「enraged」は英語の形容詞で、「激怒した」「ひどく怒った」「立腹した」という意味を持つ単語です。通常の「angry(怒っている)」よりも、さらに強い怒りの状態を表現する際に使われます。
動詞「enrage(激怒させる)」の過去分詞形が形容詞として使われているもので、日常会話や文学作品、ニュースなどでよく見かける表現です。
これから英語初学者の方に向けて、「enraged」の意味や使い方、例文などを詳しく解説していきます。
enragedとは?意味と基本情報

「enraged」は「非常に怒っている」「激怒している」「立腹している」という意味を持つ形容詞です。何かに対して非常に強い怒りを感じている状態を表し、一般的な「angry(怒っている)」よりもさらに怒りの度合いが強い場合に使われます。
この単語は動詞「enrage(激怒させる)」の過去分詞形が形容詞として使われているもので、「~によって激怒させられた状態」を意味します。英語では、このように動詞の過去分詞形が形容詞として使われることがよくあります。
「enraged」は主に以下のような文脈で使われます。
- 誰かが非常に怒っている状態を描写する時
- 何かに対して激しい怒りを感じている時
- 動物が怒って暴れている様子を表現する時
「enraged」は強い感情を表す表現であるため、日常のカジュアルな会話ではあまり頻繁に使われません。しかし、文学作品やニュース記事、映画のセリフなどでは比較的よく目にする表現です。
enragedの発音と語源
「enraged」の発音は「イン・レイジド」に近く、アクセントは「レイ」の部分に置かれます。正しい発音を身につけることで、自信を持ってこの単語を使えるようになります。
この単語の語源は、接頭辞「en-(~にする、~の状態にする)」と名詞「rage(激しい怒り)」から成り立っています。「en-」は「中に入れる」「~の状態にする」という意味を持つ接頭辞で、「rage」と組み合わさることで「怒りの状態にする」という動詞「enrage」が生まれました。その過去分詞形である「enraged」が「怒りの状態にされた」という形容詞として使われるようになったのです。
英語の学習では、単語の語源を知ることで関連語彙も理解しやすくなります。「en-」を接頭辞とする単語は他にもたくさんあり、例えば「enlarge(大きくする)」「enable(可能にする)」「encourage(勇気づける)」などがあります。これらはすべて「en-」によって「~の状態にする」という意味合いを持っています。
enragedの使い方と例文
「enraged」は主に、誰かが非常に怒っている状態を描写する際に使われます。一般的に、以下のような使い方があります。
be動詞に続けて使う
- He was enraged by her comments.(彼は彼女のコメントに激怒した)
become/get と共に使う
- She became enraged when she heard the news.(彼女はそのニュースを聞いて激怒した)
「enraged at/by/with」の形で、怒りの対象を示す
- He was enraged at the insult.(彼はその侮辱に激怒した)
- She was enraged with her brother.(彼女は兄に激怒した)
それでは、中学英語レベルの例文をいくつか見てみましょう。
例文
- The teacher was enraged by the student’s behavior.(先生は生徒の行動に激怒した)
- My father became enraged when I came home late.(父は私が遅く帰宅したとき激怒した)
- The dog was enraged and barked loudly.(その犬は激怒して大きく吠えた)
- She was enraged at his rude comment.(彼女は彼の失礼なコメントに激怒した)
- The crowd was enraged by the referee’s decision.(観衆は審判の判定に激怒した)
- He was so enraged that he could not speak.(彼はあまりにも怒っていて話すことができなかった)
- The mother was enraged when she saw her broken vase.(母は壊れた花瓶を見て激怒した)
- The customer became enraged after waiting for an hour.(お客さんは1時間待った後に激怒した)
日常会話でのenragedの使い方
日常会話では、「enraged」はややフォーマルな表現なので、カジュアルな会話では「really angry」「furious」「mad」などの表現が使われることが多いです。
しかし、強い怒りを表現したい場合や、より文学的な表現をしたい場合には「enraged」が用いられることもあります。
会話での例
- A: How did your boss react when you told him about the mistake?(ミスについて上司に伝えたとき、どんな反応でしたか?)
B: He was completely enraged. I’ve never seen him so angry before.(彼は完全に激怒していました。今までそんなに怒っている彼を見たことがありません) - A: Did you see Tom after the game?(試合後、トムを見ましたか?)
B: Yes, he was enraged by the referee’s call.(はい、彼は審判の判定に激怒していました)
文学や映画でのenragedの使われ方
文学作品や映画のセリフでは、感情の強さを表現するために「enraged」がよく使われます。特に物語の重要な場面や登場人物の激しい感情を描写する際に効果的です。
例えば、古典文学では怒りの感情を表現するための豊かな語彙が使われていますが、「enraged」もその一つです。また、ニュース記事では抗議活動や社会的な怒りを報じる際に「enraged protesters(激怒した抗議者たち)」などの表現が見られます。
文学的な例文
- The enraged king ordered the execution of the traitor.(激怒した王は裏切り者の処刑を命じた)
- The enraged bull charged at the red cape.(激怒した雄牛は赤いマントに突進した)
enragedと似た表現の違い
英語には怒りを表す表現がいくつかありますが、それぞれニュアンスが異なります。「enraged」と似た表現との違いを理解することで、より正確に感情を表現できるようになります。
angry(怒っている)
例文
- 最も一般的な「怒り」を表す表現
- 「enraged」よりも怒りの程度は低い
- 例:I am angry about your late arrival.(あなたの遅刻に怒っています)
mad(怒っている、頭にきている)
例文
- アメリカ英語でよく使われるカジュアルな表現
- 例:She was mad at her brother.(彼女は兄に怒っていた)
furious(激怒している)
例文
- 「enraged」に近い強い怒りを表す
- 例:He was furious when he found out about the lie.(彼はその嘘を知ったとき激怒した)
outraged(憤慨している)
例文
- 怒りに加えて「道徳的にショックを受けている」ニュアンスがある
- 例:The community was outraged by the scandal.(コミュニティはそのスキャンダルに憤慨した)
incensed(激怒している)
例文
- フォーマルな表現で、強い怒りを表す
- 例:She was incensed by his arrogant attitude.(彼女は彼の傲慢な態度に激怒した)
「enraged」は、これらの中でも特に強い怒りを表す表現で、「制御できないほどの怒り」や「爆発寸前の怒り」というニュアンスを持っています。
enragedと似た表現の一覧表
以下に、これらの違いを表にまとめました。
表現 | 怒りの程度 | 使用場面 | 特徴 |
---|---|---|---|
angry | 中程度 | 日常的 | 最も一般的 |
mad | 中程度 | カジュアル | 主にアメリカ英語 |
furious | 高い | やや正式 | 激しい怒り |
enraged | 非常に高い | 文学的 | 制御不能な怒り |
outraged | 高い | 公的・社会的 | 道徳的な怒り |
incensed | 高い | 正式 | 深い怒り |
enragedを使った慣用表現
「enraged」を含む慣用表現はそれほど多くありませんが、いくつか一般的な表現を紹介します。
become enraged(激怒する)
例文
- 何かがきっかけで怒り出すことを表す
- 例:He became enraged when he saw the damage.(彼はその損害を見て激怒した)
enraged bull(猛り狂った雄牛)
例文
- 特に闘牛の文脈で使われる表現
- 非常に怒っていて危険な状態の雄牛を指す
- 例:The matador faced the enraged bull bravely.(闘牛士は猛り狂った雄牛に勇敢に立ち向かった)
enraged mob(怒り狂った群衆)
例文
- 集団で激怒している人々を表す
- 例:The enraged mob stormed the building.(怒り狂った群衆はその建物に押し寄せた)
enraged customer(激怒した客)
例文
- サービスや商品に非常に不満を持っている顧客
- 例:The manager tried to calm the enraged customer.(マネージャーはその激怒した客を落ち着かせようとした)
glare with enraged eyes(怒った目でにらむ)
例文
- 激怒して目を見開いてにらむ様子
- 例:She glared at him with enraged eyes.(彼女は怒った目で彼をにらんだ)
これらの表現は、強い怒りの状態や状況を生き生きと描写するのに役立ちます。特に物語や説明文で感情を効果的に伝えたい場合に適しています。
enragedのよくある間違いと注意点
「enraged」を使う際によくある間違いや注意すべきポイントをいくつか紹介します。
発音の間違い
- 間違い:「エンレージド」と発音する
- 正しい発音:「イン・レイジド」
前置詞の使い方の混同
- 間違い:He was enraged to her.
- 正しい使い方:He was enraged with her.(彼は彼女に対して激怒していた)
- 間違い:She was enraged from the news.
- 正しい使い方:She was enraged by the news.(彼女はそのニュースに激怒した)
程度の表現の誤解
- 「enraged」は非常に強い怒りを表すため、軽い不満や苛立ちを表現する場合には使わない
- 間違い:I was enraged when the shop was closed.(お店が閉まっていて激怒した)
- より適切な表現:I was annoyed/disappointed when the shop was closed.(お店が閉まっていて苛立った/がっかりした)
「rage」と「enraged」の混同
- 「rage」は名詞で「激しい怒り」を意味し、「enraged」は形容詞で「激怒した」を意味する
- 間違い:He was in enraged.
- 正しい表現:He was enraged. または He was in a rage.
カジュアルな会話での過剰使用
- 「enraged」はやや文学的・フォーマルな表現なので、日常のカジュアルな会話では「really angry」「furious」などの表現が自然
- 不自然な例:I was enraged when my friend was late for lunch.
- より自然な表現:I was really mad when my friend was late for lunch.
「enrage」(動詞)と「enraged」(形容詞)の混同
- 間違い:His behavior enraged me yesterday.(正しい)と His behavior was enraged me.(誤り)
- 正しい使い方:His behavior enraged me.(彼の行動は私を激怒させた)または I was enraged by his behavior.(私は彼の行動に激怒した)
これらの間違いに注意することで、「enraged」をより正確に使いこなせるようになります。
特に前置詞の使い方(at, by, with)は、英語学習者がよく間違えるポイントなので、例文を参考にしながら習得することをお勧めします。
enragedに関する問題
以下に「enraged」に関する問題10問を用意しました。自分の理解度をチェックしてみましょう。
- 次の文の空欄に適切な単語を入れてください:The teacher was __ by the student’s behavior.
- 「enraged」の類義語はどれですか?
a) happy
b) furious
c) calm
d) interested - 次の文を英語に訳してください:「彼は遅刻したことに激怒した。」
- 「enraged」に適切な前置詞を入れてください:She was enraged __ his rude comment.
- 次の文は正しいですか?「He was in enraged.」
- 「enraged」の反対語はどれですか?
a) angry
b) calm
c) excited
d) sad - 次の文の空欄に適切な単語を入れてください:The protesters became __ when they heard the announcement.
- 「enraged」の動詞形は何ですか?
- 次の文を英語に訳してください:「怒った母親は息子を叱った。」
- 「enraged」はどの品詞ですか?
a) 名詞
b) 動詞
c) 形容詞
d) 副詞
「enraged」に関するよくある質問
- 「enraged」と「angry」の違いは何ですか?
-
「enraged」は「angry」よりもはるかに強い怒りを表します。「angry」は一般的な「怒り」を意味するのに対し、「enraged」は「激怒している」「怒り狂っている」という、より強烈で制御が難しい怒りの状態を表現します。日常会話では「angry」の方がよく使われ、「enraged」はより文学的な表現や極端な状況を描写する際に使われることが多いです。
- 「enraged」を使う適切な状況はどんな時ですか?
-
「enraged」は非常に強い怒りを表現したい時に使います。例えば、重大な裏切りを受けた時、大きな不正に直面した時、深刻な侮辱を受けた時などが適切な状況です。日常的な小さな不満や軽い怒りを表現する場合には、「annoyed」「irritated」「upset」などの表現の方が適切です。
- 「enraged」の発音のコツはありますか?
-
「enraged」は「イン・レイジド」と発音します。アクセントは2つ目の音節「レイ」に置きます。「rage」の部分は「レイジ」と発音し、最後の「d」は軽く発音します。「en」の部分は「イン」または「エン」と発音しますが、あまり強く発音しません。
- 「enraged」を使った自然な会話の例はありますか?
-
以下は「enraged」を使った自然な会話の例です。
A: How did the meeting go?(会議はどうでしたか?)
B: Terrible. The client was absolutely enraged when we told him about the delay.(最悪でした。遅延について伝えたとき、クライアントは完全に激怒していました)A: Did you see the news about the new policy?(新しい政策についてのニュースを見ましたか?)
B: Yes, people are enraged. There are protests all over the city.(はい、人々は激怒しています。市内中で抗議活動が行われています) - 「enraged」と一緒によく使われる表現はありますか?
-
「enraged」とよく一緒に使われる表現には以下のようなものがあります。
- completely/absolutely enraged(完全に激怒した)
- become/get enraged(激怒する)
- enraged at/by/with something(何かに激怒する)
- so enraged that…(とても激怒して~)
- look/appear enraged(激怒しているように見える)
- 「enraged」は文章のどの位置で使われることが多いですか?
-
「enraged」は主に次のような位置で使われます。
- be動詞の後ろで補語として:He was enraged.(彼は激怒していた)
- 名詞を修飾する形容詞として:The enraged customer left the store.(激怒した客はその店を出た)
- 分詞構文で:Enraged by the news, he slammed his fist on the table.(そのニュースに激怒して、彼はテーブルを拳で叩いた)
- 「enraged」は現代の会話でもよく使われますか?
-
「enraged」は現代の日常会話ではそれほど頻繁には使われず、より文学的・フォーマルな表現として認識されています。カジュアルな会話では、「really angry」「furious」「mad」などの表現が多く使われます。しかし、ニュース報道や文学作品、フォーマルな状況では「enraged」が適切に使われることがあります。
まとめ

この記事では、英語の形容詞「enraged」について詳しく解説してきました。「enraged」は「激怒した」「ひどく怒った」「立腹した」という意味を持ち、通常の「angry(怒っている)」よりもさらに強い怒りの感情を表現する際に使われる単語です。
「enraged」の使い方や意味を正しく理解することで、英語でより正確に感情を表現できるようになります。以下に、この記事で学んだ主なポイントをまとめます。
- 「enraged」は形容詞で、「激怒した」「ひどく怒った」状態を表す
- 「enrage」(動詞)の過去分詞形が形容詞として使われている
- 発音は「イン・レイジド」で、アクセントは2つ目の音節に置く
- 「enraged at/by/with」の形で怒りの対象を示す
- 「enraged」は「angry」「mad」「furious」などの類似表現よりも強い怒りを表す
- 日常会話ではやや文学的・フォーマルな表現として認識される
- 「enraged bull(猛り狂った雄牛)」「enraged mob(怒り狂った群衆)」などの表現がある
- 前置詞の使い方(at, by, with)に注意する必要がある
英語学習においては、単に単語の意味を知るだけでなく、その使い方や類似表現との違い、適切な文脈など、総合的に理解することが重要です。「enraged」のような感情を表す単語を適切に使いこなせるようになると、より豊かな表現ができるようになります。
実際の会話や文章の中で「enraged」を使ってみることで、この単語の理解をさらに深めていきましょう。強い感情を適切に表現できるようになることは、英語コミュニケーション能力の向上につながります。