「be known as」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では「〜として知られている」「〜と呼ばれている」「〜という名前で知られている」などと訳されます。
シンプルな表現ですが、類似表現である「be known for」や「be known to be」と混同されがちです。
この記事では「be known as」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「be known as」の基本的な意味
「be known as」の基本的な意味は「〜として知られている」「〜と呼ばれている」です。
これは主に、ある人や物がどのような名前、称号、または身分として認識されているかを示す表現です。
例文
- Tokyo is known as the capital of Japan.
(東京は日本の首都として知られています。) - He is known as one of the best chefs in the city.
(彼はその都市の最高のシェフの一人として知られています。) - This building is known as the Sky Tower.
(この建物はスカイタワーとして知られています。)
「be known as」の文法と構造
「be known as」の基本的な構造は以下の通りです。
例文
- She is known as the Queen of Pop.
(彼女はポップの女王として知られています。) - They are known as the pioneers of modern jazz.
(彼らは現代ジャズの先駆者として知られています。) - This area was known as the financial district.
(この地域は金融街として知られていました。)
時制に応じて be動詞が変化することに注意しましょう。
- 現在形:am/is/are known as
- 過去形:was/were known as
- 現在完了形:have/has been known as
- 過去完了形:had been known as
- 未来形:will be known as
例文
- This region has been known as the Wine Country for centuries.
(この地域は何世紀もの間、ワイン産地として知られてきました。) - After the renovation, the stadium will be known as Metro Arena.
(改装後、そのスタジアムはメトロアリーナとして知られるでしょう。)
「be known as」と「be known for」の違い
「be known as」と「be known for」は似ていますが、重要な違いがあります。
- 「be known as」:その人や物がどのような名前や肩書きで認識されているかを示します。つまり、アイデンティティや称号に関するものです。
- 「be known for」:その人や物がどのような特徴、行動、達成や性質で認識されているかを示します。つまり、何をしたか、どのような特徴があるかに関するものです。
例文
- Einstein is known as the father of modern physics.
(アインシュタインは現代物理学の父として知られています。)- 肩書きや称号 - Einstein is known for his theory of relativity.
(アインシュタインは相対性理論で知られています。)- 功績や達成 - Kyoto is known as the ancient capital of Japan.
(京都は日本の古都として知られています。)- アイデンティティ - Kyoto is known for its beautiful temples and gardens.
(京都は美しい寺院と庭園で知られています。)- 特徴や性質
「be known as」と「be known to be」の違い
「be known as」と「be known to be」も混同されがちですが、使い方が異なります。
- 「be known as」:名前や肩書きなどの固有の識別子に関するものです。「〜として呼ばれている」という意味です。
- 「be known to be」:特定の性質や状態について知られていることを示します。「〜であることが知られている」という意味です。
例文
- He is known as the manager.
(彼はマネージャーとして知られています。)- 肩書き - He is known to be very strict.
(彼はとても厳格であることが知られています。)- 性質や特性 - This place is known as Sunset Beach.
(この場所はサンセットビーチとして知られています。)- 名前 - This place is known to be dangerous at night.
(この場所は夜は危険であることが知られています。)- 状態や性質
「be known as」の様々な使い方
人物の肩書きや通称
人の職業、役割、または通称を示す場合に使います。
例文
- She is known as the Iron Lady in political circles.
(彼女は政界では鉄の女として知られています。) - My grandfather was known as ‘Doc’ in our neighborhood.
(私の祖父は近所では「ドク」として知られていました。) - The CEO is known as a visionary leader.
(そのCEOはビジョナリーリーダーとして知られています。)
場所の名称
場所の正式名称や通称を示す場合に使います。
例文
- Paris is known as the City of Light.
(パリは光の都として知られています。) - This forest is known as the Enchanted Woods by locals.
(この森は地元の人々によって魔法の森として知られています。) - The area between these two rivers is known as the Delta Region.
(これら二つの川の間の地域はデルタ地域として知られています。)
モノや概念の呼び名
物や概念が特定の名前で呼ばれていることを示す場合に使います。
例文
- This traditional dish is known as Okonomiyaki in Japan.
(この伝統的な料理は日本ではお好み焼きとして知られています。) - The phenomenon is known as the greenhouse effect.
(その現象は温室効果として知られています。) - This period in history is known as the Renaissance.
(この歴史の時代はルネサンスとして知られています。)
「be known as」を含む表現や慣用句
「come to be known as」(〜として知られるようになる)
時間の経過と共に特定の名前や称号で認識されるようになったことを表します。
例文
- The technique eventually came to be known as the Suzuki Method.
(その技法は最終的に鈴木メソッドとして知られるようになりました。) - What started as a small gathering came to be known as the biggest music festival in the country.
(小さな集まりとして始まったものは、国内最大の音楽祭として知られるようになりました。)
「widely known as」(広く〜として知られている)
より多くの人々に特定の名前や称号で認識されていることを強調します。
例文
- She is widely known as the best violinist of her generation.
(彼女は世代最高のバイオリニストとして広く知られています。) - This region is widely known as the cradle of civilization.
(この地域は文明の揺りかごとして広く知られています。)
「better known as」(むしろ〜として知られている)
本名や正式名称よりも通称や別名の方がよく知られていることを示します。
例文
- Samuel Clemens, better known as Mark Twain, wrote many famous novels.
(サミュエル・クレメンス、よりマーク・トウェインとして知られている人は、多くの有名な小説を書きました。) - The chemical compound H₂O is better known as water.
(化学化合物H₂Oはむしろ水として知られています。)
日常会話での「be known as」の使い方
ビジネスシーンでの例
例文
- Our company is known as the industry leader in customer service.
(私たちの会社は顧客サービスの業界リーダーとして知られています。) - The project is known as “Phoenix” internally.
(そのプロジェクトは社内では「フェニックス」として知られています。) - He’s known as a problem solver in our department.
(彼は私たちの部署では問題解決者として知られています。)
学校や教育の場での例
例文
- Our school is known as the top institution for science education.
(私たちの学校は科学教育のトップ機関として知られています。) - The professor is known as a strict but fair grader.
(その教授は厳しいが公平な採点者として知られています。) - This area of study is known as linguistics.
(この研究分野は言語学として知られています。)
旅行や文化に関する例
例文
- This dish is known as paella in Spain.
(この料理はスペインではパエリアとして知られています。) - The mountain is known as Fuji-san in Japanese.
(その山は日本語では富士山として知られています。) - This dance is known as the tango in Argentina.
(このダンスはアルゼンチンではタンゴとして知られています。)
まとめ:「be known as」の使い方のポイント

「be known as」は英語で「〜として知られている」「〜と呼ばれている」という意味を持つ表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「〜として知られている」「〜と呼ばれている」です。
- 構造は「主語 + be動詞 + known as + 名詞/名詞句」です。
- 「be known for」が特徴や功績に焦点を当てるのに対し、「be known as」はアイデンティティや肩書きに焦点を当てます。
- 「be known to be」は特定の性質や状態について知られていることを示します。
- 「come to be known as」「widely known as」「better known as」などの関連表現もあります。
「be known as」をマスターすることで、英語でのアイデンティティや称号に関する表現の幅が広がります。
特に自己紹介や何かの説明をする場合など、様々な場面で活用できる便利な表現です。