英語の「except」は前置詞、接続詞、動詞として使われる単語で、主に「~を除いて」「~以外に」という意味を持ちます。日常会話や文章の中でよく使われる便利な表現で、何かを除外したい時や例外を示したい時に役立ちます。
この記事では、英語初心者の方にも理解しやすいように、「except」の基本的な意味から応用的な使い方まで、例文を交えて詳しく解説していきます。
「except」とは?基本的な意味と使い方

「except」は英語で何かを除外する際によく使われる単語です。基本的に「~を除いて」「~以外は」という意味で、全体の中から特定のものを取り出す時に使用します。日本語では「~を除いて」「~以外は」「~を除く」などと訳されることが多いです。
「except」は主に3つの品詞として使われます。前置詞、接続詞、そして動詞です。それぞれの使い方によって後ろに続く言葉が変わってきますので、基本的な使い方をしっかり押さえておくことが大切です。
英語を学ぶ初心者の方にとって、「except」は比較的使いやすい単語です。なぜなら、意味がシンプルで、基本的な文法規則に従うからです。全体から一部を除外するという概念は日常会話でもよく使われるため、実用的な表現として覚えておくと便利です。
「except」の前置詞としての使い方
前置詞としての「except」は、最も一般的な使い方です。「~を除いて」という意味で、名詞や代名詞の前に置いて使います。特に全体や無を表す語(all、every、any、no、wholeなど)と一緒に使われることが多いです。
例文
- Everyone went to the party except Tom.
(トムを除いて全員がパーティーに行きました。) - I like all fruits except bananas.
(バナナ以外のすべての果物が好きです。) - We work every day except Sunday.
(日曜日以外は毎日働きます。) - No one was late except her.
(彼女以外は誰も遅刻しませんでした。) - The whole book was interesting except the last chapter.
(最後の章を除いて、本全体が面白かったです。)
このように、「except」の後には名詞や代名詞が来ます。代名詞の場合は、主格ではなく目的格(me, you, him, her, it, us, them)を使うことに注意しましょう。
また、「except」の後には不定詞や動名詞(ing形)を置くこともあります。
例文
- He does everything around the house except cook.
(彼は料理以外のすべての家事をします。) - I enjoy all sports except swimming.
(水泳以外のすべてのスポーツを楽しみます。) - There is nothing to do except wait.
(待つこと以外にすることはありません。)
「except」の接続詞としての使い方
「except」は接続詞としても使われ、この場合「~を除いては」「~でなければ」という意味になります。特に「except that」という形で使われることが多く、一つの文を別の文に接続する役割を果たします。
例文
- I would go to the movie except that I have homework.
(宿題がなければ映画に行くのですが。) - The trip was perfect except that it rained on the last day.
(最終日に雨が降ったことを除けば、旅行は完璧でした。) - He is a good student except that he talks too much in class.
(授業中におしゃべりしすぎることを除けば、彼は良い生徒です。)
接続詞の「except」は、しばしば「ただし」「しかし」というニュアンスも含みます。前の文の内容に対する例外や制限を示す時に使われます。
例文
- I love ice cream except when I have a cold.
(風邪をひいている時を除いて、アイスクリームが大好きです。) - She always helps me except before exams.
(試験前を除いて、彼女はいつも私を手伝ってくれます。)
口語では「that」が省略されることもあります。
例文
- I would help you except I am busy now.
(今忙しいことを除けば、手伝うのですが。)
「except」の動詞としての使い方
「except」は動詞としても使われますが、これは前置詞や接続詞としての使い方と比べると頻度は低いです。動詞としての「except」は「~を除外する」「~を除く」という意味になります。
例文
- The rules except no one.
(ルールは誰も除外しません。) - We cannot except you from this duty.
(あなたをこの義務から除外することはできません。)
動詞としての「except」は主に過去分詞形「excepted」で形容詞的に使われることが多いです。
例文
- Children under 12 are excepted from this rule.
(12歳未満の子どもはこのルールから除外されます。) - Sundays excepted, the store is open every day.
(日曜日を除いて、店は毎日開いています。)
ただし、動詞としての用法は日常会話ではあまり使われず、より形式的な文脈で見られることが多いです。初心者の方は、前置詞と接続詞の使い方をマスターすることに重点を置くとよいでしょう。
「except」と「except for」の違い
「except」と「except for」はどちらも「~を除いて」という意味ですが、使い方には若干の違いがあります。初心者の方が混乱しやすいポイントなので、しっかり理解しておきましょう。
「except」と「except for」の基本的な使い分けルールは以下の通りです。
- 全体や無を表す語(all, every, any, no, whole など)の後では、どちらも使用できます。
- 文頭では「except for」のみ使用可能です。
- 前置詞や接続詞の前では「except」のみ使用可能です。
- 名詞句が続く場合は、基本的に「except for」を使います。
これらのルールを具体的な例文で見てみましょう。
全体や無を表す語の後での使用
例文
- Everyone is here except (for) John.
(ジョン以外は全員ここにいます。) - I like all fruits except (for) apples.
(リンゴ以外のすべての果物が好きです。) - He eats nothing except (for) vegetables.
(彼は野菜以外は何も食べません。)
このように、全体や無を表す語の後では「except」と「except for」はどちらも使用できます。
文頭での使用
例文
- Except for Mary, all the students passed the test.
(メアリーを除いて、すべての生徒がテストに合格しました。) - Except for weekends, I go to school every day.
(週末を除いて、私は毎日学校に行きます。)
文頭では「except for」のみ使用可能で、「except」だけでは使えません。
前置詞や接続詞の前での使用
例文
- I go to the park except on rainy days.
(雨の日を除いて、私は公園に行きます。) - She is always happy except when she is tired.
(疲れている時を除いて、彼女はいつも幸せです。)
前置詞(on, in, at など)や接続詞(when, that など)の前では「except」のみ使用可能です。「except for on rainy days」とは言いません。
名詞句が続く場合
例文
- The trip was great except for the weather.
(天気を除いて、旅行は素晴らしかったです。) - I cleaned the house except for the kitchen.
(キッチン以外の家を掃除しました。)
名詞句が続く場合、特に全体や無を表す語がない時は、基本的に「except for」を使います。
「except」を含む表現と使い方
「except」を含むさまざまな表現がありますので、ここでは代表的なものを紹介します。
「except to do / except doing」の使い方
「except」の後に不定詞や動名詞を続けることができます。これは「~すること以外は」という意味になります。
例文
- He never calls me except to ask for money.
(彼はお金を借りる時以外に私に電話をかけることはありません。) - I don’t like any sports except playing tennis.
(テニスをすること以外のスポーツは好きではありません。) - There is nothing to do except watch TV.
(テレビを見る以外にすることはありません。)
「except + 前置詞/接続詞」の使い方
「except」の後に前置詞や接続詞を続けることもできます。
例文
- I work every day except on Sundays.
(日曜日を除いて毎日働きます。) - She helps everyone except when she is busy.
(忙しい時を除いて、彼女は皆を手伝います。) - The park is open all year except during winter.
(冬の間を除いて、公園は一年中開いています。) - We can meet any day except after 8 PM.
(午後8時以降を除いて、いつでも会うことができます。)
「except (that)」の使い方
「except (that)」は接続詞として使われ、一つの文を別の文に接続します。2つの主な使い方があります。
「~ということを除けば」の意味
- I like my new job except that I have to commute for an hour.
(1時間通勤しなければならないことを除けば、新しい仕事が気に入っています。) - The party was fun except that there was not enough food.
(食べ物が十分でなかったことを除けば、パーティーは楽しかったです。)
「しかし~」の意味
- I was going to call you except that I lost my phone.
(電話をかけるつもりでしたが、携帯を無くしてしまいました。) - He would have come except that he was sick.
(彼は病気でなければ来たでしょう。)
口語では「that」が省略されることもあります。
例文
- I like the book except it is too long.
(本が長すぎることを除けば、その本が好きです。)
「except」のよくある間違いと注意点
「except」を使う際によくある間違いと注意点をいくつか紹介します。
代名詞の形を間違える
「except」の後に代名詞を使う場合、主格(I, he, she, we, they)ではなく目的格(me, him, her, us, them)を使う必要があります。
× Everyone went to the party except he.
○ Everyone went to the party except him.
(彼を除いて全員がパーティーに行きました。)
「except」と「except for」の使い分けを間違える
前述のルールに従って、適切な方を選ぶ必要があります。特に文頭や前置詞の前では注意が必要です。
× Except Tom, everyone came to the meeting.
○ Except for Tom, everyone came to the meeting.
(トムを除いて、全員がミーティングに来ました。)
× I go to school except for on Sundays.
○ I go to school except on Sundays.
(日曜日を除いて、私は学校に行きます。)
「except」と「accept」を混同する
「except(~を除いて)」と「accept(受け入れる)」は発音が似ていますが、意味と使い方は全く異なります。スペルと意味をしっかり区別しましょう。
× I accept John, everyone is here.
○ Except for John, everyone is here.
(ジョンを除いて、全員ここにいます。)
動詞としての「except」を過剰に使用する
動詞としての「except」は日常会話ではあまり使われません。通常は「exclude」や「leave out」などの表現が好まれます。
× We excepted him from the team.
○ We excluded him from the team.
(私たちは彼をチームから除外しました。)
前置詞の「except」と接続詞の「except」を混同する
前置詞の「except」の後には名詞や代名詞が続き、接続詞の「except」の後には節(主語+動詞)が続きます。
× Everyone is ready except we need more time.
○ Everyone is ready except that we need more time.
(もっと時間が必要であることを除けば、全員準備ができています。)
「expect」と「except」を混同する
「expect(期待する)」と「except(除く)」も混同されやすい単語です。スペルと意味の違いに注意しましょう。
× I expect you, everyone must attend the meeting.
○ Except for you, everyone must attend the meeting.
(あなたを除いて、全員がミーティングに出席しなければなりません。)
「except」と「except for」の使い分け表
「except」と「except for」の使い分けをより分かりやすくするために、以下の表にまとめました。
状況 | except | except for |
---|---|---|
全体や無を表す語(all, every, any, no など)の後 | ○ | ○ |
文頭 | × | ○ |
前置詞や接続詞の前 | ○ | × |
名詞句が続く場合(全体や無を表す語がない時) | △ | ○ |
目的格の代名詞が続く場合 | ○ | ○ |
この表を参考に、「except」と「except for」を適切に使い分けましょう。
「except」に関する問題
ここでは「except」の使い方を確認するための問題を10問用意しました。自分の理解度をチェックしてみましょう。
- Everyone ( ) Tom went to the beach yesterday.
a) except b) except for c) excepting d) 両方a, b - ( ) on weekends, I study every day.
a) Except b) Except for c) Excepting d) Only except - I like all subjects ( ) math.
a) except b) except for c) excepting d) 両方a, b - He works every day ( ) Sunday.
a) except b) except for c) excepting d) 両方a, b - I would come to your party ( ) I have to work.
a) except b) except for c) except that d) excepting - She eats everything ( ) vegetables.
a) except b) except for c) excepting d) 両方a, b - The concert was wonderful ( ) the music was too loud.
a) except b) except for c) except that d) excepting - I enjoy all sports ( ) swimming.
a) except b) except for c) excepting d) 両方a, b - ( ) when it rains, we have PE class outside.
a) Except b) Except for c) Except that d) Excepting - There is nothing to do ( ) wait.
a) except b) except for c) except to d) excepting
「except」に関するよくある質問
- 「except」と「besides」の違いは何ですか?
-
「except」は「~を除いて」という意味で、何かを除外する際に使います。一方、「besides」は「~に加えて」という意味で、何かを追加する際に使います。
- Everyone except Tom went to the party.(トムを除いて全員がパーティーに行きました。)
- Besides English, I can speak Japanese.(英語に加えて、私は日本語を話せます。)
- 「except」と「except for」は同じ意味ですか?
-
基本的には同じ「~を除いて」という意味ですが、使われる状況によって使い分けが必要です。全体や無を表す語の後ではどちらも使えますが、文頭では「except for」のみ、前置詞や接続詞の前では「except」のみ使用可能です。
- 「except」の後に動詞を使うことはできますか?
-
「except」の後に直接動詞の原形を置くことはできませんが、不定詞(to do)や動名詞(doing)の形であれば使うことができます。また、「except」が接続詞として「except (that)」の形で使われる場合は、その後に節(主語+動詞)を続けることができます。
- There is nothing to do except watch TV.(テレビを見る以外にすることはありません。)
- I enjoy all activities except swimming.(水泳以外のすべての活動を楽しみます。)
- I would help you except that I am busy.(忙しいことを除けば、手伝うのですが。)
- 「except」の代わりに使える表現はありますか?
-
「except」の代わりに使える表現としては、「apart from」「other than」「excluding」「with the exception of」などがあります。状況によって最も自然な表現を選ぶとよいでしょう。
- Everyone apart from Tom came to the party.(トム以外の全員がパーティーに来ました。)
- I like all fruits other than bananas.(バナナ以外のすべての果物が好きです。)
- The store is open every day, excluding Sundays.(店は日曜日を除いて毎日開いています。)
- With the exception of math, I enjoy all subjects.(数学を除いて、すべての科目を楽しんでいます。)
- 「except」を使った日常的な表現はありますか?
-
「except」を使った日常的な表現としては、以下のようなものがあります。
- Except for you(あなた以外は)
- All except one(一つを除いてすべて)
- Everyone except me(私以外の全員)
- Except when necessary(必要な時を除いて)
- No one except the manager(マネージャー以外は誰も)
これらの表現は日常会話でよく使われますので、覚えておくと便利です。
まとめ

この記事では、英語の「except」の意味と使い方について詳しく解説しました。「except」は「~を除いて」「~以外は」という基本的な意味を持ち、前置詞、接続詞、動詞として様々な使い方があります。
初心者の方が特に覚えておくべきポイントは以下の通りです。
- 「except」は主に「~を除いて」「~以外は」という意味で使われる
- 前置詞として名詞や代名詞の前に置いて使う(except Tom)
- 接続詞として文と文をつなぐ(except that it rained)
- 「except」と「except for」の使い分けに注意する
- 文頭では「except for」、前置詞や接続詞の前では「except」を使う
- 代名詞を使う場合は目的格(me, him, her など)を使う
- 「except」は「accept」や「expect」と混同しないよう注意する
- 動詞としての「except」は日常会話ではあまり使われない
英語学習において「except」は基本的で重要な表現です。日常会話や文章の中で何かを除外したり、例外を示したりする際に役立ちます。この記事で紹介した例文や使い方を参考に、ぜひ実際の会話の中で「except」を使ってみてください。
正しく使えるようになれば、より自然な英語表現ができるようになるでしょう。