多いです。
例文
- I have not finished my homework yet. (私はまだ宿題を終えていません。)
- Have you eaten lunch yet? (もう昼食を食べましたか?)
- She has not come yet. (彼女はまだ来ていません。)
接続詞としてのyet
接続詞としての「yet」は「しかし」「それにもかかわらず」という意味で、前述した内容と矛盾するような内容を導入するときに使います。「but」と似た意味ですが、「yet」のほうがややフォーマルな印象を与えます。
例文
- He is old, yet he runs every day. (彼は年老いていますが、毎日走っています。)
- The problem is difficult, yet solvable. (その問題は難しいですが、解決可能です。)
- She is very young, yet she speaks three languages. (彼女はとても若いですが、3つの言語を話します。)
yetの使い方と例文
「yet」の様々な使い方を、例文を交えながら詳しく見ていきましょう。
否定文での使い方
否定文で「yet」を使うと、「まだ〜していない」という意味になります。何かがまだ起こっていない、または完了していない状態を表します。通常、文の最後に置かれます。
例文
- I have not read that book yet. (私はまだその本を読んでいません。)
- They have not arrived yet. (彼らはまだ到着していません。)
- We have not decided yet. (私たちはまだ決めていません。)
- The movie has not started yet. (映画はまだ始まっていません。)
否定文では、現在完了形と一緒に使われることが多いです。特にイギリス英語では現在完了形との組み合わせが一般的です。
疑問文での使い方
疑問文で「yet」を使うと、「もう〜した?」という意味になります。何かがすでに起こったかどうかを尋ねる場合に使います。
例文
- Have you done your homework yet? (もう宿題をしましたか?)
- Has the mail arrived yet? (郵便はもう届きましたか?)
- Are you ready yet? (もう準備はできましたか?)
- Is it time to go yet? (もう行く時間ですか?)
疑問文での「yet」も、否定文と同様に文の最後に置かれることが多いです。
肯定文での使い方
肯定文での「yet」の使い方は、否定文や疑問文に比べるとやや特殊です。主に「have yet to do」という形で使われ、「まだ〜していない」という意味になります。
例文
- I have yet to visit Paris. (私はまだパリを訪れていません。)
- We have yet to receive a response. (私たちはまだ返事を受け取っていません。)
- The best is yet to come. (最高のことはまだこれからです。)
- There is yet hope. (まだ希望はあります。)
このように肯定文でも「yet」を使うことで、「まだ〜していない」という否定的な意味を表すことができます。
yetとstillの違い
英語初学者がよく混同する「yet」と「still」について、その違いを明確にしましょう。どちらも日本語では「まだ」と訳されることがありますが、使い方は大きく異なります。
「yet」は主に否定文や疑問文で使われ、「まだ〜していない」「もう〜した?」という意味を表します。一方、「still」は主に肯定文で使われ、「まだ〜している」という継続的な状態を表します。
簡単に言えば、
- 「yet」は「何かがまだ起こっていない」状態を表す
- 「still」は「何かが継続して起こっている」状態を表す
例文で比較してみましょう。
例文
- I haven’t finished my homework yet. (私はまだ宿題を終えていません。)
I am still doing my homework. (私はまだ宿題をしています。) - Have you eaten dinner yet? (もう夕食を食べましたか?)
Are you still eating dinner? (まだ夕食を食べていますか?) - She hasn’t arrived yet. (彼女はまだ到着していません。)
She is still on her way. (彼女はまだ途中です。)
yetを含む便利な表現
「yet」を含む便利な表現をいくつか紹介します。これらの表現を覚えておくと、英語でのコミュニケーションがより豊かになります。
not yet(まだ〜していない)
最もシンプルで一般的な表現です。何かがまだ起こっていないことを表します。
例文
- I am not ready yet. (私はまだ準備ができていません。)
- He has not called yet. (彼はまだ電話をしていません。)
単独の返答としても使えます。
例文
- Are you ready? – Not yet. (準備はできていますか?- まだです。)
as yet(今のところは、現時点では)
「as yet」は「今のところは」「現時点では」という意味で使われます。より形式的な表現です。
例文
- As yet, we have no information. (現時点では、情報がありません。)
- No decision has been made as yet. (今のところ、決定はされていません。)
yet another(さらにもう一つの)
「yet another」は「さらにもう一つの」「またもう一つの」という意味で使われます。
例文
- This is yet another problem to solve. (これは解決すべきさらなる問題です。)
- She has bought yet another book. (彼女はさらにもう一冊本を買いました。)
the best is yet to come(最高のことはこれからやってくる)
将来に対する期待や希望を表す表現です。
例文
- Don’t worry, the best is yet to come. (心配しないで、最高のことはこれからです。)
- We’ve had a good year, but the best is yet to come. (良い一年でしたが、最高はこれからです。)
yetの文中での位置
「yet」の文中での位置について理解しておくことも重要です。基本的なルールは以下の通りです。
副詞としてのyet
副詞として使う場合、「yet」は通常、文の最後に置かれます。
例文
- I have not seen that movie yet. (私はまだその映画を見ていません。)
- Have you finished your work yet? (もう仕事は終わりましたか?)
ただし、より形式的な表現では、否定語の直後に置くこともあります。
例文
- I have not yet seen that movie. (私はまだその映画を見ていません。)
- We have not yet decided what to do. (私たちはまだ何をするか決めていません。)
接続詞としてのyet
接続詞として使う場合、「yet」は二つの節を結ぶ位置に置かれます。通常、コンマの後に来ます。
例文
- It is expensive, yet worth buying. (それは高価ですが、購入する価値があります。)
- He tried hard, yet failed. (彼は一生懸命頑張りましたが、失敗しました。)
yetのよくある間違いと注意点
「yet」を使う際によくある間違いと注意点を紹介します。これらに気をつけることで、より正確に「yet」を使えるようになります。
alreadyとyetの混同
「already」(すでに)と「yet」(まだ)は似ているように見えますが、使い方が異なります。「already」は主に肯定文で使われ、「yet」は主に否定文と疑問文で使われます。
誤った例
- I have already not seen that movie. (×)
正しい例
- I have not seen that movie yet. (○)
- I have already seen that movie. (○)
また、疑問文では両方使えますが、ニュアンスが異なります。「already」は驚きや意外性を表しますが、「yet」は単純な質問です。
例文
- Have you finished already? (もう終わったの?驚いている)
- Have you finished yet? (もう終わった?単純な質問)
語順の間違い
「yet」は通常、文の最後に置かれます。特に初学者は語順に注意しましょう。
誤った例
- I yet have not finished my homework. (×)
- Yet I have not finished my homework. (×)
正しい例
- I have not finished my homework yet. (○)
- I have not yet finished my homework. (○)(よりフォーマル)
時制の誤り
特にアメリカ英語では、「yet」を使った文では現在完了形が一般的です。単純過去形を使うと不自然に聞こえることがあります。
誤った例(アメリカ英語の場合)
- I didn’t finish my homework yet. (×)
正しい例
- I haven’t finished my homework yet. (○)
ただし、イギリス英語では単純過去形と共に「yet」を使うこともあります。
stillとの混同
先に説明したように、「yet」と「still」は似た意味を持ちますが、使い方が異なります。
誤った例
- I am yet doing my homework. (×)
- I still haven’t finished my homework yet. (×)(冗長)
正しい例
- I am still doing my homework. (○)
- I still haven’t finished my homework. (○)
- I haven’t finished my homework yet. (○)
yetに関する問題
この問題では、「yet」の使い方を学びながら、正しい文法や意味を理解することを目的としています。
さらに、回答がすべて「yet」にならないように、他の関連する単語や表現も取り入れています。
- 次の文を完成させてください:
“I haven’t finished my homework ____. (まだ宿題を終えていません)” - 次の文に適切な単語を入れてください:
“She has already eaten dinner, but she is ____ hungry. (彼女はすでに夕食を食べたが、それでもまだお腹が空いています)” - 次の文の空欄に適切な単語を入れてください:
“Have you called him ____? (もう彼に電話しましたか?)” - 次の文に適切な単語を入れてください:
“He hasn’t arrived ____, but he should be here soon. (彼はまだ到着していませんが、もうすぐ来るはずです)” - 次の文を完成させてください:
“She was tired, ____ she kept working until midnight. (彼女は疲れていたが、それでも真夜中まで働き続けた)” - 次の文に適切な単語を入れてください:
“This is the best movie I’ve seen ____. (これは私がこれまで見た中で最高の映画です)” - 次の文を完成させてください:
“I haven’t decided what to do ____. (私はまだ何をするか決めていません)” - 次の文に適切な単語を入れてください:
“He was late, ____ he didn’t apologize. (彼は遅刻したが、それでも謝らなかった)” - 次の文を完成させてください:
“She has ____ finished her project, so she can relax now. (彼女はすでにプロジェクトを終えたので、今はリラックスできます)” - 次の文に適切な単語を入れてください:
“I haven’t seen the new movie ____, but I’m planning to watch it soon. (私はまだその新しい映画を見ていませんが、近いうちに見る予定です)”
yetの効果的な使い方のコツ
「yet」を効果的に使いこなすためのコツをいくつか紹介します。これらのポイントを押さえると、より自然な英語表現ができるようになります。
現在完了形との相性
「yet」は現在完了形と一緒に使われることが多く、特に相性が良いと言えます。
現在完了形は「過去の出来事が現在に関連している」ことを表す時制で、「まだ〜していない」という「yet」の意味と組み合わせると、「ある時点までに起こると予想されていたことがまだ起こっていない」という意味になります。
例文
- I have not received the package yet. (私はまだそのパッケージを受け取っていません。)
- Have you finished your project yet? (もうプロジェクトを終えましたか?)
日常会話での使い方
日常会話では、「yet」をシンプルな応答として使うこともあります。特に「Not yet.」(まだです。)という表現は、「まだ〜していない」という質問への一般的な応答です。
例文
- A: Have you had lunch yet? (もう昼食を食べましたか?)
B: Not yet. (まだです。) - A: Is the movie over yet? (映画はもう終わりましたか?)
B: Not yet. It’s still playing. (まだです。まだ上映中です。)
yetの使い方を示す表
以下の表は、「yet」の主な使い方と例文をまとめたものです。それぞれの使い方の特徴を把握しましょう。
使い方 | 文の種類 | 意味 | 例文 |
---|---|---|---|
副詞 | 否定文 | まだ〜していない | I have not finished yet. |
副詞 | 疑問文 | もう〜した? | Have you seen it yet? |
副詞 | 肯定文 (have yet to) | まだ〜していない | I have yet to visit Tokyo. |
接続詞 | 任意 | しかし、それにもかかわらず | She is young, yet wise. |
この表を参考にして、それぞれの場面で適切に「yet」を使い分けることができるようになりましょう。
yetと他の似た表現の比較
「yet」と似た意味を持つ他の表現を比較してみましょう。それぞれの違いを理解することで、より適切な表現を選べるようになります。
yetとalready
「yet」と「already」はどちらも時間に関する副詞ですが、使われる文脈と意味が異なります。
- 「yet」:主に否定文・疑問文で使われ、「まだ〜していない」「もう〜した?」の意味。
- 「already」:主に肯定文で使われ、「すでに〜した」の意味。疑問文では驚きや意外性を表す。
例文
- I haven’t eaten yet. (私はまだ食べていません。)
I have already eaten. (私はすでに食べました。) - Have you finished yet? (もう終わりましたか?)
Have you finished already? (もう終わったのですか?驚いている)
yetとanymore/any longer
「yet」と「anymore」「any longer」はどちらも時間に関する副詞ですが、表す時間の方向性が異なります。
- 「yet」:「まだ〜していない」という、何かがこれから起こる可能性を示す。
- 「anymore」「any longer」:「もう〜しない」という、過去には起こっていたが今は起こらないことを示す。
例文
- I haven’t seen that movie yet. (私はまだその映画を見ていません。)
- I don’t watch TV anymore. (私はもうテレビを見ません。)
「yet」に関するよくある質問
- 「yet」と「still」の違いは何ですか?
-
「yet」は主に否定文や疑問文で使われ、「まだ〜していない」「もう〜した?」という意味を表します。一方、「still」は主に肯定文で使われ、「まだ〜している」という継続的な状態を表します。簡単に言えば、「yet」は「何かがまだ起こっていない」状態を表し、「still」は「何かが継続して起こっている」状態を表します。
- 「yet」は文のどこに置くべきですか?
-
副詞としての「yet」は通常、文の最後に置かれます。特に否定文や疑問文では、この位置が一般的です。ただし、フォーマルな文では、否定語(not)の直後に「yet」を置くこともあります。接続詞としての「yet」は、接続する二つの節の間に置かれます。
- 「yet」と「already」の違いは何ですか?
-
「yet」は主に否定文や疑問文で使われ、「まだ〜していない」「もう〜した?」という意味を表します。一方、「already」は主に肯定文で使われ、「すでに〜した」という意味を表します。また、「already」を疑問文で使うと、「もう〜したの?(予想より早くて驚いている)」というニュアンスになります。
- 「yet」を含む一般的な表現はありますか?
-
「yet」を含む一般的な表現には、「not yet」(まだ〜ない)、「as yet」(今のところは)、「yet another」(さらにもう一つの)、「the best is yet to come」(最高のことはこれからやってくる)などがあります。
- 「have yet to do」とはどういう意味ですか?
-
「have yet to do」は「まだ〜していない」という意味の表現です。例えば、「I have yet to visit Paris」は「私はまだパリを訪れていません」という意味になります。この表現は肯定文の形ですが、意味としては否定的なニュアンスを持ちます。
まとめ

この記事では、英語の「yet」の意味と使い方について詳しく解説してきました。「yet」は日本語の「まだ」「もう」「しかし」などに相当する単語ですが、文脈によって使い方が異なります。
以下が今回学んだ主なポイントです。
- 「yet」は副詞と接続詞の2つの品詞として機能する。
- 副詞としての「yet」は主に否定文と疑問文で使われ、「まだ〜していない」「もう〜した?」という意味を表す。
- 接続詞としての「yet」は「しかし」「それにもかかわらず」という意味で使われる。
- 「yet」と「still」は似ているが、「yet」は「何かがまだ起こっていない」状態を表し、「still」は「何かが継続して起こっている」状態を表す。
- 「yet」を含む一般的な表現には、「not yet」「as yet」「yet another」「the best is yet to come」などがある。
- 「yet」は通常、文の最後に置かれる。
- 「have yet to do」という表現は「まだ〜していない」という意味である。
英語の「yet」は日常会話でよく使われる便利な単語です。この記事を参考に、適切な場面で正しく使えるようになりましょう。
英語の学習は一朝一夕にはいきませんが、一つ一つの単語や表現をしっかり理解していくことで、着実に上達していきます。